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自転車事故の相談先と解決事例を解説!慰謝料を最大限に得る方法

監修記事

自転車同士の事故や自転車と歩行者の事故被害に遭ったものの、加害者が治療費すら支払ってくれないなどのトラブルに巻き込まれることがあります。

自転車事故で慰謝料はもらえないと思いがちですが、状況によっては100万円を超える慰謝料を獲得できます。

また、少額であっても、まとまったお金が入ることで、事故後の生活が楽になるか、苦しくなるか大きく変わってきます。

本記事では、自転車事故に遭ってトラブルに巻き込まれた際の相談先や、実際に相談して解決した自転車事故の事例について紹介します。

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自転車事故に遭ったときの相談先4選

自転車事故の相談先は主に以下の4つです。

  1. 日弁連交通事故相談センター
  2. 法律事務所
  3. 法テラス
  4. 自転車ADRセンター

具体的な対応などについて紹介していきます。

1.日弁連交通事故相談センター

日弁連交通事故相談センターは日本弁護士会が設立した財団法人です。

全国に相談所が162ヵ所あり、交通事故に関する紛争の解決を弁護士がおこなってくれます。

電話(平日19:00まで)や面談での相談から示談あっせんによる話し合いまで、無料で受け付けています。

また面接相談については、原則5回まで無料です。

ただし、相談はあくまで法律的なアドバイスを受けるものであり、交渉をおこなうのはご自身となります。

相談のみでは上手くいかない場合、日弁連交通事故相談センターでの示談あっせんなどを検討することもできます。

日弁連交通事故相談センターでおこなえる相談内容

日弁連交通事故相談センターでは、以下のように交通事故に関わる民事上の法律相談をおこなうことができます。

  • 損害の請求金額
  • 損害の請求方法
  • 過失割合の算定
  • 示談の時期と方法 など

電話での相談は10分程度、面談での相談は30分程度と時間が限られています。

事故に関する書類や相談したい内容などを事前にまとめておくとよいでしょう。

住所

東京都千代田区霞が関1-1-3 弁護士会館14階

電話番号

 0120-078325(フリーダイヤル 国際電話及び一部のIP電話を除く)

2.法律事務所

自転車事故で泣き寝入りせず、損害に見合う内容で解決したいのであれば、各センターや機関ではなく、法律事務所に直接相談することをおすすめします。

自分で弁護士を選べるため、実績があり、受付時間や住所地もあなたの生活に合う法律事務所に依頼可能です。

また、個別の弁護士に依頼すれば、完全にあなたの味方になってくれますので、親身かつあなたの希望にできるだけ沿った形での解決を期待できます。

弁護士に相談・依頼するメリット

自転車事故を弁護士に相談・依頼することで以下のようなことをおこなってくれます。

  • 妥当な損害賠償請求の算定
  • 過失割合の算定
  • 後遺障害の等級認定
  • 示談交渉の代行
  • 必要書類の収集代行 など

全て依頼できるので、精神的な負担が軽くなります。

費用についても獲得した慰謝料から算出できる「完全報酬型」の法律事務所もありますので、相談してみてください。

最寄りの法律事務所を探すのが難しい方は、ベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)を利用してみてください。

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3.法テラス

法テラスは、全国どこでも法による紛争解決に必要な情報やサービスを提供することを目的として、平成18年4月に設立された機関です。

さまざまな法律問題に関する問題解決の援助をおこなっています。

法テラスでできること

法テラスでは、以下のようなことをおこなってくれます。

法律相談

収入によっては、法律相談を無料で受けることができます。

裁判・調停・交渉援助

自転車事故によって裁判や調停・示談交渉をおこないたい場合に、弁護士を紹介してくれます。

また、一定の基準を満たした場合、法テラスが弁護士費用などの立て替えもおこなってくれます。

書類作成援助

自身で裁判を起こす際に裁判所に提出する書類の作成を弁護士が援助してくれます。

電話番号

0570-078374(IP電話:03-6745-5600)

受付日時

平日9:00~21:00 土曜9:00~17:00

一方で、自分で弁護士を選べない、交通事故が得意か分からない、条件を満たさないと利用できないなどのデメリットもあります。

もしデメリットが気になるようであれば、ベンナビ交通事故などを活用して自分で弁護士を探すほうがよいでしょう。

自転車ADRセンター

自転車ADRセンターでは、以下の事故に関する調停をおこなっています。

  • 自転車と歩行者との間の事故
  • 自転車と自転車との間の事故
  • 自転車による器物の損壊

ただし、自転車の構造上の欠陥等による事故は対象としていませんので、ご注意ください。

自動車ADRセンターは、自転車事故などで紛争が発生した場合に、仲介者を間に立てて話し合うことで解決を目指します。

ADRがおこなう調停の仲介者は少なくとも弁護士1名と、自転車事故防止等の啓発活動に3年以上従事した自転車関連団体の役員もしくは職員2名の合わせて3名から構成されます。

