事故の状況
依頼者が横断歩道を歩行していたところ、自動車にはねられ、骨盤骨折等の重傷を負った事案
依頼内容
依頼者には、事故後、股関節の可動域制限や骨盤周囲の痛み、下肢の痛み・しびれなどが残りました。また、下肢が1センチメートル以上短くなったため、歩行時のバランスが崩れ、階段の昇降や長時間の歩行、走行にも支障が生じていました。
後遺障害については、股関節の機能障害で10級11号、下肢の短縮障害で13級8号が認定され、併合9級となっていました。
その後、保険会社から約3900万円の賠償案が提示されましたが、後遺障害逸失利益については、併合9級ではなく、10級相当の労働能力喪失率を用いて計算されていました。
依頼者は、実際に生じている仕事及び日常生活の支障が適切に反映されているのか疑問を持ち、提示額の妥当性について相談されました。
対応と結果
まず、保険会社の提示内容を確認し、特に後遺障害逸失利益の算定方法に問題がないかを検討しました。
依頼者の業務はデスクワークが中心でしたが、事業所やグループ会社への出張を伴うものでした。
事故後は、長距離の歩行や階段の昇降が難しくなり、遠方への出張を減らさざるを得ませんでした。また、移動にはタクシーを利用し、予定に余裕を持たせてもらうなど、勤務先から特別な配慮を受けながら仕事を続けていました。
そこで、事故後も就労を継続し、直ちに大幅な減収が生じていないという事情だけで、労働能力への影響を10級相当にとどめて評価するのは適切ではないと主張しました。
具体的には、股関節の機能障害と下肢の短縮障害が同時に残っていること、脚長差によって歩行時の姿勢やバランスに影響が生じていること、階段の昇降や長時間の歩行が困難であること、移動による疲労が強くなったことなどを整理しました。
さらに、出張の制限、勤務先によるスケジュール調整など、職務上の具体的な支障も明らかにしました。
下肢の機能障害と短縮障害が併存する類似裁判例も示し、併合9級に対応する労働能力喪失率を基礎として、逸失利益を算定すべきであると交渉しました。
その結果、訴訟を提起することなく、最終的に5000万円で示談が成立させることができました。
横浜湊中央法律事務所
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