交通事故や自転車事故など、事故はいつ起きてしまうか分からないものです。弁護士費用を用意できず泣き寝入りとなってしまうケースも少なくありません。
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交通事故だけでなく、自転車事故、労働問題、離婚、相続トラブルなど幅広い法的トラブルで利用することができます。
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交通事故のうち、当事者にけががなく、車が壊れるなどの物的損害のみが発生したものを「物損事故」といいます。
物損事故の場合、慰謝料は請求できないケースが大半です。車の修理費など、請求が認められる損害の賠償を漏れなく請求しましょう。
本記事では、物損事故で慰謝料は請求できるのかどうかなどを解説します。
物損事故に遭ってしまい、精神的ショックから慰謝料を請求したいと考えている方は、本記事を参考にしてください。
けがをしていない物損事故であっても、たとえば愛車が壊れてしまったことについて大きなショックを受け、慰謝料を請求したいと考えるケースもあるかと思います。
しかし、物損事故ではごく一部の例外を除き、慰謝料請求は認められません。
物損事故による精神的苦痛は、修理費などの経済的な損害が賠償されれば治癒するというのが、法律および交通事故実務の考え方です。
そのため、物損事故では原則として、修理費などの損害賠償とは別に慰謝料を請求することはできません。
物損事故であっても慰謝料を請求できるのは、たとえば事故によってペットが死亡した場合や、重篤な後遺症が残った場合などです。
名古屋高裁平成20年9月30日判決の事案では、車同士の追突事故によって、後部座席に乗っていたペットのラブラドールレトリバーが大けがをしました。
その結果、後ろ脚の麻痺や排尿障害の後遺症が残りました。
名古屋地裁は結論として、加害者に対して40万円の慰謝料の支払いを命じました。その理由として名古屋地裁は、以下のような事情を挙げています。
ペットは法律上「物」とされているため、ペットがけがをした場合や死亡した場合でも、人間である被害者がけがをしていなければ物損事故として扱われます。
しかし、ペットが家族同然である場合には、ペットのけがや死亡による慰謝料請求が認められる余地があります。
ごく一部の例外を除くと、物損事故について加害者側に慰謝料を請求することはできません。
慰謝料を請求したい場合は、原則として物損事故から人身事故へ切り替える必要があります。
交通事故によって少しでもけがをしていれば、警察署で手続きをおこない、物損事故から人身事故へ切り替えられる可能性があります。
医師の診察を受けて診断書を発行してもらい、その診断書を警察署へ持参しましょう。
ただし、交通事故の発生から時間が経過していると、人身事故への切り替えが受理されないことがあるので注意が必要です。
けががないように見えても、念のため速やかに医療機関を受診し、医師の診察を受けましょう。
物損事故について損害賠償を請求する際には、人身事故とは異なる以下の各点にご注意ください。
物損事故の場合、自賠責保険の保険金を受け取ることができません。
自賠責保険によって補償されるのは、傷害・後遺障害・死亡による損害に限られているためです。
したがって物損事故の損害賠償は、加害者が加入している任意保険から支払われるか、または加害者本人に請求することになります。
特に加害者が任意保険へ加入していなかった場合は、損害賠償の全額を加害者に対して請求する必要がある点にご注意ください。
人身事故の場合は、傷害・後遺障害・死亡による損害賠償を、加害者本人のほか「運行供用者」に対しても請求できます(自動車損害賠償保障法3条)。
運行供用者とは、自己のために自動車を運行の用に供する者です。
たとえば運転者に車を貸していた人や、社用車の所有者である会社などが運行供用者に当たります。
加害者本人の不法行為責任に加えて、運行供用者責任を追及できる場合は、損害賠償を回収しやすくなるメリットがあります。
しかし物損事故の場合は、運行供用者責任を追及することができません。
運行供用者責任の対象は、傷害・後遺障害・死亡による損害に限られているためです。
したがって物損事故の損害賠償は、加害者本人、または加害者が加入している任意保険の保険会社に対してのみ請求できます。
人身事故の場合は、警察官による実況見分がおこなわれます。
「実況見分」とは、警察官が交通事故の現場を検証し、事故状況の確認や証拠の保全などをおこなう手続きです。
実況見分の結果は「実況見分調書」に記載されます。
実況見分調書は、交通事故の状況に関する客観的な証拠に当たり、過失割合などの立証に役立ちます。
しかし物損事故の場合は、警察官による実況見分がおこなわれず、実況見分調書も作成されません。
ドライブレコーダーの映像などがあればよいですが、客観的な証拠が乏しい場合は、過失割合などの立証が難しくなることがあります。
交通事故の損害賠償請求権は、一定の期間が経過して消滅時効が完成すると、請求できなくなってしまいます。
