交通事故の損害賠償|4つの特徴と知って納得の回答21選

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2015.5.27

交通事故の損害賠償|4つの特徴と知って納得の回答21選

Songaibaisyou

交通事故にあった際、あなたはどんな損害賠償を請求できるか正確に理解していますでしょうか?

 

もし知らなかったとしても、保険会社に任せておけば大抵の手続きなどはやってくれますし、流れや手順について困ることはほとんどないと思います。しかし、損害賠償の請求の項目を知らなければ請求はできませんし、実際にお金を支払う保険会社も、基本的に余分なお金は払いたくないと考えています。

 

今回は、損害賠償の請求であなたが「知らなかった為に損をしないように」、交通事故の損害賠償に関することをほぼ全てご紹介しますので、ご覧いただければ少なくともあなたが損をする可能性は無くなることをお約束します。

 





【目次】
交通事故で損害賠償が発生する場合とその4つの特徴
特徴【1】:加害者以外にも損害賠償が請求されることがある
特徴【2】:損害賠償は相当因果関係の範囲で行う
特徴【3】:精神的損害の賠償も請求可能
特徴【4】:過失相殺や損益相殺というのもある
交通事故の損害賠償で請求できる3つの項目
積極損害
消極損害
慰謝料
交通事故の種類別で損害賠償項目は微妙に違う
交通事故の損害賠償額を算定する方法とその基準
交通事故発生から損害賠償請求までの一連の流れ
判例から見る交通事故の損害賠償金額
交通事故の損害賠償に関してよくある21の質問と回答
交通事故の害賠償請求権には時効があるので注意が必要
まとめ

 

 

交通事故で損害賠償が発生する場合とその4つの特徴

例えば、ある人が運転する車で他人をはねてケガをさせてしまった場合のように、他人の権利や利益を侵害した場合に、金銭的な支払いによって償うことを損害賠償と言い、損害賠償金が発生します。

 

損害賠償制度の目的は、発生した損害を加害者にも公平に負担させることを目的にしており、次のような特徴があります。

 

特徴【1】:加害者以外にも損害賠償が請求されることがある

損害賠償の制度は、直接の加害者に対して懲罰を与えることではなく、被害者の損害を補うことを目的としているため、直接の加害者ではなくても賠償責任を負わせることで、確実に損害の補填を行う場合もあります。

 

特徴【2】:損害賠償は相当因果関係の範囲で行う

交通事故が起こった結果には必ず原因があるはずです。これを因果関係と言いますが、この因果関係は突き詰めれば無限に広がってしまいます。そこで、加害者が起こした交通事故により生じた損害のうち通常生じ得る損害及び予見可能な特別の損害のみを補填するという一定の基準が設けられています。

 

例えば、被害者の病気(ガンなど)が交通事故後に悪化したなどは通常生じ得る損害ではありませんし、加害者に予見し得るものでもないため、損害範囲に含まれないのが通常でしょう。

 

特徴【3】:精神的損害の賠償も請求可能

損害賠償で補填されるのは財産的な損害だけではありません。悲しみや痛みや辱めなどによって生じる精神的な苦痛についても、慰謝料という形で支払われます。

 

特徴【4】:過失相殺や損益相殺というのもある

損害賠償制度は、生じた損害を当事者間で公平に負担することを趣旨としているので、賠償の対象となる損害の発生、または拡大について被害者にも責任が少なからずある場合、過失の程度によって賠償額を調整することがあります。これを『過失相殺』と言います。

 

また、被害者が損害を受けると同時に利益も享受していた場合、二重の利益となることを防止するため損害額から利益の金額は除外されます。これを『損益相殺』と呼びます。このように、損賠賠償制度は、被害者を無制限に救済することを目的とするものではなく、あくまで公平の観点から損害の分担を行う制度であることを覚えておきましょう。
 


 

交通事故の損害賠償で請求できる3つの項目

交通事故の損賠賠償は大きく分けると以下の3つに分類することができます。

 

積極損害
消極損害
慰謝料

 

積極損害

交通事故が原因で出費を余儀なくされた損害のことです。主に治療費や通院交通費、被害者が死亡してしまった場合には葬祭費用などが挙げられ、次の費用の合計です。

 

