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居眠り運転の罰則や加点点数|居眠り運転を防止するための対策とは?

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公開日:2020.6.26  更新日:2020.6.26
交通事故の責任 弁護士監修記事

居眠り運転の罰則や加点点数|居眠り運転を防止するための対策とは?

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居眠り運転は飲酒運転同様、重大な事故を引き起こす恐れのある危険な行為です。

 

車を運転する以上、加害者にも被害者にもなりうる行為ですので、日ごろからしっかりと意識して、居眠り運転を防ぐ対策をしてきましょう。

 

居眠り運転とは

完全に眠りながらの運転はもちろんですが、うとうとした状態であったり、一瞬だけ眠りに落ちてしまったりという場合も、れっきとした居眠り運転。しかし、道交法上は『居眠り運転』の明確な定義はなく、居眠り運転が原因と考えられる事故でも、通常はより広い概念である安全運転義務違反で処理されます。

 

居眠り運転で事故を起こした加害者への罰則

居眠り運転で事故を起こした場合、その加害者にはどのようなペナルティがあるのでしょうか?

 

ここでは3つの観点から、解説していきます。

 

被害者に対する損害賠償

交通事故の加害者は被害者に損害賠償金を支払う必要がありますが、その額は当事者同士の過失割合によって変わってきます。

 

本来なら被害者にも過失が認められる場合、加害者が居眠り運転をしていたことで事故につながったような場合は、加害者の過失がさらに加重され、被害者がの過失が相対的に軽減されることはあります。

過失割合は、加害者と被害者だけでなく、保険会社を交えた示談交渉で決められます。

参考:居眠り運転事故の加害者・被害者が知っておくべき罰則と慰謝料増額方法

   【図解付き】交通事故の過失割合が一目で分かる判例まとめ

 

運転免許の点数加算

居眠り運転は道路交通法70条違反で処理される場合がほとんどです。この場合『安全措置義務違反』が適用され、基礎点数として2点が加算されます。

 

(安全運転の義務)の規定に違反した者

引用元:道路交通法70条

 

しかし、上記でも記載したように、居眠り運転には明確な定義がなく、場合によっては『安全措置義務違反』ではなく、『過労運転』として判断される可能性もあり、その場合は加点される点数が変わってきます。

 

何人も、前条第一項に規定する場合のほか、過労、病気、薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない。

引用元:道路交通法第66条

 

過労運転と判断された場合、基礎点数として25点が加算されます。

 

また、居眠り運転を起こしたことによる基礎点数にプラスして、それによって引き起こされた影響によって、さらに点数が加算されます。

 

交通事故の種類

加害者の責任

点数

死亡事故

重い

20

軽い

13

重症事故(治療期間3ヶ月以上または後遺障害が残存するもの)

重い

13

軽い

9

重症事故(治療期間30日以上3ヶ月未満)

重い

9

軽い

6

負傷事故(治療期間15日以上30日未満)

重い

6

軽い

4

軽傷事故(治療期間15日未満)

重い

3

軽い

2

 

参考:居眠り運転事故の加害者・被害者が知っておくべき罰則と慰謝料増額方法

 

相手を死傷させた場合

交通事故で相手を死傷させた場合は、以下の4つの責任を問われることになります。

 

①刑事責任

  • 業務上過失致死傷害罪
  • 過失運転致死傷罪
  • 危険運転致死傷罪

 

②民事責任

  • 不正行為責任

 

③行政責任

  • 交通反則金

 

④道義的責任

 

これら4つの詳しい責任については、以下の記事をご参照ください。

参考:交通事故で被害者が死亡した場合の責任と慰謝料相場

 

加害者が居眠り運転をしていたことを立証するために

基本的に、相手が居眠り運転をしていたことを立証することは非常に困難です。

 

加害者側のドライブレコーダーに運転者の居眠りの様子が映し出されていた場合はともかく、そうでない場合は相手が認めなければ立証できないことがほとんどでしょう。

 

しかし、事故現場に残る痕跡で、事故が起こる直前にブレーキが踏まれていなかったり、ブレーキを踏むのが遅れていたりした場合には、これを根拠に居眠り運転を立証できる可能性があります。

 

参考:交通事故の供述調書とは|実況見分で重要な供述調書作成の注意点

 

居眠り運転を起こさないための対策

居眠り運転の被害者になるのはもちろん、加害者になることも絶対に避けなければいけません。居眠り運転を起こさないための対策について解説していきます。

 

●睡眠をしっかりとる

前日の睡眠時間ごとにみた居眠り運転が発生する割合

引用元: 公益財団法人 交通事故総合分析センター

 

こちらは交通事故総合分析センターが発表した、1996年から2006年までに発生した居眠り運転の原因を表したグラフですが、前日の睡眠時間が4時間以下になった途端、急激に事故が増えていることがわかります。

 

交通事故の原因の多くは『睡眠不足と疲労』ですから、車を運転する前日は、最低でも6時間以上の睡眠をとるようにしてください。

 

●薬を飲まない

風邪薬などに含まれる『抗ヒスタミン薬』には眠気を引き起こしやすい成分が含まれているため、運転前は飲まないようにしましょう。

 

●血糖値を上げすぎない

お昼ごはんを食べた午後の仕事は眠いことが多いように、食事をした後に眠気に襲われることはよくありますよね。これは、食事によって急激に血糖値が上昇することが原因です。

 

運転の前に食事をとる際には急激に血糖値を上げないよう、一口目に野菜を食べたり、炭水化物をとりすぎないようにしたりといった対策を行うようにしてください。

 

その他にも、車を停めて仮眠をとる、外に出て体を動かす、顔を洗ってリフレッシュするなどの対策をこまめにしていきましょう。

一時的な眠気覚ましかもしれませんが、これを複数回行うことにより、疲労の蓄積を防ぐことができます。

 

眠気がピークに達する前に、こまめに休憩して対策をとっていきましょう。

 

まとめ

居眠り運転は飲酒運転と同じと言われているほど、運転者として気を付けなければいけないことです。

 

居眠り運転によって命にかかわるような重大な事故が起きるかもしれませんし、自分が加害者として相手を死亡させてしまうこともあるのです。

 

車を運転する際にはそうした意識をしっかりと持ち、事前の対策、または運転中にもしっかりと対策を施して、居眠り運転の防止に努めてください。

 

出典元一覧

公益財団法人 交通事故総合分析センター

道路交通法

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事はベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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