事故の状況
大学を卒業後に働いていた20代の女性が、横断歩道で車に轢かれて亡くなられました。
依頼内容
事故直後に、「加害者の不誠実な対応に納得がいかない」として被害者のご両親がご相談にいらっしゃいました。
加害者は事故後に逮捕されたものの、既に釈放されており、刑事裁判には発展していませんでした。
対応と結果
死亡事故の場合、加害者が起訴されることで刑事裁判へ移行します。
今回はご遺族の希望により、刑事裁判の終了後に示談交渉を行うこととなりました。
担当弁護士は被害者ご本人の無念やご両親の悲しみを踏まえ、以下のような考えのもとで損害を計算し、交渉を行いました。
① 被害者ご本人が得られたと思われる収入(逸失利益)を計算する際は、予想される今後のキャリアを考慮した金額とすべきこと
② 死亡慰謝料の金額はご本人やご両親のお気持ちを十分に考慮したものとすべきこと
この要求に対し相手側の保険会社は、被害者ご本人が得られたと思われる収入についての主張には理解を示したものの、慰謝料についてはご本人が独身女性であったことから2000万円が妥当であるとの主張をし、合計7000万円の賠償額を提示しました。
これを受けて、担当弁護士は保険会社に対して、刑事裁判の証拠等を提示することで大幅な増額を要求しました。
その結果、最終的に8500万円以上示談金を獲得することに成功しました。
裁判による増額も見込める状態ではありましたが、ご遺族の「速やかに解決して平穏に過ごしたい」とのご希望を尊重し、示談により終結する形となりました。