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公開日:2018.8.9  更新日:2019.9.10

むちうちの症状まとめ|痛みが治る目安や治療法について

いろどり法律事務所
松島 達弥 弁護士
監修記事

むちうちとは、交通事故やスポーツによって首に不自然な力が加わることで『首が痛い・首が回らない』といった症状を発症する状態をいいます。首に力が加わる際に、首がS字にしなり鞭を打った様な形になることから、『むちうち症』と呼ばれています。

 

医師作成の診断書では、「頚椎捻挫」や「外傷性頚部症候群」といった傷病名で記載されます。同様の症状は腰についても起こります。腰に症状が出た場合にはあまり「むちうち」という表現は使用されず「腰椎捻挫」と表現されます。

 

むちうち症は、骨折や出血・内出血といった目立った外傷がなくとも発生することがあります。さらに、事故後、症状が遅れて発症することがあります。そのため、負傷した本人でさえ、事故のせいかどうか判断できないケースもあります。

 

しかし、症状の度合いによっては後遺症として痛みが残る場合もあります。事故後、首や腰に症状が出た場合は、できるだけ早く病院で検査を受けた方がよいでしょう。それが、慰謝料請求の場面でも大変意味を持ちます。

 

この記事では、むちうちの症状の特長や治療方法についてご紹介します。交通事故が原因で首回りや腰回りに不調を感じる方は、参考にしてみてください。

 

 

むちうちの慰謝料を多くもらう方法とは?

むちうち被害に遭った場合の後遺障害事故でむちうちになった場合の慰謝料を増額させる方法、それは『弁護士に請求を依頼すること』です。

慰謝料には『自賠責基準』と『弁護士基準』の2種類があり、どちらで請求するかによって金額が変わります。

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むちうちでよくみられる症状

負傷部位や負傷の度合いによってさまざまな症状がありますが、むちうちでよくみられる症状は以下のとおりです。

 

むちうちの代表的な症状

  • 首の痛み
  • 肩・背中の凝り
  • めまい
  • 吐き気
  • 足・指先のマヒ
  • だるさ(疲れやすい)

 

なお、むちうちの症状は、『急性期症状』と『慢性期症状』の2種類に分類できます。以下では、それぞれの症状の原因を確認していきましょう。

 

急性期症状

急性期症状とは、炎症や神経損傷など体組織の損傷により生じる痛みです。病院で検査を受けて痛みの原因が判明する状態であれば、それは急性期症状でしょう。この症状が出ている場合は、医師の指示に従って治療を進めていければ問題ありません。

 

慢性期症状

慢性期症状とは、痛みの原因が治ったにもかかわらず生じる痛みです。長期間の治療を続けていても一向に痛みがひかない状態であれば、慢性期症状の可能性が高いでしょう。まだ解明はされていませんが、神経回路に痛みが記憶されたことが原因ではないかといわれています。

 

むちうちは患部が完治しても痛みが引かないケースが多々あります。もし慢性期症状の疑いがある場合は、医師にその旨を相談して治療を継続するようにしてください。

 

むち打ち症、その他類似の傷病について

実はむちうちは正式な病名ではなく、病態の通称です。例えば首の症状でいうと医学的には、負傷の状態や症状によって以下の傷病名等が付けられます。

 

  1. 頸椎捻挫(けいついねんざ)・外傷性頚部症候群
  2. バレ・リュー(バレー・ルー)症候群
  3. 神経根(しんけいこん)症状型
  4. 脊髄(せきずい)症状型
  5. 脳脊髄液(のうせきずいえき)減少症

 

以下では、それぞれの症状の特長を解説します。

 

頸椎捻挫(けいついねんざ)・外傷性頚部症候群

主な症状 首や肩の傷み、首の運動制限(前後左右に動かせる範囲が狭まるなど)、頭痛
検査が可能な病院 整形外科

 

むちうち症状の中で、最も多い診断名が頚椎捻挫・外傷性頚部症候群です。肩や首が痛いというほか、寝違えたような首の痛み、肩こりに似た症状が出ます。レントゲンやMRI等の画像検査をおこなっても、頚椎に外傷性の異常が見つからない場合に、頚椎捻挫や外傷性頚部症候群という診断名が付されることが多いようです。

 

こうした症状の場合、加害者側保険会社は、「2週間前後で完治する。」「長くとも3か月程度で症状固定に至る」という主張を展開してきます。しかし、裁判でも6~7か月の治療の必要性が認められる事案は多々あります。

 

