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「桜に見とれて事故発生…」花見の事故はどんな法律違反に該当する?
春の暖かい日、お花見をするため車で遠出する人は多いのではないでしょうか。花見スポットへ向かう参加者の送迎や買い出し係など、普段は運転をしていないのに急に運転を頼まれる人もいるのではないかと思います。
しかし、シーズンになるとお花見スポット付近は交通量が増えるので、混雑が生じやすく事故の発生率も高まります。桜にばかり気を取られて運転がおろそかにならないよう注意しなければいけません。また、花粉症の時期でもあるため、体調不良や薬の影響により正常な運転ができなくなるおそれもあります。
この記事では「もし桜を見ていてわき見運転をしたり、花粉症の影響で事故を起こしてしまったらどうなるのか?」について『道路交通法及び自動車運転死傷行為処罰法』の規定をふまえてご紹介します。
お花見スポットで起きやすい事故と言えば、『わき見』と『花粉症』の影響によるものが多いでしょう。
以下ではその状況で生じた事故がどのような法律違反となり、どんな処分を受ける可能性があるのかご紹介します。
運転中に外の花に見とれて前方不注意のまま運転していた場合、道路交通法の『安全運転義務違反』に該当する可能性があり、免許の取消しや停止などの行政処分の基準となる点数として、基礎点数2点の加算と6,000円〜1万2,000円の反則金を支払うことになります。
安全運転義務違反の反則金 |
|
原付 |
6,000円 |
二輪 |
7,000円 |
普通 |
9,000円 |
大型 |
1万2,000円 |
さらに、わき見により交通事故を起こした場合、事故の程度や被害者の状況に応じて、基礎点数とは別に付加点数として2点から20点が加算され、重大事故の場合は免許停止や免許取消しになることもあります。
わき見運転は交通事故の原因を大きく占める危険運転の1つです。お花見スポットといった混雑しやすい場所だと事故の確率はかなり高くなるでしょう。
運転中に外の花を眺めたくなる気持ちは分かりますが、わき見運転は道路交通法違反に該当するれっきとした危険行為です。気持ちをグッとこらえて、車から降りるまでは運転に集中するよう注意してください。
道路交通法では体調が万全でないときの運転は禁止されています。もちろん、それは花粉症による症状も例外ではありません。
何人も、前条第1項に規定する場合のほか、過労、病気、薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない。
【引用】道路交通法第六十六条
もし花粉症が原因で正常な運転ができないおそれがある状態で運転をした場合には、『三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金』と『基礎点数25点(一発免停)』と非常に重い罰則が科される可能性もあります。
また、道路交通法66条に違反して事故を起こした場合、安全運転義務違反と同じく、事故の状況等により、基礎点数とは別に2~20点の付加点数が加算されることになります。
お花見スポットは花粉が飛び交っているため、花粉症を患っている人にはとても辛い環境でしょう…。もし運転に支障をきたすほどひどい状態であれば、安全を最優先して車以外の移動を検討することをおすすめします。
上記で紹介したものは、違反をした運転者に対する行政処分および刑事処分であり、被害者に生じた損害に対する賠償は含まれていません。
もし事故の被害者となり、損害が生じた場合には、加害者に対して不法行為(民法709条)に基づく損害賠償請求ができます。一般的には、加害者の任意保険会社に対して損害賠償請求をして保険金の支払いを受けることになります。
交通事故の損害賠償は事故の被害状況によって決定されます。軽い怪我なら数十~百万円、後遺症が残るような重い怪我なら数千万円になるケースも珍しくありません。
基本的に通院期間が長引くほど損害賠償は高額になります。以下に通院期間ごとの慰謝料の目安をまとめた表を紹介しておきますので、大体の目安としてご参考ください。(損害賠償の詳細を知りたい場合はこちら)
通院期間 |
自賠責基準※1 |
弁護士基準※2 |
1ヶ月間 |
8万4,000円 |
28(19)万円 |
2ヶ月間 |
16万8,000円 |
52(36)万円 |
3ヶ月間 |
25万2,000円 |
73(53)万円 |
4ヶ月間 |
33万6,000円 |
90(67)万円 |
5ヶ月間 |
42万円 |
105(79)万円 |
6ヶ月間 |
50万4,000円 |
116(89)万円 |
※1:自賠責基準は月の通院日数を10日で計算
※2:むちうちなど、他覚症状のない後遺障害の場合は( )内の額が目安となる
事故を起こしてしまうとご自身だけでなく周囲の人にも多大な迷惑がかかり、せっかくのお花見が台無しに。
お花見に限った話ではありませんが、人が多く集まるイベント現場では事故が発生する確率が高まるので、浮かれる気持ちを抑えて普段以上に安全運転を心がけましょう。
参照元一覧 |
警視庁 道路交通法 |
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