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シンプルに教えます|弁護士相談で慰謝料が増える理由と具体的な金額

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
シンプルに教えます|弁護士相談で慰謝料が増える理由と具体的な金額

『慰謝料』という言葉に、どのようなイメージをお持ちですか? 恐らくほとんどの方が、『精神的苦痛に対して支払われるお金』と答えるのではないでしょうか。もちろん正解です。

では、目に見えない『精神的苦痛』に対して、どうやってお金を支払うのでしょう。

  • 大怪我を負ったが、ポジティブなのであまり気にしていないAさん
  • 大した事故ではなかったが、ひどく落ち込んでいるBさん

AさんとBさん、慰謝料が多くもらえるのはどちらだと思いますか? 事故の状況にもよるので断言はできませんが、一般的にはAさんの方が、慰謝料が高額になると考えられます。

『精神的苦痛に対するお金』というとあいまいな気がしますが、金額の算出の仕方にはある程度のルールがあります。そして、請求の方法によって、金額は増えたり、減ったりします

この記事では、『慰謝料を多く請求する方法』と『慰謝料な具体的な金額』について解説しています。

「難しい文章は読みたくない…」という方のために、表だけ見れば金額がわかるようにしました。文章が苦手な人にもおすすめです。

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慰謝料を算出する際の2つの基準

慰謝料には、2つの金額基準があります。

自賠責基準

『自賠責法』によって定められている基準。被害者に対する、最低限の補償を目的としている。金額は低い

弁護士基準

過去の裁判の結果などをもとに、東京三弁護士会が公表している基準。弁護士が慰謝料を請求するときに用いる基準。自賠責基準に比べて、金額が高額

実際に慰謝料がいくら支払われるかは、『加害者が加入している任意保険会社』との話し合い(示談)で決まることが多いです。

一般的に、加害者が加入している保険会社が提示してくる金額というのは、自賠責基準の金額に若干上乗せした程度のものです(この金額の目安を『任意保険基準』と呼ぶこともあります)。

ここまで読んでみて、『どういう意味なのかよくわからなかった…』という方は、これだけ覚えてください。

慰謝料請求を弁護士に依頼すると、高額な慰謝料をもらえるかもしれないのです!

増額可能な慰謝料は次の3つ

交通事故が起きたとき、加害者から被害者に支払われる慰謝料は3種類あります。難しいことは抜きにして、シンプルに説明します。

①入通院慰謝料

入通院慰謝料は、『入通院をしなければならない』という、精神的苦痛に対して支払われるお金です。

事故で怪我をして、入院や通院した場合に請求可能です。入院・通院の期間や日数など、治療の結果に応じて金額が算出されます。

②後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料は、『後遺障害とつき合っていかなくてはならない』という、精神的苦痛に対して支払われる慰謝料です。

後遺障害とは、『一生治らない怪我(例えば失明)』のことで、症状に合わせて1~14級に分けられます。等級に応じた慰謝料が支払われます。

③死亡慰謝料

死亡慰謝料は、『被害者が亡くなってしまった』という、精神的苦痛に対して支払われる慰謝料です。

亡くなった本人に対する慰謝料と、残された遺族に対する慰謝料の2つが支払われます。

入通院慰謝料は請求方法によってどう変わる?

まずは、入通院慰謝料から、基準ごとの慰謝料の違いを確認していきましょう。

入院の場合

入院した場合の慰謝料を、『自賠責基準』と『弁護士基準』で比べてみます。1ヶ月を30日として計算しました。

入院期間

自賠責基準(※)

弁護士基準

1ヶ月間

8万6,000円

(8万4,000円)

53万円(44万4,000円UP)

2ヶ月間

17万2,000円

(16万8,000円)

101万円(83万8,000円UP)

3ヶ月間

25万8,000円

(25万2,000円)

145万円(119万2,000円UP)

4ヶ月間

34万4,000円

(33万6,000円)

184万円(149万6,000円UP)

5ヶ月間

43万円

(42万円)

217万円(174万円UP)

6ヶ月間

51万6,000円

(50万4,000円)

244万円(192万4,000円UP)

 

※:初診から治療終了日を21日とし実際の通入院は10日間だったと仮定し、()内は2020年3月31日までに発生した事故の慰謝料額4,200円で、2020年4月1日より後に発生した事故に関しては4,300円で計算しています。

例えば、2ヶ月間入院した場合、自賠責基準で請求すると約17万円ですが、弁護士基準(弁護士が請求)で請求すると101万円にもなります。

弁護士基準の方が、はるかに金額が高くなります。みなさんはどちらを選びますか?

