交通事故の損害賠償をする人が知らないと損をする7つのこと

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交通事故の損害賠償をする人が知らないと損をする7つのこと
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2018.1.19
損害賠償 弁護士監修記事

交通事故の損害賠償をする人が知らないと損をする7つのこと

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交通事故の被害者になった場合、損害賠償という形で、加害者に補償金の請求を行うことができます。では、実際に加害者に対してどのような請求ができるのかご存知でしょうか?
 
交通事故における損害賠償でが、加害者側に請求できるものが意外と多くあります。ですが、その内容を正確に把握している方は多くありません。
 
損害賠償請求として請求できるものを知らなければ、保険会社との示談の際に損をする可能性もあります。
 
この記事では、補償金にあたる損害賠償にはどのようなお金があるのか、支払われるお金の種類や支払いまでの流れ、損害賠償請求でトラブルになりやすい例などをご紹介します。

 

【弁護士に相談することで損害賠償金が増額する可能性があります】

慰謝料や、仕事を休んでしまったことで減った給料は、弁護士に依頼することでより高額での請求が可能になります。

弁護士基準での請求は弁護士にしかできませんが、弁護士に依頼することで損害賠償額の増額が期待できます。

・事故のせいで入院するなどして、仕事を休んでしまった
・総入通院日数、総入通院期間が長かった

いずれかにあてはまる人は迷わず弁護士に相談しましょう。

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①交通事故における損害賠償は被害者の損害を埋め合わせること

損害賠償』という言葉は、ニュースなどでも耳にしたことがあるかと思います。損害賠償とは、「違法な行為により損害を受けた者に対して、その原因を作った者が損害の埋め合わせをすること」です。
 
交通事故の場合、損害賠償金として補償金を請求できるのは、原則として被害者本人となります。ただし、被害者が交通事故によって死亡してしまった場合、損害賠償金の請求権は、配偶者や子供、被害者の両親などの相続人に移動します。
 

被害者が損害賠償として請求できるもの

交通事故に遭った際に、被害者が加害者へ請求できる損害内容は、大きく区分すると、以下の4つに分かれます。
 

  • 積極損害(入院費用、通院費用、怪我の治療費など)

  • 消極損害(仕事を休んだ分の損害)

  • 慰謝料(精神的・肉体的苦痛に対する損害)

  • 物損(壊された物に対する損害)

 
この4つの損害を合計した金額が、加害者へ請求できる損害賠償請求の金額となります。

詳しくは後述の「②損害賠償金として支払われるお金は4種類」で解説していきます。

 

物損事故では損害賠償金のうち慰謝料の請求ができない

物損事故とは、車などが壊れただけで、被害者自身には怪我などがない事故のことをいいます。この場合、損害賠償として加害者に補償金を請求する事はできますが、請求できるのは「壊れた車などの修理費」だけになります。
 
つまり、それ以外の怪我や精神的苦痛に対する補償はされません。もし、物損事故の扱いだが実際は怪我などをしていた場合は、物損事故から人身事故への切り替えが必要になる場合もあるでしょう。

 

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損害賠償金における慰謝料金額には3つの基準がある

これものちのち詳しく説明していきますが、交通事故における損害賠償請求を行う場合、慰謝料には『自賠責基準』、『任意保険基準』、『弁護士基準』の3つの基準があります。

  1. 自賠責基準(自賠責保険による最低限の慰謝料基準)

  2. 任意保険基準(任意保険による慰謝料基準)

  3. 弁護士基準(裁判所の判例を基にした最高額の基準)

 
一般的に弁護士基準では、自賠責基準に比べるとかなり高額な慰謝料を請求することが可能です(平均すると2〜4倍ほど)。しかし、裁判所の判例を扱うため、弁護士などの専門的な知識を持った方でないと、この基準で請求することは難しくなります。

したがって、そのまま弁護士基準といった名前で呼ばれることが多くなっています。弁護士基準で請求した場合、どれくらいの増額になるのかについては以下の記事をご確認ください。
 

 

損害賠償金として支払われるお金は4種類

交通事故の損害賠償はおおまかに4つに分類されています。

・積極障害

・消極障害

・慰謝料

・物的損害
 

1:積極損害

積極損害(せっきょくそんがい)とは、交通事故による怪我で病院での治療や入院をした際や、交通事故が原因で出費を余儀なくされた場合に発生した損害のことです。主に治療費や通院交通費、被害者が死亡してしまった場合の葬祭費用などが挙げられます。

