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公開日:2020.4.17  更新日:2020.4.24

後遺障害認定を受けるまでの流れや非該当となった場合の対処法を解説

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事

まず後遺障害とは、交通事故との因果関係のある後遺症であり、労働能力の低下を伴うものと整理されます。後遺障害については、自動車損害賠償保障法の下で各認定に区分されています。

 

具体的には、後遺障害は1~14の等級に分けられ、1級に近づくほど症状が重く、14級に近づくほど症状が軽いと整理されています。後遺障害と認められれば、加害者に対しては傷病の治療についての賠償金とは別に、後遺障害についての賠償金も請求することができます。

 

このような後遺障害の認定機関は、加害者側が自賠責保険に加入していればその自賠責保険がこれを行いますが、民事訴訟手続きを通じて裁判所が行うこともあります。このような形で後遺障害として認定を受けなければ、加害者側に後遺症に関して賠償金を求めることは難しいのが実情です。

 

この記事では、自賠責に対して後遺障害等級の認定審査を行うことを念頭に、手続きの流れや非該当となった場合の対処法などを解説します。

 

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各等級の症状と後遺障害等級の認定基準

ここでは後遺障害の各等級の症状と、それぞれの認定基準をご紹介します。また一覧を見ても、自身の症状に該当するものがない場合でも、弁護士への相談で適切な等級を獲得できる可能性があります。ここにないからとあきらめず、一度ご相談ください。

 

クリック(タップ)で等級に飛べます

第1級

第2級

第3級

第4級

第5級

第6級

第7級

第8級

第9級

第10級

第11級

第12級

第13級

第14級

 

 

なお事故の後遺障害は1つだけとは限りません。3本以上歯が折れ、瞼が欠損してしまい、視力も0.2以下に低下してしまうなど、複数の後遺障害等級に該当する可能性もあります。そのような場合は、重い方の等級を引き上げるなどのルールがあります。このような後遺障害が複数生じている場合の処理方法は以下のとおりです。

 

併合の認定ルール

ルール1

第5級以上に該当する後遺障害が2つ以上ある場合、最も重い等級を3つあげる

ルール2

第8級以上に該当する後遺障害が2つ以上ある場合、最も重い等級を2つあげる

ルール3

第13級以上に該当する後遺障害が2つ以上ある場合、最も重い等級を1つあげる

ルール4

第14級の後遺障害が2つ以上ある場合は、いくつあっても第14級

後遺障害等級第1級

第1等級に該当する症状

1号

両眼が失明したもの

2号

咀嚼及び言語の機能を廃したもの

3号

両上肢をひじ関節以上で失ったもの

4号

両上肢の用を全廃したもの

5号

両下肢をひざ関節以上で失ったもの

6号

両下肢の用を全廃したもの

 

上記のうち、言語機能を廃したものとしては、以下の発音のうち3種類以上の発音ができない場合がこれに該当するとされています。

 

  • 口唇音:ま行、ぱ行、ば行、わ行、ふ
  • 歯舌音:な行、た行、だ行、ら行、さ行、しゅ、ざ行、じゅ
  • 口蓋音:か行、が行、や行、ひ、にゅ、ぎゅ、ん
  • 咽頭音:は行

 

【詳細記事】後遺障害等級1級に認定される症状と獲得出来る慰謝料まとめ

後遺障害等級第2級

第2等級に該当する症状

1号

一眼が失明し、他眼の視力が〇・〇二以下になったもの

2号

両眼の視力が〇・〇二以下になったもの

3号

両上肢を手関節以上で失ったもの

4号

両下肢を足関節以上で失ったもの

 

1~4以外にも、脳へのダメージによる性格変化や意識障害、重度の記銘力の欠如・低下など、感情や記憶などに関する障害も含まれます。

 

1級との分岐点は「常に介護が必要」か「食事や排便など生理現象のサポートに介護が必要」のどちらに該当するかです。前者の場合は1級と認定されやすく、後者・生理現象のサポートに介護が必要な場合は2級に認定されやすいとされています。