バレ・リュー(バレー・ルー)症候群

主な症状 頭痛、後頭部、うなじ付近の痛み、めまい、耳鳴り、耳詰まり、食べ物が飲み込みにくくなる、息苦しさ、腕の痺れ、注意力の散漫
検査が可能な病院 整形外科、神経内科、自律神経科

 

バレ・リュー型の自覚症状に多いのは頭痛です。他にも首の痛みやめまい、耳鳴りなどを伴う場合もあります。治療法は他のむちうち症に準じることが多いですが、必要に応じて神経ブロック注射をうつ、抗交感神経薬の服用が考えられます。

 

神経根(しんけいこん)症状型

主な症状 首の痛み、腕の知覚異常、しびれ、脱力症状、顔の違和感、後頭部や顔面の痛み
検査が可能な病院 整形外科、神経内科

 

病名にある『神経根』とは脊髄の知覚神経、運動神経が集まる場所です。椎間孔(椎骨の間にあるすき間がひろがって穴のようになった部分)から腕の方向へ伸びている神経が、上下の頚椎に挟まれて、痛みやしびれなどの症状を引き起こしています。

 

首を動かしたり、せきやくしゃみをしたりすると、痛みを強く感じる特徴があります。レントゲンやMRI検査では頚椎を撮影し、椎間板や頚椎に所見がある場合には手術を行う可能性もあります。

 

脊髄(せきずい)損傷型

主な症状 足のしびれ、頭痛、めまい、吐き気、集中力・思考力の低下、視力障害、尿や便が出にくくなる
検査が可能な病院 整形外科、神経内科、脊髄外来

 

頚椎には、頚椎を支える役割を担う『脊柱管』という管があり、この管の中を脊髄が通っています。脊髄が傷つくと、足に伸びている神経が損傷、足のしびれや歩行障害などを引き起こします。

 

症状が神経根型に似ているので整形外科を選んでしまう人が多いですが、MRIで脊髄損傷は確認を取ることが可能です。また、脊髄に損傷が認められた場合、専門外来である脊髄外来へ転院が必要となります。

 

脳脊髄液(のうせきずいえき)減少症

主な症状 頭痛、吐き気、めまい、耳鳴り、背中の痛み
検査が可能な病院 脳神経外科

 

脳を保護する層である、くも膜や硬膜に何らかの原因で穴があき、そこから脳を安定させるための脳髄液が漏れてしまう症状です。

 

通常、脳は衝撃を受けないよう、膜の中で水にプカプカと浮いているような状態です。しかし、交通事故などで脳を保護する膜に傷がついてしまい、その中の水が漏れてしまうことで、頭痛や吐き気などが引き起こされてしまいます。

 

むち打ち症状の発生時期 

むちうちは、負傷をしてから時間差で痛みが発症することがあります。『交通事故に遭った当日は平気だったけど、翌日になったら首が痛くて動かない…』というケースも多くみられます。

 

むちうちに限ったことではありませんが、交通事故直後は興奮状態になりやすく、ご自身の身体の異常に気がつきにくいものです。ですから、何ともないと思っていても、事故被害に遭った際には必ず病院で検査を受けるようにしてください。

 

また、些細に感じられる異常であっても、異常がある場合にはもれなく主治医に伝え、カルテや診断書に記載してもらうようにしてください。それをしなければ、相手方より「その症状は、事故とは因果関係がない(無関係だ)」という主張が展開される可能性が高くなります。

 

事故と無関係ということになれば、治療費は支払われませんし、その通院等について慰謝料も算定されなくなります。その意味でも、事故後に遅れて症状が出たような場合には、特に急いで整形外科を受診することが必要です。

 

負傷からの経過時間

痛みを自覚した人の割合

6時間以内

65%

24時間以内

27%

72時間以内

8%

【参考】むちうち損傷ハンドブック 第3版

 

むちうち症状を改善するための適切な治療先

むちうちの症状に悩まされている方は、少しでもつらい症状を抑えたいものです。しかし、医学的な裏付けのない対処をしてしまうと、かえって神経・脊髄を傷つけてしまう場合もあります。そのため、むちうちの治療に関しては、医師の診断の上、専門家に治療してもらうようにしてください。むちうちの症状の改善には、以下の治療先が有効です。

 

整形外科

上記では、症状ごとに検査が可能な病院を紹介しましたが、むちうち症状の治療はまず、整形外科でご相談いただくことになります。

 

そこで、そのまま検査や治療・リハビリを受けるのか、より詳しい検査やよりよい治療先・治療方法があれば、担当医から紹介してもらうこともできるでしょう。

 

なお、病院選択の注意点として、医師の中には「むちうち症状」に否定的な医師もいますということを忘れないでください。交通事故治療に力を入れている整形外科を見つけることが重要です。もし非協力的な医師だと感じたら、できるだけ早い時期に転院を行うことも必要となるでしょう。