 

積極損害に該当される主な費用

  • 診察費
  • ​治療費
  • リハビリ費用
  • 手術費用
  • 入通院費用
  • 付添介護料
  • 通院、通勤交通費
  • 葬儀費用
  • 針灸・マッサージ費用
  • 義足や車椅子購入費 など


基本的に積極損害として請求できるものは決まっています。ですが、具体的に何が請求できて、何が請求できないのかは弁護士などの専門家でなければわからないことも多くあります。その判断は弁護士に任せ、領収書などはすべて取っておくとよいでしょう。
 

2:消極損害

交通事故の被害者にならなければ得ることができた利益の損害です。

 

交通事故を原因とする怪我などで病院に入院し、仕事を休まざるをえなかった期間の収入分に対する損害をが請求できる『休業損害』。労働能力が低下した分の損害や死亡した被害者が将来得られたであろう収入に対する損害が請求できる『逸失利益』などが挙げられます。
 

休業損害とは?

交通事故に遭い入院や通院で仕事を休んでしまった場合、その期間の収入や利益が減ってしまいます。この仕事を休業した期間の補償を目的としたものを休業損害といいます
 
自賠責保険における休業損害は【休業損害 = 5700円 × 休業日数】で計算でき、もし基礎収入が5700円を超える場合には、その超えた額を1日当たりの基礎収入額にするケースがあります。
 
この休業損害は被害者の職業によって計算が異なり、算出される休業損害額も変わってきますので、詳しい計算は以下の記事をご覧ください。

 

逸失利益とは?

逸失利益(いっしつりえき)とは、将来の収入が減少したことに対する損害を指します。

例えば、交通事故で片腕を切断したり後遺障害となったりして労働能力が減少した際、『交通事故に遭わなければ本来もらえたであろう将来の収入』が減少したと考えられます。また、死亡した被害者が生きていれば得られたであろう収入分も同様に考えられます。これが将来の収入であり、逸失利益とは、これ対する損害のことをいいます。
 
まとめると

  1. 『後遺障害による逸失利益』
  2. 『死亡事故による逸失利益』

の2種類があり、以下の4つの計算を行い算出していきます。
 

  1. 基礎収入の算定

  2. 労働能力喪失率算定

  3. 労働能力喪失期間の設定

  4. 生活費控除率の設定

 
逸失利益を正しく計算することは、加害者側との交渉の際に非常に有利に立つことにつながります。被害者の知識不足をいいことに、相場よりもだいぶ低い金額を提示してくる場合もありますので、以下の記事を参考に適正な逸失利益を計算する方法を確認しておきましょう。
 

 

3:慰謝料

交通事故によって被った精神的・肉体的苦痛に対して支払われるお金で、『入通院慰謝料』、『後遺障害慰謝料』、『死亡慰謝料』の3種類があります。慰謝料は害賠賠償金の中でも最も大きな割合を示しており、損害賠償のメインといってもいいでしょう。
 

入通院慰謝料

入通院慰謝料の計算は下記の計算式を利用します。

 

  1. 治療期間(入院期間+通院期間)
  2. 実通院日数(入院期間+実通院日数)×2


この2つの計算式を比べて日数が少ない方を採用し、4,200円をかけて計算します。計算方法の詳細については以下の記事をご参照ください。
 

 

後遺障害慰謝料

後遺障害を獲得することは、交通事故に遭った際、慰謝料を獲得する上で最も大切なポイントになります。というのも、交通事故の慰謝料として請求できる金額の大部分を占めるのが後遺障害慰謝料だからです。
 
<後遺障害の等級別慰謝料の基準>

等級

自賠責基準

任意基準(推定)

裁判基準

第1級

1100万円

1600万円

2800万円

第2級

958万円

1300万円

2370万円

第3級

829万円

1100万円

1990万円

第4級

712万円

900万円

1670万円

第5級

599万円

750万円

1400万円

第6級

498万円

600万円

1180万円

第7級

409万円

500万円

1000万円

第8級

324万円

400万円

830万円

第9級

245万円

300万円

690万円

第10級

187万円

200万円

550万円

第11級

135万円

150万円

420万円

第12級

93万円

100万円

290万円

第13級

57万円

60万円

180万円

第14級

32万円

40万円

110万円

 

後遺障害慰謝料は後遺症の度合いや算出基準によって変動します。後遺障害慰謝料の詳細は以下の記事をご参照ください。

 

