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酒入りチョコを食べた後に運転しても大丈夫?違法になるの?

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公開日:2020.7.29  更新日:2020.7.29
交通違反 弁護士監修記事

酒入りチョコを食べた後に運転しても大丈夫?違法になるの?

ラム酒やブランデー、またはウイスキーなど、アルコールが含まれたチョコレートはさまざまな種類が販売されていますね。

 

ここで気になるのは、

 

『チョコレートの中に含まれたアルコールを摂取することは、飲酒と同じ扱いになるのか!?』

 

ということ。

 

もしこれが違反になるとしたら、筆者も相当な回数飲酒運転をしてきてしまったような気が…。

 

アルコール入りチョコレートを食べた後に車を運転することは、罪を犯す気がさらさらなかったとしても、法律違反となってしまうのでしょうか…?

飲酒運転とは?

そもそも飲酒運転の定義とは、どういったものなのでしょうか?

 

飲酒運転には、

  • 呼気からアルコールが一定の基準(0.15mg)以上検出される『酒気帯び運転』
  • アルコールを飲んだかどうかは関係なく、行動や言動から明らかに酔っていることが確認できる『酒酔い運転』

の2種類があります。

 

酒を飲んで運転して酒気帯びや酒酔いで検挙されるのは当然ですが、ここで気になるのは、【酒入りチョコレートを食べた後に酒気帯び運転で検挙されたケース】です。

 

実際にはお酒を飲んでいないのですから、『いやいや、チョコレートを食べただけですけど…』と主張したいところですが、果たしてこの主張は通じるのでしょうか…?

 

ウイスキーボンボンは食べていい?

酒入りチョコレートで有名な、『ウイスキーボンボン』。こちらを例に考えてみましょう。

 

こちらは少量のウイスキーをチョコレートでコーティングしたものですが、もはや名前に『ウイスキー』という言葉が入っていますから、明らかにお酒が入っていることがわかりますね。

 

このウイスキーボンボン。1個約8グラムの中に、約3%のアルコールが含まれています。ということはつまり、1個当たり0.24グラムのアルコールが入っていることになりますね。

 

アルコール度数5%、内容量350mlの缶ビールで同じように計算すると、缶ビール1本当たりには17.5グラムのアルコールが入っていることがわかります。

 

このビールと同じ量のアルコールをウイスキーボンボンから摂取しようとすると…。

 


 

なんとその数73個!

 

つまり、73個のウイスキーボンボンを食べることができれば、缶ビールを飲んだ場合と同じ量のアルコールを摂取したことになります。そのため、このような状態で呼気検査を受けたなら、上記の酒気帯びの基準数値が検出されてしまう可能性は十分あるでしょう。したがって、この場合は酒気帯び運転として逮捕されるかもしれないということです(笑)。

 

73個のウイスキーボンボンを1日で食べるためには、1時間に約3個食べる必要があります。睡眠時間を6時間とすると、1時間に最低でも4個食べなくてはなりません。15分に1個ペースです…。

 

これはもはや、酒気帯び運転で捕まる以前に、糖分の摂り過ぎで病気になることを心配した方がよさそう…。

 

普通はこんなペースでウイスキーボンボンを食べることはないので、缶ビールと同じ量のアルコールを摂取することは現実的には難しそうですね。

 

食べた直後は引っかかる可能性も

ウイスキーボンボンが原因で酒気帯び運転になることは、あまり現実的ではありません。

 

しかし、ウイスキーボンボンを食べた直後だと、話はまったく変わってきます。

 

 

ウイスキーボンボンのような微量のアルコールであれば、食べてから20分ほどで体からアルコールは流れ出ていきます。しかし、ウイスキーボンボンを食べた直後の場合、こちらのニュースのように、アルコール検査に引っかかってしまう可能性もあるのです。

 

ウイスキーボンボンにアルコールが含まれていることは事実ですから、こちらのニュースのように、それを食べてアルコールが酒気帯びや酒酔いの検査基準値に達してしまったような場合は、違反の責任を取らされる可能性があるということですね。

飲酒運転の罰則

酒入りチョコレートを食べすぎて、仮に飲酒運転に引っかかったとすれば、どのような罰則を受けるのでしょうか?

