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後遺障害慰謝料の相場を解説|計算事例と増額ポイント
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2018.7.25
慰謝料 後遺障害 弁護士監修記事

後遺障害慰謝料の相場を解説|計算事例と増額ポイント

Failure-jico

「交通事故で後遺症が残った…」このような場合には、後遺症を負わされた精神的苦痛に対する損害賠償である、後遺障害慰謝料の請求が認められます。

 

後遺障害慰謝料は交通事故の損害賠償の中でもかなり高額な部類です。後遺症の種類・症状によっては、慰謝料の金額が数千万単位になるケースも珍しくありません。後遺症は今後の人生に大きな支障をきたす損害なので、被害者に高額な慰謝料を請求する権利があるのは当然でしょう。

 

この記事では後遺障害慰謝料の相場額や、請求事例などをご紹介します。もしも交通事故被害に遭って後遺症が残る恐れがある場合には、保険会社との示談前の予備知識として、参考にしてみてください。

 

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後遺障害慰謝料の相場と3つの慰謝料基準

後遺障害慰謝料の相場は後遺症の等級(どのくらい重いか)と3種類の算出基準によって額が決まっています。ですので、慰謝料の相場や計算方法というよりは、こう決まっているものと捉えていただくのが良いかもしれません。

 

以下表はそれらの条件を一覧にまとめたものです。

 

後遺障害慰謝料の認定基準

等級

自賠責基準

任意保険基準(推定)

弁護士基準

第1級

1,100万円

1,600万円程度

2,800万円

第2級

958万円

1,300万円程度

2,370万円

第3級

829万円

1,100万円程度

1,990万円

第4級

712万円

900万円程度

1,670万円

第5級

599万円

750万円程度

1,400万円

第6級

498万円

600万円程度

1,180万円

第7級

409万円

500万円程度

1,000万円

第8級

324万円

400万円程度

830万円

第9級

245万円

300万円程度

690万円

第10級

187万円

200万円程度

550万円

第11級

135万円

150万円程度

420万円

第12級

93万円

100万円程度

290万円

第13級

57万円

60万円程度

180万円

第14級

32万円

40万円程度

110万円

 

なお、3種類の算出基準のどれが適用されるかは、保険会社との交渉状況によって変わります。基本的には、保険会社は自賠責基準か任意保険基準を提示してきますが、弁護士に示談交渉を依頼した場合には弁護士基準が適用されやすいです(※弁護士基準での請求には法律の知識が必要になるため、弁護士を雇わずに個人での請求は難しい)。

 

後遺障害慰謝料の3つの算出基準

自賠責基準

自賠責基準(じばいせききじゅん)は、交通事故で負傷した被害者に対して、法令で定められた最低限の補償を行うことを目的とした基準のことです。

 

 

任意保険基準

任意保険基準(にんいほけんきじゅん)とは、自動車保険会社が独自に設けている基準のことです。自賠責保険ではカバーできなかった損害の補償を目的としており、自賠責基準よりは高額になる傾向がありますが、各保険会社によって基準が異なるため、厳密には把握できない基準ではあります。

 

 

弁護士基準(裁判所基準)

弁護士基準(べんごしきじゅん)とは、裁判所が採用している基準で、日弁連交通事故センター発行の書籍でも公表されている基準です。裁判所基準ともいわれています。3つの基準の中では、最も高額です。

 

 

後遺障害慰謝料の請求事例

次に後遺障害慰謝料を含む交通事故の損害賠償請求事例を、複数ご紹介します。

 

後遺障害等級第14級の事例

被害者のむちうち症が後遺障害14級に認定されて、裁判で損害賠償請求が行われた事例です。なお、14等級は後遺症の等級の中で、最も低い等級です。

 

後遺障害14級の請求事例

治療費等

182万2,522円

休業損害

164万円

逸失利益

72万7,339円

入通院慰謝料

130万円

後遺障害慰謝料

110万円

過失相殺

-65万9014円

合計

593万0,847円

【参考】平成15(ワ)139  交通事故による損害賠償請求 

 

後遺障害等級第12級の事例

事故の影響で右手の肘関節が110度までしか曲げられない負傷が、後遺障害12級に認定されて、裁判で損害賠償請求が行われた事例です。

 

後遺障害12級の請求事例

治療費等

56万8,122円

休業損害

50万1,380円

逸失利益

867万389円

入通院慰謝料

180万円

後遺障害慰謝料

280万円

過失相殺

-143万3,940円

合計

1,290万5,901円

【参考】平成17(ワ)7727  損害賠償 

 

