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警備員の誘導で事故発生!責任は運転手と警備員のどちらにある?

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公開日:2018.3.27  更新日:2020.7.7
交通事故の責任 弁護士監修記事

警備員の誘導で事故発生!責任は運転手と警備員のどちらにある?

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「早く行って!」そんな仕草で誘導棒を慌ただしくふる警備員はたまに見かけますが、何も確認せずに誘導を鵜呑みにして運転するのは危険です。

 

人間にミスはつきもの。警備員の行う誘導がいつも正しいとは限りません。不運が重なれば事故の原因となる可能性も十分にあるでしょう。

 

ただ、警備員の誘導ミスによって事故が起きてしまった場合、運転手と警備員どちらが責任を負うことになるのか疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。この記事では警備員の誘導による責任の所在について紹介します。

警備員の誘導よりも道路交通法が優先

法律上では警備員は民間企業に勤める一般人として扱われるため、道路上で特別な権限が与えられているわけではありません。警備員の業務規程である『警備業法』でもしっかりと明記されています。

 

警備業者及び警備員は、警備業務を行うに当たつては、この法律により特別に権限を与えられているものでないことに留意するとともに、他人の権利及び自由を侵害し、又は個人若しくは団体の正当な活動に干渉してはならない。

【引用】警備業法15条

 

したがって、道路上では警備員の誘導よりも信号機・標識などの道路交通法による指示を優先する必要があります。

 

警備員の誘導はあくまで運転手へのお願いです。基本的には周囲の状況に合わせて指示に従った方が安全な場合が多いですが、道路交通法を無視しているなど明らかに誘導が不適切である場合には、無理に従う必要はないでしょう。

 

事故責任の大半は運転手が負わなければいけない

警備員の誘導が原因で事故が生じたとしても、その誘導に従うかどうかを判断したのは運転手になるので、基本的に事故の責任は運転手が負うことになります

 

上記の通り、警備員の誘導には法的な強制力はありません。そのため、誘導に従って事故を起こしてしまったとしても、運転手が最低限必要な安全確認を怠っているような場合は運転手の過失であると判断される可能性が高いと思われます。

 

もっとも、誘導員が危険を認識していたまたは容易に認識できるはずだったのに、これを無視して漫然と危険が生じるような誘導を行っていた場合は、誘導員にも一定の過失が認められる可能性があります。しかし、この場合でも事故の原因すべてを誘導員に帰責することは難しいでしょう。

 

過去に警備員の誘導による事故で警備員にも責任はあると判決が下された例もありますが、それでも20~30%の過失の負担しかされていないので、基本的には運転手が責任の大半を背負うことになります。

 

警備員と警察官の誘導の違い

ここまで警備員の誘導は必ずしも従う必要はないと紹介しましたが、警察の誘導に関しては強制力があるので、その点は誤解しないよう注意しましょう。

 

運転手は警察の誘導には必ず従わなければいけません。信号機の信号と警察の誘導では警察の方が優先です。

 

道路を通行する歩行者又は車両等は、信号機の表示する信号又は 警察官等の手信号等(前条第1項後段の場合においては、 当該手信号等)に従わなければならない。

【引用】道路交通法第7条

 

ちなみに、警察の手信号を無視した場合には『違反点数2点の加算』と『小型特殊:5,000円、普通車:6,000円、大型車:7,000円の反則金』の罰則が課されます。明らかな誘導ミスをされているという状況でない限りは、基本的には素直に従うようにしましょう。

 

誘導に頼り切って運転をするのは危険

警察官は交通に関する長期間の研修を経ているプロですが、警備員は数週間の研修で誰でもなれてしまうため、警備員の経験によって誘導の信頼度が大きく変わります。

 

警備員の誘導を鵜呑みにしても無視しても、事故を起こせばどちらも運転手の責任になることがほとんどです。何も考えずに従えば取り返しのつかない事故を起こしてしまう可能性も十分にあるので、必ず誘導に従う前にご自身でも確認することを習慣づけましょう。

 

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事はベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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