 

【詳細記事】後遺障害等級第2級の症状と認定を受けられる後遺症の具体例

後遺障害等級第3級

第3等級に該当する症状

1号

一眼が失明し、他眼の視力が〇・〇六以下になったもの

2号

咀嚼又は言語の機能を廃したもの

3号

神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの

4号

胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの

5号

両手の手指の全部を失ったもの

 

【詳細記事】後遺障害等級第3級の症状と認定を受けられる後遺症の具体例​

後遺障害等級第4級

第4等級に該当する症状

1号

両眼の視力が〇・〇六以下になったもの

2号

咀嚼及び言語の機能に著しい障害を残すもの

3号

両耳の聴力を全く失ったもの

4号

一上肢をひじ関節以上で失ったもの

5号

一下肢をひざ関節以上で失ったもの

6号

両手の手指の全部の用を廃したもの

7号

両足をリスフラン関節(足の甲)以上で失ったもの

 

4級の「言語機能に著しい障害を残すもの」は、以下の言葉のうち、2種類の発音ができない症状を指します。

 

  • 口唇音:ま行、ぱ行、ば行、わ行、ふ
  • 歯舌音:な行、た行、だ行、ら行、さ行、しゅ、ざ行、じゅ
  • 口蓋音:か行、が行、や行、ひ、にゅ、ぎゅ、ん
  • 咽頭音:は行

 

【詳細記事】後遺障害4級に認定される症状と適切な等級を獲得する方法

後遺障害等級第5級

第5等級に該当する症状

1号

一眼が失明し、他眼の視力が〇・一以下になったもの

2号

神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの

3号

胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの

4号

一上肢を手関節以上で失ったもの

5号

一下肢を足関節以上で失ったもの

6号

一上肢の用を全廃したもの

7号

一下肢の用を全廃したもの

8号

両足の足指の全部を失ったもの

 

【詳細記事】後遺障害等級5級を獲得できる症状と慰謝料を増額させる方法

後遺障害等級第6級

第6等級に該当する症状

1号

両眼の視力が〇・一以下になったもの

2号

咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの

3号

両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの

4号

一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの

5号

脊柱に著しい変形又は運動障害を残すもの

6号

一上肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの

7号

一下肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの

8号

一手の五の手指又はおや指を含み四の手指を失ったもの

 

【詳細記事】後遺障害等級6級に認定される症状と獲得できる慰謝料

後遺障害等級第7級

第7等級に該当する症状

1号

一眼が失明し、他眼の視力が〇・六以下になったもの

2号

両耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの

3号

一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの

4号

神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの

5号

胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの

6号

一手のおや指を含み三の手指を失つたもの又はおや指以外の四の手指を失ったもの

7号

一手の五の手指又はおや指を含み四の手指の用を廃したもの

8号

一足をリスフラン関節以上で失ったもの

9号

一上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの

10号

一下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの

11号

両足の足指の全部の用を廃したもの

12号

外貌に著しい醜状を残すもの

13号

両側の睾丸を失つたもの

 

12号の「外貌に著しい醜状を残す」とは、以下のような症状を指します。

 

  • 頭に手の平以上のサイズの傷跡や頭蓋骨の欠損が残ったもの
  • 顔に鶏の卵サイズ以上の傷跡、10円玉サイズ以上の窪みが残ったもの
  • 首に手の平サイズ以上の傷跡が残ったもの
  • 耳の軟骨部分が2分の1以上欠けたもの
  • 鼻の軟骨部の全部または大部分が欠損したもの など

 

【詳細記事】後遺障害等級7級の慰謝料と認定される症状まとめ

後遺障害等級第8級

第8等級に該当する症状

1号

一眼が失明し、又は一眼の視力が〇・〇二以下になったもの

2号

脊柱に運動障害を残すもの

3号

一手のおや指を含み二の手指を失つたもの又はおや指以外の三の手指を失ったもの

4号

一手のおや指を含み三の手指の用を廃したもの又はおや指以外の四の手指の用を廃したもの

5号

一下肢を五センチメートル以上短縮したもの

6号

一上肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの

7号

一下肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの

8号

一上肢に偽関節を残すもの

9号

一下肢に偽関節を残すもの

10号

一足の足指の全部を失ったもの

 