請求項目

内容

治療費

診療報酬明細書または領収書で立証する。

通院交通費

通院、入院にかかった費用。

付添看護費

付添人の必要性は医師の指示で決まるので、その必要性を記した診療明細書が必要。職業看護人は実費そして家族が付添った場合の費用は一日当たり6~7千円(入院)又は3~4千円(通院)。

入院雑費

1日当たり1,500円程度。

器具等の購入費

車椅子、盲導犬、義足、義歯、義眼などの購入費。

将来の手術費及び治療費

将来確実に行われる、手術及び治療の費用は、現時点で請求出来る。

家屋等の改造費

障害や後遺症の程度により、浴場、便所、出入口、自動車などの改造費。

葬祭費

不幸にも被害者が死亡した場合の葬祭費。領収書がない場合は130~170万円。

弁護士費用

交通事故のような不法行為による損害の訴訟では、弁護士費用の一部を相手に負担させることがある。ただ、この場合もかかった費用の全額ではなく、裁判で認められた金額の10%程度を上限とすることが多い。

 

消極損害

交通事故の被害者にならなければ得ることができた利益の損害です。交通事故で仕事を休まざるを得ない場合に利用される休業損害、交通事故によって負ってしまったケガが原因で後遺症が残り、労働能力が低下した場合に請求する逸失利益などが挙げられます。

 

請求項目

内容

休業損害

治療のため休業したことによる減収分

後遺症による逸失利益

治療後に残る機能障害などは後遺症と呼ばれる。
後遺症による労力等の能力低下による減収分で式(1)を計算する。

 

式(1)逸失利益  

年収  労働能力喪失率  労働能力喪失期間  ライプニッツ係数又はホフマン係数

 

例えば、年収620万円、後遺障害等級第5級

(労働能力喪失率=0.79)そして年齢38歳の場合・・・

労働能力喪失期間=67歳-38歳=29年間に対するライプニッツ係数=

15.141より、620万円 x 0.79x 15.141 = 7,416万円

死亡による逸失利益

将来の所得など死亡すると生活費がかからなくなるので、

それを生活費控除率として控除する。

逸失利益 = 
年収 x (1-生活費控除率) x 労働能力喪失期間 × ライプニッツ係数又はホフマン係数

 

慰謝料

交通事故によって被った精神的苦痛に対して支払われるお金です。これら3つの項目は被害者が加害者に請求できるもので、これらの補償金請求を「損害賠償請求」と呼びます。

 

請求項目

内容

入通院慰謝料

通院または入院の慰謝料の目安は、通院1か月につき10~20万円そして入院1か月につき30~50万円。

後遺症慰謝料

後遺症に対する慰謝料は後遺障害等級に応じて異なり、第1級では2,600~3,000万円、第14級では90~120万円。

死亡慰謝料

死亡事故の慰謝料の目安は、一家の大黒柱に対して2,600~3,000万円、これに準ずる者に対して2,300~2,600万円そしてそれ以外の者に対して2,000~2,400万円。

 

示談交渉では、これらの損害項目を全て合わせたものの総額を『示談金』として提示されます。人身事故のケースに応じて、示談の場合に損害賠償金や慰謝料がどのように変化していくか、詳しくは『ケース別で見る人身事故の示談金相場』に記載しております。
 


 

交通事故の種類別で損害賠償項目は微妙に違う

交通事故に遭った際に考えられる損害の程度として、『ケガ』で終わる場合と、『後遺症』が残る場合、『死亡』した場合の3パターンが考えられます。

 

下記には、パターン別で変わる損賠賠償の請求項目を示しておきます。

 

単純なケガをした場合

請求項目

内容

治療費

応急手当費、診察料、 入院料、投薬料、手術料等の費用等

付添看護費

近親者が付き添った場合や付添人を雇った場合

通院交通費

通院に要した交通費

諸雑費

入院中の諸雑費

義肢等の費用

義肢、歯科補鉄、義眼、補聴器、松葉杖などの費用

その他

診断書等の費用、弁護士等の費用、文書等の費用

休業損害

事故による傷害のために発生した収入の減少・損害

入通院慰謝料

入通院による精神的・肉体的な苦痛に対する賠償

 

 

