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むちうちの治療期間の目安は?3ヵ月打ち切りへの対処法と慰謝料を弁護士が解説

むちうちの治療期間の目安は?3ヵ月打ち切りへの対処法と慰謝料を弁護士が解説

交通事故でむちうち(頚椎捻挫)を負ったとき、「治療はどのくらい続くのか」「いつまで通院できるのか」は、多くの方が最初に気になる点です。むちうちの治療期間は3〜6ヵ月がひとつの目安ですが、症状の重さや個人差によって変わります。

さらに難しいのが、事故から3ヵ月ほどで保険会社から治療費の打ち切りを打診されるケースが多いことです。打ち切りにどう対応するかで、その後の治療や慰謝料の金額が大きく変わってきます。なお、打ち切りとは、治療の終了を意味するのではなく、あくまで『保険会社が病院へ直接治療費を払うサービス(一括対応)をやめる』という保険会社側の手続きに過ぎません。

この記事では、むちうちの治療期間と通院頻度の目安・治療費を打ち切られそうになったときの対処法・治療期間別の慰謝料相場・後遺障害等級認定の進め方まで解説します。適切な治療と納得のいく補償を受けるための参考にしてください。

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この記事の監修者

吉田 要介 (千葉県弁護士会)

年間40~50件のご相談をいただいており、これまで1000件を超える交通事故のご相談に対応。培ってきた豊富なノウハウを活かして丁寧なアドバイスと解決策をご提供します。
目次

むちうちの治療期間は3ヵ月〜6ヵ月が目安

むちうち(頚椎捻挫)の治療期間は、一般的に3ヵ月〜6ヵ月です。

JA共済総合研究所の研究報告では、複数の調査データをもとにむちうちの治療期間が検討されています。報告で引用された調査では、3ヵ月以内に治癒した人の割合は約70〜90%とされ、多くのケースが比較的短期間で治療を終えています。

ただし治療期間は症状の程度や付随する傷病によって異なります。保険会社は治療開始から3ヵ月を目安に治療費の打ち切りを打診するケースが多く見られますが、症状によっては6ヵ月以上の治療が必要になる場合もあります。

治療を続けるかどうかは、自己判断ではなく医師の判断に従って決めましょう。

むちうち治療の通院頻度は週2〜3回が目安

むちうち治療の通院頻度は、週2〜3回が適切なペースとされています。症状の経過に合わせて頻度を調整することが、早期回復と適切な慰謝料請求の両方につながります。

通院頻度と治療内容は、症状の段階によって変わります。

フェーズ 期間 通院頻度の目安 主な治療内容
急性期 発症〜約1ヵ月 週3〜4回 安静・アイシング・頚椎カラーによる固定・消炎鎮痛剤の服用
慢性期 1ヵ月以降 週2〜3回 リハビリ(理学療法)・温熱療法・電気治療・マッサージ・ストレッチ

※症状が重い場合や慢性期以降に、神経ブロック注射がおこなわれることもあります。

急性期は炎症が強い時期なので、首を冷やして安静を保つのが基本です。自己判断のマッサージやストレッチは症状を悪化させかねません。慢性期に入ると、血流改善や可動域回復を目的としたリハビリへ移行します。

通院頻度は少なすぎても多すぎても影響があります。極端に少ないと症状の継続性を示しにくくなり、保険会社に症状が軽いと判断されて打ち切りが早まったり、慰謝料や後遺障害認定で不利になったりすることがあります。

逆に多すぎると過剰診療とみなされ、早期の打ち切りの要因となったり、一部の治療費が支払われない場合もあります。主治医の指示に従い、週2〜3回を基本に通院しましょう。