 

死亡慰謝料

死亡慰謝料とは、被害者固有の慰謝料とも呼ばれており、交通事故で死亡した被害者の精神的苦痛を、遺族に対し、金銭で償うものになります。死亡慰謝料は亡くなった被害者に対して発生するものですが、本人がすでに死亡してしまったので、請求権は相続人にあります。

<基準別の死亡慰謝料の相場>

本人の立場

自賠責基準

任意保険基準(推定)

弁護士基準

一家の支柱

350万円

1,500万〜
2,000万円

2,800万〜
3,600万円程度

子ども

350万円

1,200万〜
1,500万円

1,800万〜
2,600万円程度

高齢者

350万円

1,100万〜
1,400万円

1,800万〜
2,400万円程度

上記以外
(配偶者など)

350万円

1,300万〜
1,600万円

2,000万〜
3,200万円程度

 

死亡慰謝料の詳細については、以下の記事をご参照ください。

 

 

4:物的損害

物的損害とは、交通事故によって運転していた自動車などの物が壊れる被害のことです。具体的には以下のような内容に対して損害賠償請求ができます。
 

車の修理費

車両が損壊した時、その車両が修理可能な場合は修理費用に相当する金額を、加害者に対して損害賠償請求できます。その際の修理費については、修理の見積書や請求書によって行われます。そのため、業者から受け取った書類はきちんと保管しておくことが必要です。
 

経済的全損

交通事故で損壊した車の修理費が、車の時価額と買い換えの費用を加えた価格を上回るのであれば、修理可能な状態でも時価額分を賠償すればよいという考えです。例えば世界に何台もない高級ベンツを壊された場合、【車の時価額と買い換えの費用の合計】がいかに高額でも、ベンツの修理費用の方が高いケースが考えられます。

そうなった場合は、事故後のベンツの時価額のみを請求しましょうというものです。
 

買い替え差額(物理的全損)|登録手続費用

交通事故で破損した車が修理のできない状態だった場合、修理費としてではなく、交通事故が起きる前の値段と、交通事故後に売却した場合も値段との差額が、損害賠償額になります。

もし、事故で車が壊れたからといってすぐに修理に出し、買った時よりも多くのお金を出していた場合、車の時価額を超えて損害賠償を請求できない関係上、損をする場合もありますから、十分注意しましょう。

ちなみに、買い替え時の登録手続き費用も損害として認められ、相手方に損害賠償金として請求することが可能です。
 

代車使用料

車両の修理や買い替え期間中に代車を利用した場合には、代車の使用料を請求することができます。タクシーやハイヤー、バスなどの営業用車両が被害に遭った場合も、『休車損害』として請求が可能です。
 

積荷損害

車本体ではなく、積荷などが交通事故で被害を受けた場合は、積荷損害として損害賠償請求をします。ただ、素人が集荷損害金額を正確に算出するのは難しいため、請求時に損をしないよう、もし請求するなら弁護士などの専門家に相談しながら進めて頂くことをおすすめします。
 
 

損害額と過失割合で損害賠償は決まる

4つの損害賠償の計算は、損害額と過失割合の2で決定されます。
 

『損害賠償額』=『損害額』×(1-自身の過失割合)

 

上記の計算方法を利用して、過失割合が0%なら損害額の100%を損害賠償金として請求できますが、ご自身にも過失がある場合にはその過失分が減額されます。 

 

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③交通事故の損害賠償は自賠責保険任意の民間保険を使う

交通事故では加害者が支払うべき補償金は、まず加害者加入の自動車保険で賄うべきものです。1つは自動車を運転する人が全員強制加入している自賠責保険です。しかし、自賠責保険の補償範囲は一定の範囲に限定されており、全ての損害がカバーされるわけではありません。
 
このように自賠責保険でカバーされない損害については、別途、任意で加入している民間の自動車保険会社により補償されることになります。2つの保険の違いをご紹介します。
 

自賠責保険は強制保険

自賠責保険とは、法律で加入が義務付けられている自動車保険です。加入していない場合には車検も通りませんし、公道を車で走ることも許可されません。自賠責保険は「交通事故による被害者の最低限の救済」を目的とした保険で、人身事故の場合のみ利用することができます。
 
そのため、物損事故と呼ばれる、被害者に怪我はないが車にキズがついてしまったという場合は自賠責保険を利用することはできません。また、人身事故の場合でも自賠責保険の補償金額は任意の自動車保険と比較すると低額に抑えられています。
 