後遺症が残った場合

交通事故によってケガを負い、一定期間治療しても、それ以上の改善が見込めない状態を症状固定、その残った症状を後遺症といいます。後遺症は、その症状・程度によって分類された等級に該当する場合には、後遺障害として等級に応じた賠償を受けることになります。

 

詳しくは『後遺障害認定の全てがわかる|後遺障害認定を得る全知識』をごらんください。

後遺症に関しては、ケガの表に加えて下記の項目が追加されます。

 

逸失利益

身体に障害を残し労働能力が低下したために将来に渡り発生する収入減

後遺障害慰謝料

後遺障害を負ったことによる精神的・肉体的苦痛に対する賠償

 

 

被害者が死亡した場合

葬儀費

祭壇料や埋葬料、会葬礼状費など

逸失利益

被害者が死亡しなければ将来得られたであろう収入額から、

本人の生活費を控除して算定

慰謝料

本人の慰謝料、遺族の慰謝料

 

また、上記項目のうち、入通院や後遺障害の慰謝料を算定する基準として『自賠責保険基準』『任意保険基準』、そして『弁護士基準』があります。

 

それぞれの基準がどういうものなのか、またいくら変わってくるのかは、『交通事故の慰謝料請求を弁護士に依頼すべきたったの1つ理由』に掲載しておりますので、こちらをご参照ください。
 


 

交通事故の損害賠償額を算定する方法とその基準

まず知っておいて欲しいのは、こういう事故の場合にいくらの賠償金かという法律はありません。つまり、示談が成立すれば合意した金額が損害賠償額となる訳です。

 

ただ、慰謝料は精神的苦痛という数値化できないものの補償を行うものであるため、ある程度の算定基準がなければ妥当な金額を導くことが出来ません。そこで、慰謝料算定の基準として『自賠責保険基準』『任意保険基準』『弁護士基準』などの一定の基準が存在するのです。

 

なお、自賠責保険の支払い基準は一定の規定があり、弁護士基準も(財)日弁連交通事故相談センターが出版する『交通事故損害賠償額算定基準』等を参照することができます。任意保険は各保険会社が個別に用意しているものであり、一般には公表されていません。

 

損害賠償の金額は自賠責基準で算出する場合が最も安価で、弁護士会(裁判所)基準で算出した場合は最も高額になります。どの基準で算出するかによって、被害者の受け取れる損害賠償額が違ってきます。詳しくは『交通事故の保険金を決める3つの基準と支払いまでの流れ』をごらんください。

 

【損害賠償額の算定式】
損害賠償額=積極損害+消極損害+慰謝料+その他(物損賠償)

 

積極損害の算出

主に人身事故で治療にかかった費用です。病院の費用は診療報酬明細書で明らかなので、特に算出に困ることは少ないと思います。よく健康保険は交通事故では使えないと思われている方がいますが、そんなことはないのでご安心ください。

 

実務では、治療費については取り敢えず相手保険会社が建て替えることがほとんどです。

 

 

消極損害の算出

人身事故で入通院や治療で働けなかった分の損害です。これは、被害者が収入額を証明する必要があるので、注意が必要です。

 

■サラリーマンの場合

保険会社指定のフォームに従った休業損害証明書を会社から発行してもらい、当該証明書記載の金額に従って支払われるのが一般的です。なお、交通事故により長期休業した結果支払われなかったり、減額された賞与がある場合には、それも請求できます。


■自営業・自由業者

前年度の確定申告の際に申告した所得により算出します。
これより多い場合も証明ができれば認められます。

 

■幼児・学生・主婦

主婦の場合は、女子労働者の平均賃金で算出します。幼児や不就労の学生には休業補償はありません。

 

慰謝料の算出

損害賠償といえばイコール慰謝料と考える方が多いほど、メジャーな単語ではあります。ここで説明しても良いのですが、かなり長くなりなってしまいますので、詳しくは実際の事故のケースを見ながら、金額と一緒にご紹介します。

 

 

交通事故発生から損害賠償請求までの一連の流れ

交通事故が発生してから損害賠償金が支払われるまでの流れをおおまかに知っておきましょう。
 

(1)事故発生

警察と自動車保険会社に届け出を行います。保険会社が事故を受けつけると、契約している内容や保険料が適正に支払われているかなどを確認します。

 