両目に半盲症が残ったり、軽度の学習障害が発生したりした場合、8級に該当する可能性があります。

 

【詳細記事】後遺障害等級8級に認定される症状|慰謝料増額の方法まとめ

後遺障害等級第9級

第9等級に該当する症状

1号

両眼の視力が〇・六以下になったもの

2号

一眼の視力が〇・〇六以下になったもの

3号

両眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの

4号

両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの

5号

鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの

6号

咀嚼及び言語の機能に障害を残すもの

7号

両耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの

8号

一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、他耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの

9号

一耳の聴力を全く失ったもの

10号

神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの

11号

胸腹部臓器の機能に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの

12号

一手のおや指又はおや指以外の二の手指を失ったもの

13号

一手のおや指を含み二の手指の用を廃したもの又はおや指以外の三の手指の用を廃したもの

14号

一足の第一の足指を含み二以上の足指を失ったもの

15号

一足の足指の全部の用を廃したもの

16号

外貌に相当程度の醜状を残すもの

17号

生殖器に著しい障害を残すもの

 

「服することができる労務が相当な程度に制限される」障害とは、以下のようなものを指します。

 

  • 軽度の高次脳機能障害
  • 脳の損傷による、歩行障害や文字が書けない、など
  • 事故が原因で発症した「うつ病」
  • 肺機能の低下
  • ペースメーカーを要するほどの心臓機能の低下
  • 消化器系の機能低下による一定の食事制限や食後のめまい
  • 立ち仕事を制限される程度のヘルニア
  • 泌尿器系に重い障害が残った

 

【詳細記事】後遺障害等級9級の症状と慰謝料の相場・増額方法まとめ​

後遺障害等級第10級

第10等級に該当する症状

1号

一眼の視力が〇・一以下になったもの

2号

正面を見た場合に複視の症状を残すもの

3号

咀嚼又は言語の機能に障害を残すもの

4号

十四歯以上に対し歯科補綴を加えたもの

5号

両耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの

6号

一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの

7号

一手のおや指又はおや指以外の二の手指の用を廃したもの

8号

一下肢を三センチメートル以上短縮したもの

9号

一足の第一の足指又は他の四の足指を失ったもの

10号

一上肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの

11号

一下肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの

 

3号の「言語の機能に障害を残すもの」とは、下記の言葉のいずれか1種類が発音できなくなった場合です。

 

  • 口唇音:ま行、ぱ行、ば行、わ行、ふ
  • 歯舌音:な行、た行、だ行、ら行、さ行、しゅ、ざ行、じゅ
  • 口蓋音:か行、が行、や行、ひ、にゅ、ぎゅ、ん
  • 咽頭音:は行

 

また「咀嚼」に関して具体的な基準はありませんが、柔らかいモノは食べられるが、せんべいなど「歯ごたえがある食材」は食べられない程度のものとされています。

 

【詳細記事】後遺障害等級10級となる症状と慰謝料の相場

後遺障害等級第11級

第11等級に該当する症状

1号

両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの

2号

両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの

3号

一眼のまぶたに著しい欠損を残すもの

4号

十歯以上に対し歯科補綴を加えたもの

5号

両耳の聴力が一メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの

6号

一耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの

7号

脊柱に変形を残すもの

8号

一手のひとさし指、なか指又はくすり指を失つたもの

9号

一足の第一の足指を含み二以上の足指の用を廃したもの

10号

胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障があるもの

 

