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自転車保険のすすめ|事故に備えた代表的な自転車保険7選

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
自転車保険のすすめ|事故に備えた代表的な自転車保険7選

自転車保険とは、自転車に乗る人が、交通事故によるケガを保障するために加入する保険の事で、事故にあった時は保険金を受け取れ、加害者となった場合は保険会社が示談交渉を行ってくれるなどの制度を有したサービスです。

日本は現在世界第6位の自転車大国と呼ばれ、日本人ひとり当たりの自転車の保有台数は、2人につき1台「0.5台」となっています。また、自転車による事故は全国で約11万件に上り、毎年減少傾向にあるものの、1日1人以上が自転車事故で死亡しているという現状があります。

そこで今回は、万が一の交通事故に備えるために、おすすめの自転車保険を7つ紹介しようと思いますので、参考にしていただければと思います。

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自転車事故の現状と自転車保険加入の必要性

自転車保険をご紹介する前に、まずは日本で起きている自転車事故のデータを確認しておきましょう。警視庁が発表した平成26年の自転車事故の発生件数は、全国で約11万件。平成21年に比べてば年々減少はしていますが、それでも全国で1日に300件ほどの自転車事故が起きている計算です。

自転車事故の件数推移
図参照:自転車事故の推移
 
また、自転車事故による負傷者は平成26年で10万7,000千人、自転車事故により死亡した人は540人。1日に1人以上が自転車事故で亡くなっているという計算になります。

小学生に超高額の損害賠償請求

平成25年、神戸地裁で争われた裁判の話です。小学5年生の男子が坂を高速で下っていた際、歩行者の女性に正面衝突事故を起こしてしまいました。被害者の女性は意識が戻らないまま寝たきり状態となり、これを受けて裁判所は損害賠償額約9,500万円の支払を命じた例があります。
 
事故の原因となったのは「携帯電話を操作しながらの運転・片手運転」など、どれもついうっかりでやってしまう事が多いものです。それゆえ、対歩行者の事故を起こした場合は、個人では払いきれないほどの高額の賠償金支払いを命じられる可能性があるわけです。

兵庫県は自転車保険の加入を義務化

2015年3月に制定された「自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」には、交通安全ルールの順守やマナーの徹底、運転時のヘルメット着用など、具体的な施策が盛り込まれており、その目玉が自転車損害賠償保険などの加入義務化です。
 
この条例施行にあたって、兵庫県交通安全協会は兵庫県独自の自転車保険「ひょうごのけんみん自転車保険」を創設。兵庫県民が加入できる自転車保険で、被害者に支払う損害賠償金や弁護士・裁判費用などをカバーすることができ、自転車に乗る全ての県民はこの保険への加入が義務づけられています。
 
自転車事故による損害賠償のみが補償対象ですが、家族が起こした事故も補償され、示談交渉サービスもあります。賠償責任保険に加え、自身が死傷したとき補償を受けられる傷害保険付きで年間費用は約1000円。賠償補償額は1000万円なので、子供が小さい方は入っておいて損はない保険と言えます。ただし、加入をしいなくても罰則はありません。
 
このように、兵庫県が加入の義務化を進めるほど注目されているのが自転車保険なのです。では、早速おすすめの自転車保険をご紹介していこうと思います。

代表的な自転車保険7選

保障範囲の広い/DeNA自転車保険(平成25年12月時点)

数ある自転車保険の中で、2億円という高額な保険金額を設定している自転車保険は少ないですし、安いプランでも1億円という保険金を設定しています。また、1ヶ月417円程度で死亡・後遺障害保険金も460万円まで補償してくれる優れものです。

基本的に70歳以下であれば加入が可能で、1人が加入しておけば同居している家族は全て補償の対象範囲になります。さらにこの自転車保険が便利なのは、交通事故以外の損害も補償してくれる点です。

DeNA自転車保険の補償範囲

賠償責任はご家族の皆様も補償されます!
※ご家族とは以下の方をいいます。
①被保険者本人、②被保険者本人の配偶者、
③被保険者者本人または配偶者と生計を共にする同居の親族、
④被保険者本人または配偶者と生計を共にする別居の未婚の子

DeNA自転車保険で補償されるもの

自転車で走行中、飛び出してきた歩行者と衝突してケガをさせてしまった
友人宅のパソコンを誤って落とし、壊してしまった
歩道で自転車と接触し、ケガをしてしまった
仕事中に交通事故にあい、ケガをしてしまった
駅構内で階段を踏み外してしまい、足を骨折してしまった など
 
