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高速道路事故の実態|事故はなぜ起こる?原因とトラブルの対処法
高速道路には信号機がなく歩行者もいません。そのため、一般の道路と比べたら運転しやすい環境のはずなのですが、2016(平成28)年には年間で約9,000件以上の交通事故が発生しています。
<高速道路の事故件数推移>
2012年 |
2013年 |
2014年 |
2015年 |
2016年 |
11,299件 |
11,520件 |
10,202件 |
9,842件 |
9,198件 |
インターネットではリアルタイムで高速道路の事故状況が確認できるサービスも展開されています。また、ニュースでも高速道路での事故が話題にあがることは珍しくありません。一体どうして、高速道路ではこんなに交通事故が発生し続けているのでしょうか。
そこで、この記事では高速道路で事故が起こる原因や、ドライバーが気をつけるべきことについてご紹介します。これから高速道路を走るのに不安を感じている場合には、安全運転のための予備知識として、お役立ていただければ幸いです。
交通事故はさまざまな要因によって引き起こされるものですが、主に以下の4つの要因で発生するケースが多いです。
高速道路を走行中に、車のパンクやエンストなどのトラブルが発生し、車を停止させている最中に事故に巻き込まれてしまう。特に休日にしか運転をしないサンデードライバーが引き起こしやすい事故原因です。
日常では車に触れる機会があまり多くないため、車の整備が行きわたっておらず、さらに運転慣れしていないからトラブルの対処法もわからない。高速道路で車が動かなくてパニックに陥ってしまい、そこへ後方車がそのまま衝突してしまうケースがよくみられます。
高速道路では道路上に自動車部品類や木材類など、大きな障害物が落ちていることがたまにあります。その落下物に乗り上げたりよけ損なったことで、事故が発生する原因になるケースも多いです。
高速道路の落下物 |
|
プラスチック・布・ビニール類 |
約114,800件 |
自動車部品類(タイヤを含む) |
約39,400件 |
木材類 |
約39,600件 |
ロードキル(轢かれた野性動物) |
約49,900件 |
その他 |
約119,900件 |
なお、落下物が原因で事故が発生した場合には、落下物を落とした運転者の過失が大きくなります。ただ、事故を起こした運転者も、多少の過失は問われることになるので注意しましょう。
高速道路は通常の道路よりもスピードを出して走行するので、当然いつもよりも制動距離(ブレーキを踏んでから停止するまでの距離)が長くなります。そのため、前方の車両との適切な距離が保てずに、追突事故が発生してしまうケースが多いです。
高速道路は曲がり道が少なく単調な運転になりがちです。ですので、集中力の低下により、前方の車がスピードを緩めていることや停止したことに気がつくのが遅れて、ブレーキが間に合わず追突事故が引き起こされます。
あおり運転から事故に発展して、夫婦2人が亡くなった『東名夫婦死亡事故』が2015年6月に話題になりました。このような、危険運転に巻き込まれて事故に遭ってしまうケースも珍しくありません。
他にも飲酒運転・速度違反・逆走など、危険運転が原因となって起こる交通事故は多いです。これは高速道路に限ったものではないかもしれませんが、ご自身の周囲を走る車の挙動がおかしいと感じる場合には、警戒をして距離を置いたほうが安心でしょう。
次に高速道路でトラブルが生じた際にとるべき対処法を3つ順に紹介します。
まずは車を路肩によせて、同乗者と共に車外の安全な場所に避難しましょう。また、停止する際は周囲の車にトラブルが発生している様子がわかるよう、ハザードランプをつけながらゆっくり減速して停止するようにしてください(急ブレーキは後方車両に追突される恐れがあるのでなるべく避ける)。
トンネル内や、路肩が極端に狭い場所でトラブルが発生した場合は、走行が可能な状態であれば、できるだけ広いところに着くまで走ってから停止してください。また、ガードレールがある場合には、その外側に避難して身の安全を確保するとよいでしょう。