(2)損害・事故原因調査

保険会社は事故の原因調査などを行います。ここで相手の過失割合が100パーセントと主張する場合、自分の契約している保険会社は介入することができなくなります。

 

(3)示談交渉

自分にも一定の落ち度があったことを認める場合、自分の加入している保険会社担当者は、自分に代わり、相手保険会社と示談交渉を行ってくれます。
 

保険会社担当者は、賠償金額を算出、確定して、示談の成立を目指します。この損害賠償金に納得が行かない場合、訴訟対応も視野に入れて弁護士に相談するという選択肢が出てきます。

 

(4)保険金請求書の提出・保険金の支払い

保険金請求で必要となる書類を提出し、相手の保険会社から損害賠償のお金を支払ってもらいます。訴訟手続を利用しない場合、このようなステップで交通事故の補償金は支払われます。

 

なお、交通事故が原因でケガをしてしまい、治療が必要な場合は、「症状固定」という「ケガが完治する、あるいはこれ以上の治療をしても症状変化がないといえる」という期間まで、示談交渉は待ってもらうことが適切でしょう。
 


 

判例からみる交通事故の損害賠償金額

ここでは、過去の裁判で提示された損害賠償金のランキングを掲載しておきます。
高額化している背景を考えて、万一加害者となってしまった場合にも、負うべき経済的負担が補填され安心できる補償内容になっているか、更新時には必ず確認をしてください。

 

交通事故民事裁判例に見る人身総損害(死亡・後遺症)高額ランキング 30

順位

人身総損害額

裁判所

被害者

固定時

事故形態

裁判所認定

被害者

過失(%)

(※)