つまりこの保険一つでほぼあらゆる損害に備える事ができると言っても過言ではないでしょう。
 

1年間の保険料

5,000

賠償補償額

死亡・後遺

入院日額

示談交渉

障害保険金

2億円

460万円

6,000円

あり

(180日間)

自転車の責任保険のおすすめポイント

賠償補償額が1億円のプランもあり

70歳以下であれば加入可能

別途子ども向け総合プランもあり、日常生活のケガもカバー

参考URL:http://bicycle.sougouhoken.jp/
 
 

月々370円の安さ/au損保|あ・う・てケガの保険Bycle(平成25年12月時点)

au損保が展開する自転車保険で、最安値は月370円からという安さが一番の特徴ですが、お値段の割に十分な補償内容と示談代行サービスがついています。
 
傷害保険は入院日額が6,000円、通院も日額1,000円で、手術の際には、入院中で6万円、それ以外では3万円の手術保険金まで補償されます。交通事故のケガにも補償があり、自転車事故の場合は上記の保険金額が2倍になる嬉しい制度を採用しているため、傷害保険としはかなり充実した内容となっており、万が一の自転車事故に心配がある方には魅力的なプランといえます。
 

独自の自転車ロードサービス

もしパンクや自転車の故障など、何らかのトラブルで走行が不可能になった時、24時間365日対応のスタッフが駆けつけて、全国567拠点から50km以内なら無料で指定の場所まで搬送してくれます。
 

1年間の保険料

平均4,290円

賠償補償額

死亡・後遺

入院日額

示談交渉

障害保険金

1億円

600万円〜
800万円

4,000円

あり

(180日間)

あ・う・て「ケガの保険Bycle」のおすすめポイント

自動車ロードサービスもセットのため、自転車で遠出をする方に最適

加入条件は17歳以上、74歳以下

個人型、家族型のプランが選べる

参考URL:http://www.au-sonpo.co.jp/pc/bycle/index.html
 
 

もっとも簡単に加入できる保険/セブンイレブン自転車保険(平成25年12月時点)

交通事故による入院は日額6,000円(180日)、手術の際は6万円、入院以外の手術だった場合は3万円の保険金が支払われ、死亡の場合は保険金400万円、後遺障害が残った場合には最高400万円が支払われる自転車保険です。
 
正直補償内容的には他との差はあまりありませんが、ひとりで加入する分には月347円(年4160円)という破格の安さと、セブンイレブンから加入できるというお手軽感が最大の魅力でしょう。
 

1年間の保険料

平均4,290円

賠償補償額

死亡・後遺

入院日額

示談交渉

障害保険金

1億円

400万円

6,000円

あり

(180日間)

「セブンイレブンで入る保険」のおすすめポイント

24時間365日セブンイレブンで加入できる

加入条件は満70才までの方

後遺障害の等級1~7の場合のみ補償が受けられる

参考URL:http://jitensya.ehokenstore.com/
 
 

最安値で選ぶなら/ちゃりぽ|自転車あんしん保険(平成25年12月時点)

月額わずか260円からという最安値の自転車保険です。補償内容他の保険と変わらず、自分がケガしてしまった場合、相手にケガを負わせた場合、他人の車や物にぶつかって壊してしまった場合の損害賠償など、万一の事故に備える自転車保険です。
 
その安やゆえに補償金額は低めですが、とりあえず入っておけば安心という点では重宝すべき自転車保険と言えますね。また、契約における年齢制限もありませんので、園児などの自転車を乗り始めたばかりのお子さんが加入するにはちょうどいい自転車保険ではないでしょうか。
 

1年間の保険料

2,900

賠償補償額

死亡・後遺

入院日額

示談交渉

障害保険金

1,000万円

300万円

6,000円

なし

(120日間)

ちゃりぽのおすすめポイント

契約の年齢制限なし

別途自転車盗難保険も扱う

参考URL:http://charipo.net/charipo/
 
 
 

ドコモユーザー必見/NTTドコモ|ドコモサイクル保険(平成25年12月時点)

年間5,280円、満18歳以上満70歳までの方が加入できる自転車保険です。保険料は他に比べると割高ですが、補償金額は最大2億円までカバーしてくれます。ドコモプレミアクラブ会員向けの自転車保険の為でドコモユーザー以外は利用することができないものの、プレミアクラブ会員なら、特別な申し込み手続きは一切必要なく、ケータイで「ネットワーク暗証番号」と「生年月日」を入力するだけで申し込みができる便利さが魅力です。