さらに、自賠責保険の担当者が相手との示談交渉を行ってくれるわけではないので、交渉は各自で行わなくてはなりません。一般的に自賠責保険だけでは、交通事故の補償のすべてを賄うことは非常に困難と考えられています。そのため、民間会社の任意保険にも加入している人がほとんどです。
 

自賠責保険では払いきれない損害賠償をカバーする任意保険

民間の保険会社が行っている自動車保険は、自賠責保険では補償ができない物損の補償や、自賠責保険では賄えない補償金をカバーする目的があります。あくまで加入は任意(運転する人の自由)ですが、いざというときの備えでほとんどの人が加入しています。
 
自分の車や壊してしまったガードレール等、補償の範囲拡大も可能です(ただ、交通事故で支払える補償金の上限額や補償の範囲などは契約内容で違うため一概にどこまでフォローできるか断定はできません)。交通事故の被害者になってしまった場合、まずは相手が加入している任意保険の担当者と補償金の交渉を行うのが通常です。

弁護士に依頼すれば弁護士基準が利用できる|保険基準の適正化と自賠責基準の増額が可能

過去の裁判で出た判例などを基に、保険会社が提示する損害賠償金が本当に適性な金額かを判断してくれます。保険会社も民間の営利企業のため、交通事故において被害者側に損害賠償を支払う際、その金額はできるだけ低く抑えたいと考えています。
 
そのため、保険会社からの損害賠償金の額が低すぎたり、金額が本当に適性なのかわからない場合や、不満はなくても提示金額が低い場合もありますので、どんな状態にしても、一度弁護士に判断してもらうことをおすすめしています

 

④損害賠償金が支払われるまでの流れ

交通事故が発生してから損害賠償金が支払われるまでの流れをおおまかに知っておきましょう。
 

(1)事故発生

警察と自動車保険会社に届け出を行います。保険会社が事故を受けつけると、契約している内容や保険金の入金が正しく行われているかなどを確認します。
 

(2)損害・事故原因調査

保険会社は事故の原因調査などを行います。ここで相手の過失割合が100%と主張する場合、自分の契約している保険会社は介入することができなくなります。
 

(3)示談交渉

自分にも一定の落ち度があったことを認める場合、自分の加入している保険会社担当者は、自分に代わり、相手保険会社と示談交渉を行ってくれます。
 
保険会社担当者は、賠償金額を算出、確定して、示談の成立を目指します。この損害賠償金に納得が行かない場合、訴訟対応も視野に入れて弁護士に相談するという選択肢が出てきます。
 

(4)保険金請求書の提出・保険金の支払い

保険金請求で必要となる書類を提出し、相手の保険会社から損害賠償のお金を支払ってもらいます。訴訟手続を利用しない場合、このようなステップで交通事故の補償金は支払われます。
 
なお、交通事故が原因で怪我をしてしまい、治療が必要な場合は、症状固定(怪我が完治する、あるいはこれ以上の治療をしても症状変化がないといえる期間)まで、示談交渉は待ってもらうことが適切でしょう。

 

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⑤交通事故の損害賠償金をできるだけ増額させる方法

損害賠償金を請求する以上、加害者に対してできるだけ増額請求をしたいと考えるのが普通でしょう。下記では、どのようなことを行えば、損害賠償金が増額できるのか、解説していきます。
 

過失割合を可能な限り下げる

まず、どんな状況で過失割合が設定されるのか正確に把握し、加害者の主張に対して反論できるように弁護士に相談することで、過失割合を下げる余地が十分に生まれます。詳しい内容は以下の記事をご覧ください。

 

 

過失割合を10対0にする交渉を行うのも有効

例えば、車の損害賠償金を請求しない代わりに、過失割合を10対0にしてもらうことで、保険会社の支出が少なくなるため、保険会社もこの条件に応じてくれやすい傾向があります。
 
ただ、専門知識がない場合は交渉が難しいので、交通事故の慰謝料問題に詳しい専門家へ相談することをおすすめします。

 

 

交通事故判例タイムズの活用をする

交通事故に関する過去の判例をすべて掲載している『交通事故判例タイムズ』という資料があります。これは裁判でも最重要視する書籍ですので、参考にし、引き合いに出すとよいでしょう。
 

休業損害を弁護士基準で受ける

休業損害にも弁護士基準がありますので、当然、弁護士基準であれば通常よりも増額できる可能性が大いにあります。休業損害が発生する場合には弁護士への相談を検討されてみるとよいでしょう。
 

