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公開日:2018.5.11  更新日:2020.10.29
交通事故の責任 弁護士監修記事

煽り運転への仕返し急ブレーキは違反行為

「あおり運転の仕返しに急ブレーキを踏んで驚かせてやった!」このような話をネット上ではよく見かけます。しかし、どんな理由があったとしても、突然の急ブレーキは事故を誘発する可能性が高い非常に危険な行為です。

また、相手だけでなくご自身も危険にさらされる可能性がありますし、事故について、民事・刑事・行政の各責任を問われるおそれもあります。そのため、このような行為はリスクが高いだけで何のメリットもありません。

この記事では、あおり運転への仕返しに急ブレーキを踏んで事故を起こしてしまった場合の責任、運転中にあおられた際の正しい対処法についてご紹介します。急ブレーキが原因による事故の過失割合を確認したいという人も参考にしてください。

あおり運転の仕返し目的での急ブレーキは違反行為

追突事故の場合、追突された車両の運転者には事故の責任が生じないのが通常です。後方車両には前方車両が急停止しても対応できる車間距離を保つ義務があるからです。そのため、前方車両が急ブレーキを踏んだというだけで、ただちに何らかの責任が生じるものではありません。

しかし、上記はあくまで危険を回避するためやむなく急ブレーキを踏んだ場合を想定しています。正当な理由のない急ブレーキは道路交通法で禁じられており、あおられたことに対する仕返し目的で急ブレーキを踏む行為は違反、かつ大変危険な行為です。したがって、これが原因で追突事故が発生すれば、前方車両にも何らかの責任が発生する可能性が高いです。

車両等の運転者は、危険を防止するためやむを得ない場合を除き、その車両を急に停止させ、又はその速度を急激に減ずることとなるような急ブレーキをかけてはならない。

【引用】道路交通法第二十四条

例えば、行政・刑事の責任として、上記の法律に違反するような急ブレーキについては、行政罰としては『違反点数2点』・『5,000~9,000円の反則金』、刑事罰としては『3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金』の罰則が科される可能性があります。

正当な理由のない急ブレーキで事故を起こした場合の過失割合

正当な理由のない急ブレーキによって追突事故が発生した場合、前方の車両にも過失があるとして、民事的な損害賠償責任を問われる可能性があります。

この過失の程度は事故現場が一般道路か高速道路かによっても変わってきます。以下では急ブレーキによる事故の過失割合の目安をご紹介します。

一般道路での事故の場合

一般道路での急ブレーキ違反による追突事故の過失割合は『前方車両30:後方車両70』が目安です。前方車両の急ブレーキ違反が事故の原因でも、そもそも後方車両が車間距離を保っていれば衝突しません。ですので、後方車両の過失の方が大きくなります。

ただし、上記の罰則に加えて損害賠償の3割を自己負担しなくてはいけなくなるので、前方車両の責任も決して軽いとはいえないでしょう。

高速道路での事故の場合

高速道路での急ブレーキ違反による追突事故の過失割合は『前方車両50:後方車両50』が目安です。高速道路上では停車・駐車は認められていません。前の車が急ブレーキを踏むのは基本的に危険回避をする状況しかありえないので、その点が考慮されて一般道路よりも前方車両の過失が大きくなっています。

なお、追い越し車線上で急ブレーキ違反による事故を起した場合には、さらに前方車両の過失が大きくなる場合もあります。

急ブレーキが許される状況とは

急ブレーキが許されるのは危険回避のためにやむを得ない状況ですが、具体的にどんな状況が該当するのか判断しづらいのではないでしょうか。そこで具体例をいくつかご紹介します。

急ブレーキを踏んでも責任を問われない状況

  • 子供が飛び出してきた(道端を歩いているなど飛び出してくる恐れのある状況も含む)
  • ネコやタヌキなど動物が飛び出してきた
  • 前方の車が車線変更で突然割り込んできた
  • 道路上に障害物が転がっていた
  • 悪天候による影響で前方が急に見えなくなった

基本的には急ブレーキを踏まないと事故が起きる可能性がある状況であれば、急ブレーキを踏んで事故を起こしても責任を問われることはありません。逆に運転中に足下にスマホを落としたからといった、事故の回避と関係ない理由での急ブレーキの場合は、責任を問われる可能性が出てくるでしょう。

あおり運転への正しい対処法

運転中に後方車両からあおられたときの最善の対処法は、相手にせずに道を譲ることです。もしスピードを落として道を譲ろうとしてもあおり続けてくる場合には、車を一時停止してやり過ごすようにしてください。大半のあおり運転ドライバーはそれで満足して立ち去ってくれるでしょう。

あおり運転をする人は好戦的である場合が多いので、腹が立ったからと停止中に怒鳴ったりあおり返したりしてしまうと、自分の身に危害がおよぶ重大事件に発展する恐れがあります。大人の対応でやり過ごすのが最も安全です。

ただ、「我慢するだけでは納得できない。」という場合もあるかもしれません。そういった場合にはナンバーを控えておき、ドライブレコーダーの記録と共に警察へ通報することで、法的な罰則を科してもらうことをおすすめします。

まとめ

あおり運転への仕返し目的での急ブレーキは道路交通法違反です。前方車両の立場であったとしても追突事故の責任は負うことになりますし、何より自分の身に危険がおよぶので絶対に行ってはいけません。

なお、あおり運転をした者への罰則やあおり運転の具体例など、詳細が気になる場合には以下の記事も併せてお読みください。あおり運転の対策に役立てば幸いです。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
編集部

本記事は交通事故弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※交通事故弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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