事故の状況
乗用車を運転中に渋滞で停車していたところ、前方不注意の加害車両に追突されてしまいました。
依頼内容
事故直後から、頭痛、めまい、上半身のしびれ、不眠、むくみなど、さまざまな症状に悩まされるようになり、病院で診療を受けたところ、外傷性頸椎椎間板ヘルニアと診断されました。
それからは治療に専念し、事故から約2年が経過すると、症状固定を迎えました。
しかしその後も、首から肩にかけての痛み、両上肢・両下肢のしびれ、知覚鈍麻など、さまざまな症状が残っていました。
そこで後遺障害の等級認定の申請を行うと、9級10号が認定されました。
その後、保険会社が賠償金額を提示。その内容は、認定された等級を前提とする額に加えて、約875万円を支払うというものでした。
この金額は、確かに高額ではあるのですが、「事故による総損害額のうち30%は、依頼者の方がもともと持っていた病気(既往症)が原因である」という点が前提となっていました。
このことに依頼者の方は納得がいかず、妥当なのかどうかもわかりませんでした。そこで、弁護士に相談してみることを思い立ち、当事務所にご相談くださいました。
対応と結果
ご相談をいただいた弁護士は、次の3点についてご説明しました。
(1)30%のいわゆる素因減額※については、医師の意見を確認したうえでできる限り交渉していくこと
(2)9級10号という等級については、いただいた資料を見る限り妥当であること
(3)保険会社からの提示金額については休業損害、入通院慰謝料、後遺症慰謝料、逸失利益と、すべてが低い金額なので、ご依頼いただくメリットが十分にあること
※交通事故の被害者がこうむった損害が、被害者自身の身体的・精神的な事情によって通常よりも拡大しているような場合に、損害賠償額が減額される制度のこと
その結果、正式にご依頼いただくことになりました。
早速、弁護士は保険会社との示談交渉を開始。法律的な争点が多く、交渉は難航を極めましたが、粘り強く交渉を重ねていきました。
そして最終的には、ご依頼いただく前に提示された賠償額の約1.9倍、金額にして約1,500万円以上の増額に成功しました。
特に素因減額については、医師もこれを否定できないという判断でしたが、主張の限りを尽くして交渉を行った結果、30%から25%に下げることに成功しました。
※事例の内容はご相談当時の状況や条件等によります。