後遺障害等級と逸失利益を獲得する

交通事故の後遺障害認定は慰謝料増額にもっとも重要なポイントになり、後遺障害等級とセットで考えるべきものが『逸失利益』です。
 
これは損害賠償を増額させる大きな要因ですので、専門家に相談をしながらその請求手順などを進めていただければと思います。
 

慰謝料を弁護士基準で請求する

入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料には全て自賠責保険基準、任意保険基準、弁護士基準があり、弁護士基準が最も高額なものになります。
 
慰謝料を弁護士基準で獲得するには、弁護士に依頼し、裁判で争うことになります。多少時間もかかり、弁護士費用もかかりますが、それを加味してでも弁護士に依頼すべきであると強くおすすめします。

 

⑥交通事故の損害賠償トラブルで多い事例

ケース1.被害者「相手の保険会社から、損害賠償の上限があると言われた。提示されている金額に納得はいかないが、示談を成立させるしかない?」

 
損害賠償金のトラブルで最も多いのは、被害者が納得できない、低い損害賠償金が提示されるケースです。相手の保険会社から「これが一般的な上限です」と、上限まで支払っていることを伝えられ、これ以上は損害賠償を請求できないと泣き寝入りしてしまうことがあります。ここで問題となるのが「上限額」という言葉です。
 

損害賠償で「足りない」といった問題が発生するのは、損害額の基準が原因です。損害額の算出基準は3つあります。
 

自賠責基準

強制加入の自賠責保険の保険金支払いを基準とした算出方法です。自賠責保険は人身事故のみに最低限の補償を行う保険です。そのため、交通事故で出た物損などのカバーは行わない他、保険会社基準、裁判所基準の2つの基準と比較しても、補償額は低く抑えられています。
 
例えば、傷害事故の場合、入通院慰謝料は、治療期間と実治療日数×2日のうち少ない方を基準として1日4,200円という低額で算定されますし、支払総額の上限も120万円と定められています。

 

自賠責基準で入通院慰謝料を計算する

150日の治療期間のうち実治療日数は120日(入院90日・通院30日)の場合
 
150日と120日(実治療日数)×2=240日の少ない方、150日を採用。
4,200円×150日=63万円が支払い上限金額となります。

 

裁判所基準

裁判所で過去に行われた判例を元に算出している基準です。一般的には最も高い基準とされています。日弁連交通事故相談センターが発行する『民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準』(通称・赤い本)に記載がありますが、同基準は従前の判例の集積によるものとして一般的な基準となっています(ただし、この本は一般販売がされていません)。
 
ムチ打ち症などで他に大きな怪我がない場合は「損害賠償額算定基準Ⅱ」、その他の怪我の場合は「損害賠償額算定基準Ⅰ」を使い、入通院にかかった期間で計算を行います。ですが、細かい計算には専門的な知識が必要になります。

 

裁判所基準で入通院慰謝料を計算する

150日の治療期間のうち、実治療日数は120日(入院90日・通院30日)の場合
 
ムチ打ち症などで他に大きなケガがない場合・・・「損害賠償額算定基準Ⅱ」参照=118万円
その他のケガの場合は・・・「損害賠償額算定基準Ⅰ」参照=177万円

 

保険会社基準

加害者の加入している保険会社が、示談交渉のときに利用する基準です。基準は各保険会社で変わり、基準は公開されていません。そのため、どのような基準で上限が決まっているのか、どのような明細でその金額が算出されたのか、被害者は知ることができません。
 
保険会社基準は一般的に、裁判所基準と、自賠責基準の間くらいの金額が相場といわれています。

 

保険会社基準で計算する

150日の治療期間のうち、実治療日数は120日(入院90日・通院30日)の場合(自賠責基準と弁護士基準の間と言われるため、両者の平均額を算出)
 
ムチ打ち症などで他に大きなケガがない場合=90万5000円
その他のケガの場合=120万円


※民間の保険会社は基準額の公開を行っていないので、裁判所基準と自賠責基準の平均と仮定します。任意保険会社の基準は会社ごとに異なるため、すべての会社がこのような計算を行っているわけではありません。

 

上限はあくまで保険会社の都合

このように、損害金を計算する基準は3つあります。保険会社はこの3つの基準のうち、どの基準額を使って損害金の算出を行っても構いません。一般的に金額の上限が低いとされる自賠責基準の上限額で計算されている場合、保険会社に「上限額です」と言われても、保険会社にとっての上限とは限らない可能性があるのです。
 
