道路交通法の違反に対する罰則(罰金・反則金)まとめ

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公開日:2018.7.2  更新日:2019.12.24
交通違反 弁護士監修記事

道路交通法の違反に対する罰則(罰金・反則金)まとめ

運転免許を取得する際には、すべての人が道路交通法の運転ルールを学ぶことになります。ただ、教習所ではどのような行為が違反になるかを学べても、違反を犯した場合の罰則までは詳しく教えてくれていません。

 

恐らく、交通違反の罰則は違反内容によって判断されるので、100以上ある罰則をすべて把握するのは難しいからでしょう。しかし、どんなに安全運転を意識していても、絶対に交通違反を避けられるとは限りません。予備知識として、最低限の情報は確認しておいた方がよいでしょう。

 

この記事では、発生率が高く有名な交通違反の罰金・反則金(普通車の場合)をまとめました。運転をする機会が多い人は、参考にしてみてください。

罰金と反則金の違い

交通違反の罰則について紹介する前に、まず罰金と反則金の違いについて確認しておきましょう(すでにご存知の方は飛ばして『取締り件数の多い交通違反の罰則』からご覧ください)。

 

交通違反を犯した者は、通常だと、刑事罰として手続きが進められて裁判で罰せられることになります。このときに請求されるのが罰金です。しかし、違反点数が6点以下の軽微な違反であれば、手続きが簡略化されて罰が軽減されます。この制度を交通反則通告制度といいます。そして交通反則通告制度が適用される際に請求されるのが、反則金です。

 

反則金

違反点数6点以下の軽微な違反(青切符)で刑事罰の手続きが免除される際に科される罰則

罰金

違反点数6点以上の重過失の違反(赤切符)を犯した、又は、刑事罰の手続きが進められて有罪判決が出た際に科される罰則

 

反則金と罰金の両方が定められている場合、反則金を納付すれば、罰金を支払う必要はなくなります反則金の支払いに応じない場合には、刑事手続きが進められ、最終的に有罪となれば罰金刑が科せられますなお、反則金よりも罰金の方が高額ですし、懲役刑が選択される可能性も否定できません。

 

反則金は刑事罰(罰金の支払い)を避けるために納める違反金であるといえます。基本的には、罪を軽減できる反則金の支払いに素直に応じた方が、運転者の負担は軽くなるでしょう。

 

取締り件数の多い交通違反の罰則

まずは、警視庁が公表するデータで取締り件数が多い交通違反Top5の罰則をご紹介します。

 

交通違反検挙数(2017年)

1位

最高速度違反

174万5,259件

2位

一時停止違反

134万1,546件

3位

携帯電話使用違反

103万5,226件

4位

通行禁止違反

78万5,601件

5位

信号無視

75万2,394件

 

【参考】 内閣府|第2章 道路交通安全施策の現況

 

最高速度違反

最高速度違反の罰則は、法定速度を何キロ超えたかによって変わってきます。普通車が最高速度違反をした場合の違反金・反則金は以下のとおりです。

 

超過速度

一般道路の罰則

高速道路の罰則

1~14㎞

反則金:9,000円

反則金:9,000円

15~19㎞

反則金:1万2,000円

反則金:1万2,000円

20~24㎞

反則金:1万5,000円

反則金:1万5,000円

25~29㎞

反則金:1万8,000円

反則金:1万8,000円

30~34㎞

罰金:10万円以下、または6ヶ月以下の懲役

反則金:2万5,000円

35~39㎞

反則金:3万5,000円

40~49㎞

罰金:10万円以下、または6ヶ月以下の懲役

50㎞~

 

 

一時停止違反

一時停止違反の罰則は、一時停止の場所が一時停止線・標識前と踏切前のどちらかによって反則金が変わってきます。普通車が一時停止違反をした場合の反則金は以下のとおりです。

 

一時停止違反をした場所

反則金

一時停止線・標識前

7,000円

踏切前

9,000円

 

また、一時停止違反の刑事罰は5万円以下の罰金または3ヶ月以下の懲役です。一時停止違反の大半は青切符で処理されますが、反則金の支払いを断って裁判で有罪判決が出た場合は、この罰則が科されます。

 

 

携帯電話使用等違反

携帯電話使用等違反は、取締りを受けた際、周囲に交通の危険(歩行者や他の車両の妨害)を与えていたかどうかによって罰則が変わってきます。普通車が携帯電話使用等違反を犯した場合の罰則は以下のとおりです。

 

取締り時の状況

反則金

罰金(刑事罰)

携帯電話の使用等(交通の危険)違反

9,000円

5万円以下の罰金、3ヵ月以下の懲役

携帯電話の使用等(保持)違反

6,000円

5万円以下の罰金

 

【参考】道路交通法第七十一条

 

なお、携帯電話使用等違反として罰せられるのは、運転中に通話機能を利用する、または運転中に携帯を注視(2秒以上画面を見る)した状況です。そのため、信号待ちなど車の停止中に携帯を見ていても処罰の対象にはなりません。

 

