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公開日:2020.4.17  更新日:2020.6.10

自賠責保険の慰謝料の相場と計算方法!限度額を超えて請求するには

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事

交通事故による人身事故の被害者は、自賠責保険から治療費の他に一定の慰謝料をもらうことができます。

 

事故の補償はできるだけほしいですよね。この記事では、自賠責保険の補償内容や計算方法、相場、請求方法、限度額を超えて請求する方法について紹介します。

 

自賠責保険の補償範囲

自賠責保険は人身事故の被害者救済のための制度です。そのため物損事故や加害者側の運転者に過失のない事故では、自賠責保険からの補償はありませんのでご注意ください。

 

自賠責保険により補償される費用項目としては、以下のような項目があります。

 

自賠責保険で補償されるもの

  • 治療関係費
  • 通院交通費
  • 休業損害
  • 慰謝料

 

治療関係費

治療に必要となる費用について支払われます。治療関係費には診察料のほか、診断書作成料、付添看護料、諸雑費、義肢等の費用などが含まれます。

 

看護料については1日4,100円(2020年4月1日以降の事故は4,200円)、諸雑費については1日1,100円が基本ですが、立証資料によっては増額されることもあります。

 

通院交通費

通院にかかった交通費の実費が支払われます。付添人を要する怪我の場合、付添人の交通費も請求可能です。

 

休業損害

事故で負傷したことで休業を余儀なくされた場合に支払われる費用です。原則として1日5,700円2020年4月1日以降の事故は6,100円)。これ以上の収入減を立証した場合1日19,000円を限度として休業日数に応じた補償がされます。

自賠責保険の入通院慰謝料の計算方法と期間の考え方

交通事故の慰謝料は「入通院慰謝料」「後遺障害慰謝料」「死亡慰謝料」の3種類があります。

 

交通事故の慰謝料

入通院慰謝料

入通院が必要になる傷害を負わされた精神的苦痛に対して請求できる慰謝料

後遺障害慰謝料

後遺障害を負わされた精神的苦痛に対して請求できる慰謝料

死亡慰謝料

被害者を亡くした精神的苦痛に対して遺族(相続人)が請求できる慰謝料

 

入通院慰謝料は入通院の日数・期間により計算されます。以下紹介します。

入通院慰謝料の計算式

自賠責保険において、入通院慰謝料は以下の計算結果を比較して少ない方の金額とされます。

 

入通院慰謝料の計算式

  1. 4,200円(2020年4月1日以降の事故は4,300円)×治療期間
  2. 4,200円(2020年4月1日以降の事故は4,300円)×実治療日数×2


例えば、3月1日に事故に遭い、3月28日までを通院期間とし、治療期間は28日(1日~28日)、実際に通院した実治療日数を12日とした場合、計算式は以下の通りです。

 

  1. 治療期間(28日)×4,200円=11万7,600円
  2. 実治療日数(12日)×4,200円×2=10万800円

 

少ない方が採用されるため、慰謝料は②の10万800円になります。

入通院期間の数え方

入通院期間は状況によって数え方が少し異なります。開始日と終了日の考え方、数え方について紹介します。

治療開始(入通院開始)日

治療開始日は事故が発生した日となりますなお、事故が発生して1週間を過ぎても通院がされていない場合、事故と通院との因果関係が否定されて自賠責からの補償が受けられなくなる可能性がありますので、注意しましょう。

 

治療終了(通院終了)日

治療終了日は基本的に最終通院日ですが、最終診断書の治療終了事由が「中止」「治癒見込み」である場合には、最後に通院した日から7日後が治療終了日として計算されます。

 

ギプス装着期間も入通院期間に含まれる

交通事故の怪我で骨折・変形などを負い、ギプスなどの固定具の装着を余儀なくされた場合には、当該装着期間は入通院期間として処理されます。

自賠責保険による後遺障害慰謝料・死亡慰謝料の相場

後遺障害慰謝料と死亡慰謝料の相場について紹介します。

後遺障害慰謝料の相場

後遺障害とは、医師にこれ以上は良くならないと診断された症状のうち「損害保険料率算出機構」より認定される症状に該当した場合、申請できます。1~14段階の等級に分けられており、数字が小さくなるほど症状が重いと判断され、慰謝料も高額になります