判決日

性   別

年  齢

後遺症等級

1

5億  843万円

横浜地裁

41

酩酊して道路横断中、タクシーにひかれた

死亡

60

平成23.11.1

2

3億7,829万円

名古屋地裁

21

乗用車ボンネットに伏臥乗車中に走行乗用車から転落負傷した

1級1号

20

平成23.2.18

3

3億6,756万円

名古屋地裁

33

第1車線に変更した乗用車と第1車線直進のバイクが接触

1級3号

5

平成17.5.17

4

3億5,936万円

大阪地裁

23

渋滞する交差点で直進原付と対向右折乗用車の衝突

1級1号

30

平成19.4.10

5

3億5,250万円

大阪地裁

38

夜間、路上しゃがみ込みの酩酊歩行中に大型トラックが衝突

死亡

40

平成18.6.21

6

3億3,163万円

仙台地裁

16

酒酔い運転のトラックが暴走し歩道上の中学生に衝突

1級1号

0

平成21.11.17

7

3億2,955万円

大阪地裁

23

赤点滅の原付と黄点滅の乗用車が出合頭に衝突

1級3号

60

平成19.1.31

8

3億2,950万円

東京地裁

27

高速道路中央分離帯に乗用車が乗り上げ転覆

併合1級

0

平成16.6.29

9

3億2,448万円

仙台地裁

26

車同士が衝突し、逸走した乗用車が歩道上の歩行者に衝突

1級1号

0

平成19.6.8

10

3億2,392万円

千葉地裁

38

車誘導のため路上に佇立中、中央線を越えた対向車にはねられた

1級3号

0

佐倉支部

平成18.9.27

11

3億2,181万円

千葉地裁

20

片側2車線道路を自転車に乗って横断中に、トラックに衝突された

1級3号

60

平成17.7.20

12

3億1,411万円

名古屋地裁

25

青信号交差点をバイクで直進中に、対向右折乗用車と衝突

1級1号

15

平成24.3.16

13

3億1,320万円

東京地裁

34

青信号交差点直進の乗用車と、赤信号を見落としたトラックとの出合頭衝突

1級3号

0

平成16.12.21

14

3億1,231万円

大阪地裁

45

信号のない交差点で直進加害乗用車と右折進入被害乗用車との衝突

1級3号

40

平成17.3.25

15

3億  759万円

横浜地裁

42

交差点直進の大型バイクと一時停止道路から進入の乗用車が衝突

6級

10

平成20.8.28

16

3億  601万円

大阪地裁

19

原付の傍らで佇立中、路側帯に逸出してきた乗用車が衝突

1級3号

0

平成18.4.5

17

3億  417万円

仙台高裁

20

右折乗用車と対向直進トラックの衝突

1級1号

40

平成23.2.4

18

3億  111万円

大阪地裁

46

交差点を青信号横断の歩行者に右折トラックが衝突

1級3号

0

平成17.9.27

19

2億9,677万円

横浜地裁

21

被害者同乗の乗用車が、中央線を越えて対向乗用車に正面衝突

1級1号

10

平成23.12.27

20

2億9,369万円

京都地裁

35

交差点で直進バイクと対向右折タクシーが衝突

1級1号

10

平成24.10.17

21

2億9,138万円

東京地裁

27

停止車両搭乗中、後続大型トラックが対向車両出現のため衝突

1級3号

0

平成17.10.27

22

2億9,005万円

さいたま地裁

54

横断歩道を自転車に乗って横断中の被害者に、左折車両が衝突

1級1号

0

平成21.2.25

23

2億8,819万円

大阪地裁

8

信号のない交差点で、自転車と乗用車の出合頭衝突

1級1号

30

平成19.7.26

24

2億8,663万円

広島地裁

45

道路左端から右折のバイクに、後続トラックが衝突

2級3号

25

平成17.9.20

25

2億8,509万円

大阪地裁

30

赤信号無視の乗用車とタクシーが出合頭に衝突し、乗客が負傷

1級1号

0

平成23.10.5

26

2億8,210万円

名古屋地裁

27

同一方向進行中の自転車が、右折道路横断して後続乗用車と衝突

1級1号

30

平成22.12.7

27

2億8,191万円

大阪地裁

18

青信号横断中の自転車に、赤信号無視のトラックが衝突

1級3号

0

平成15.4.18

28

2億7,979万円

大阪地裁

14

横断歩行中、脇見運転の乗用車に衝突される

1級3号

0

平成20.10.20

29

2億7,885万円

広島地裁

38

軽乗用車が青信号で直進中、赤信号看過の乗用車に衝突される

1級3号

0

福山支部

平成16.5.26

30

2億7,647万円

名古屋地裁

24

赤信号無視のレンタカーと、青信号直進の酒気帯び乗用車の衝突

1級3号

5

平成19.10.16

引用元:保険の窓口|交通事故の死亡・後遺症賠償額の高額ランキング

 


 

交通事故の損害賠償に関してよくある21の質問と回答

ここでは交通事故でよく聞かれる質問をまとめましたので、各項目の部分を参照してください。

1:交通事故と被害者の死亡との関係がわからない場合
2:負傷者が事前に事故を起こしても構わないと言っていた場合
3:精神的苦痛は損害賠償の対象になるのか?
4:休業中の損害賠償額において、基準となる収入の算出方法
5:損益相殺などが損害賠償に影響を与える場合
6:加害者が未成年の場合の損害責任は誰になるのか?
7:従業員が業務中に起こした事故で会社が追う責任は?
8:貸した車で事故を起こされた時の所有者の責任は?
9:内縁の夫(妻)が死亡した場合でも損害賠償は請求できるのか?
10:専業主婦や無職の者は休業損害をもらえないのか?
11:同乗者にケガをさせてしまった場合の損害賠償はどうなるのか?
12:所有する車で代行業者が事故を起こした場合は?
13:親元を離れた子が加害者だった場合の親の責任は?
14:違法駐車を避けようとして事故を起こした場合
15:下請会社が事故を起こした場合の元請会社に責任はあるのか?
16:自動車の名義を貸した者の責任はどうなるのか?
17:社員が個人の車を使用して営業を行っていた場合の会社の責任は?
18:加害者が複数いた場合、誰にどれだけ請求できるのか?
19:加害者がレンタカーだった場合の請求先はどこになるのか?
20:自営業者が休業損害を受ける場合の注意点はあるのか?
21:弁護士に依頼した際の費用は?