むちうちの治療期間が長引く5つの要因

むちうちの治療期間には個人差があり、同じような事故・症状でも長さが変わります。治療が長引きやすいのは、次の5つの要因がある場合です。

  • 事故の衝撃の強さ:衝撃が大きいほど首の損傷が深く、回復に時間がかかります。
  • 受診の遅れ:受診が遅れると症状が慢性化しやすく、事故との因果関係も証明しにくくなります。
  • 年齢・体質:頚椎の変性や慢性的な肩こりがある方は、回復に時間がかかりがちです。
  • 神経症状の有無:しびれや麻痺を伴うと、痛みだけの場合より長引きます。
  • 通院・治療の進め方:通院頻度が不適切、整形外科に通わず自己判断で中断するなどで改善が遅れます。

通院頻度が適切でない、整形外科を受診せず自己判断で中断するといったケースでは、改善が遅れます。逆に言えば、早期受診と医師の指示に沿った通院の継続が、早期回復につながります。仕事が忙しいなどの理由で、1ヶ月以上病院に行かない『空白期間』ができると、その後の治療について,事故との因果関係が認められないとして保険会社に治療費の支払いを拒否されることがあります。

むちうちの治療費は3ヵ月で打ち切られるケースが多い

むちうちの治療を続けていると、事故から2〜3ヵ月を過ぎたあたりで、保険会社から治療費の打ち切りを打診されるケースが多くあります。背景には保険会社側の3つの事情があります。

  1. 費用負担を抑えたい
    治療が長引けば、治療費に加えて通院交通費や休業損害、入通院慰謝料も増えていきます。
  2. 自賠責保険の120万円枠
    保険会社が支払った治療費は120万円まで自賠責から回収できますが、超えた分は自社負担になるため、枠内に収めようとする傾向があります。
  3. 傷病の種類に応じた打ち切りの目安
    保険会社は、打撲1ヵ月・むちうち3ヵ月・骨折6ヵ月という傷病ごとの目安をもとに、打ち切りを打診してくることがあります。ただし、これは法的な基準ではありません。

ただし、保険会社が治療の必要性を一方的に決定できるわけではありません。医師が治療継続を必要と判断している限り、打診を受けても通院は続けられます。

【打診されたとき】むちうちの治療費打ち切りへの対処法

保険会社から打ち切りを打診された段階では、まだ治療費の支払いは続いています。慌てて治療をやめる必要はありません。

この段階での対応しだいで、一括対応(保険会社が病院へ治療費を直接支払う対応)の延長を引き出せる可能性があります。打診を受けたときは、次の3つのステップで対処しましょう。

①主治医に治療継続の必要性を確認する

打ち切りの連絡を受けたら、まず主治医に治療継続の必要性を相談しましょう。

主治医が、まだ症状固定(これ以上治療を続けても改善が見込めない状態)に至っていない、治療を続ければ改善が期待できると判断するなら、その医学的根拠が打ち切り回避の交渉材料になります。

相談のときは、痛みやしびれの程度、日常生活への支障など、現在の症状を具体的に伝えてください。口頭だけでなく、診断書や意見書といった書面で医師の見解をもらっておくと、後の交渉で有力な証拠になります。

注意したいのは、自己判断で通院を中断することです。保険会社から治療の必要性がないと判断され、慰謝料が減額される可能性があります。次のステップに進む前に、必ず主治医に相談しましょう。

②医師の意見書をもとに保険会社と延長交渉する

主治医から治療継続が必要との判断を得たら、その意見書をもとに保険会社へ一括対応の延長を交渉します。交渉では、医学的な根拠を示せるかどうかが結果を左右します。

押さえたいポイントは3つです。

  • 具体的な症状と治療の必要性を伝える
  • 「〇月末までは治療費を継続してほしい」と期限を区切って交渉する
  • 必要に応じて、医師から保険会社の担当者へ直接説明してもらうよう依頼する

保険会社は、治療の必要性が医学的に認められると判断すれば、延長に応じるケースもあります。感情的にならず、医学的根拠に基づいて冷静に交渉を進めましょう。

③弁護士に交渉代理を依頼する

保険会社との交渉は、相手が示談交渉のプロであるため、個人で対応すると負担が大きくなりがちです。弁護士に交渉代理を依頼すれば、その負担を大きく減らせます。

依頼するメリットは主に3つあります。

  • 過去の裁判例や医学的知見に基づいて、説得力のある交渉ができる
  • 保険会社とのやり取りを任せられ、精神的な負担から解放される
  • 打ち切り回避だけでなく、その後の慰謝料増額交渉もスムーズに進む