そして、事故態様や被害者の受傷状態を見たうえで、加害者が被害者に支払うべき損害賠償額などの合意を仲介します。

自転車ADRセンター利用方法

電話で利用を申し込んだら、その後の面談で相談をおこないます。

このときには、調停の手続きに関する説明をはじめ、事故の態様についての聞き取りなどがおこなわれます。

その後は、調停を申し込むことで正式に依頼が完了します。

相手方が応じた場合には調停が開かれますが、そもそも相手が応じない場合はそこで打ち切りとなりますので、注意しましょう。

調停で話し合いを進めて、双方が納得する内容で和解を目指します。

和解に至った場合は、和解書が作成されて終了です。

もし和解に至らないようであれば、裁判をおこなうかどうかについて検討します。

自転車ADRセンターで調停する際に必要な費用

自転車ADRセンターで調停をおこなう場合には、以下のような費用が発生します。

項目

説明

費用

申立手数料

調停申立時に手数料として支払います。申立人のみが支払う必要があります。調停の相手は支払う必要はありません。

5,000円(消費税別)

和解成立手数料

調停にて和解(示談)が成立した際に支払う手数料です。決定された損害賠償額によって右のとおりに規定されています。

1.経済的利益が100万円までの部分10万円までごとに3,000円

2.経済的利益が100万円を超え500万円までの部分20万円までごとに3,000円

3.経済的利益が500万円を超え1,000万円までの部分50万円までごとに6,000円

4.経済的利益が1,000万円を超え10億円までの部分100万円までごとに9,000円

鑑定料

事故の状態を詳しく調べるために、鑑定をおこなった際に支払う費用です。

1件につき10,500円

鑑定の実費

鑑定の際に必要となる旅費や宿泊費などです。

必要分

自転車ADRセンター利用の注意点

自動車ADRでは、話し合いで解決するという性質上、解決しない場合もあります。

また仲介人はあくまで中立の立場なので、必ずしも親身に味方になってくれるわけではありません。

実質一人で対応することになるので、それが難しい場合は弁護士などに相談することをおすすめします。

以下の相談及び調停場所は東京のみでの運用です。

住所

東京都品川区上大崎3-3-1 自転車総合ビル4F

電話番号

03-4334-7959

受付日時

毎週月曜日・木曜日 午前10時~午後4時(年末年始を除く)

自転車事故が相談で解決した3つの過去事例

自転車は免許不要で誰でも乗れるものです。

自動車に比べて運転スピードも比較的低速であることから、損害賠償も低額になるかと予想される方もいるかもしれません。

しかし事故態様によっては自転車事故でも高額になる可能性があります。

ここでは、弁護士が介入して実際に解決した事例について紹介します。

1.自転車と自転車の事故で慰謝料40万円が150万円になったケース

交差点における衝突事故で、事故態様及び過失割合が争点となったケースです。

加害者側は自分の非を認めず、被害者の過失が大きいと主張したうえで、慰謝料・休業損害の合計として40万円を提示し、頑なに譲りませんでした。

埒が明かないと判断し依頼者と相談のもと、訴訟を提起しました。

その結果、加害者の不合理性が認められました。慰謝料と休業損害を含めて40万円から150万円の増額に成功しました。

2.車と自転車の事故で賠償金900万円が1,400万円に増額したケース

自転車で交差点に進入したところ、右折してきた自動車に衝突された事故で、後遺障害の等級が争点となったケースです。

保険会社は、可動域制限が本人の意思によるという理由から後遺障害12級を認めず、14級であることを主張しました。

その主張をもとに訴訟を提起し、リハビリの経過や病院記録から12級であることを丁寧に主張したところ、裁判所より12級を前提として和解案が提示されました。

結果として、当初の損害賠償900万円から500万円高い1,400万円で和解が成立しました。

3.×自転車の事故で慰謝料1,000万円以上を示談で獲得したケース

青信号を直進していたところ、対向から来た右折車と追突し、後遺障害11級が残ったケースです。

依頼者が後遺障害申請時から弁護士に依頼していたため、後遺障害がスムーズに認定されただけではなく、保険会社との交渉においてもスムーズに和解に至りました。

示談で解決に至ったため、多くの損害賠償を裁判なしに獲得できました。

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自転車事故の相談でよくある質問

ここでは、自転車事故の相談でよくある疑問に対する回答を紹介したいと思います。

1.損害賠償の算定方法はどのようにおこないますか

自転車事故に限らず交通事故を起こした場合、加害者は被害者が被った損害に対して賠償をしなければなりません。

なお、自転車事故の損害賠償金の算定方法は、自動車事故と変わりません。

具体的には、事故の被害によって出費しなければならなかった積極損害、事故の影響により減少した収入の消極損害、精神的な苦痛に対する慰謝料の3つの項目を請求することができます。

