事故の状況
夜間人通りがない横断歩道がない道路を渡っていたときに、衝突した事案
依頼内容
治療段階からサポートしてきましたが後遺障害が9級というため、異議申立てをしました。
対応と結果
高次脳機能障害は、その症状の特性上、被害者ご自身が異変に気づきにくいことがあります。記憶力の低下、集中力の散漫、些細なことでイライラしやすくなる、味覚・嗅覚の異常など、事故後にこれらの症状にお悩みの方は、高次脳機能障害の可能性を疑う必要があります。
当事務所は、このケースにおいて、以下の点を重視して交渉を進めました。
高次脳機能障害の早期発見と専門医による診断の重要性: 多くの患者様が、高次脳機能障害の症状と同一の症状を発しているにもかかわらず、それが高次脳機能障害であることを自覚しないまま苦しんでいらっしゃいます。当事務所は、事故により頭部を強く打撲された方に対し、早期に専門の病院で検査を受けることの重要性を強く提唱しています。
症状と因果関係の明確な立証: 高次脳機能障害は、客観的な証拠が集まりにくいケースも少なくありません。当事務所は、医師の診断書、検査結果、ご家族からの聞き取りなど、あらゆる情報を精査し、事故と高次脳機能障害の因果関係、そして症状の重篤性を明確に立証しました。
将来にわたる影響の適正な評価: 高次脳機能障害は、日常生活や社会生活に長期的な影響を及ぼす可能性があります。逸失利益だけでなく、将来の介護費用や精神的苦痛に対する慰謝料など、被害者の方が将来にわたって直面するであろう困難を予測し、その損害を適正に評価するよう主張しました。
その上で、医学的知見を用いて、後遺障害を7級に変更することが認められ、最終的には3400万円超で合意することができました。
高次脳機能障害の事案は、その専門性と複雑さから、弁護士の経験と知識が特に問われます。外見からは分かりにくい障害であるため、被害者の方の苦しみが周囲に理解されにくいことも少なくありません。
もし交通事故で頭部を強く打ち、その後、ご紹介したような症状にお悩みでしたら、まずは専門の医療機関を受診し、同時に交通事故に詳しい弁護士にご相談ください。早期に専門家が介入することで、適切な診断と治療、そして適正な後遺障害等級の認定、ひいては正当な賠償金の獲得に繋がります。
当事務所は、高次脳機能障害のような専門性の高い事案についても、被害者の方に寄り添い、全力でサポートいたします。