【詳細記事】後遺障害等級11級の症状と正当な等級を獲得する手順

後遺障害等級第12級

第12等級に該当する症状

1号

一眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの

2号

一眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの

3号

七歯以上に対し歯科補綴を加えたもの

4号

一耳の耳殻の大部分を欠損したもの

5号

鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの

6号

一上肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの

7号

一下肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの

8号

長管骨に変形を残すもの

9号

一手のこ指を失つたもの

10号

一手のひとさし指、なか指又はくすり指の用を廃したもの

11号

一足の第二の足指を失つたもの、第二の足指を含み二の足指を失つたもの又は第三の足指以下の三の足指を失つたもの

12号

一足の第一の足指又は他の四の足指の用を廃したもの

13号

局部に頑固な神経症状を残すもの

14号

外貌に醜状を残すもの

 

12級の13号は「例えば、MRIなどの画像で神経損傷などの他覚的所見が認められるような神経症状をいいます。

 

【詳細記事】後遺障害等級12級の適切な慰謝料を獲得する7つの知識

後遺障害等級第13級

第13等級に該当する症状

1号

一眼の視力が〇・六以下になったもの

2号

正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの

3号

一眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの

4号

両眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの

5号

五歯以上に対し歯科補綴を加えたもの

6号

一手のこ指の用を廃したもの

7号

一手のおや指の指骨の一部を失ったもの

8号

一下肢を一センチメートル以上短縮したもの

9号

一足の第三の足指以下の一又は二の足指を失ったもの

10号

一足の第二の足指の用を廃したもの、第二の足指を含み二の足指の用を廃したもの又は第三の足指以下の三の足指の用を廃したもの

11号

胸腹部臓器の機能に障害を残すもの

 

11号の「胸腹部臓器の機能に障害を残すもの」には、以下のようなものが該当します。

 

  • 胃を切除した
  • 胆嚢、脾臓、腎臓を失った
  • 睾丸や卵巣の片方が失われた など

 

【詳細記事】後遺障害等級13級となる症状と獲得できる慰謝料の相場

後遺障害等級第14級

第14等級に該当する症状

1号

一眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの

2号

三歯以上に対し歯科補綴を加えたもの

3号

一耳の聴力が一メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの

4号

上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの

5号

下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの

6号

一手のおや指以外の手指の指骨の一部を失つたもの

7号

一手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの

8号

一足の第三の足指以下の一又は二の足指の用を廃したもの

9号

局部に神経症状を残すもの

 

9号の「局部に神経症状を残すもの」には、他覚所見が認められないものの、一定の神経症状が慢性的に生じていることが客観的に認められるような場合に認定される可能性があります。

 

また、高次脳機能障害の軽度なものについても、この後遺障害と認められる余地があります。高次脳機能障害は未解明の部分も多い症状ではありますが、一般的には以下のような症状があるとされています。事故後にミスが増えたり、周囲が違和感を覚えたりするようであれば、一度病院で診てもらった方が良いかもしれません。

 

高次脳機能障害の代表的な症状

  • 記憶障害:覚える・思い出すことが難しくなる障害
  • 注意障害:注意力が散漫になり集中力が低下する障害
  • 社会的行動障害:感情のコントロールが難しくなる障害
  • 遂行機能障害:物事の計画が立てづらくなる障害
  • 失語症・失行症:言葉や日常動作に支障が出る障害
  • 病識欠如:自身の体に対する変化に気が付きづらくなる障害
  • 失認症:1つの感覚を通じて対象物を認知しづらくなる障害

 

【詳細記事】後遺障害14級の慰謝料相場と慰謝料獲得の手順​

後遺障害認定の申請方法

自賠責に対して後遺障害認定を申請する方法には、事前認定被害者請求の2通りがあります。簡単にいうと、相手保険会社に申請を行ってもらうか、被害者自身が行うかです。それぞれにメリット・デメリットがありますので、見ていきましょう。

 

事前認定

事前認定の場合、細かい申請手続きは相手保険会社が行います。したがって被害者のやることは、後遺障害診断書を医師に書いてもらって、相手保険会社に送るだけです。

 