飲酒運転の罰則は以下の通りです。

 

飲酒運転の種類

運転者の状態

違反点数

刑事罰

酒酔い運転

アルコールの影響で正常に運転できない恐れがある状態

35点

5年以下の懲役または100万円以下の罰金

酒気帯び運転

呼気のアルコール濃度

0.25mg以上

25点

3年以下の懲役または50万円以下の罰金

呼気のアルコール濃度

0.15mg以上

13点

3年以下の懲役または50万円以下の罰金

 

上記の表のうち、さすがにアルコール入りチョコを少し食べすぎても、正常に運転ができないレベルになることは考えにくいですよね。

そのため、酒気帯び運転の罰則が適用されることが大半です。

違反点数も非常に高く、罰則もかなり厳しいため、さすがにチョコといえども、十分に注意する必要がありますね。。

アルコール入りのお菓子はどんなものがある?

今回ご紹介したウイスキーボンボン以外にも、

  • 明治 メルティーキッスくちどけラム&レーズン
  • ロッテ バッカス
  • 小枝PREMIUM 薫るウイスキー
  • キットカット 日本酒

など、アルコール入りのお菓子はさまざまな種類が存在します。

それぞれのアルコール度数については以下の通りです。

 

アルコール度数

1箱当たりの重さ

缶ビール(350ml)

相当の個数

明治 メルティーキッスくちどけラム&レーズン

3.7%

60g

約8箱

ロッテ バッカス

 

3.2%

68g

約8箱

小枝PREMIUM

薫るウイスキー

3.1%

48g

約12箱

キットカット 日本酒

 

0.8%

35g

約63個

 

参考までのビールのアルコール量と消化時間の目安は以下の通りになります。

 

缶ビール350mlあたりのアルコール量

17.5g

17.5gのアルコールを消化する目安時間

男性:約2時間/女性:約2~3時間

 

例えば、『キットカット 日本酒』は、1個35グラムのうち0.8%のアルコールが含まれています。

 

これを先ほどのウイスキーボンボンと同様に計算してみると…。

 

35g×0.008(アルコール度数)=0.28g 1個当たりのアルコール量
17.5g(缶ビールのアルコール量)÷0.28=62.5個(缶ビール相当のアルコール量)

 

缶ビールに相当するアルコール分を摂るためには、約63個を食べる必要が。1日の睡眠時間が6時間とすると、1時間に10.5個のキットカットが必要となります。

 

先ほどのウイスキーボンボンと比べると、1日63個は若干少ない感じがしてしまいますね(笑)。

 

しかし、仕事の疲れから糖分を欲することはよくあると思いますし、1時間に1個のキットカットくらいなら普通に食べている方もいると思います。さらに、眠気を覚ますために栄養ドリンクをよく飲む方もいるかと思いますが、栄養ドリンクにもアルコールは含まれているので注意が必要です。

 

さらにさらに、歯磨き粉や清涼飲料水にも微量のアルコールが含まれていますから、実はもう自分の知らないところで1日中アルコールを摂り続けている、ともいえるんですよ…。

 

例えば、朝ご飯を食べて歯磨きをし、就業中は1時間に2個のキットカットを食べ続け、お昼のデザートにブランデーケーキを1つ食らい、一番眠くなる午後の3時にリポビタンDをグイっと2本飲み干す。

 

仕事を終え、車に乗り込み、糖分摂取のためにウイスキーボンボンを食べながら、一日の疲れを癒すためにノンアルビール(微量にアルコールが含まれているものもあります)を飲む。

 

一滴もお酒は飲んでいませんが、こんな1日を過ごしてから帰宅しようとすると、思ってもみないところで検挙されることがないとは言い切れません。

 

「ウイスキーボンボンを食べただけだ」と弁解しても、検査結果が基準値に達してしまえば違反の責任を取らされる可能性が大きいです。

 

警察からは、『アルコールを摂取したかどうか』ではなく、『アルコールチェッカーに反応したかどうか』で判断されてしまうので、お酒以外からアルコールを摂り続けるのはかなり危険です…。

 

体質によってアルコールの反応は違いますが、お菓子や栄養ドリンクにもアルコールは含まれているということは、特に車を運転する方は理解しておいた方がいいですね!

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事はベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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