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公開日:2019.11.21  更新日:2020.3.2

交通事故の示談金の相場|より多く獲得するためには?

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事

保険会社に示談金を提示されたり、これから請求を考えている方が知っておくべきなことは、主に2点です。

1点目は、示談金の相場はあくまで目安であり、状況によって大きく変動することと、2点目は保険会社が提示する示談金はほとんどの場合で増額の余地がある、ということです。

 

この記事では、示談金の相場(モデルケース)や実例、示談金に何が含まれるのか、より多く獲得するにはどうすればいいのかについてご紹介します。

慰謝料は示談金の中でも多くの割り合いを占めることになりますが、計算は複雑でとても手間がかかります。

もっと簡単に慰謝料の目安を知りたい方のために、自賠責基準と弁護士依頼時の慰謝料を自動で計算・比較できる計算ツールを用意しました。

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交通事故の示談金の内訳

示談金には「積極損害」「ぐたいてき消極損害」「慰謝料」から構成されており、合計した金額を指します。ここでは、具体的にどのような状況で請求できるのか、内訳について紹介します。

 

積極損害

積極損害とは、交通事故で生じた金銭的な損害のことです。治療費や修理費など、交通事故に遭わなければ発生しなかった費用であれば、積極損害として請求が認められます。

 

項目

内容

修理代

自動車や壊れた物の修理費用

治療費

入院や通院で怪我の治療をする際にかかった費用

入院雑費

寝具や洗面具に電話代など、入院中に必要な雑費(1日あたり1,400〜1,600円が目安)

通院費用

交通費や宿泊費など、通院にかかった費用

付添看護費

怪我の付き添いが必要になった場合に請求できる看護費用

将来の看護費

後遺症を負って将来的に介護が必要な場合に請求できる費用

児童の学費等

学習の遅れを取り戻すための学習費、子供を預けざるを得ない状況になった場合の負担額など

葬儀関係費

被害者の葬儀にかかる費用(裁判実務上は130〜170万円の請求が限度)

弁護士費用

裁判を起こした場合、請求容認額の1割程度を弁護士費用として加害者に請求可能

 

消極損害

消極損害とは、交通事故に遭わなければ得られていたはずの収入に対する損害です。交通事故被害で請求できる消極損害は以下の2種類です。

 

項目

内容

休業損害

交通事故が原因の休業で減少した収入に対する補償

逸失利益

後遺症で労働能力が低下または事故で亡くなっていなければ、将来得られていたはずの収入に対する補償

 

休業損害は労働で収入を得ている人なら誰でも請求する権利があります。正社員だけでなくアルバイトやパートも、事故が原因で仕事を休んだら請求可能です。なお、専業主婦(主夫)も家事労働に従事していると扱われるので、収入がなくても休業損害の請求は認められます。

 

逸失利益に関しては、後遺障害が認定されるまたは被害者が亡くなった際に請求が認められます。休業損害と逸失利益の詳細は以下の記事で解説しているので、計算方法を確認したい場合は併せてご覧ください。

 

慰謝料

慰謝料とは、死傷事故で負った精神的苦痛に対して請求できる損害です。交通事故で慰謝料が請求できるのは、事故で負傷または死亡した場合になります。物損だけの事故では、慰謝料の請求はできないので注意してください。

 

交通事故で請求できる慰謝料は、以下の3種類です。

 

項目

内容

入通院慰謝料

入院または通院が必要になる怪我を負わされた精神的苦痛に対して請求できる慰謝料

後遺障害慰謝料

後遺症を負わされた精神的苦痛に対して請求できる慰謝料

死亡慰謝料

亡くなった被害者および遺族の精神的苦痛に対して請求できる慰謝料

交通事故の慰謝料の相場

慰謝料は積極損害や消極損害と異なり、実際に生じた損害の額を計算できません。そのため、慰謝料に限っては相場を参考に金額を決定して請求するのが一般的です。

 

慰謝料の相場には3つの算出基準があり、どの基準が適用されるかによって請求額が変わってきます。

 