費用面も、弁護士費用特約が付いた自動車保険であれば、弁護士費用が保険から支払われるため、実質負担なしで依頼できるケースが多くあります。まずは無料相談を活用して、見通しを聞いてみましょう。

【打ち切られた後】むちうちの治療費打ち切りへの対処法

実際に保険会社の一括対応が打ち切られてしまったあとでも、治療を諦める必要はありません。以下の3ステップで対応しましょう。

①健康保険・労災保険を使って自費通院を続ける

治療費の一括対応が打ち切られても、症状が残っているなら、健康保険や労災保険を使って通院を続けましょう。交通事故では健康保険を使えないと誤解されることがありますが、実際には使用できます。

自由診療(保険を使わない診療)は治療費が高額になるため、自賠責保険の限度額(120万円)がすぐに医療費だけで使い果たされてしまいます。健康保険を使えば医療費単価が下がるため、120万円の枠内に『慰謝料』や『休業損害』として被害者自身が受け取れる金額を残しやすくなるという大きなメリットがあります。

加害者がいる事故は第三者行為による傷病にあたるため、加入先の健康保険組合などに「第三者行為による傷病届」を提出すれば、自己負担3割で受診できます。通勤中や業務中の事故であれば、労災保険を使って自己負担なしで治療を続けられます。

症状固定まで治療を続けておくことが、後の損害賠償請求や後遺障害等級認定で有利に働きます。打ち切られても、すぐに通院をやめないことが大切です。

②領収書・診療明細を必ず保管する

自費で通院する期間は、医療機関での領収書や診療明細を全て保管しておきましょう。これらは、後の示談交渉で立て替えた治療費を請求するときの証拠になります。

保管したい書類は次のとおりです。

  • 医療機関の領収書・診療明細書
  • 処方箋、薬局の領収書
  • 通院交通費(タクシーや公共交通機関)の領収書
  • 診断書・通院証明書

上記の書類は、紛失すると再発行できないケースもあります。専用のファイルを用意して、まとめて保管しておくと確実です。

③示談時に立替分の治療費を請求する

自費で立て替えた治療費は、治療完了後の示談交渉で、損害賠償として相手方の保険会社に請求できます。ただし、請求が認められるにはいくつかの条件があります。

  • 治療の必要性が医学的に認められること(医師の意見書などがあると有利)
  • 適切な通院頻度・治療内容であったこと
  • 領収書や診療明細などの証拠書類がそろっていること

注意したいのは、必ずしも全額が認められるとは限らない点です。保険会社が支払いを渋り、トラブルになるケースも少なくありません。

こうした交渉は、弁護士に依頼するのが確実です。弁護士が入れば、立替分の回収だけでなく、慰謝料全体の増額も期待できます。

むちうちは整形外科をメインに通院する

むちうちの治療は、整形外科をメインに通院しつつ、必要に応じて整骨院を併用するのが適切です。整形外科をメインにすべき理由は、主に3つあります。

  1. 医師による診断・治療が受けられる
    整形外科には国家資格を持つ医師が在籍し、MRIやレントゲンなどによる医学的な診断ができます。
  2. 診断書を発行できる
    損害賠償請求や後遺障害等級認定には医師の診断書が欠かせません。整骨院の柔道整復師は診断書を発行できません。
  3. 後遺障害認定で評価される通院先になる
    後遺障害の審査では整形外科への通院実績が重視されます。整骨院のみの通院では、認定を受けるのが難しくなります。