 

1:交通事故と被害者の死亡との関係がわからない場合

A:最終的には裁判所に判断してもらいます。

例えば持病で病院に通っていた祖母が通院途中で交通事故に遭い、2ヶ月後に死亡した場合。被害者が病弱でもともと持病がある場合、判例として『くも膜下出血』で死亡した被害者について、「事故との関連性はない」とされたケースがあります。交通事故との関連が不明瞭なために、加害者の誠意が見られない場合は、最終的に裁判所に判断してもらうしかありません。

 

2:負傷者が事前に事故を起こしても構わないと言っていた場合

A:相手の予想に反する大ケガの場合は賠償責任があります。

会社の同僚などを飲み会の帰りに送っていたケースが考えられますが、もし交通事故で同僚が骨折などをした場合、同僚が「運転が得意ではない運転手の車に乗車した場合の危険をあらかじめ承知して了承していた」という場合損害賠償額が危険を引き受けた範囲で制限される可能性があります。しかし、危険の引受けがどの程度まで認められるかは極めて難しい判断となりますし、余程のことがない限り損害賠償そのものが認められないということはありません。そのため、自身が事故を起こして同乗者が負傷した場合には、誠意を持って対応する方が賢明といえます。

 

3:精神的苦痛は損害賠償の対象になるのか?

A:精神的苦痛も、慰謝料という形で損害賠償請求できる

慰謝料は、交通事故に遭った際に受ける悲しみや恐怖など、目に見えない精神的苦痛を補うためにあります。そのため、被害者が納得する慰謝料を算定することはなかなかに困難です。

 

実際の額は損害の程度、被害者の年齢、職業、加害者が被害者にどの程度の程度誠意を尽くしたかなどの事情を考慮して決められますが、明確な算定基準があるわけではありません。ただ、双方が不公平にならないような一応の目安として利用されているものがありますので、詳しくは『交通事故の慰謝料|一般的な相場と慰謝料を引き上げる方法』をご覧下さい。

【関連記事】
交通事故の被害者が知らないと損する慰謝料の相場

 

4:休業中の損害賠償額において、基準となる収入の算出方法

A:所得を証明する資料を基に、休業による収入の減少分を算定します。

交通事故によるケガの損害については、治療費や付き添いにかかる費用は対象になりますが、治療費以外にも治療期間中に休業したことで減少した収入分も損害賠償の対象になります。

会社員の方は源泉徴収票や休業損害証明書を基準に減少分を決定します。自営業者は確定申告書を参考に、ケース・バイ・ケースで決定していきます。

 

5:損益相殺などが損害賠償に影響を与える場合

A:加害者の負担が不公平と言えるようなケースでは調整が行われる

損益相殺とは、被害者が加害者の不法行為や債務不履行によって損害を受けながら、一方では利益を得ていた場合に、受けた利益を損害額から控除して賠償額を支給します。
例えば、自賠責保険で支払いを受け、かつ加害者に損害賠償を請求して全額補填してもらった場合などが該当します。

 

【損益相殺の対象となるもの】

控除の対象となるもの

・労災保険・健康保険・年金などの各種社会保険給付

・受領済みの自賠責保険からの損害賠償額

・政府保障事業からの補償金

・任意保険からの損害賠償額

・所得補償保険金   など

控除の対象にならないもの

・数面園程度の香典、見舞金

・生命・傷害保険金

・搭乗者損害保険

・生活保護の公的援助

・雇用保険による給付金  など

 

6:加害者が未成年の場合の損害責任は誰になるのか?

A:事故を起こした本人以外の者が責任を負うこともあります。

原則として賠償責任を負うのは加害者本人ですが、加害者が全く資金力のない場合、被害者の救済が図れない可能性があります。そのため、以下の『直接の加害者』以外の者にも損害賠償が請求できるようになっています。
 

・使用者:従業員を雇っている企業のこと
・運行供用者:車の所有者等 
・未成年の親:監督責任で代わりに請求できる

 

7:従業員が業務中に起こした事故で会社に責任はあるのか?

A:会社も使用者として責任を負わなければなりません。

資金力のある使用者に賠償責任を求めれば、被害者保護にもつながるとの考え方です。使用者と運転者との間に実質的な指揮監督関係が存在すれば、使用者の責任は肯定されます。

 

8:貸した車で事故を起こされた時の所有者の責任はあるのか?