交通事故慰謝料の算出基準

自賠責基準

交通事故で負傷した被害者に対して、法令で決められた最低限の補償を行うことを目的とした基準

任意保険基準

自動車保険会社が独自に設けている基準。自賠責基準よりも多くの補償が受けられる

弁護士基準

裁判所の判例などを参考にした基準。自賠責基準や任意保険基準よりも高額な水準となっている。

 

大半の事故は自賠責基準か任意保険基準で処理されているケースが多いと思われますが、弁護士を雇った場合は、弁護士基準で処理してもらうことが期待できます。ここでは、先ほど紹介した3種類の慰謝料の相場をご紹介します。

 

なお、任意保険基準は相場が公表されていないため省略しますが、金額は自賠責基準と同等または少し高額に設定されている場合が多いです。

入通院慰謝料の相場

入通院慰謝料は、通院期間と通院日数を基に算出されます。自賠責基準は以下の計算式、弁護士基準は下表の金額がそれぞれ相場額です。

 

自賠責基準の計算式

  1. 4,200円×治療期間(病院で通っていた期間)
  2. 4,200円×実通院日数(実際に病院に通った日数)×2

 

①と②で答えが小さい方の計算式を適用

下に各数字を入れることで、簡単な目安を計算できます。

 

入院期間 
通院期間 
実際の通院日数  =0

 

<通常の弁護士基準による入通院慰謝料の表(単位:万円)>

弁護士基準の通院慰謝料の相場

 

<むちうち症で他覚症状がない場合に適用される入通院慰謝料表(単位:万円)>

弁護士基準(むちうち)の通院慰謝料相場

後遺障害慰謝料の相場

後遺障害慰謝料は、損害保険料率算出機構から認定された後遺症の等級(症状の種類・度合いで決定)によって金額が変わります。相場額は以下のとおりです。

 

等級

自賠責基準

裁判基準

第1級

1,100万円

2,800万円

第2級

958万円

2,370万円

第3級

829万円

1,990万円

第4級

712万円

1,670万円

第5級

599万円

1,400万円

第6級

498万円

1,180万円

第7級

409万円

1,000万円

第8級

324万円

830万円

第9級

245万円

690万円

第10級

187万円

550万円

第11級

135万円

420万円

第12級

93万円

290万円

第13級

57万円

180万円

第14級

32万円

110万円

 

死亡慰謝料の相場

死亡慰謝料は、被害者の家族構成や扶養者の数などによって金額が変わります。相場額は以下のとおりです。

 

<自賠責基準の相場>

請求する要項

慰謝料額

死者本人に対する慰謝料

350万円

死亡者に扶養されていた場合(※)

200万円

慰謝料を請求する遺族が1人の場合

550万円

慰謝料を請求する遺族が2人の場合

650万円

慰謝料を請求する遺族が3人の場合

750万円

 

遺族が死亡した被害者本人に扶養されていた場合のみ200万円が加算されます。(遺族が1人で扶養されている場合:350万円+200万円+550万円=1,100万円)

 

<弁護士基準の相場>

死亡者の立場

慰謝料額

一家の支柱

2,800万円

配偶者、母親

2,500万円

上記以外

2,000万~2,500万円

 

(※本人に対する慰謝料と遺族に対する慰謝料を合算した額)

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交通事故の示談金請の相場【モデルケース】

では、実際にどのようなケースが想定されるでしょうか。

モデルケースを元に、示談金の相場について紹介します。

むちうちで後遺障害が認定されたケース

むちうちの治療で6ヶ月間(通院日数70日)通院して10日間お仕事を休み、後遺障害第14級が認定された場合の請求例です。

 

示談金の内訳

自賠責基準

弁護士基準

通院費用

25万円

25万円

休業損害

10万円

10万円

逸失利益

約108万円

約108万円

通院慰謝料

58万8,000円

89万円

後遺障害慰謝料

32万円

110万円

合計

233万8,000円

342万円

 

むちうちで後遺障害が認定されている場合でも、保険会社が認めず自賠責基準を大きく下回る100万円以下の示談金を提示してくるケースもありますのでご注意ください。交渉次第では100万円以上増額できる可能性もあります。

 