通行禁止違犯

普通車が通行禁止違犯を犯した場合の反則金は7,000円、刑事罰は5万円以下の罰金または3ヶ月以下の懲役です。通行止めの標識にはいくつか種類がありますが、基本的にはこの罰則が適用されます。

 

なお、標識ではなく警察官の交通整備による通行禁止を違反した場合には、警察官通行禁止制限違反に該当して5万円以下の罰金または3ヶ月以下の懲役の刑事罰が科されます。警察官通行禁止制限違反には反則金がないので、検挙されれば刑事罰を免れることはできません。

 

【参考】道路交通法第八条

 

信号無視

信号無視違反の罰則は、信号が赤色か点滅(黄色信号も含む)だったかによって変わってきます。普通車が信号無視をした場合の罰則は以下のとおりです。

 

信号の状態

反則金

罰金(刑事罰)

9,000円

5万円以下の罰金または3ヶ月以下の懲役

点滅

7,000円

5万円以下の罰金または3ヶ月以下の懲役

 

よく勘違いされやすいですが、道路交通法上では黄色信号も停止しなければいけません。黄色信号で進行しても許されるのは、安全に停止できない状況に限られるので注意してください。

 

【参考】道路交通法第七条

 

一般道路で起きやすい交通違反の罰則

次に、一般道路で起きやすい、以下の軽微な交通違反の罰則をご紹介します。

 

  • 免許不携帯
  • 駐車違反
  • 定員オーバー
  • シートベルト非着用
  • 整備不良
  • クラクションの違反

 

免許不携帯

免許不携帯とは、運転免許の携帯を忘れて運転してしまう交通違反です。罰則は3,000円の反則金のみで、検挙をされても違反点数は加算されません。そのため、ゴールド免許の取り消しもありません。

 

【参考】道路交通法第九十五条

 

駐車違反

駐車違反には駐停車違反と放置駐車違反の2種類があり、どちらに該当するかによって罰則が変わってきます。

 

  • 運転者が車をすぐ動かせる状況なら駐車違反
  • 運転者が車から離れている場合は放置駐車違反

 

普通車が駐車違反をした場合の反則金は以下のとおりです。

 

駐車違反の反則金

駐車場所

駐停車違反

駐車違反

駐車禁止区域

1万5,000円

1万円

駐停車禁止区域

1万8,0000円

1万2,000円

 

あと、駐車違反の刑事罰は20万円以下の罰金または3ヶ月以下の懲役です。

 

【参考】道路交通法第十七条

 

定員オーバー

車検証に記載されている乗車定員をオーバーして運転した場合、定員外乗車として6,000円の反則金が科されます。刑事罰は10万円以下の罰金または6ヶ月以下の懲役です。

 

【参考】道路交通法第五十七条

 

シートベルト非着用

シートベルトの着用違反には反則金・罰金の罰則はありません。一般道路では運転席と助手席、高速道路では後部座席も取締りの対象となり、検挙された場合には違反点数1点だけが加算されます。

 

 

整備不良

整備不良の罰則は、車両に不備が生じた箇所によって罰則が変わってきます。整備不良で検挙された場合の反則金は以下のとおりです。

 

整備不良の反則金

制動装置等の不良(主にブレーキ)

9,000円

尾灯等(ランプ)の不良

7,000円

 

また、整備不良の刑事罰は5万円以下の罰金または3ヶ月以下の懲役です。

 

【参考】道路交通法第六十二条

 

クラクションの違反

クラクションの違反には、クラクションを鳴らしてはいけない場所で鳴らす警音器使用制限違反、必要がある場所で鳴らさない警音器吹鳴義務違反の2種類があります。それぞれの違反の罰則は以下の通りです。

 

違反内容

反則金

罰金(刑事罰)

警音器使用制限違反

3,000円

2万円以下の罰金または科料(※)

警音器吹鳴義務違反

7,000円

5万円以下の罰金

(※)科料とは、1,000以上1万円以下の罰金

 

【参考】道路交通法第五十四条

 

高速道路で起きやすい交通違反の罰則

高速道路で起きやすい交通違反の罰則をご紹介します。

 

  • 車間距離不保持
  • 最低速度違反
  • 追越し違反
  • 通行帯違反
  • 逆走
  • 故障車両表示義務違反

 

車間距離不保持

車間距離不保持とは、前方を走行する車と適切な車間距離を保たず接近しすぎる違反行為(通称:あおり運転)です。普通自動車が車間距離不保持を犯した場合の罰則は以下のとおりです。

 

車間距離不保持の罰則

道路

反則金

罰金(刑事罰)

高速道路

9,000円

5万円以下の罰金または3ヶ月以下の懲役

一般道路

6,000円

5万円以下の罰金

 

【参考】道路交通法第二十六条

 

なお、車間距離をどれくらいとるべきという規定は決まっていません。ですが、一般的に後方車両が高速道路でとるべき車間距離は、走行速度と同じ数値の距離(70㎞走行なら70m)が安全とされています。

 

最低速度違反

高速道路には50㎞の最低速度が定められていて、それ以下の速度で走行した場合は最低速度違反で罰せられます。最低速度違反の罰則は以下のとおりです。

 

