事故の状況
ご依頼者様がバイクを運転していたところ、バイクに追突されて負傷した事故です。
依頼内容
ご依頼者様が当初、緊急搬送された病院で「打ち身」と診断されたものの、別の病院でMRIなどの精密検査を受けたところ、腰椎粉砕骨折と診断され、後遺症が残る可能性を指摘されたケースです。これは、医療過誤との複合事案である可能性が高いと判断され、今後の対応についてご相談をいただきました。その後、後遺障害等級8級が認定されたことから、当職にご依頼いただくことになりました。
対応と結果
この事案は、医療過誤が疑われる交通事故の複合事案でした。通常、共同不法行為として、加害者または病院のどちらか一方に全損害額を請求できるため、通常の交通事故と同様に、加害者へ請求することで問題ないことをご説明しました。その後、交通事故における一般的なアドバイスを一通り行いました。
ご依頼者様は弁護士特約に未加入でしたので、弁護士に依頼するメリットとデメリットを説明しました。費用の点については、保険会社からの提案後にその内容を持参して再度ご相談いただければ、増額の見込みなどをより明確にお伝えでき、弁護士費用倒れのリスクはない旨を説明し、初回の相談を終えました。
半年後、後遺障害等級8級が認定され、保険会社からの示談案を持参して再相談にいらっしゃいました。この時点で、1,500万円以上の増額が見込めることをご説明し、正式に受任しました。
裁判基準で再請求を行ったところ、保険会社から約1,300万円増額された約4,900万円の再提案がありました。しかし、後遺障害慰謝料が裁判所基準の8割に留まっており、この点について保険会社が譲らなかったため、提訴に至りました。
最終的には、通院慰謝料120万円、逸失利益4,366万円、後遺障害慰謝料830万円を含む総額5,406万円から相手方既払分88万円を控除した5,318万円で早期の和解が成立しました。
通常、裁判で判決となった場合、事故日から年5%の遅延損害金や、損害額の1割の弁護士費用が認められますが、和解の場合は事案によってこれらの額の一部が調整金として加算されることがあります。本件の和解案は、遅延損害金や弁護士費用は含まれていないものの、その他の点についてはほぼこちらの主張が認められる内容でした。また、ご依頼者様に減収がなかったため、裁判が長期化して逸失利益が争われると、和解案の水準より金額が減額される可能性がありました。これらの状況と、ご依頼者様が早期解決を望んでいたことから、早期の和解で終了することが最善と判断しました。