ドコモサイクル保険の補償範囲

通勤・通学のケガから、日常生活の賠償事故まで保険の範囲に含まれ、ありがたいのは海外における交通事故にも対応している点。創業130年の歴史ある東京海上日動火災保険(株)というのも安心できる点でしょう。
 

1年間の保険料

5,280

賠償補償額

死亡・後遺

入院日額

示談交渉

障害保険金

2億円

500万円

3,000円

あり

(120日間)

ドコモサイクル保険のおすすめポイント

ドコモユーザーなら手続き不要

東京海上日動による介護などのデイリーサポートもある

参考:ドコモサイクル保険
 
 

点検を受ければ保険が付いてくる/TSマーク赤色(平成25年12月時点)

TSマークとは、公益財団法人「日本交通管理技術協会」が運営している付帯保険です。自転車安全整備士のいる自転車店で、点検を受ければTSマークが交付され、ついでに保険もついてくるという仕組みのため、非常に簡単に加入することができます。
 
最大の特徴は所有者に限らず、自転車を使った人も保険の対象となる点が、他の保険とは異なる部分でしょう。
 
TSマークには青色と赤色の2種類がありますが、赤マークをおすすめします。保険料は自転車店の整備の内容によって変わりますが、青マークで1,000円/年、赤マークで2,000円/年という驚きの低価格であるものの、賠償責任補償額は5000万円、死亡若しくは後遺障害時の補償額も100万円と少なく、第1級~第4級までという制限もありますので、とりあえず入っておきたいという方には良いかと思います。
 

1年間の保険料

1000

賠償補償額

死亡・後遺

入院額

示談交渉

障害保険金

5,000万円

100万円

一律10万円

なし

(15日以上)

赤色TSマークのおすすめポイント

自転車を利用した人が補償対象

普段あまり自転車に乗らない人向け

参考URL:http://www.tmt.or.jp/safety/index2.html
 
 

自分好みにカスタマイズできる/チューリッヒ保険(平成25年12月時点)

プランはベーシックプランと補償内容が充実するグレードアッププランの2つがあります。また、補償対象はファミリータイプ・夫婦タイプ・パーソナルタイプの3種類から選ぶことができます。
 
保険料はベーシックプランのパーソナルタイプが一番安くてひと月あたり495円からと特筆すべき点はありませんが、多様な特約を組み合わせて自分に専用の保険にカスタマイズできる点が大きな特徴です。
 
たとえば、死亡保障は低くても良いから、入院保険を手厚くしたいなど、希望のある方やこだわりがある方には便利な自転車保険と言えますね。
 

1年間の保険料

10,200

賠償補償額

死亡・後遺

入院日額

示談交渉

障害保険金

5,000万円

500万円

5,000円

なし

(120日間)

スーパー傷害保険のおすすめポイント

個人型、家族型などのプランが選べる

自分でカスタマイズできるフリープランもある

通院日額2,000円の支払いがある

参考URL:チューリッヒのスーパー損害保険
 
 

もし補償額を超える高額な損害賠償請求をされてしまったら

これまで7つの自転車保険をご紹介してきましたが、賠償補償額が1億円や2億円もあれば、基本的な交通事故は補償されると考えて良いでしょう。しかし、いくら補償額が高額で安心だからと言っても、すべてを自転車保険で賄えるとは限りません。
 
万が一相手を死亡させてしまった場合の損害賠償額は1億円を超える場合もあります。そういった場合、交通事故に詳しくても法律などの専門家ではない保険会社の示談交渉サービスで示談ができるのか、不安要素は残ると言わざるを得ません。
 
もし補償額を超えるような賠償請求をされた場合は、一度交通事故を得意とする弁護士に相談されることを強くおすすめします。また、あなた自身が被害に逢い、後遺症などが残った場合や、相手が無保険者であった場合は「自転車保険」だけの補償額では到底賄えないという事態が発生する可能性が高くなります。
 
万が一こういった事態が起こってしまった場合、あなたの味方をしてくれるのは弁護士しかおりませんので、有事の際はご相談してみることをおすすめします。
 

まとめ

いかがでしたでしょうか。
 
自転車の保険を選ぶ際の代表的な保険を7点ご紹介させていただきましたが、自分にあったものを選んでいだき、交通事故に備えていただければと思います。/p>

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事はベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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