A:運行供用者が責任を負わないケースもあるが、厳しい要件をクリアする必要がある。

法律では運転手に限らず、運転供用者(自分のために自分の支配下で使うことができる状況にあった者)にも損害賠償責任を追うとしています。

 

『運転供用者が責任を免れるためには』、
①:自己又は運転者が十分な注意義務を尽くしたこと
②:被害者または第三者に故意・過失のあったこと
③:自動車に構造上の欠陥または機能上の障害なかったこと

 

この3点すべてについて立証する必要があります。

 

■運転供用者にあたる者・あたらない者

●加害車両の所有者    運転供用者にあたる

●レンタカー事業者    運転供用者にあたる

●使用貸借の貸主    運転供用者にあたる

●代車提供者    運転供用者にあたる

●車を盗まれてしまった所有者    原則として運転供用者ではない

●無断運転された車の所有者    原則として運転供用者ではない

●代行運転の依頼者    運転供用者にあたる

●リース会社    運転供用者ではない

●自動車修理業者    原則として運転供用者にあたる

●請負人が起こした事故の注文者    原則として運転供用者ではない

 

9:内縁の夫(妻)が死亡した場合でも損害賠償は請求できるのか?

A:婚姻関係にある配偶者と同様、加害者に損害賠償を請求することができる。

内縁関係の妻だからといって、一切の法律の保護が受けられないのはあまりにも不公平です。事実上、婚姻同然な関係にあったと認められる場合には、法律の保護を受けられます。ただし、内縁の妻には内縁の夫の相続権はないので注意しましょう。

 

10:専業主婦や無職の者は休業損害をもらえないのか?

A:専業主婦や無職者も休業損害をもらえる可能性があります。

休業損害は、原則として現に仕事をしている者に認められています。ただし、専業主婦は、家事労働ができなくなったことを理由に女性労働者の平均収入を基準として休業補償を求めることができます。また、無職者であっても、就職活動中であり将来的に定職に就く蓋然性が認められる場合には、平均収入等を基準として休業補償を求めることができます。

 

11:同乗者にケガをさせてしまった場合の損害賠償はどうなるのか?

A:好意同乗中であっても、ケガをさせれば責任を負わなければならない

会社の同僚などに送ってもらうことなどが好意同乗にあたります。
結論からお伝えすると、同乗者にケガをさせてしまった場合でも賠償責任を負います。好意で、しかも無償で乗せたからといって責任が免れるわけではありません。ただし、被害者が危険を承知でこれを引き受けたような事情がある場合には損害賠償額が一定程度減額される可能性はあります。

 

12:所有する車で代行業者が事故を起こした場合は?

A:被害者との関係では、所有者も運行供用者としての責任を負う可能性があります。

ただ、この場合に被害者に補償を行うことで生じた損害については、代行業者に請求することになります。

自動車の所有者は原則として運行供用者に該当しますので、たとえ代行業者の運転で起きた事故であっても、所有者は被害者に対して賠償義務を負う可能性があります。

もっとも、運転代行業者は所有者に対し、適切な運転を行う契約上の義務を負担していますので、所有者が運行供用者として補償を行い損害を被った場合には、債務不履行を理由に当該損害を代行業者に請求し得るものと思われます。

 

13:独立して生計を立てている子が加害者(車も子の所有物)だった場合の親の責任は?

A:親に法的責任を追及することは困難です。

たとえば、6歳の子供が一人暮らしの大学生(成人)の運転する、大学生所有の乗用車にはねられて大ケガをした場合、自賠法上の運行供用者として親に損害賠償を請求することはできません。また、既に一人で生計を立てている成人の子に親の監督義務は及びませんので、親の監督義務違反も認められません。もっとも、親に対して道義的な責任を追及し、損害賠償の保証人になってもらうという方法はトライしても良いかもしれません。

 

14:違法駐車を避けようとして事故を起こした場合

A:違法駐車をしていた者にも責任の追及ができる。

交通事故現場が駐車禁止区間だった場合、自動車損害賠償補償法でいう「運行」に自動車の駐車が該当するかが問題となります。運行の意味は広く自動車の「格納から格納まで」と解釈されることが多いので、違法駐車していた者にも損害賠償責任の追及ができます。

 

15:下請会社の従業員が事故を起こした場合の元請会社に責任はあるのか?

A:原則として、元請会社に責任は認められませんが、

  事故者が元請会社の所有物であった場合には、運行供用者として責任を追及することができます。

元請会社と下請会社は別法人ですから、下請会社従業員の起こした事故について、元請会社には法的責任が認められないのが原則です。もっとも、事故車両が元請会社の所有物であった場合には、元請会社は運行供用者として責任を負う可能性があります。

 

16:自動車登録の際に名義を貸した者の責任はどうなるのか?