弁護士は、裁判所基準という高い補償金基準で計算を行い、正当な損害賠償請求を行ってくれます。弁護士にお願いするメリットは、補償金の上限なく、あらゆる手続きを委任できることです。

 

ケース2.被害者「事故のときに痛みもなく怪我もしていなかった。そのため加害者が物損事故として届け出ていたが、後から痛みが出てきた。物損事故として届けたら、怪我の治療費請求はあきらめるしかない?」

 
交通事故が起こった場合、警察に届け出を行います。このときに加害者が『物損事故』として届け出を行っているため、治療費などが補償されないケースです。物損事故とは、怪我人が出ず、被害が出たのは車や荷物のみという事故のことです。
 
自賠責保険は人身事故で最低限の補償を行うための保険ですから、相手が任意保険に加入していなかった場合、物損事故での利用はできません。しかし、その場では怪我もなく大丈夫と思っても、痛みがあとから出てきてしまうこともあります。
 

物損事故だと治療費が補償されない!

物損事故、人身事故では補償される範囲が違います。人身事故では先ほどご紹介したとおり、積極障害、消極障害、慰謝料、物損の4つの項目に被害者が請求を行うことができます。しかし物損事故では物損以外補償されないのが通常です。請求できるお金は、壊れてしまった車や荷物などです。
 
また、あくまで「怪我人はいない」事故として処理されるため、被害者が病院へ行った場合でも治療費の請求が難しい場合があります。保険会社からも「物損事故では怪我人が出ていない事故だ」と、治療費の支払いを拒否されることもあります。
 

1週間以内に病院へ行こう

その場では大したことがないと物損事故で届け出ていたとしても、その後人身事故であると証明できれば、あとから物損事故から人身事故へ切り替えられる場合があります。人身事故は、死傷者の出る交通事故の場合に使われる言葉です。交通事故後に受診した病院で「事故にあった日」と「初診日」がわかる診断書の発行をお願いしましょう。
 
具体的には、医者にの以下の2点を伝え、診断書をもらいましょう。

 

  • 交通事故に遭い、後から痛みが出てきたこと
  • 物損事故から人身事故に切り替えたいこと

 
必要なことを明記した診断書をもらえます。この診断書を持って警察へ行きましょう。警察による実況見分と書類の確認で人身事故だったと認められると、物損事故から人身事故への切り替えが行われます。少しでも違和感がある場合、交通事故発生から1週間以内に病院へ行き、診断書をもらうようにしましょう。
 

警察で人身に切り替えられなかったら保険会社に連絡を

物損事故から人身事故に切り替える場合、あまり長い時間が経過してしまうと「事故と怪我の関連性が不明」という理由で人身事故への切り替えが却下されてしまうことがあります。この場合、人身事故の交通事故証明所を警察から入手できなくなってしまいます。
 
この場合、相手の加入している保険会社に問い合わせて所定の『人身事故証明入手不可能理由書』を提出しましょう。この書類に関しては保険会社ごとに違います。まずは保険会社に問い合わせを行いましょう。交通事故を得意とする弁護士に依頼すれば、警察への届け出や保険会社などもすべて代行してもらうことができます。

 

 

ケース3.被害者「医師が症状固定と判断したため、治療費の支給を打ち切られた。残りの治療費は請求できないの?」

治療中にこれ以上治療してもよくなる見込みがないと判断されることを『症状固定』といいます。中には保険会社から「症状固定ですから打ち切ります」という連絡がくることもあるようです。しかし、症状固定は保険会社の判断で決めるものではありません。
 
また医師から症状固定を提案されても、まだ痛みが残っている場合には治療を続行したい旨の意向を示すべきです。医師は患者の意向も踏まえて症状固定の有無を判断することになりますので、医師と現在の症状についてよく話し合うことが大切です。
 
なお、治療費が打ち切られたとしても健康保険を利用することが可能ですので、「交通事故で健康保険は使えないのか?」の内容を参考に健康保険を使って治療費を抑えることも検討してみてください。

 

 

治療費がストップしても支払い再開の交渉が可能

保険会社から治療費の支払いが止まってしまうと、「もう治療費の請求はできない」と泣き寝入りしてしまうケースもあるようです。
 
しかし、医師から「治療の継続が必要である」旨の診断書が提出されれば治療費の支払い再開を交渉することは可能です。ただし、必ずしも保険会社との交渉がスムーズにいかない可能性もありますので、その場合、法律の知識や交通事故に関する専門家へ相談することをおすすめします。
 