 

等級

慰謝料

等級

慰謝料

第1級

1,100万円

第8級

324万円

第2級

958万円

第9級

245万円

第3級

829万円

第10級

187万円

第4級

712万円

第11級

135万円

第5級

599万円

第12級

93万円

第6級

498万円

第13級

57万円

第7級

409万円

第14級

32万円

 

なお後遺障害等級について、詳しくは以下の記事で解説しています。詳細を確認したい場合は、そちらも併せてご覧ください。

 

【詳細記事】後遺障害の等級に該当する症状と適切な認定を獲得する全知識

死亡慰謝料の算定表

死亡慰謝料は、被扶養者の有無や慰謝料請求する遺族(相続人)の人数などによって決定します。慰謝料の金額は以下のとおりです。

 

死亡慰謝料の算定表

本人の慰謝料

350万円

遺族の慰謝料

被害者に被扶養者がいる場合

被害者に被扶養者がいない場合

請求権者1人の場合

750万円

550万円

請求権者2人の場合

850万円

650万円

請求権者3人以上の場合

950万円

750万円

 

計算例

被害者に被扶養者がおらず請求権者が2人の場合、【350万円+650万円】の計算式により、1,000万円の慰謝料が請求可能となります。

自賠責保険の慰謝料が支払われるまでの期間(いつもらえるか)

加害者側が任意保険会社に加入している場合は、被害者が自賠責保険から別途補償を受けるというケースは少ないです。しかし、加害者側との協議がまとまる前でも、被害者はこれに先行して自賠責に一定の補償を行うよう求めることができます(被害者請求)。

 

この被害者請求を行った場合、必要書類が揃っていれば、傷病についての補償であれば申請から1ヶ月程度で支払われるのが通常です。

 

【詳細記事】後遺障害の被害者請求を弁護士に依頼する3つのメリット

自賠責保険の限度額と減額されるケース

自賠責保険における限度額と、減額されるケースについて紹介します。

自賠責保険の限度額

自賠責保険においては、以下の限度額が定められています。

 

損害内容

金額(被害者1名につき)

傷害による損害

120万円

後遺障害による損害

※神経系統の機能や精神・胸腹部臓器への著しい障害で、介護を要する障害

・常時介護が必要な場合:4,000万円(第1級)

・随時介護を要する場合:3,000万円(第2級)

上記以外の後遺障害による損害

3,000万円〜75万円(第1級~第14級)

死亡による損害

3,000万円

参考元:限度額と保障内容|自動車総合安全情報 - 国土交通省

 

ただし被害者には、事故で生じた損害をすべて請求する権利があるので、上記はあくまで自賠責保険から支払われる限度額であると認識しておきましょう。

 

超過分を請求するには、加害者が加入する任意保険会社に対して超過分を請求することになります(加害者が保険未加入の場合は加害者本人へ)。

被害者の過失割合が大きいと慰謝料は減額される

被害者の過失割合(事故の責任の割合)が7割以上の場合には、自賠責保険から受け取れる慰謝料は減額されてしまいます。

 

被害者の過失割合

減額される割合

後遺障害または死亡

傷害事故

7割未満

減額なし

減額なし

7割以上8割未満

2割減

2割減

8割以上9割未満

3割減

9割以上10割未満

5割減

 

例えば、入通院慰謝料が50万円だとしても、被害者の過失割合が7割の場合には、【50万円×0.8】により40万円までの請求しか認められません。

自賠責保険の限度額を超えて慰謝料を請求する方法

より多くの慰謝料を獲得したいのであれば、まず保険会社から提示された慰謝料が適正なのか確認する必要があります。

 

では、どのようにするのか、増額した場合の相場はいくらなのかなどについて紹介します。

増額したいなら弁護士基準で適切な慰謝料を確認する

弁護士基準とは裁判基準とも呼ばれ、過去の判例をもとに慰謝料を計算する方法です。

 