接骨院・整骨院・鍼灸

症状によっては、整骨院・接骨院・鍼灸の利用によって、徐々に症状が緩和する場合もあります。ただし、損害賠償の世界では、いかに改善効果があったとしても、整骨院・接骨院は単純に治療行為であるとは評価されません。そのため、損害賠償を最大限回収したいと考えている場合には、接骨院・整骨院の利用には、あらかじめ「主治医の同意や指示を得る」、「加害者側保険会社の同意を得ておく。」といった特別な工夫が必要となります。

 

なお、保険会社が整骨院の利用を認めてくれたことで安心してしまい、整形外科での治療を受けずに整骨院等ばかり利用していると、「必要な治療は既に終わっている。」等として、事故から症状固定までの期間を短いものとされてしまうリスクがありますので、その点もくれぐれも注意してください。

整骨院等の利用は、整形外科の利用とのバランスが重要です。

 

半年程度の治療で完治しない場合

むち打ちは必ず完治する傷病ではありません。むしろ、弁護士が過去に携わってきた多くの事案では、程度の差はあれ、後遺障害が残存していることが多く、完治したという方はあまり多くありません。

 

むちうちの治療を5か月以上続けても痛みが引かない場合は、事故から半年以上が経過した時点で後遺障害認定を受けることも検討しましょう。後遺障害は、交通事故が原因で後遺症を負った際に、病院の診断書を損害保険料率算出機構に提出することで審査してもらうことが可能です。

 

後遺障害が認定されれば、交通事故で請求できる慰謝料は傷害慰謝料だけではなく後遺障害慰謝料も請求できるようになります。さらに、後遺障害に伴う労働能力の喪失に対する経済的な賠償も受けられます。そこで、症状が長引いている場合には、医師と弁護士に相談して後遺障害等級認定を受ける方法を検討するとよいでしょう。

 

むちうちが治る(痛みがなくなる)期間の目安

むちうちの治療期間は3ヶ月が大体の目安であるといわれています。むちうちの治療期間を研究した資料のデータによると、約90%の人が3ヶ月以内の治療でむちうちが完治しています。

 

治療期間

むちうちが完治した人の割合

1日のみ

40.7%

1週間

60.4%

1ヶ月以内

79.1%

3ヶ月以内

89.6%

6ヶ月以内

93.9%

1年以内

97.4%

【参考】交通事故によるいわゆる”むちうち損傷”の治療期間

 

ただ、負傷の症状や個人差によって治療期間は変わってくるので、上記のデータはあくまで目安としてご参考ください。

 

 

痛みが半年以上継続する場合は後遺障害の可能性あり

むちうちの治療を半年以上続けても痛みが引かない場合は、後遺障害認定を受けることも検討しましょう。後遺障害は、交通事故が原因で後遺症を負った際に、病院の診断書を損害保険料率算出機構に提出することで審査してもらうことが可能です。

 

後遺障害が認定されれば、交通事故で請求できる慰謝料が大幅に増額します。弁護士に手続きを依頼することで、慰謝料だけでも100万円以上の増額を見込めるので、後遺障害認定の可能性がある場合には、医師と弁護士に相談して後遺障害申請を検討するとよいでしょう。

 

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むちうちの後遺症(後遺障害)認定と慰謝料増額ガイド

 

まとめ

むちうちは目立った外傷がなく、負傷者自身でも気がつきにくい怪我です。しかし、後遺症として残るような重い症状を発症するケースもあるので、決して侮ることはできません。

 

いつまでも症状が続くようでしたら、医師にしっかりと検査をしてもらいましょう。また、治療が長引くむちうちは保険金の請求額も大きくなりやすいです。適正な額の保険金を把握するため、示談の前に一度弁護士の法律相談を受けておくことをおすすめします。

 

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出典元

国土交通省|後遺障害等級

国土交通省|支払までの流れと請求方法

損害保険料算出機構(損保保険料機構)|自動車保険の概況

『交通事故の法律知識[第3版] 弁護士 有吉 春代 他(自由国民社)』

『交通事故民事裁判例集[第48巻第4号] 不法行為法研究会/編(ぎょうせい)』

この記事の監修者
いろどり法律事務所
松島 達弥 弁護士 (京都弁護士会)
弁護士登録後、企業側の弁護士としてキャリアを積むも「地域で暮らす方々により添える弁護士でありたい」という思いから、いろどり法律事務所を設立。ご相談者様の話にじっくり耳を傾け、適切な助言を心掛ける。
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編集部

本記事は交通事故弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※交通事故弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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