通院先は、リハビリ設備のある整形外科を選ぶのがおすすめです。物理療法や運動療法といった適切な治療を、ひとつの医療機関で続けられます。

むちうち治療で整骨院に通うメリット・デメリット

整骨院(接骨院)は、柔道整復師という国家資格者が施術をおこなう施設です。むちうち治療で併用する場合のメリットとデメリットを整理します。

メリット
  • 筋肉の緊張緩和など、即効性を実感しやすい
  • 夜間や休日も営業しており通いやすい
デメリット
  • 医師による画像診断や診断書の発行ができない
  • 後遺障害認定で通院日数として評価されにくい
  • 施術費が賠償対象として認められないケースがある

整骨院は、あくまで整形外科の補助として併用するのが適切です。整形外科に通わず整骨院だけに通っていると、治療費や慰謝料の面で不利になる可能性が高くなります。

整骨院で損をしないための4つの注意点

整骨院を併用するときは、次の4つの点に注意しましょう。守らないと、施術費が損害賠償として認められなかったり、慰謝料が減額されたりするリスクがあります。

  1. 医師の許可を得てから通う
    通う前に整形外科の医師に相談しましょう。医師が施術を治療上有効と認めた場合に、施術費が賠償の対象になります。
  2. 月1回以上は整形外科にも通院する
    医師による定期的な経過観察がないと、症状の推移が記録されず、後遺障害認定で不利になります。
  3. 事前に保険会社へ連絡する
    通い始める前に加害者側の保険会社へ連絡しておきましょう。連絡なしで通うと、施術費が一括対応の対象から外れる可能性があります。
  4. 領収書を必ず保管する
    整骨院の領収書や施術明細も保管しておきましょう。示談交渉で施術費を請求する際の証拠になります。

整骨院を上手に使うには、整形外科との並行通院と、事前の段取りがポイントになります。

【治療期間別】むちうち慰謝料の相場

むちうちで請求できる慰謝料は、治療にかかった期間と、どの算定基準を用いるかによって大きく変わります。同じ治療期間でも、基準が違えば金額が数倍になることもあります。

自分のケースで適正な慰謝料がいくらになるのか、まずは算定基準の違いと治療期間別の相場から押さえていきましょう。

むちうちの慰謝料には3つの算定基準がある

算定基準

むちうちの入通院慰謝料を算定する基準には、3つの種類があります。同じ治療期間でも、どの基準を使うかで金額が大きく変わります。

算定基準 特徴と金額の目安
自賠責基準 自賠責保険による最低限の補償。金額は最も低い。
任意保険基準 各保険会社が独自に定める非公開の基準。自賠責基準に近い金額。
弁護士基準(裁判基準) 過去の裁判例に基づく基準(通称「赤い本」)。最も高額になる。

保険会社が被害者に提示してくるのは、自賠責基準か任意保険基準の金額であることがほとんどです。弁護士基準で請求するには、弁護士への依頼が必要になります。

【早見表】治療期間別・むちうち慰謝料の相場

むちうちで通院した場合の慰謝料相場を、治療期間別にまとめました。入院なし、実通院日数を治療期間の半分程度と想定したケースです。

治療期間 自賠責基準 弁護士基準 差額
1ヵ月(通院15日) 約12.9万円 19万円 約6万円
2ヵ月(通院30日) 約25.8万円 36万円 約10万円
3ヵ月(通院45日) 約38.7万円 53万円 約14万円
4ヵ月(通院60日) 約51.6万円 67万円 約15万円
5ヵ月(通院70日) 約60.2万円 79万円 約18万円
6ヵ月(通院80日) 約68.8万円 89万円 約20万円

※上記はあくまで目安です。実際の金額は実通院日数や事案の内容によって変動します。

弁護士基準は、むちうちのように他覚的な所見がない場合の基準で算定しています。表のとおり、弁護士基準で請求できれば、自賠責基準より数万円から20万円以上も慰謝料が増える可能性があります。

【シミュレーターで計算】あなたの慰謝料はいくら?