A:単に名義を貸したことのみで当然に運行供用者となるわけではありませんが、

  当該車両に対して運行支配がある場合や運行による利益を享受している場合には、

  運行供用者として責任負うことになります。

運行供用者とは、自動車の運行支配と運行利益の帰属する者を意味し、名義を貸したとしても当然に運行支配や運行利益が生じるものではありません。しかし、自己の名義車両によって自らの事業に利益が生じている場合や運転者との協力関係から名義車両に対する実質的支配が及ぶ場合には、運行供用者に該当すると評価される可能性があります。

 

17:社員が個人の車を使用して営業を行っていた場合に発生した事故の会社の責任は?

A:運行供用者責任、使用者責任のいずれの責任も発生する可能性があります。

社員が自家用車を通勤や営業に利用している最中に生じた事故について、会社は社員による自動車運行により利益を受ける者として運行供用者責任を負う可能性があります。また、当該業務中の事故については、会社は使用者として賠償責任を負う可能性もあります。

 

18:加害者が複数いた場合、誰にどれだけ請求できるのか?

A:加害者が連帯して被害者の損害の全部を賠償します。

加害者が複数いる場合、共同不法行為責任として、被害者の損害については、加害行為を行った者が連帯して全額賠償することになります。共同不法行為が問題になるケースとして、


①:複数の車による単一事故で、第三者に損害を与えた場合
②:運転者と同時に車両の所有者や運転者の使用者にも責任が発生する
③:複数車両が別々に加害行為を行う場合
①〜③が時間的、場所的にほぼ同一機会に生じた一個の事故に対して共同不法行為が成立します。

 

19:加害者がレンタカーだった場合でも請求できるのか?

A:加害者及びレンタカー会社のいずれに対しても請求できる可能性があります。

レンタカー業者は、レンタカーを所有又はリースにより支配しているため、運行供用者として責任を負います。

 

20:自営業者が休業損害を受ける場合の注意点はあるのか?

A:自分の収入額は税務関係書類から証明します。

加害者に損害賠償を請求する際、自分がどの程度の損害を被ったのかを証明する必要があります。会社員であれば給与明細などが利用できますが、自営業の場合は税務関係書類を利用するのが一般的です。所得額を示す書類は申請した者の収入を示す物ですので、有力な証拠になります。

 

21:弁護士に依頼した際の費用は?

A:訴訟で勝訴した場合のみ1割前後の費用を請求できる。

話し合いや調停・示談を行うときに弁護士に同席してもらうだけでは加害者に弁護士費用の請求はできません。加害者に対して損害賠償請求訴訟を起こし、その訴訟で勝訴した場合のみ、1割前後を限度として、弁護士費用の請求をすることができます。
参考:交通事故の弁護士費用の相場と弁護士費用を抑えるポイント
 


 

交通事故の損害賠償請求権には時効があるので注意が必要

交通事故のような不法行為については、損害と加害者を知った時から3年、または不法行為のときから20年経過することによって損害賠償請求権が消滅します。また、自賠責保険の被害者請求権の時効も、現在は、損害と加害者を知った時から3年です。

※知ったときとは

「死亡事故」の場合は「死亡した日」になり、この日の翌日から時効が進行します。

 

 

まとめ

損害賠償の支払いまでの流れや、補償金として請求できるお金をご紹介してきました。交通事故における損害賠償では、知らないことで損を被害者が損をしてしまうことがたくさんあります。正しく知ることで、自分が受け取ることのできる妥当な損害賠償かどうかの判断ができるようになりますので、一度損害賠償に詳しい弁護士に相談してみると良いかもしれませんね。

 



損害賠償の中にある、不安や恐怖など「ココロの損害」への損害賠償である、交通事故の慰謝料請求に関しては、「交通事故の慰謝料請求を弁護士に依頼すべきたったの1つ理由」で詳しくご紹介しています。ぜひ、ご覧ください。
 

弁護士へのご相談で賠償金などの増額が見込めます


交通事故に関する専門知識もつ弁護士に相談することで、以下のような問題の解決が望めます。

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編集部

本記事は交通事故弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※交通事故弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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