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チャイルドシート助手席設置は合法|設置方法と注意点まとめ

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公開日:2020.7.22  更新日:2020.10.29
交通違反 弁護士監修記事

チャイルドシート助手席設置は合法|設置方法と注意点まとめ

チャイルドシートの着用は義務だけど、小さい子供は運転中でも自分の目が届く場所にいてほしい。そんな気持ちから助手席へのチャイルドシート設置を検討される親御さんは少なくないかと思われます。

下記の年齢にお子様の年齢別にチャイルドシート使用率をまとめました。

以下のデータを見る限り、小さいお子様であればあるほど、チャイルドシートの利用率が高い傾向にあります。

年齢別のチャイルドシート使用率

参考:「チャイルドシート使用状況全国調査2019」警察庁

しかし、一般的にチャイルドシートは後部座席への設置が通常です。そのため、「チャイルドシートって助手席に設置しても問題ない?」と疑問に思う人もいるのでは。

そこで、この記事では助手席へのチャイルドシート装着方法や注意点などを紹介していきます。お子さんと車で外出する機会が多いまたは今後増える予定の方はぜひ参考にしてください。

助手席への設置は違反ではない

道路交通法では6歳未満の子供にはチャイルドシートの使用が義務付けられていますが、実は設置場所については決まりがありません。法律上はチャイルドシートを設置する位置は自由です。助手席に設置しても違犯にはならないのでご安心ください。

実際に2019年に行われたチャイルドシートの設置場所に関する調査によると、チャイルドシートが助手席に設置されている割合は17.8%です。

チャイルドシートの設置場所の割合

参考:「チャイルドシート使用状況全国調査2019」警察庁

なお、チャイルドシートの装着義務に関しては以下の記事で紹介しているので、詳細を確認したい場合にはそちらもご覧いただければ幸いです。

助手席への設置について(前向き・後ろ向き)

チャイルドシートには前向き設置と後ろ向き設置の2種類のタイプがあり、主に0~1歳の乳児用のものは後ろ向きタイプが多いです。法律上ではどちらの利用も問題ありませんが、実際の安全上は本当にどちらでも大丈夫なのでしょうか。

実は後ろ向きタイプのチャイルドシートを助手席に設置するのは絶対に避けるべきであると言われています。エアバックと赤ちゃんとの距離が近くなり過ぎてしまうため、万が一の衝突時にエアバッグの衝撃で赤ちゃんが負傷する可能性が極めて高いからです。メーカーの取扱説明書にも大体そのような注意書きがあります。

警察庁が行ったチャイルドシートの取付状況に関する調査によると、実際にそのようなミスユースが行われている割合は52.4%にも及びます。

なんと、チャイルドシートを利用する半数以上が、誤った使用方法でチャイルドシートを利用しているのです。

チャイルドシートの取付状況のミスユース率参考:「チャイルドシート使用状況全国調査2019」警察庁

そのため、助手席にチャイルドシートを設置する場合には、座席をできるだけ後ろに下げ、かつ前向きタイプのものを利用するようにしましょう。後ろ向きタイプしか使用できない乳児の場合には、助手席へのチャイルドシート設置は避けた方が無難です。

チャイルドシートを助手席に設置する危険性

法律上は違犯でなくても、基本的にどの車種でも助手席へのチャイルドシート設置は推奨されていません。子供が以下のような危険に晒されてしまうためです。

助手席の搭乗者が最もケガをしやすい

日本の道路は左側通行であるため、交通事故は右折時に発生しやすいです。右折時には車の左側から衝突されることが多いので、助手席の搭乗者は最もケガをしやすいと言えます。

また、運転手はどうしてもとっさの反応で自分を守るためにハンドルを右に切ってしまうケースが多いので、正面衝突の場合でも運転手側よりも助手席側の方が被害は大きくなりやすいです。

身の安全を確保するためにチャイルドシートを装着していても、危険な場所に座っていては意味がありません。利用するなら前向きタイプでと紹介しましたが、子供の安全を最重視するのであれば、助手席への設置は可能な限り控えることをおすすめします。

エアバッグの強い衝撃

<エアバッグの展開による衝撃の様子>

この動画は運転手側と助手席側のエアバッグがそれぞれ展開される様子が紹介されているものです。動画をよく見ると、エアバックの衝撃によってフロントガラスが割れてしまっています。

エアバックの衝撃はとてつもなく強いです。フロントに近ければ近いほど衝撃はさらに増すので、チャイルドシートで前方に近づいている子供が絶対に無事耐えられるものであるとは言い切れないでしょう。

過去にエアバッグの衝撃によって幼児の頭の骨が折れたという事例もあるので、助手席への設置はその点のリスクも考慮する必要があります。

チャイルドシートを助手席に設置する際の注意点

安全面を重視するのなら、チャイルドシートは後部座席に設置すべきですが、乗車人数や子供の状態などの都合により、どうしても助手席に設置せざるを得ない場面もありますよね。その際には以下の3点に注意してから運転を行うようにしましょう。

助手席に設置する際の注意点

  1. 前向きタイプのシートを使う
  2. 助手席の座席を極力後ろまで下げる
  3. ツルツル生地の服を着せない

①と②はエアバッグの衝撃を避けるためと上記でも説明してきました。しかし、③に関してはなぜ?と疑問に感じる人もいるかもしれませんね。

チャイルドシート使用時に子供にツルツルした生地の服を着せてはいけないのは、衝突の衝撃で服だけが残り、子供は放り出されてしまうリスクがあるからです。特にダウンジャケットを着せている場合には、必ず脱がせてからチャイルドシートを着用させるようにしましょう。

まとめ

助手席へのチャイルドシート設置は違犯ではないですが、事故発生時に子供がケガを負う可能性が高くなってしまいます。そのため、安全重視であればチャイルドシートは後部座席へ設置した方がよいでしょう。

なお、車内で最も安全と言われているのは、後部座席の真ん中もしくは運転席の後ろです。どうしても助手席での使用が避けられない状況を除き、そのどちらかの位置での使用をおすすめします。

出典元一覧

道路交通法
警視庁

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事はベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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