交通事故の計算基準には、自賠責基準(自賠責保険の基準)・任意保険基準・弁護士基準の3つがあり、弁護士基準が最も高額な慰謝料を獲得できる基準になります。

 

では、弁護士基準と比較してどのくらいの差ができるのか紹介します。

 

入通院慰謝料

通院期間と入院期間

自賠責基準

弁護士基準(※)

①通院のみ3ヶ月
(実通院日数30日)

25万2,000円

73万円

(53万円)

②通院のみ6ヶ月
(実通院日数60日)

50万4,000円

116万円

(89万円)

③入院1か月・通院3ヶ月
(入院30日・実通院30日)

50万4,000円

115万円

(83万円)

④入院1か月・通院6ヶ月
(入院30日・実通院60日)

75万6,000円

149万円

(113万円)

⑤入院2か月・通院6ヶ月
(入院60日・実通院60日)

100万8,000円

181万円

(133万円)

※()はむちうちなどの他覚症状がない負傷をした際の慰謝料

 

 後遺障害慰謝料

等級

自賠責基準

弁護士基準

第1級

1,100万円

2,800万円

第2級

958万円

2,400万円

第3級

829万円

2,000万円

第4級

712万円

1,700万円

第5級

599万円

1,440万円

第6級

498万円

1,220万円

第7級

409万円

1,030万円

第8級

324万円

830万円

第9級

255万円

670万円

第10級

187万円

530万円

第11級

135万円

400万円

第12級

93万円

280万円

第13級

57万円

180万円

第14級

32万円

110万円

弁護士基準で慰謝料を請求するには

弁護士基準で慰謝料を請求したいのであれば、交通事故問題に注力する弁護士に相談することがお勧めです。そのまま弁護士に交渉対応まで依頼すれば、スムーズに弁護士基準での請求を進めてくれます。この場合、被害者は処理を弁護士に一任して、自身は治療や生活の立て直しに専念できます。

 

弁護士に依頼するメリット

  • 慰謝料の増額が見込める
  • 事故処理(後遺障害認定の申請も含む)を一任できる
  • 示談交渉をスムーズに進められる
  • 過失割合について妥当な提案をしてくれる 

 

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まとめ

自賠責保険は、交通事故被害者の最低限の補償を確保する目的で設立されました。そのため、事故状況に応じて以下の限度額が定められています。

 

  • 負傷による保険金:120万円
  • 後遺症による保険金:75〜4,000万円
  • 死亡による保険金:3,000万円

 

ただし、この金額はあくまで自賠責保険から支払われる保険金の限度額なので、これを超える分については加害者の任意保険会社(加害者が保険未加入なら加害者本人)に請求可能です。

 

交通事故の慰謝料は計算の仕方によって金額が大きく変わります。示談が成立してからでは、原則、慰謝料の金額を変えることはできません。不安な点がある場合には必ず弁護士に相談してみてください。

 

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交通事故は年々減少しているものの、毎月の発生件数は2万人を超え、2万~3万人の死傷者が出ています。

 

(参考:安全・快適な交通の確保に関する統計等|警察庁)

 

交通事故における自己解決と弁護士介入の違いとは?

入通院や後遺障害が残るようなけがを負った場合、慰謝料(入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・死亡慰謝料)の他に、

  • 逸失利益
  • 休業損害
  • 実費
  • その他の損害に対する補償なども請求できます

 

しかし、交通事故の損害賠償に関する知識がない人では、どれをどのくらい請求できるのかわからないと思います。反対に交渉相手である保険員の多くは、交通事故による示談交渉の経験者です

 

そもそもの知識量や交渉技術が違いすぎるため、自己解決では金銭的な損をする可能性が非常に高まります

 

損害に見合う賠償を受けるためにも弁護士への相談は強くおすすめです。以下のような結果を得られるかもしれません(あくまで一例であり、事故状況などによって結果が異なります)。

 

青信号横断中の事故【自動車×人】

 