車を停止させて身の安全を確保できたら、次は二次災害の発生を防ぐために、停止表示板と発煙筒の設置を行いましょう。周囲の状況を十分に注意しつつ、停止させた車両の50m後方(雨や見通しの悪い状況の場合はさらに後方)に設置をして、後方車両の運転者に、前方で車が停止していることがわかる状態にしてください。
ただ、車が燃料漏れを起こしている場合やトンネル内で停止している場合は、発煙筒を使用しなくて大丈夫です。逆に別のトラブルの原因となる恐れがあるので、停止表示板だけを設置して安全地帯に避難しましょう。
停止表示板と発煙筒を設置して安全地帯に避難したら、次は電話で通報をして、トラブルの周知・救助の要請を行いましょう。警察(110番)もしくは道路緊急ダイヤル(#9910)で高速道路のトラブルに対応してもらえます。
なお、走行中に障害物や危険車両などを見かけた場合にも、道路緊急ダイヤル(#9910)への報告が有効です。道路上のトラブルが発覚すれば、電光掲示板で運転者にその情報が提示されます。それによって他の車両が事故を起こさないよう注意を促すことができます。
電話で警察や保険会社に連絡をした後、加害者側とその場で示談を済ませないことも重要です。怪我をしている場合、示談をその場で済ませてしまうと、あとで予想以上に高額な治療費がかかっても、加害者側に請求できない可能性があります。
また、当事者双方に過失のある交通事故の場合、最終的な補償額は、当事者双方の過失割合により変動します。過失割合は事故の内容(事故態様)から客観的に決まるものです。
ですが、この割合で後日揉めるということもあり得ます。そのため、交通事故の被害に遭った場合は、相手の連絡先を聞くだけに留めておきましょう。後日落ち着いてから示談交渉に臨むのが、被害者が損をしないポイントです。
【関連記事】交通事故で示談交渉するタイミングとその流れ|有利に交渉を進める知識
最後に高速道路で事故を起こさないために、運転者が事前にできる防止策を3つご紹介します。
車の整備は日々行うことですが、高速道路では一般道路よりも車を停止させた際のリスクが大きいです。ですので、特に念入りに点検を行っておくべきでしょう。少なくとも以下の6点は必ず事前確認をするようにしてください。
特に過去1ヶ月以内に一度も点検をしていない場合には、車の状態を注意して確認した方がよいかと思われます。また、日常で運転の機会が少なく、ご自身での点検に自信がない場合には、ディーラーや業者への依頼も検討されてみることをおすすめします。
最近では、インターネットにより高速道路の状況(渋滞・事故)を確認できるサービスが多数あります。例えば、『Yahoo!道路交通法情報』を利用すれば、各都道府県の高速道路の交通状況をリアルタイムで調べることが可能です。
事前に走行予定の高速道路の状況を把握しておけば、前方で起きているトラブルに動揺して事故を引き起こすリスクを低減できるでしょう。なお、高速道路内にある電光掲示板にも渋滞・トラブル情報が表示されるので、見かけた場合は必ず内容をチェックしておくことをおすすめします。
上記の『あおり運転・逆走などの危険運転の被害』でも少し触れましたが、高速道路ではドライバー間のいざこざで事故に発展するケースも珍しくありません。特に最近では、あおり運転が原因での事故がよく取り上げられているのでご注意ください。
もしも周囲の車両から迷惑行為を受けた場合には、決して反発せずに、速度を緩める、または車線変更をしてやり過ごしましょう。また、それでも振り切れないほどしつこく粘着されて危険を感じた場合には、路肩に車を停止させて身の安全をすぐ確保するようにしてください。
高速道路で事故が起こる原因はさまざまですが、事故に発展するのは、そのトラブルにうまく対処できなかったケースが非常に多いです。もし高速道路を走行中に身の危険を感じた場合には、以下の3つの手順で素早く対処していきましょう。
高速道路は便利な反面、事故を起こせば被害が大きくなりやすいです。一般道路を運転するとき以上に、安全運転を心がけてください。
出典元一覧 |
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