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車をぶつけた時の対処法と修理代の相場・罰則について

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公開日:2020.7.7  更新日:2022.3.15
交通事故の責任 弁護士監修記事

車をぶつけた時の対処法と修理代の相場・罰則について

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交通事故の示談交渉で、保険会社の話を鵜呑みにしてしまうのは危険な場合があります。保険会社は営利企業です。会社の利益を増やすためには、支出(被害者に支払う保険金)を抑えようと考える社員も残念ながら存在します。

運悪くそのような社員が担当者になると、不利な条件で示談が成立させられてしまう可能性も否定できません。しかし、交通事故被害者の大半は、示談交渉の経験などないでしょう。どんなふうに保険会社の担当者と交渉すればよいのか、不安に感じる人も多いのではないでしょうか。

そこで、この記事では交通事故で適正な保険金を獲得するための、示談交渉のコツと基礎知識をお伝えします。今後の保険金請求の手続きに不安がある場合には、ぜひ参考にしてみてください。

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交通事故で被害者自身が交渉する必要がある状況

基本的には交通事故の示談交渉はご自身が加入している保険会社に代行してもらえます。ですが、主に以下のいずれかの状況に該当する場合は、被害者自身が加害者の保険会社と示談交渉に臨む必要があります。

 

  • 過失割合が『10:0』で事故の責任がない
  • 任意(車)保険に加入していない

 

過失割合が10:0の場合

過失割合が『10:0』では、保険会社から示談を代行してもらえません。なぜなら、保険会社(被害者側)が損害賠償を何も負担する必要がないからです。この状態で示談を代行してしまうと、非弁行為として扱われます。非弁行為とは、弁護士資格を持たない者が弁護士業務を行う法律違反を意味します。

 

任意保険に加入していない場合

ご自身が任意保険に未加入の場合も、当然ですが被害者が自ら加害者の保険会社と交渉しないといけません。もしご自身で示談交渉に臨む場合には、示談交渉がはじまる前に、示談の基礎知識・注意点を確認しておくべきでしょう。

 

保険会社と示談交渉にのぞむ際の心得・注意点

交通事故の示談を成功させるための心得・注意点を5つ紹介します。被害者の立場で自ら示談交渉に臨む場合は、必ず確認しておきましょう。

 

保険会社の担当者を必要以上に恐れない

加害者側の保険会社の担当は、交通事故での示談のプロです。何をいわれるのか不安に思う事もあるかもしれませんが、保険会社が代理を務める時点で賠償金が確保できることは確実です。ですので、全く賠償金が支払われないことはありません。もっと気楽に構えておきましょう。

 

示談交渉を開始するのは治療終了・症状固定の後で

交通事故の示談交渉は、病院の担当医から負傷の完治または症状固定(これ以上の回復は見込めない状態)の診断を受けてから開始してください。一度示談が成立してしまうと、その後の通院・治療費用や慰謝料などの請求は認められなくなってしまうからです。

 

医師の診断前に保険会社から示談交渉を促されるケースもありますが、その場で安易に判断してはいけません。担当医に相談して、治療がまだ必要だと判断される状態なら、絶対に応じないようにしましょう。

 

示談交渉の際は冷静さを忘れない

何事においても冷静さは重要です。プロの保険会社の担当に「いいように言いくるめられないか?」という不安から、つい感情的になってしまうかもしれません。
 
相手は示談のプロです。こちらが怒りをぶつけたところで状況が好転することはまずありません。無駄なパワーをつかっても余計なストレスを抱えるだけですので、何を言われても冷静に対処しましょう。
 

示談の内容に不満があれば絶対に承諾しない

もし保険会社からかなり低い金額を提示されたら、安易に合意してはいけません。示談に合意してしまった場合、その金額が示談金として認められてしまいます。

交通事故の8割は示談での解決です。保険会社の示談内容に不満があることもあるでしょう。彼らも営利組織ですので、自社から出て行くお金はできるだけ少なくしたいと思ってしまいます。もしも内容に納得できないなら、安易に応じないようにしましょう。

 

損害賠償請求には3年の時効がある

交通事故の損害賠償請求には損害と加害者を知ってから3年(ひき逃げの場合は最長でも事故から20年)の時効があります。この期限を過ぎると損害賠償は消滅して、示談交渉もできなくなってしまうのでご注意ください。

