事故の状況
被害者男性は、新聞配達中に原付バイクで交差点を右折中、対向車線を直進してきた自動二輪車にひかれ、お亡くなりになられました。
依頼内容
通常の右折対直進の事故では、直進車が優先であるため右折車の過失が大きくなります。しかし本件は直進加害者の速度が制限速度である時速50km/hを大幅にオーバーする時速100km/h以上で走行していたため、過失は加害者側の方が大きくなるはずです。
ところが、保険会社は被害者ご遺族に対し、違反していた速度は10~30km/h のため、右折していた被害者の方が過失が大きくなる事や、被害者のヘルメット装着方法が不適切と主張し、自賠責保険金額以上の支払を拒否しました。これに納得できないご遺族がご相談に来られました。
対応と結果
リンクスの弁護士はご遺族と協議し、損害賠償金の支払いを求めて裁判を起こしました。
この事件では、警察が直進車速度を時速100km/hを超えていると鑑定していましが、捜査機関から提出された資料には鑑定結果だけが記されており、速度計算の根拠は示されていなかったのです。
保険会社側の弁護士はこれに付け込んで、警察の鑑定は速度計算の過程が示されていない、ずさんなもので信用に値しないと主張。独自の鑑定書を裁判で提出しました。
リンクスの弁護士は、直進車の速度が時速100km/h 超だった事の根拠を明らかにする資料を収集。加害者の直進二輪車は、被害者の原付と衝突後に後輪が浮いたままで数メートル走行するほどの高速で進行していた直進車の落ち度が大きい事故だったと明らかにしました。
そして、被害者男性は20代でした。若くしてご子息を亡くした両親の精神的苦痛は計り知れない事、結婚を前提に交際していた女性が居た事を説明し、両親の慰謝料認定や交際女性が扶養を受ける利益を失ったこと(逸失利益の増額)を主張。これらの損害賠償を求めました。
結果的に裁判所は、こちらの言い分を認め、加害者の過失の方が大きい事、両親の慰謝料と逸失利益の増額が認められ、自賠責保険金を含む5000万円超の賠償を認めました。