手間が省けて楽ではありますが、相手保険会社は手続的に必要最低限の処理しかしないのが通常であり、認定されるための積極的な活動は期待できません。そのため、認定のための資料が足りないとして後遺障害の等級が認められないことも想定されます。

 

事前認定のメリット

事前認定のデメリット

  • 後遺障害診断書を医師に書いてもらうのみ
  • 保険会社に全部任せられるので手間がかからない
  • 余計な書類を用意する必要もない
  • 後遺障害認定のための積極的な資料提出は行われない

被害者請求

被害者請求の場合、被害者が申請に必要となるすべての書類を作成・準備して、自賠責保険に提出します。自身ですべての書類を用意する手間はかかりますが、事前認定と異なり、後遺障害認定を基礎づける資料に十分と自身で思える資料を提出することができます。そのため、事前認定よりも納得感が得られやすいといえます。

 

もちろん、自身でこれを行うことが面倒と思うのであれば、弁護士に処理を一任することもできます。そのため、後遺障害認定の申請を被害者請求で行いたいが、自身で行うには不安があるという場合には、弁護士に依頼して申請手続きを代行してもらうことを積極的に検討するべきでしょう。

 

被害者請求のメリット

被害者請求のデメリット

  • 後遺障害等級の認定のために十分な資料を提出することができる
  • 後遺障害と認定された場合、自賠責保険から一定の補償金を支払ってもらえる
  • 自分でやるので状況が把握しやすい
  • 必要書類を全て自分で用意する必要があるので煩雑

 

申請時に必要な書類

参考として、被害者請求を行う際の必要書類としては以下のような資料が挙げられます。被害者請求の場合には、これら資料に加えて、後遺障害に該当することを裏付けるような資料(例えばカルテ等)も追加で提出することができます。

 

必要書類

入手先

交通事故証明書

自動車安全センターまたは相手保険会社

保険金・損害賠償の請求書

自賠責保険会社または相手保険会社

請求者の印鑑証明証

市町村の役場

事故発生状況報告書

自賠責保険会社

休業損害証明証(仕事を休んで休業損害が発生した場合)

勤務先の会社または相手保険会社

診断書(事故発生〜症状固定まで)

病院

後遺障害診断書

病院

後遺障害認定を受けるまでの流れ

ここでは、後遺障害認定申請の手続の流れについて解説していきます。

①症状固定となる

後遺障害の認定を行うか否かを判断するに当たり、まずは傷病について「症状固定」であると認められる必要があります。症状固定とは「治療を続けてもこれ以上は症状が良くならない」という状態のことをいいます。

 

症状固定といえるかどうかは、症状の有無・内容・程度を医師に伝えつつ、今後の治療の見通しを確認しながら判断するべきでしょう。

②医師に後遺障害診断書を作成してもらう

症状固定であるとされた時点で一定の後遺症が認められる場合には、担当医に対し、後遺障害診断書の作成を依頼してください。事前認定であれ、被害者請求であれ、後遺障害認定の申請を行うためには後遺障害診断書が必要となります。継続的に診察している担当医であれば、拒否されることはまずありません。

 

後遺障害診断書は通常は1~2週間もあれば作成されます。また作成された後遺障害診断書は通常は患者本人に交付されますが、患者側が希望すれば保険会社に直接交付することもあります。実際の処理については作成を依頼する医師に確認するのが早いと思われます。

 

医師に診断書作成を頼む際のポイント

後遺障害認定は書面のみで判断され、後遺障害診断書は重要な考慮対象となります。そのため、後遺障害診断書はできる限り内容に不備のないものを用意したいところです。もし、交付された後遺障害診断書に不備があると感じた場合、担当医に内容の修正や補充を依頼することは、おかしいことではありません。

 

ただし知識のない素人にとっては、後遺障害診断書に不備があるのかどうか、不備があるとしてどのように修正すればよいのかは、普通わかりません。そのため、不安がある場合には、後遺障害診断書の内容を弁護士に確認してもらい、弁護士を通じて医師に修正を依頼してもらうということは実務的にあり得る対応と思われます。

