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自動運転は本当に安全?交通事故は減るの?金沢大学の菅沼教授に聞いてみました

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公開日:2020.10.7  更新日:2020.10.7
その他 弁護士監修記事

自動運転は本当に安全?交通事故は減るの?金沢大学の菅沼教授に聞いてみました

自動運転とは、人間が操作しなくとも自動で走行できる自動車のシステムのことを言います。

交通事故の原因のほとんどが運転者の過失(ヒューマンエラー)であることから、「自動運転による事故率は、人間が運転した場合よりも低い」とテスラモーターズ社は公言しています。

これから先の未来、自動運転が交通事故を減らす大きな要因となるかもしれません。一方で、「運転を機械に任せるのは何だか不安…本当に安全なの?」という声も上がっています。

今回、ベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)編集部では、自動運転を研究する金沢大学の菅沼直樹教授に、自動運転は安全なのか、ズバリ聞いてみました

 

インタビューしたのは…

 

金沢大学 菅沼直樹教授

高度な自動運転システムに関する研究を1998年頃から開始。

現在は、金沢大学新学術創成研究機構 未来社会創造研究コア自動運転ユニットとして、未来の自動運転技術の研究開発に取り組んでいる。

 

自動運転はズバリ、安全なのか

編集部:ズバリ、自動運転は「安全」と言えるのでしょうか?

 

菅沼先生

自動運転システムは一般的な交通ルールに則って正しい運転をするはずですから「安全である」と考えられます。

 

編集部:自動運転は、我々素人が思っているよりも安全性が高いということですね。交通事故の原因はドライバーの判断ミスによるものが多いので、機械の判断に任せた方が安全だという意見もありますよね。

 

菅沼先生

そうですね。ただし、現時点の技術では運転の全てを自動運転システムに任せられる状態ではありません。コンピューターの判断能力が人間ほど高くはなっていないことや、周囲のドライバーが交通ルールを守らなかった場合の対処などいくつかの条件をクリアする必要があります。

 

編集部:自周囲のドライバーのマナーも影響しているのですね。

 

菅沼先生

全てのドライバーが100%交通ルールを守っているわけではなく、多少の曖昧さを伴って運転しているのではないでしょうか。そういったイレギュラーにどのように対応するかが問題となるかもしれません。

 

編集部:自動運転システムがあったとしても、ドライバーには最低限のマナーが必要ですよね。

 

菅沼先生

全自動運転については課題がある状態ですが、これからの技術発展によって解消されると考えています。現時点での自動運転システムは、ドライバーの運転をサポートしてくれるものであると捉えて頂ければと思います。

 

編集部:自動運転システムには衝突被害の軽減や駐車機能などがあるそうですね。2020年現在の自動運転システムは、交通事故の被害を減らしたりドライバーの負担を軽減したりするための補助システムということですね。

 

自動運転の技術がどのように交通事故の予防に寄与するのか

編集部:自動運転の技術は交通事故の予防になり得るでしょうか?

 

菅沼先生

なり得るでしょう。例えば、車に目のような機能がついていればいつどこでどのように事故が起こったのかを把握することができます。現在は交通事故の原因解明にドライブレコーダーが活用されていますが、自動運転の機能によって事故発生時の状況や過失などを明確に判定することができるようになるかもしれません。事故原因を解明することによって、事故の再発防止を期待できますよね。

 

編集部:全ての交通事故が原因を解明できる時代になっていくのかもしれませんね。

 

菅沼先生

交通事故の責任に関しては過失割合といったものが採用されていますが、そういった法律関係のことも整備されていくのかもしれませんね。

 

編集部:現在の過失割合は過去の判例をもとに算出されています。ケースによっては割合に納得のいかない場面もあるでしょう。事故当時の状況がより明確になることで、それらの不満を解消できるかもしれません。

 

完全自動運転(自動運転レベル5)が実用化される未来はいつなのか

(引用:金沢大学 自動運転ユニット: 計測制御研究室

 

編集部:完全自動運転が実用化されるのはいつ頃になるのでしょうか?

 

菅沼先生

完全自動システムは10〜20年先に普及するのではないかと思われます。私たちはその未来を想像しながら、日々研究に励んでいます。

 

編集部:それほど遠くない未来に完全自動システムの車が道路を走るということですね。その頃には、完全自動システムに合わせた交通ルールが設けられているかもしれません。少し近未来的な感じがしますね。普及までの期間に先生の個人的な希望はありますか?

 

菅沼先生

先ほど普及は10〜20年と述べましたが、5〜10年ぐらい先で社会に導入されればと考えています。私としては製品を作るところはメーカーに委ねていますから、未来を見据えて最先端の自動運転システムを作っていくことに注力しています。

 

編集部:情熱と才能に溢れたチームがシステム作りに一丸となって取り組んでいるということですね。これからの将来、自動運転システムが活用される場面は増えそうです。

 

菅沼先生

そうですね。例えば、日本の社会問題として「少子高齢化社会」があります。自動運転の普及によって、高齢者の交通事故の削減や移動方法の確保など様々なことに貢献できると考えています。高齢者の免許返納が問題になったことがありますよね。これからの未来、高齢者の運転を減らしつつ移動の自由を奪わない方法を確立していきたいです。また、若い人には自動運転で負担を減らし、移動を楽しんでもらいたいですね。

 

編集部:自動運転は様々な面で活躍しそうですね!これからの発展が楽しみです!

まとめ

自動運転を研究する金沢大学の菅沼直樹教授にお話を伺いました。限られたエリアですが、自動運転はすでに導入されています。

 

交通事故の減少や交通ルールの改変など、様々なところで変化が起きる可能性があります。これからの10年が自動運転の過渡期となるのかもしれません。

 

自動運転の普及の有無に関わらず、ベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)では交通安全・交通ルールの遵守について引き続き注意喚起してまいります。

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この記事の監修者
アシロ 社内弁護士
この記事は、株式会社アシロの『ベンナビ交通事故編集部』が執筆、社内弁護士が監修しました。
編集部

本記事はベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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