自賠責基準と弁護士基準の等級別慰謝料

自転車事故の慰謝料の相場は、各基準に応じて等級別に定められています。

各基準ごとの慰謝料の相場は、以下のとおりです。

等級

自賠責基準

(2020年3月31日までに発生した事故)

任意保険基準(推定)

弁護士基準

第1級

1,150万円

(1,100万円)

1,600万円程度

2,800万円

第2級

998万円

(958万円)

1,300万円程度

2,370万円

第3級

861万円

(829万円)

1,100万円程度

1,990万円

第4級

737万円

(712万円)

900万円程度

1,670万円

第5級

618万円

(599万円)

750万円程度

1,400万円

第6級

512万円

(498万円)

600万円程度

1,180万円

第7級

419万円

(409万円)

500万円程度

1,000万円

第8級

331万円

(324万円)

400万円程度

830万円

第9級

249万円

(245万円)

300万円程度

690万円

第10級

190万円

(187万円)

200万円程度

550万円

第11級

136万円

(135万円)

150万円程度

420万円

第12級

94万円

(93万円)

100万円程度

290万円

第13級

57万円

60万円程度

180万円

第14級

32万円

40万円程度

110万円

表:自賠責基準と弁護士基準の等級別慰謝料

慰謝料の算定方法は各基準によって異なりますが、弁護士基準が最も高額になるでしょう。

2.損害賠償の裁判はどのように起こしますか

加害者との話し合いが上手くまとまらなかった場合には、裁判をおこなうことになります。

訴訟を提起する場合、損害賠償の請求金額によって管轄が変わるのでご注意ください。

一般的に、請求金額が140万円未満の場合は簡易裁判所に対して、140万円以上の場合は地方裁判所に対して訴訟提起をおこないます。

3.自転車事故の示談交渉は保険会社に代行してもらえますか

自転車同士の事故の場合、自賠責保険はないことに加えて、任意保険に加害者が加入しているケースは稀です。

そのため、保険会社の介入の余地はなく、当事者同士で示談をおこなわなければなりません。

その場合、損害賠償額や過失割合の算定を自身でおこなう必要があります。

加害者と交渉もおこなわなければなりません。

損害賠償や過失割合は専門的な知識が無い場合、妥当な金額や割合を算定することが困難です。

また、事故の被害者と加害者が直接交渉をおこなった場合には、感情的になりスムーズに示談をおこなうことが困難になる場合も考えられます。

4.自賠責保険に加入していませんが後遺障害の認定をしてもらえますか

損害保険料率算出機構によって後遺障害の等級認定を受けることができます。

しかし損害保険料率算出機構は、自賠責保険にかかる損害調査をおこなう機関です。

加害者が自転車の場合には自賠責保険がないので、当該機構で後遺障害の等級認定を受けることはできません。

等級の認定は裁判所でおこなわれます。

訴訟をおこなう前に、病院などから必要資料を取り寄せて、該当する等級を立証する必要があります。

5.加害者に慰謝料をきちんと支払ってもらうにはどうしたらよいですか

自動車保険に加入していた場合は、契約の条件に従って保険会社が損害賠償の支払いをおこないます。

しかし、自転車事故において保険に未加入であった場合には、加害者本人の財産から支払わなければなりません。

自転車事故においても、場合によっては損害賠償額が高額になることもあります。

加害者個人での支払いは困難になる場合も考えられます。このようなケースでは、分割支払いを提案しましょう。

また加害者が未成年であった場合、親の債務引き受けなどの対策を取ってもらうことも可能です。

まとめ

自転車事故は軽傷で済むケースもありますが、自動車と衝突したりスピードが出ている場合、後遺障害が残るような痛ましい事故に発展する可能性があります。

しかし自転車には自賠責保険がないことから、加害者側から損害賠償金がきちんと支払われないなど、自動車事故では起こりえないトラブルが発生する可能性があります。

このようなトラブルに巻き込まれたときには、できるだけ早く本記事で紹介した自動車事故の相談先に問い合わせることが大切です。

なお、相談先にお悩みの場合には、弁護士への相談を検討してみるのがおすすめです。

すでに紹介した解決事例3のように、スムーズな後遺障害認定と慰謝料請求が期待できるからです。

ベンナビ交通事故などを活用して、交通事故を得意とする弁護士を探してみるとよいでしょう。

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この記事の監修者
井村 剛 (金沢弁護士会)
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編集部

本記事はベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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