③事前認定または被害者請求にて後遺障害申請する

後遺障害認定の申請方法」で解説したように、自賠責保険に対しては事前認定または被害者請求にて申請手続きを行います。

 

事前認定であれば後遺障害診断書を相手保険会社に渡して終了となりますが、被害者請求の場合は後遺障害診断書以外の必要書類をすべて収集したのち、自ら自賠責保険に提出することになります。

④認定結果が通知される

申請後は、自賠責保険から自賠責調査事務所に資料が回送され、調査事務所で審査が行われます。審査後は後遺障害等級に該当するかどうか、該当するとしてどの等級に該当するかについて自賠責保険から結果が通知されます。

 

なお、いずれの等級にも該当しない場合は「非該当」との旨が通知されます。通知までにかかる期間としては、通常は、申請後およそ1~3ヶ月程度というところでしょう。

後遺障害認定で非該当になり納得がいかない場合の対処法

後遺障害認定において「非該当」と判断されるには何らかの原因があり、例を挙げると以下があります。

 

  • 後遺障害認定を裏付ける医学的所見に乏しい
  • 自覚症状を裏付ける客観的な所見に乏しい
  • 将来においても回復が困難と見込まれる障害とは捉えがたい
  • 画像上は外傷性の異常所見は認められない
  • 事故受傷との相当因果関係は認めがたい

 

一度非該当となったからといって、二度と認定が受けられないというわけではありませんので、すぐに諦めるのは早いかもしれません。もし認定結果に納得がいかない場合は、以下の手段を検討しても良いでしょう。

異議申し立てを行う

異議申し立てとは、申請手続きを経て審査を受けたものについて、もう一度審査するよう求める手続きのことを呼びます。なお手続きに回数制限はありませんので、何度でも行うことが可能です。

 

ただし、単に審査をし直すことを求めたところで、基本的に判断は覆りません。この場合は、審査に疑義があることを示す新たな資料などを準備・提出する必要があるでしょう。

自賠責保険・共済紛争処理機構に申請する

自賠責保険・共済紛争処理機構では、後遺障害申請の認定結果に関するトラブルについて、解決のためのサポートを行っています。

 

機構に申請することで調停を開いてもらえますので、そこで主張が認められた場合には等級認定が望めます。ただし申請回数には限りがあり1回のみとなりますので注意しましょう。

裁判を起こす

後遺障害が自賠責保険で認定されなくても、裁判所はこの判断には当然には拘束されません。そのため、自賠責保険で認定が得られなくても、加害者に対して民事訴訟を提起して、訴訟手続の中で後遺障害の存在について的確に主張・立証をすることで、後遺障害と認定される可能性があります。

 

しかし、拘束されないといっても、自賠責保険が後遺障害と認定しなかったことは裁判所も重視しますので、このような主張・立証は容易ではありません。したがって、素人だけでは手続きを遂行することは現実的に不可能と思われますので、弁護士のサポートが必要不可欠と言えるでしょう。

後遺障害認定が受けられた際に請求できる賠償金

後遺障害として等級認定された場合、賠償金として以下のような項目を請求することができます。それぞれ確認していきましょう。

後遺障害慰謝料

まず慰謝料には、以下のように「慰謝料の金額を決める3つの計算基準」がありますので知っておきましょう。その中でも高額なのが、過去の判例を元に算出する「弁護士基準」です。

 

交通事故慰謝料の計算基準

自賠責基準

自賠責保険で用いる計算基準

任意保険基準

保険会社がそれぞれ独自で定める計算基準

弁護士基準

裁判所の過去の判例などをもとにした計算基準

 

後遺障害慰謝料は等級が高いほど金額も高額になり、各計算基準の相場としては以下の通りです。なお任意保険基準については各保険会社で計算方法が異なりますので、あくまでも推定額となります。

 

等級

自賠責基準

任意保険基準(推定)