軽傷で1ヶ月間の通院をしたケース

打撲の治療で1ヶ月間(通院日数10日)通院して2日間お仕事を休んだ場合の請求例。

 

示談金の内訳

自賠責基準

弁護士基準

通院費用

3万円

3万円

休業損害

2万円

2万円

通院慰謝料

8万4,000円

19万円

合計

13万4,000円

24万円

 

交通事故で被害者が亡くなったケース

交通事故被害で当日に被害者が亡くなった場合の請求事例

 

示談金の内訳

自賠責基準

弁護士基準

葬儀代

60万円

130万円

逸失利益

約4,611万円

約4,611万円

死亡慰謝料

1,100万円

2,800万円

合計

5,771万円

7,541万円

 

注目!】弁護士基準の示談金を獲得するには?

交渉時にあなたが保険会社に対して「弁護士基準でお願いします」といっても絶対に合意してくれません
弁護士基準の示談金を狙うのであれば、弁護士を通して請求するのが現実的です。
弁護士特約に加入していれば弁護士費用が一定額負担されますので、まず相談することをお勧めします。特約に加入していない方でも、受け取った後支払いの事務所であれば安心できるのではないでしょうか?

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より多くの慰謝料を獲得するには?

上記でご覧のとおり、交通事故の慰謝料は弁護士基準の相場が最も高額です。示談金を少しでも増額したいのであれば、示談に応じる前に1度弁護士に相談してアドバイスを受けておいた方がよいでしょう。

 

最後に、どのような時に弁護士に示談金の請求を依頼した方がよいのか、考慮すべきポイントを2つご紹介します。

治療費打ち切りの段階で一度相談してみる

弁護士を雇って示談金を増額できても、費用を差し引いて収支がマイナスになっては意味がありません。弁護士に依頼する場合は『弁護士を雇った場合の示談金の増額分>弁護士費用』である必要があります。

 

損害の額が大きいほど弁護士基準による増額分が大きくなるので、通院期間が3ヶ月以上長引いたり、後遺症が残る重傷を負った状態であれば、弁護士を雇った方が得になる可能性が高いでしょう。

 

ご自身で判断が難しい場合は、法律相談を利用して見積もりを出してもらい、そこから依頼をするべきか判断するのが最も確実です。

 

弁護士費用特約があれば費用の心配は無用

ご自身または同居している家族の保険に弁護士費用特約が付帯している場合には、保険会社から弁護士費用を負担してもらえます。その場合は費用倒れの心配はないので、弁護士を雇った方が得になる可能性が非常に高いです。

 

なお、弁護士費用特約は加入率が高いのに、利用率が低い保険サービスだといわれています。せっかく保険料を払っているのに利用しないのは勿体ないので、使い忘れのないように注意してください。

 

契約したか記憶が曖昧な場合は、ご自身の保険会社に問い合わせて確認してみましょう。

 

弁護士に相談するか迷っている方へ

交通事故に遭ったからといって必ずしも弁護士への相談がおすすめなわけではありません。

迷っている場合は、状況から本当に弁護士へ相談した方がいいのか判断してみましょう。

 

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まとめ

交通事故の示談金には相場はありません。壊れた物の修理費用や怪我をした場合の治療費など、事故でどのような損害を被ったかによって、示談金の額は変わってきます。

 

ただ、慰謝料に関しては相場が決まっていて、弁護士を雇うと増額を見込める可能性が高いです。ですから、示談が成立する前に弁護士の法律相談を利用して、自分の場合は依頼した方が得になるのか確認しておいた方がよいでしょう。

 

示談は成立したらやり直しができません。少しでもわからないことがある場合は、示談書にサインせず、専門家に相談しながら慎重に手続きを進めていただければ幸いです。

 

 

出典一覧

吉岡 翔(2001-2004)『交通事故に負けない被害者の本』日本実業出版社

(2017)『図解 わかる交通事故の損害賠償』弁護士 堀 哲郎、弁護士 沼尻 隆一監修 新星出版

一般社団法人・日本自動車連盟

国土交通省|自動車総合安全情報 自賠責保険について知ろう!

 

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事は交通事故弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※交通事故弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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