事故の状況
被害者が信号のない丁字路の交差点をバイクで走行中、加害者の自動車が対向車線から右折してきて衝突した事故です。
その結果
①鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨、または骨盤骨に顕著な変形
②上肢の3つの主要な関節のうち1つに重大な機能障害
③上肢の3つの主要な関節のうち1つの機能が完全に失われた
④1つの手の5本の指、または親指を含む4本の指の機能が完全に失われた
などの著しい関節障害が起こってしまいました。
依頼内容
約4年の治療を経て、症状が固定されたタイミングで、後遺障害等級の認定を受けた後の賠償交渉をお願いしたいとのことで、弊所にご相談いただきました。
対応と結果
ご相談の時点では、後遺障害の申請が保険会社を通じて進められているため、等級認定後の賠償交渉のみを希望されていました。
しかし、申請時のサポートが適切な等級認定に繋がることから、申請から賠償交渉まで一貫して弊所が対応することにしました。
まず、症状固定までの診断書や病院での検査結果を詳細に確認し、被害者様の症状に該当する等級とその認定要件を整理しました。
その後、後遺障害診断書の内容と要件を照らし合わせ、不足している部分がないか丁寧に確認しました。
特に腕神経叢損傷については、神経の損傷箇所やその程度を客観的に証明することが重要と考え、この点を重点的に検討し、主治医に追記を依頼しました。その結果、弊所の予想通り、併合5級が認定されました。
保険会社との賠償交渉において最も争点となる逸失利益については、被害者様が事故当時30歳未満の若年労働者であったため、事故当時の収入を上回る収入を得る可能性を主張しました。
算出時の基礎年収は賃金センサスの全年齢平均を用い、労働能力喪失期間は最大の67歳まで主張しました。その結果、裁判基準満額の約7200万円を獲得することができました。また、その他の損害についても裁判基準満額が認定され、総額9000万円を得ることができました。
併合5級という重い障害が残る案件でしたが、等級認定の通知から示談まで約3ヶ月で早期解決を図ることができました。