弁護士基準

第1級

1,100万円

1,600万円程度

2,800万円

第2級

958万円

1,300万円程度

2,370万円

第3級

829万円

1,100万円程度

1,990万円

第4級

712万円

900万円程度

1,670万円

第5級

599万円

750万円程度

1,400万円

第6級

498万円

600万円程度

1,180万円

第7級

409万円

500万円程度

1,000万円

第8級

324万円

400万円程度

830万円

第9級

245万円

300万円程度

690万円

第10級

187万円

200万円程度

550万円

第11級

135万円

150万円程度

420万円

第12級

93万円

100万円程度

290万円

第13級

57万円

60万円程度

180万円

第14級

32万円

40万円程度

110万円

後遺障害逸失利益

後遺障害逸失利益とは、後遺障害が残ったことで労働能力が落ちてしまい、将来得られるはずだった収入が受け取れなくなったことに対する損害のことを呼びます。以下のように、被害者の収入や後遺障害等級などをもとに算出されます。

 

後遺障害逸失利益=基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数

※基礎収入:事故前の被害者の年収

※労働能力喪失率:後遺障害による労働能力喪失の割合をパーセンテージで表したもの

※ライプニッツ係数:将来付与分の利息を割り引く際の係数

交通事故で後遺障害が残った場合は弁護士への相談がおすすめ

交通事故においては弁護士に依頼することで、さまざまなサポートが受けられます。場合によっては賠償金の増額なども見込めますので、まずは一度相談してみましょう。

後遺障害の認定処理がスムーズとなる

弁護士には等級認定のために必要な手続きを依頼できますので、依頼後は弁護士からの報告を待つだけで済みます。被害者の症状に応じてどのような資料が必要か判断してもらい、書類収集などの対応も代行してもらえますので、依頼者側の負担はかなり軽減されます。

 

また弁護士に対して異議申し立てを依頼し、改めて資料を精査してもらって手続きをやり直すことで判断が覆ることもあり得ます。すでに非該当の通知を受けた方も、まずは等級認定が受けられる可能性は残っているかどうか弁護士に相談してみることをおすすめします。

補償額が増える可能性が高い

後遺障害認定が受けられた際に請求できる賠償金」でも解説したように、慰謝料を多く受け取るには弁護士基準での請求が有効です。十分な法律知識をもつ弁護士であれば、弁護士基準での請求対応を代わってもらえますので、慰謝料の増額が期待できます。

 

また事故で入通院している場合、加害者に対しては「入通院慰謝料」を請求することもできます。こちらも後遺障害慰謝料と同様に3種類の計算基準があり、弁護士基準で請求することで、以下のように多くの慰謝料を受け取れる可能性があります。

 

通院期間

自賠責基準(※1)

任意保険基準(推定)

弁護士基準(※2)

1ヶ月間

8万4,000円

12万6,000円

28(19)万円

2ヶ月間

16万8,000円

25万2,000円

52(36)万円

3ヶ月間

25万2,000円

37万8,000円

73(53)万円

4ヶ月間

33万6,000円

47万8,000円

90(67) 万円

5ヶ月間

42万円

56万8,000円

105(79) 万円

6ヶ月間

50万4,000円

64万2,000円

116(89) 万円

※1:1ヶ月あたりの通院日数を10日と仮定

※2:()内はむちうち等の他覚症状がない負傷の慰謝料

まとめ

後遺障害等級の認定が受けられれば、加害者から後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益など後遺症に関する別途の賠償金を受け取れるようになります。場合によっては、認定の有無によって賠償金に数百万円もの差が生じることもあり得ますので、記事内で紹介したように適切に申請手続きを済ませることが大切です。

 

なお申請時は事前認定の方が楽ではありますが、もし相手保険会社と揉めてしまった場合には、その後の示談交渉でも揉めてしまう可能性が高くなります。「トラブルなくスムーズに申請手続きを済ませて等級認定を受けたい」という方は、弁護士への依頼を検討することをおすすめします。

 

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事は交通事故弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※交通事故弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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