交通事故や自転車事故など、事故はいつ起きてしまうか分からないものです。弁護士費用を用意できず泣き寝入りとなってしまうケースも少なくありません。
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田園型交通事故とは|発生する原因と事故を回避するための注意点
田園型交通事故(でんえんがたこうつうじこ)とは、田園地帯が広がる見通しの良い交差点で発生する事故です。見通しの良さが災いして視覚的な錯覚が生じ、両者がお互いの接近に気が付けずに衝突を起してしまう事故をこのような名称で呼びます。
両者がお互いの接近に気が付けず減速なしに衝突するので、死亡事故など大きな被害に発展する可能性が高く、危険度が大きい事故であると言えるでしょう。
この記事では田園型交通事故の特長と注意点をご紹介しますので、事故に備えるための知識を身につけておきたい場合はぜひ参考にしてみて下さい。
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交通事故の被害者が弁護士に依頼すべき理由
見通しの良い田園地帯では離れた位置にいる車両が進行している様子が見えますが、人間の目はそのような状況だと、相手車両が止まったように錯覚してしまうケースがあります。
例えば、以下の図のような状況で45度の位置を保ちながら車両が同速度で進行をしていると、両者の運転手には車が停止しているように見えてしまうのです。これをコリジョンコース現象と言います。
両者が錯覚を起こしている状況だと交差点を通過するタイミングになるまで車両が迫ってきている状況に気が付けません。その結果、とっさの停止が間に合わず衝突事故が発生してしまうのです…。
見通しの良い交差点で衝突事故が発生するのは周辺視野で相手の車両を捉えてしまうためです。周辺視野とは自分の焦点があっていない箇所の視覚を意味します。
例えば、スマホの画面を見ている時はスマホの画面内の情報はしっかり確認できますが、視野に入っているはずの自分の横の状況は、ぼやけて見えてしまう人が多いのではないでしょうか。
見通しの良い交差点では自分の正面に焦点が定まりやすいので、迫ってきている車両を周辺視野でとらえてしまい、その結果コリジョンコース現象が引き起こされてしまうと言われています。
栃木県真岡市西田井の市道交差点で女性会社員(44)運転の軽乗用車とワゴン車が出合い頭に衝突をして、女性が意識不明の重体になった交通事故。
一時停止の標識がある交差点でしたが、両者ともブレーキを踏んだ形跡は確認できずワゴン車を運転していた女性(40)も直前まで車の接近に気が付けなかったと供述しているため、典型的な田園型交通事故としてみられています。
香川県東かがわ市の交差点で軽トラックと乗用車両が出合い頭に衝突をして、軽トラックを運転していた男性(57)が車外に投げ飛ばされ死亡した交通事故。
詳細:見通し良い交差点でなぜ? 走る車、止まったかに見える コリジョンコース現象の可能性
乗用車を運転していた男性(40)は車両の接近に気が付いていたが止まると思っていたと供述をしているため、軽トラック運転手がコリジョンコース現象により接近車両を見落としていた事故だった可能性があるとみられています。
田園型交通事故は見通しの良い信号機のない交差点での事故のため、過失割合を判断する際には道幅と車両の位置がポイントになります。
関連記事:【図解あり】交通事故の過失割合|状況別全パターンと加算・減算要素まとめ
明らかに道幅が違う交差点で起きた事故は『道幅が広い側を走っていた車両の過失3:道幅が狭い側を走っていた車両の過失7』と判断されるケースが多いです。
ただし、両者のスピードの速度や交差点に進入したタイミングなどによっても過失割合が変わることがあります。上記の割合はあくまで過失割合のベースとして認識して頂ければ幸いです。
同じ道幅の交差点で起きた事故は『左側を走っていた車両の過失4:右側を走っていた車両の過失6』と判断されるケースが多いです。
基本的に日本の道路は左側が優先というルールになっているので、自分が運転席に座って左側からくる車両を優先しなければいけません。これもあくまで基準ですが、同じ道幅で同タイミングに交差点に進入した場合は上記の過失割合が適用されやすいでしょう。
交通事故の過失割合は客観的な事故態様によって決定されます。事故態様に争いがある場合、警察が作成した実況見分調書等を基に過失割合を判断するのが通常です。
なお、保険会社との示談交渉の中で一定の過失割合の提示を受ける場合がありますが、これを必ず受け入れる必要はありません。保険会社は過去の事故データを基に過失割合を判断しますが、全く同じ状況の事故なんて存在しないので、納得できないなら弁護士に適正な過失割合を判断してもらうと良いでしょう。
また、自分が任意保険に未加入の場合は自分が事故相手の保険会社と過失割合を直接交渉することになるので、交通事故の知識に乏しく交渉に不安を感じる場合も弁護士に相談しておくのをおすすめします。
弁護士費用の設定には厳格な規定がないので弁護士によって料金は異なりますが、以下の表が大体の相場額であると言われています。
【示談交渉】 |
着手金 |
報酬金 |
着手金あり |
10~20万円 |
報酬額の10~20% |
着手金なし |
無料 |
報酬額の20~30% |
関連記事:【弁護士が監修】交通事故の弁護士費用の相場と弁護士費用を抑えるポイント
過失割合を減らせても弁護士費用を含めたら収支がマイナスになっては意味がないので、弁護士依頼を決定する前に法律相談を事前に受けて見積もりを出してもらい、そこで依頼をするべきかどうか判断すると良いでしょう。
ちなみに、自分が加入している任意保険に弁護士費用特約が付属している場合は保険会社から弁護士費用を負担してもらえます。その場合は何も迷わずに弁護士依頼を検討して頂いて問題ありません。
交通事故の慰謝料は弁護士が交渉する事で増額する可能性があります
慰謝料には弁護士基準というものがあり、示談交渉に弁護士が介入することで慰謝料額が大幅に増額する可能性があります。一般の方が加害者側に弁護士基準の請求をしても、根拠を示すのが難しく、なかなか聞き入れてくれないというのが現状です。そのため、増額請求には弁護士への依頼がおすすめです。
まずは、弁護士への依頼でどれくらいの増額が見込めるのか、相談されることをおすすめします。
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田園型交通事故の原因となるコリジョンコース現象は自分の進行する真正面に視点の焦点を置いてしまうから生じます。そのため、田園型交通事故の回避には交差点前での周囲の状況確認が有効です。
見通しの良い交差点ほど重大事故が発生する可能性が高いので、周囲を見渡せるからと油断せずに交差点前では必ず視点を正面から外して、横から車が接近していないか確認を行いましょう。
これは田園型交通事故を避けるためと言うより安全運転のテクニックなのですが、基本的に運転中の視点移動は目ではなく首を動かして行うと事故に遭遇する確率を抑えられます。
例えば、眼球を右から左へ移動しようとしてみると眼球を移動する間の状況を認知しづらいと感じるのではないでしょうか。それは人間の特性による視野の死角です。
そのため、眼球だけを動かして周囲の状況を確認していると逆に見落としが多くなり思わぬ事故に遭遇する確率が高くなるのでご注意ください。周囲の確認をする際は首ごと動かして視点を変えることを意識しましょう。
田園型交通事故はコリジョンケース現象による目の錯覚が原因で生じる事故です。田園地帯に限らず、見通しの良い道路ならどこでも生じる可能性があるのでご注意ください。
コリジョンケース現象は免許取得の際に教習所で教えてもらえないため、見渡しの良い道路では安心して運転する人が多いかと思いますが、この記事の公開により交差点前で注意をする人が増えて田園型交通事故の件数が少しでも減れば幸いです。
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