休業損害も受け取れなくなる

治療費を一方的に打ち切られてしまった場合、病院でかかる治療費は一時的に自費となってしまいます。また、休業補償を受け取っている場合には、治療費の打ち切りと同時にこちらも止まってしまうのが通常ですので、経済的なダメージは被害者にとってかなり大きなものと考えられます。
 
このような一方的打切りは、通常は数ヶ月で治るとされるむち打ちや捻挫などの場合に多く発生します。一方的な打切りにより致し方なく治療をあきらめた場合であっても、これをそのまま放置すると「被害者ももう治療する必要はないと判断した」と評価されてしまう可能性があります。
 
そのため、少しでも打切りに納得がいかない場合、医師の診断書を取得するなどしたうえで、保険会社に対して治療継続の必要性を主張するべきでしょう。
 

ケース4.被害者「直進していたところ、車線変更をしてきた合流車が突っ込んできた。保険会社から動いている車同士で過失割合が100はないと言われたが納得がいかない。」

交通事故の損害賠償は相手の過失割合(自分の過失分)によって変化します。しかし、保険会社同士の交渉は双方に過失があるということが前提となっています。
 
そのため、「過失は0です。100%の補償金を支払ってほしい」と主張する場合は、自分の保険会社に助けを求めることはできず、自ら交渉する必要がでてきます。

【相手の過失割合 × 損害額 = もらえるお金】

過失割合に応じてもらえるお金には違いがあります。たとえば自分の損害額が100万円で相手の過失が8割、自分の過失が2割だったと仮定しましょう。
 
この場合、相手に請求できる金額は、【8割×100万円=80万円】となります。
 
要するに、交通事故について自分にも過失がある場合、過失割合分の損害は自分で負担しなければならないということです。このような過失相当分の損害の分担を『過失相殺』といいます。

人身事故の場合、損害額自体が多額となりがちですので、双方の過失割合によってかなり大きな金額が変動することになると考えていいでしょう。
 

過失割合は事故態様によって決まる

過失割合は、一般的に、判例タイムズ社が発行している『民事交通事故訴訟における過失相殺率の認定』(通称判例タイムズ)で公表されている基準を基に判断されます。これは事故態様毎に過失割合について評価する基準ですので、過失割合の判断には事故態様が最も重要といえます。
 
そして、人身事故の場合、事故態様を証明する最適な証拠は警察作成の実況見分調書です。したがって、交通事故にって怪我をしたらどんなに軽傷でも必ず警察を呼んで実況見分を行ってもらうことが、被害者の身を守ることになると覚えておきましょう。

 

⑦自分の目的に合わせて相談する専門家を選ぼう

交通事故の損害賠償には3つの基準があることはお伝えしました。保険会社が提示した補償金がどの基準なのかを、被害者が知ることは非常に困難です。自分一人ではどうしようもないという場合、相談できる専門家がいます。各専門家の特徴をご紹介します。
 

裁判になっても安心して任せたいなら弁護士

何か困ったことがあったときに頭に浮かぶ人も多いではないでしょうか?法律の専門家で、被害者の代わりに交渉や裁判を行うこともできます。示談交渉はもちろん、妥当な損害賠償金の算出なども行ってくれます。弁護士を介入させることで、被害者が行うべき交渉を一任できる、裁判になっても変わらずに交渉をしてもらえます。
 
ただし、その分だけ費用の負担が大きい、相談するには敷居が高いといったデメリットが考えられます。
 

少額の賠償請求で費用をおさえたいなら司法書士

司法書士と交通事故は無関係に見えるかもしれません。認定司法書士という資格を持っている場合、訴訟額が140万円未満の裁判(簡易裁判)や交渉に限り、弁護士と同じように被害者の代理人を担ってくれます。弁護士よりも費用が安く済むというのも、大きな特徴です。
 
ただし控訴されて地方裁判所へ場所が移動してしまうと、司法書士は代理人となることができないデメリットがあります。この場合、上限金額なく、代理人を務めることのできる弁護士へ、委任し直す必要があります。

交渉は自分で、問題解決のサポートがほしいなら行政書士

行政書士は代理交渉などを行うことはできません。ただし書類作成などを通じて、被害者の補償金請求のサポートを行うことができます。また事故直後や治療中でも、困ったときから相談に乗ってもらうことができます。弁護士、司法書士と比較すると、費用も安く済むでしょう。
 