後遺障害等級第7級の事例

左手指のマヒによる握力の低下(0~1.0kg)・左手指の損傷・知覚障害などの重傷が後遺障害7級と認定されて、裁判で損害賠償請求が行われた事例です。その後の症状の経過に不確定要素が多いことが考慮されて、後遺障害慰謝料が相場よりも高めに設定されています。

 

後遺障害7級の請求事例

治療費等

127万6,562円

休業損害

71万270円

逸失利益

2,835万5,517円

入通院慰謝料

120万円

後遺障害慰謝料

1,500万円

過失相殺

-2,186万5,253円

合計

2,467万7,088円

参考】平成16(ネ)112  債務不存在確認請求控訴事件,同反訴請求事件 

 

後遺障害の併合による等級の変化

後遺障害が複数ある場合には、以下のルールに従って後遺症の等級がくり上がるケースがあります。

 

ルール1

第5級以上に該当する後遺障害が2つ以上ある場合、最も重い等級を3つ上げる

ルール2

第8級以上に該当する後遺障害が2つ以上ある場合、最も重い等級を2つ上げる

ルール3

第13級以上に該当する後遺障害が2つ以上ある場合、最も重い等級を1つ上げる

ルール4

14級の後遺障害が2つ以上ある場合は、いくつあっても14級

 

例えば、第10級と第12級の後遺障害がある場合には、ルール3が適用されて9級の後遺障害慰謝料の請求が認められます。後遺障害の併合に関する詳細については、以下の記事をご覧ください。

 

 

後遺障害等級の認定を得る4つのポイント

後遺障害の認定には大きく以下の条件があります。

 

  1. 交通事故が原因となる肉体的・精神的な傷害
  2. 将来において回復が見込めない状態
  3. 交通事故と後遺症状に因果関係が認められる
  4. 後遺症状の原因が医学的に証明、説明できる
  5. 後遺症状の程度が自賠責法施行令の等級に該当すること

 

これらの条件に加えて、下記のポイントが重要です。

 

①:症状が発生するような事故であること

例えば、極めて低速度で追突された場合など、事故自体の規模が小さい場合は非該当とされるケースがあります。追突を受けたとしても、自分の車両や本人にほんの少し傷が付いた程度であった場合などでは、後遺障害等級の認定が否定されてしまいます。

 

②:病院への通院を継続していること

後遺障害の等級認定には受傷直後から症状固定がされるまで、整形外科等の医師の治療を継続して受けている必要があります。例えば通院間隔が空いたり、(整骨院のみなど)医師の治療を受けていなかったりする場合は、等級認定されない可能性があります。

 

③:症状が連続かつ一貫していること

交通事故当初は左の足だけが痛むと言っていたのに、事故後3ヶ月が経って右足も痛いなど別の症状を訴えたり、1ヶ月後に再度痛みがぶり返したと訴えたりするような場合は、一貫性がないとされて非該当となることがあります。

 

④:症状が重篤であり、常時性が認められること

症状がそれなりに重く、常に症状があることも重要です。例えば、「雨の日だけ痛い」や、頚部の「コリ」「違和感」「だるさ」などの症状だけでは、後遺障害として認められない可能性が高くなります。

 

後遺障害慰謝料を受け取れるタイミング

 

後遺障害慰謝料を受け取れるタイミングは、病院で症状固定(これ以上の回復は見込めないという診断)を受けて後遺障害の認定手続きを済ませ、加害者の保険会社との示談が成立した後です。

 

示談後にいつ自分の手元に後遺障害慰謝料が手に入るかは、示談内容によって変わってきます。通常は示談から遅くても2週間以内には、保険会社から振り込みがされるケースが多いといわれています。

 

なお、症状固定を受ける前に示談を済ませてしまうのは危険です。示談の後で後遺障害に関する損害賠償請求を行うことは基本的には認められていません。一度成立した示談の内容を後から変更することは困難ですので、後遺症が残っている方は、必ず後遺障害認定の手続きを済ませてから示談に臨むようにしてください。

 

後遺障害等級に非該当となった場合の慰謝料

後遺障害申請の結果が非該当になった場合、残念ながら後遺障害慰謝料の請求は認められません。また逸失利益(後遺症を負わなければ将来得られていたはずの収入に対する保障)の請求もできなくなるので、損害賠償の総額が大きく減額されてしまいます…。

 

ただ、診断結果が非該当になってしまっても、申請のやり直し(異議申立て)によって後遺障害が認められるケースもあります。なので、初めての申請で非該当の結果が出たとしても、すぐに諦めずに、再び後遺障害申請を検討した方がよいでしょう。

 

後遺障害の申請手続きは、被害者請求で行うのがもっとも確実です。被害者請求については以下の記事で解説していますので、詳細を確認したい場合はそちらも併せてお読みください。

 