最低速度違反の罰則

反則金

罰金(刑事罰)

6,000円

5万円以下の罰金

 

【参考】道路交通法第七十五条の四

 

追越し違反

左車線から前に出たり2台同時に抜かしたりなど、追越し違反を犯した場合の罰則は以下のとおりです。

 

追越し違反の罰則

反則金

罰金(刑事罰)

9,000円

5万円以下の罰金または3ヶ月以下の懲役

 

【参考】道路交通法第百二十条一項

 

通行帯違反

通行帯違反とは、追越しをしないにもかかわらず追越し車線を走り続ける違反行為です。運転者は追い抜きをしたら速やかに通常車線に戻らなければいけません。通行帯違反の罰則は以下のとおりです。

 

通行帯違反の罰則

反則金

罰金(刑事罰)

9,000円

5万円以下の罰金

 

【参考】道路交通法第二十条

 

逆走

高速道路での逆走は通行区分違犯という違反に該当します。通行区分違犯の罰則は以下のとおりです。

 

通行帯違反の罰則

反則金

罰金(刑事罰)

9,000円

5万円以下の罰金または3ヶ月以下の懲役

 

故障車両表示義務違反

故障車両表示義務違反とは、高速道路上で車が故障して動かなくなったとき、後続車へ故障を知らせる義務(三角表示板の設置等)を怠った場合に該当する違反行為です。故障車両表示義務違反の罰則は以下のとおりです。

 

故障車両表示義務違反

反則金

罰金(刑事罰)

6,000円

5万円以下の罰金

 

【参考】道路交通法第七十五条の十一

 

重大過失の交通違反の罰則

最後に、交通違反の中でも有名な重過失の違反をご紹介します。以下の違反には反則金が存在しないので、違反者は刑事罰を免れることはできません。

 

  • 飲酒運転
  • 無免許運転
  • 人身事故

 

飲酒運転

飲酒運転は、運転者が運転時にアルコールをどれほど摂取していたかによって罰則が変わります。飲酒運転の罰則は以下のとおりです。

 

飲酒運転の種類

運転者の状態

罰金(刑事罰)

酒酔い運転

アルコールの影響で正常に運転できない恐れがある状態

5年以下の懲役または100万円以下の罰金

酒気帯び運転

呼気のアルコール濃度0.25mg以上

3年以下の懲役または50万円以下の罰金

呼気のアルコール濃度0.15mg以上

3年以下の懲役または50万円以下の罰金

 

そして飲酒運転の処罰対象は運転者だけではありません。飲酒運転をした運転者の周囲の人にも以下の罰則が科されます。

 

周囲の人

運転者の状態

刑罰

車両の提供者

酒酔い運転

5年以下の懲役または50万円以下の罰金

酒気帯び運転

3年以下の懲役または50万円以下の罰金

酒類の提供者

同乗者

酒酔い運転

3年以下の懲役または50万円以下の罰金

酒気帯び運転

2年以下の懲役または30万円以下の罰金

 

 

無免許運転

無免許運転の罰則は50万円以下の罰金または3年以下の懲役です。また、飲酒運転と同様に違反を犯した運転者の周囲の人も処罰の対象になります。

 

処罰対象

刑罰の内容

車両提供者

3年以下の懲役または50万円以下の罰金

同乗者

2年以下の懲役または30万円以下の罰金

 

 

人身事故

人身事故(死傷者が出た交通事故)では、事故の状況に応じて、以下のいずれかの刑事罰が適用されます。

 

  • 過失運転致死傷罪:運転中の不注意によって事故を起こし他者を死傷させる罪(基本的に人身事故ではこの罪が適用されるケースが多い)
  • 危険運転致死傷罪:飲酒、薬物、無免許等で正常な運転ができないまたは自動車を制御できない状態で運転して事故を起こし他者を死傷させる罪
  • 業務上過失致死傷害罪:業務中に必要な安全確認を怠り他者を死傷させる罪

 

それぞれの違反の罰則は以下のとおりです。

 

人身事故の罰則

刑事罰

被害者が負傷場合の罰則

被害者が死亡した場合の罰則

過失運転致死傷罪

100万円以下の罰金または7年以下の懲役

同罪

業務上過失致死傷害罪

100万円以下の罰金または5年以下の懲役

同罪

危険運転致死傷罪

15年以下の懲役刑

1年以上20年以下の懲役刑

 

 

まとめ

交通違反の罰則は違反内容によってさまざまです。軽微な違反であれば反則金の支払いで刑事罰を回避できますが、重過失の場合には刑事罰を受けなければいけません。反則金よりも刑事罰の方が罪は重くなるので、軽微な違反を犯した場合には、素直に反則金の支払いに応じた方がよいでしょう。

 

なお、交通違反を犯した運転者には、この記事で紹介した罰則(反則金・罰金)の他に、違反点数の罰則も受けることになります。違反点数の詳細も確認したい場合には、以下の記事も併せてご覧ください。

 

 

この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事は交通事故弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※交通事故弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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