デメリットは代理人として交渉ができない点です。保険会社との交渉などは自分で行う必要がありますし、万が一、相手に裁判に持ち込まれてしまった場合、弁護士や司法書士に委任し直す必要があります。
 

交通事故の損害賠償が得意な弁護士を選ぼう

交通事故の損害賠償請求は、弁護士をはじめとした専門家に助けてもらうことができます。この時に大切なのは、交通事故に関する専門知識を持っているかどうかです。これは弁護士、司法書士、行政書士、誰に相談する場合も同じと考えていいでしょう。
 
また、過去にどのくらいの案件数をこなしたのか、相談のときに質問してみることもオススメです。お願いしたい専門家が決まったら、まずは実際に話してみましょう。お互いに人間としての相性は、非常に大切です。
 
交通事故分野を積極的に取り扱う弁護士の選び方に関する詳細は、以下の記事をご参考ください。
 

 

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弁護士費用が心配な場合

『弁護士費用特約』というオプションに加入している場合、弁護士にかかる費用の一部を自分が加入している自動車保険で賄うことができます。
 
加入している場合、弁護士費用は約300万円、法律相談費用は約10万円程度まで、自分の自動車保険のお金を使って相談することが可能です。
 
法律相談のみは補償の対象外になる会社、弁護士費用の300万円に法律相談費用の10万円が含まれている会社など、保険会社によって、賄える金額や、特約を利用できる条件には違いがあります。まずは保険会社に問い合わせてみましょう。

 

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まとめ

損害賠償の支払いまでの流れや、補償金として請求できるお金をご紹介してきました。交通事故における損害賠償では、知らないことで損を被害者が損をしてしまうことがたくさんあります。

正しく知ることで、自分が受け取ることのできる妥当な損害賠償かどうかの判断ができるようになるのです。このサイトでは、交通事故を専門に扱う弁護士を積極的に取り扱っています。住んでいる地域などからも検索できますから、まずは相談してみてください。
 
この損害賠償の中には、不安や恐怖など「心の損害」への損害賠償である、「慰謝料」も含まれています。交通事故の慰謝料請求に関しては、「交通事故の慰謝料請求を弁護士に依頼すべきたったの1つ理由」で詳しくご紹介しています。ぜひ、ご覧ください。
 

交通事故の損害賠償金弁護士が
交渉
することで増額する可能性が高まります

結論からお伝えすると、保険会社から提示されている損害賠償金の増額には弁護士への依頼が必要不可欠です。

残念ですが、一般の方が保険会社と交渉しても聞く耳持たないのが現状で増額には弁護士への依頼が必須です。まずは、弁護士への依頼でどれくらいの増加が見込めるのか依頼するしないは別として、ご自身の場合、弁護士に依頼するとどのようなメリットがあるのかを具体的に相談してみることをオススメします。

弁護士基準による増額事例

当サイト『交通事故弁護士ナビ』は交通事故を得意とする弁護士を掲載しており、事務所への電話は【通話料無料】電話相談や面談相談が無料の事務所や、着手金が必要ない事務所もあります。
 
まずは下記よりお近くの弁護士を探して相談してみましょう。

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参照元一覧

国土交通省
日弁連交通事故相談センター
『交通事故の法律知識[第3版] 弁護士 有吉 春代 他(自由国民社)』

この記事を監修した法律事務所

Thum_umezawa
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

交通事故の慰謝料は弁護士が交渉する事で増額できる可能性があります


交通事故の損害賠償には3つの基準があり、最も高額な裁判所基準での慰謝料獲得は弁護士への依頼が必須であることをご理解いただけたかと思います。

今現在、あなたが置かれている状況はどのようなものでしょうか?

・保険会社との示談交渉の真っ最中
・慰謝料の増額をしたいが保険会社が聞く耳を持たない
・提示された慰謝料が本当に適正か分からない
・保険会社とのやり取りが負担になっている
・過失割合に納得がいかない

一つでも上記に当てはまるようであれば、弁護士へのご相談を強くオススメします。繰り返しになりますが、裁判所が認める最も高額な慰謝料を獲得するためには弁護士への依頼が必要不可欠です。

弁護士基準による増額事例

適正な慰謝料を獲得するためにも、いち早く弁護士へご相談ください。

編集部

本記事は交通事故弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※交通事故弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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