通院の場合

次に、『入院はせず、通院をした』場合の入通院慰謝料を比較してみましょう。通院は、毎日するものではないので、ここでは『週1回(毎月4回)』通院したものとして計算します。

通院期間

自賠責基準

弁護士基準 ()内は他覚的所見のないむちうちの場合

1ヶ月間

3万4,400円

28万円(19万円)

2ヶ月間

6万8,800円

52万円(36万円)

3ヶ月間

10万3,200円

73万円(53万円)

4ヶ月間

13万7,600円

90万円(67万円)

5ヶ月間

17万2,000円

105万円(79万円)

6ヶ月間

20万6,400円

116万円(89万円)

※他覚的所見とは、レントゲン結果やCT検査の結果など、他の人がみてわかる症状のことをいいます。

こちらも、自賠責基準と弁護士基準で金額に大きな差があります。自賠責基準の場合、実際に通院した日数でカウントしますが、弁護士基準の場合は総通院期間で評価することになります。

後遺障害慰謝料は請求方法によってどう変わる?

次に後遺障害慰謝料の金額について説明していきます。自賠責基準と弁護士基準で金額がどう変わるのか、見てみましょう。

等級

自賠責基準

(2020年3月31日までに発生した事故)

弁護士基準

第1

1,150万円

(1,100万円)

2,800万円

第2

998万円

(958万円)

2,370万円

第3

861万円

(829万円)

1,990万円

第4

737万円

(712万円)

1,670万円

第5

618万円

(599万円)

1,400万円

第6

512万円

(498万円)

1,180万円

第7

419万円

(409万円)

1,000万円

第8

331万円

(324万円)

830万円

第9

249万円

(245万円)

690万円

第10

190万円

(187万円)

550万円

第11

136万円

(135万円)

420万円

第12

94万円

(93万円)

290万円

第13

57万円

180万円

第14

32万円

110万円

入通院慰謝料に比べて金額が高額です。自賠責基準と弁護士基準の金額差も大きくなるので、弁護士に請求を依頼するメリットは大きいといえるでしょう。

『自分、もしくは被害者の症状が何級に該当するのか』は、表内の等級部分にあるリンクをクリックして確認してみてください。

死亡慰謝料は請求方法によってどう変わる?

最後に、死亡慰謝料の金額を確認していきましょう。

自賠責基準の場合、遺族の人数によって慰謝料額が変化しますが、弁護士基準の場合は、死亡者の家庭内の立場によって金額が変動します。

自賠責基準の場合

請求する要項

慰謝料額

死亡者本人に対する慰謝料

400万円(2020年4月1日以前に発生した事故に関しては350万円)

遺族が1人の場合

550万円を加算

遺族が2人の場合

650万円を加算

遺族が3人以上の場合

750万円を加算

遺族が死亡者の被扶養者であった場合

1人につき200万円を加算

例:遺族が2人、そのうちの1人が被扶養者だった場合

→400万円+650万円+200万円=1,250万円

弁護士基準の場合

死亡者の立場

弁護士基準

一家の大黒柱

2,800万円

配偶者、母親

2,500万円

上記以外

2,000万~2,500万円

自賠責基準と弁護士基準では、1,000万円以上の金額差があることがわかりました。

よくある疑問

弁護士に関するよくある疑問をまとめました。

弁護士に相談するのはハードルが高い…

「なんとなく、ハードルが高くて相談しにくい…」と感じる方もいるでしょう。弁護士に相談する機会は滅多にありませんし、そう思うのも無理はありません。

ですが、ここでわかっていただきたいのは、『弁護士は困っている人の味方である』ということです。躊躇したりする必要はありません。

どうしても相談しにくいと感じる方は、『何を相談するか』、あらかじめ紙に書いてまとめたりしてみてはどうでしょうか。

弁護士費用って高いんじゃないの?

「弁護士費用って高いのでは?」、「いくらかかるかわからないので相談しにくい…」とお考えの方もいるでしょう。

慰謝料請求(示談交渉)の弁護士費用は『着手金(10万~20万円程度)+成功報酬(増額された慰謝料の一部)』が一般的です。

ということは、『増額した慰謝料で、弁護士費用を賄える可能性が十分にある』ということです。また、『着手金なし、成功報酬のみ』で依頼を受けてくれる弁護士もいます

『相談料無料』の弁護士もいますので、正式に依頼すべきかどうか、相談してみるのもおすすめです。

どの弁護士に頼んでいいのかわからない

弁護士には、それぞれ得意分野があります。『ベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)』は、交通事故が得意な弁護士を掲載していますので、ご安心ください。

『自宅からの距離』や『料金体系』など、ご自身の都合に合った選び方で問題ありません。

【関連記事】弁護士に無料法律相談できるおすすめ相談窓口|24時間・電話相談OK

まとめ

この記事の中で重要なポイントをまとめました。

  • 慰謝料には『自賠責基準』と『弁護士基準』がある
  • 自賠責基準と弁護士基準では数百万~1,000万円以上の金額差がつくこともある
  • 高額な慰謝料を獲得するためには、『弁護士基準』で請求する必要がある
  • 弁護士基準で請求するには、弁護士に請求を依頼する必要がある

自賠責基準と弁護士基準の金額差について、具体的な金額を挙げて、シンプルに紹介しました。

入通院をしたり、事故で人が亡くなったりした場合には、いずれかの慰謝料を請求できます。できるだけ多くの慰謝料を獲得するためにも、まずは弁護士に相談しましょう。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事はベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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