青信号で横断歩道を歩行していたところ、同じ方向から右折してきた自動車に衝突されてしまいました。

事故による膝の故障で、最終的に退職を余儀なくされました。

弁護士介入により、約2ヶ月で約550万円の増額に成功しました。

依頼前

550万円

依頼後

1,100万円

 

 

信号待ち停車中の追突事故【自動車×自動車】

信号待ちで停車中に、後方から前方不注意で突っ込んできた車にぶつけられ、頚椎、腰椎を負傷してしまいました。

粘り強く交渉した結果、主婦としての休業損害約130万円を獲得できました

 

依頼前

50万円

依頼後

400万円

 

 

追突されたことによる死亡事故【自動車×バイク】

バイクで公道を走行していたところ、後ろから前方不注意の自動車に追突され転倒し、後遺障害1級と認められる大けがを負いました。

保険会社との交渉中に病気によりお亡くなりになってしまい、病気と事故の因果関係について争いが生じました。

交渉を重ね、最終的に治療費と合わせ6,000万円を超える保険金を取得することができました

 

依頼前

0万円

依頼後

6,000万円

 

 

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みんな「いつ」弁護士に相談している?

弁護士への相談を検討していても、いつ相談すべきか迷っている人もいると思います。

 

当サイト「交通事故弁護士ナビ」が行ったご利用者様に対するアンケートでは、「治療中」から弁護士へ相談している人が一番多いようです。

 

※事故ナビご利用者様の満足度調査アンケート一部【2020/5/1~2020/5/31 】

ネット上 人身事故に遭った110人(無作為)

 

治療中から相談を受けることで、後遺障害等級を取るために有利な病院への通い方治療費を打ち切られた時の対処法を教えてもらえるなど、様々なメリットがあります。

 

また、早い段階から弁護士へ相談することで、後遺障害申請から示談交渉まで一貫してサポートしてもらえるため「この先どうなるんだろう…」など先のことへの不安を解消できるでしょう

 

事務所によって、病室からでも相談できるよう出張相談やオンライン相談を受け付けていますので、今動くのがつらくても、ご安心ください。

 

事故直後から相談している方もいますので、事故被害に遭い今後や加害者(加害者の保険会社)への対応に不安・疑問を感じた場合、早い段階で弁護士へ相談しましょう。

 

弁護士依頼が実質0円!?

 

弁護士費用特約とは、任意保険に付帯しているオプションの一種です。

また、本人が加入していなくても、以下のような人が加入していれば、適用されます(範囲は保険会社によります)。

 

自分の加入している任意保険会社もしくは、上記に該当する方の任意保険に弁護士特約が付帯していないか確認してみましょう。

 

信頼できる弁護士を選ぶポイントとは?

 

弁護士ならだれでもいいというわけではありません

 

弁護士に依頼したものの、「何週間も放置され、対応が遅い」「保険会社の提案にうなずいてばかりで、自分の希望通りに進まない」など、期待通りに進まないケースもあり得ます。

 

このように弁護士選びに失敗しないためにも、最低限以下の4つのポイントを押さえましょう。

 

  1. 交通事故問題の解決に注力している
  2. 事務所が自宅と近い
  3. 弁護士費用に無理がない
  4. 弁護士がよく話をきいてくれ、説明が丁寧

 

この4つに当てはまる弁護士、弁護士事務所であれば、大きく失敗することはないでしょう。また、弁護士を選ぶ上で重要なのは、「自分と合うかどうか」です

 

信用できないな」と感じたら、別の弁護士に依頼することをおすすめします。

 

ただし、現在の弁護士数は約4万人以上です。1人1人自分に合う弁護士を探していたら、いつまでも賠償金を受け取れません。もっと簡単に信頼できる弁護士を探したいのであれば当サイト「交通事故弁護士ナビ」がおすすめです。

 

交通事故弁護士ナビでは、交通事故に注力している事務所のみを掲載しています。また、無料相談・24時間相談・土日祝日の相談などさまざまな条件の事務所を探せるので、無理なく相談することが可能です。

 

そのため、相談に行きやすい事務所を簡単に見つけられます。まずは、お近くの事務所をお探しください。

 

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KL2020・OD・037

この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事は交通事故弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※交通事故弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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