 

時効がはじまる通常のタイミング

物損事故

交通事故発生の翌日より起算

人身事故

交通事故発生の翌日より起算

後遺障害

症状固定の翌日より起算

死亡事故

被害者死亡の翌日より起算

 

交通事故の損害賠償請求で時効を過ぎるケースは稀です。ですが、いつまでも示談交渉を拒否し続けていると、あり得ないこともないでしょう。治療終了または症状固定を迎えて準備が整ったら、なるべく早めに、示談交渉を開始されることをおすすめします。

 

保険会社の代行サービスも安心とは限らない

保険会社の代行サービスを利用できる場合でも、保険会社にすべてを任せきりにしてはいけません。保険会社同士のつながりから癒着が生じて、適正な示談交渉が行われないケースもあるからです。特に被害者と加害者が同じ会社の保険に加入している場合、その傾向が表れやすくなるといわれています。

 

もしも保険会社から伝えられた示談の内容を見て不審な点があれば、そのまま受け入れず、なぜそうなっているのかを必ず確認するようにしましょう。

 

保険金が少なく、説明を聞いても納得がいかない場合には、弁護士の法律相談を利用してみてください。示談する内容が本当に正しいのか、専門家に確認してもらうことをおすすめします。

 

交通事故の示談交渉は弁護士に依頼するのがベスト

ここまで示談交渉のコツをお伝えしてきましたが、交通事故の示談の成功率を高めたいのなら、弁護士への依頼がベストな対処法です。交通事故分野に詳しい弁護士なら、保険会社の担当者に誤魔化される心配なく、適正な金額の示談金を請求できるでしょう。

 

なお、交通事故の慰謝料は、弁護士に依頼すると保険会社の基準でなく判例(過去の裁判記録)を基に算出できます。それによって慰謝料が増額されやすいという大きなメリットもあります。

 

被害状況

自賠責基準

弁護士基準

6ヶ月間の通院をした場合の慰謝料相場(※)

50.4万円

116万円

14等級の後遺症を負った場合の慰謝料相場

32万円

110万円

一家の大黒柱が亡くなった場合の慰謝料相場(※)

1,100万円

2,800万円

 

※1ヶ月の通院日数を10日間で計算

※相続人は死亡者の扶養者1人のみで計算

 

ほかにも後遺障害の認定手続きや、平日の日中にかかってくる保険会社の電話対応など、交通事故対応の手続きの大半を弁護士に任せられます。肉体的にも精神的にも、事故被害の負担は大きく軽減されるでしょう。

 

弁護士費用と依頼をするべきかの判断基準

弁護士費用は事務所によって異なります。ですので、一概にいくらとは紹介できませんが、以下の金額が、弁護士に交通事故の示談交渉を依頼する際の相場額であるといわれています。

 

<弁護士費用の相場>

  • 着手金:10〜20万円
  • 報酬金:経済的利益の10〜20%

 

弁護士に依頼するかの判断は、弁護士に依頼して増額できる示談金と弁護士費用を差し引いた収支がプラスになるかどうかで判断するとよいでしょう。通院が6ヶ月近く長引いていたり、後遺障害がかかわったりする状態だと、収支がプラスになる可能性が高いです。まずは法律相談で見積もりを出してもらうことをおすすめします。

 

なお、ご自身か同居する家族が加入している任意保険に『弁護士費用特約』が付属している場合には、保険会社から弁護士費用を立て替えてもらえます。もし弁護士費用特約が適用される状況なら、何も迷わずに弁護士への依頼を検討して問題ないでしょう。

 

 

まとめ

交通事故の示談交渉を成功させるためのポイントは以下の5点です。

 

  • 示談交渉の開始は治療の終了・症状固定の後
  • 保険会社の担当者を恐れない
  • 示談交渉中は感情的にならず冷静に
  • 示談の内容に納得いかない場合は承諾しない
  • 損害賠償の請求には3年の時効がある

 

また、弁護士を雇えば示談の成功率が高まるだけでなく、慰謝料の増額も期待できます。示談は一度成立したらやり直しができません。重要な手続きなので、もしご自身で行うのに不安を感じる場合は、弁護士への法律相談だけでも検討されてみてはいかがでしょうか。

この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事はベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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