詳細記事

被害者請求

自賠責保険の被害者請求とは|メリットと手続き方法を解説

異議申し立て

後遺障害の異議申し立て方法と成功させる5つのポイント

 

後遺障害慰謝料の増額は弁護士への相談が有効

後遺障害慰謝料は弁護士基準での請求が最も高額です。

 

後遺障害が関与する交通事故被害は、弁護士費用を差し引いても慰謝料の増額分が大きく収支がプラスになる可能性が高いので、もし後遺障害が認定される可能性がある場合には、弁護士への相談を積極的に検討した方がよいでしょう。

 

なお、弁護士に後遺障害申請の手続きを任せることで、適正な後遺障害等級が獲得できる可能性も高くなります。ご自身や保険会社に手続きを任せたものの、思うような認定結果にならなかった場合には、弁護士に再申請してもらうと後遺障害の等級アップも期待できるかもしれません。

 

まとめ

後遺障害慰謝料の金額は、後遺症の等級と3種類の算出基準によって決まります。基本的には弁護士基準での請求が損害賠償の合計額が最も高くなるので、後遺症が残る可能性がある場合には、示談前に弁護士に相談するのがおすすめです。

 

交通事故の示談は、一度成立したら後からやり直しはできません。保険会社の提示する慰謝料に少しでも不安を感じるのであれば、すぐ示談に応じずに、慎重に対応していきましょう。

 

後遺障害の申請適切な等級の獲得には
弁護士との
被害者請求がオススメです

被害者請求とは自分で後遺障害の申請を行う方法ですが、保険会社が行う「事前認定」とは違い、以下のようなメリットがあります。

・後遺障害の認定がされやすい
・治療費の受け取りを前倒しできる
・慰謝料の増額が見込める
・過失割合の是正が見込める
・弁護士が面倒な手続きなどを代行してくれる

 
依頼するしないは別として、ご自身の場合、弁護士に依頼するとどのようなメリットがあるのかを具体的に相談してみることをオススメします。



当サイト『交通事故弁護士ナビ』は交通事故を得意とする弁護士を掲載しており、事務所への電話は【通話料無料】電話相談や面談相談が無料の事務所や、着手金が必要ない事務所もあります。
 
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出典元

慰謝料算定の実務 第2版|千葉県弁護士会/編集 ぎょうせい

赤い本「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」

裁判所|裁判例情報

 

この記事を監修した法律事務所

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弁護士法人グリーンリーフ法律事務所
申 景秀 弁護士 (埼玉弁護士会)
開業25年、埼玉で多数の交通事故事件を扱い、特に死亡事故や後遺症の事案対応が得意。ご依頼者の問題解決を第一に考え、迅速で丁寧な対応に定評がある。事故直後から裁判・示談交渉まで幅広く適切な対応が可能。

交通事故のトラブル解決の為に、何をどうすれば良いかわからない方へ


交通事故の9割は示談交渉で決着がつくと言われていますが、実際に自分が示談を進める際に出てくる交渉相手は、相手側保険会社の示談担当員です。

被害者自身やその家族が示談交渉に応じるのが一般的ですが、実際に何年も交通事故の示談交渉を続けてきたプロ相手に、実際の相場よりも低い金額で応じてしまい泣き寝入りをする方も多いのが実情です。

その結果、示談交渉では話し合いが進まず訴訟に発展するケースが増えています。2005年には6,035件だった訴訟件数が、2015年までの10年間で約3.24倍の19,559件に増加しているというデータがあります。

交通事故で被害に遭ったのは自分達の方なのに、適正な保障がされず、大きな後遺症が残った場合は今後の生活への不安も大きくなるでしょう。

もし、『できるだけ損をしたくない』『適正な保障をしてほしい』とお困りの方は、交通事故の問題に長年取り組んできた弁護士に相談してみましょう。

2015年現在、弁護士に依頼する割合は93.6%(訴訟時)という高い割合で利用されており、交通事故に関する専門知識もつ弁護士に相談することで、以下のメリットが望めます。

・保険会社との示談交渉を任せられる
・弁護士基準という慰謝料や示談金を増額できる基準が使える
・事故の過失を適正な割合で計算してくれる
・後遺障害(後遺症)の正しい等級を認定しやすくなる など

弁護士に依頼するのは費用がかかると思われるかもしれませんが、自動車保険の特約(弁護士費用特約)が付いていれば、弁護士費用は300万円まで保険会社が負担してくれます。

交通事故に関わる問題でお困りの事を、【交通事故を得意とする弁護士】に相談することで、有利な結果となる可能性が高まりますので、お一人で悩まず、まずは『無料相談』をご相談ください。

あなたのお悩みに、必ず役立つことをお約束します。

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編集部

本記事は交通事故弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※交通事故弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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