道路工事や電話工事、その他災害時などでは、交通整理員が自動車を誘導することがあります。とくに片側一車線通行の場合は、整理員の指示に従うことが一般的です。
従わねばならない交通整理員ですが、場合によっては「間違っている」「従わなくてもいいのではないか」と感じることもあります。そんなとき、車のなかでイライラしてしまう人もいるはずです。
無視したらどうなる?
交通整理員の指示に従う必要を感じない場合、無視したくなってしまいます。仮に指示を無視した場合、法的責任を問われることはあるのでしょうか?
工事などで民間が行っている交通整理員については、法的に従わなければいけないという義務はありません。これは運転者が安全を確認する1つの手段にすぎないためで、「従う・従わない」は運転者に委ねられていることになります。
当然交通整理員の指示に従わず、事故に至った場合は自己責任です。一般的には道路状況を見て安全を考える交通整理員ですから、従ったほうがいいことは間違いありません。
警察官の交通整理は義務有
民間の交通整理員には従う義務がありませんが、緊急事態などに行う警察官の交通整理には、道路交通法上従う義務があります。これを無視すると、罰せられることになりますので注意が必要になります。
通常無視するケースは少ないと思われますが、仮に「従わなくてもいい」と感じた場合は、相手を見て判断することが重要です。
事故が起きたらどうなる?
次に気になるのは、交通整理員に従って、事故を起こした場合です。誘導通り進み事故になれば、損害賠償を請求したくなるものです。そのようなことは可能なのでしょうか?
交通整理員に従い事故になった場合、当然交通整理員にも過失が発生します。法律的には共同不法行為となり、双方が責任を追うことになります。事故を起こした張本人の運転者が責任を取らないということは、ありません。
まとめ
交通整理員に「従わなくてはならない」という法律はありません。したがって「無視しても問題はない」ということになります。ただし警察官が整理していた場合は、法律的に従わねばなりませんので注意が必要です。
また、法律的に従う義務はないといっても、安全面を考えれば従ったほうがいいことは間違いありません。そして無視して事故が起きた場合は、当然運転者が責任に問われることになります。
安全を考えて仕事をする交通整理員。法的義務はないものの、基本的には従ったほうがいいことは、間違いありません。