人身事故の場合、傷害・後遺障害・死亡に関する損害賠償請求権の消滅時効は、以下のいずれかの期間が経過すると完成します(民法724条、724条の2)。
これに対して、物的損害に関する損害賠償請求権の消滅時効は、損害および加害者を知った時から3年で完成します。
人身損害に比べて、物的損害の時効期間は短くなっている点に注意が必要です。
物損事故については原則として慰謝料を請求できませんが、以下の損害については加害者側に対して賠償を請求できます。
実際に発生した損害を漏れなく積算して、損害賠償を請求しましょう。
交通事故によって壊れた車の修理費は、必要かつ相当な範囲の実費全額が損害賠償の対象となります。
ただし、損傷の程度がひどく修理が不可能な場合や、修理費が同等の車の買い替え費用を上回る場合は、買い替え費用相当額が損害賠償の上限となります。
交通事故によって車が使えなくなり、代車を借りる必要性が生じた場合には、代車費用の損害賠償を請求できます。
たとえば事故に遭った車を通勤に使っていた場合や、代車を借りなければ生活上の移動に大きな不便が生じる場合などには、代車費用の損害賠償を請求できる可能性が高いです。
代車費用の損害賠償は原則として、事故に遭った車と同等のグレードの代車を借りる場合の金額が上限となります。
ただし、事故に遭った車が相当な高級車である場合は、同等のグレードの代車を借りる必要がないと判断され、代車費用の損害賠償の上限が低く抑えられることがあります。
中古車市場では一般的に、事故に遭ったことがある車は低く評価される傾向にあります。
修理によって機能や外観は直ったとしても、中古車市場における価値が下がった場合には、下落相当額が「評価損」として損害賠償の対象となることがあります。
ただし、評価損の有無や金額については、評価の方法や評価者の立場などによって結論が異なります。
そのため、加害者側との間で争いになりやすい点に注意が必要です。
トラックやタクシーなどの営業車が使えなくなり、本来得られるはずだった利益が得られなくなった場合には、利益の減少相当額が「休車損害」として損害賠償の対象となります。
休車損害の額は、平均的な売上額から必要経費の額を控除して計算します。
ただし、事故車に代わりに営業に用いることのできる別の車がある場合や、利益の減少と交通事故との間の因果関係が不明確な場合には、休車損害の損害賠償が認められないこともあるのでご注意ください。
上記のほか、物損事故では以下のような損害賠償を請求できることがあります。
物損事故の損害賠償として、最大限の金額を得るためには、以下のポイントに留意して対応しましょう。
人身事故に比べると多くはありませんが、物損事故であっても、被害者は加害者側に対してさまざまな項目の損害賠償を請求できます。
最大限の損害賠償を得るためには、事故によって生じた損害を漏れなく積算して請求することが大切です。
修理費などは分かりやすいですが、それ以外にも細かい損害が生じている可能性があります。
弁護士と相談しながら、損害を漏れなくリストアップしましょう。
加害者や加害者側の任意保険会社は、事故と損害の間の因果関係が不明であることや、被害者側にも過失があることなどを主張して、物損に関する損害賠償を拒否してくるかもしれません。
加害者側に損害賠償を拒否されるケースに備えて、損害や事故状況に関する客観的な証拠を確保することが大切です。
たとえば修理費については、見積書や領収書などを保存しておきましょう。
評価損の損害賠償を請求する場合は、事故がなかった場合と事故後の両方の評価額が分かる査定書などが必要になります。
過失割合が争われた場合は、交通事故の客観的な状況が問題になります。
物損事故では実況見分がおこなわれないので、実況見分調書は利用できません。
ドライブレコーダーの映像などがあることが望ましいですが、なければ目撃者に証言を依頼するなどの対応を検討しましょう。
交通事故の損害賠償請求に関する示談交渉は、弁護士に依頼するのが安心です。
弁護士に依頼すれば、交通事故による損害を漏れなく積算した上で、加害者側に対して支払いを請求してもらえます。
加害者側の任意保険会社が独自の基準(=任意保険基準)で保険金額を提示してきても、それを受け入れるのではなく、被害者の客観的な損害額を算出できる基準(=裁判所基準)に基づいて保険金を請求することができます。
また、自力で損害賠償請求をおこなう場合に比べて、労力やストレスが大幅に軽減される点も、弁護士に依頼することのメリットの一つです。
物損事故の損害賠償請求を検討している方は、一度弁護士へ相談してみましょう。
物損事故では原則として、加害者側に対して慰謝料を請求することはできません。
しかし、壊れた車の修理費をはじめとして、さまざまな項目の損害賠償を請求できる可能性があります。
弁護士のサポートを受けながら、損害額を漏れなく積算した上で賠償を請求しましょう。
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無料相談を受け付けている弁護士もいるので、費用について不安がある方でもご利用可能です。
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