「保険会社から提示された金額は妥当なの?」「本当はいくら受け取れるの?」

こうした疑問は、計算ツールで確認できます。年齢や通院期間などを入力すると、保険会社の想定提示額と、弁護士基準での適正金額の両方が表示されます。両者の差額が、交渉によって増額できる可能性のある金額の目安になります。

早見表はあくまで目安ですが、このツールなら入院期間や通院頻度をふまえた、自分のケースに近い金額がわかります。適正な慰謝料を受け取れているか気になる方は、チェックしてみてください。

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むちうち治療後に症状が残ったら後遺障害等級認定を申請する

6ヵ月以上治療を続けても、首や肩の痛み、しびれ、頭痛といった症状が残るケースがあります。これ以上治療しても改善が見込めないと医師が判断した状態を症状固定と呼び、この時点で後遺障害等級認定の申請を検討しましょう。

後遺障害等級が認定されると、入通院慰謝料とは別に、後遺障害慰謝料や逸失利益を請求できるようになります。その結果、損害賠償の総額が大きく増えます。

むちうちで認定される可能性がある後遺障害等級(14級・12級)

むちうちで認定される可能性がある後遺障害等級は、14級9号と12級13号の2種類です。等級によって、後遺障害慰謝料の金額が大きく変わります。

等級 症状の程度 慰謝料相場
自賠責 任意保険(推定) 弁護士
14級9号 神経症状が残っている 32万円 40万円程度 110万円
12級13号 頑固な神経症状が残っている 94万円 100万円程度 290万円

14級9号は、医学的に症状の存在を説明できる状態が対象です。他覚所見がなくても、症状の一貫性や治療の継続性から認定される可能性があります。12級13号は、MRI画像で神経の圧迫が確認できるなど、他覚所見で症状を証明できる場合に認定されます。

弁護士基準で見ると、14級と12級では後遺障害慰謝料に180万円の差があります。逸失利益(後遺症がなければ将来得られたはずの収入の減少分)にも差が出るため、適切な等級での認定が重要です。

後遺障害認定を受けるための3つのポイント

むちうちで後遺障害等級認定を受けるには、3つのポイントを押さえましょう。

  1. 事故後早期にMRIなどの画像検査を受ける
    むちうちはレントゲンに写らないことが多く、神経や靭帯の損傷の確認にはMRIが有用です。しびれなどの神経症状がある場合は、医師の判断により画像検査がおこなわれることがあります。検査結果は、事故との因果関係を示す資料になります。
  2. 治療を継続して経過を記録する
    むちうちでは、6ヵ月前後の治療を経て症状固定となるケースが多く、後遺障害の申請もその時期におこなわれるのが一般的です。通院を継続して症状の経過を記録しておくことが、認定の判断材料になります。
  3. 適切な通院頻度(週2〜3回)を維持する
    頻度が低すぎると症状が軽いと判断されます。整骨院の通院日数は評価されにくいため、整形外科を中心に通いましょう。

これらは治療の早い段階から意識しておくことが大切です。

後遺障害認定の申請手続の流れ

後遺障害等級認定の申請は、次の5つのステップで進みます。

STEP1
病状固定の診断を受ける
これ以上治療しても改善が見込めないと医師が判断した状態です。むちうちでは事故から6ヵ月程度が目安になります。
STEP2
後遺障害診断書を作成してもらう
主治医に依頼し、自覚症状や検査結果を詳しく記載してもらいます。
STEP3
申請方法を選ぶ
保険会社に任せる事前認定と、被害者自身が申請する被害者請求があります。被害者請求のほうが有利な資料をそろえやすいです。
STEP4
審査を受ける
損害保険料率算出機構が審査します。期間は通常1〜3ヵ月程度です。
STEP5
認定結果を受けて示談交渉
認定された等級に応じて、後遺障害慰謝料や逸失利益を含めた交渉を進めます。

後遺障害等級認定の申請で押さえるべき3つの注意点

後遺障害等級認定の申請では、3つの注意点があります。

  1. 症状固定の時期を慎重に判断する
    早期の症状固定を迫られても安易に応じず、主治医とよく相談しましょう。症状が残っているうちに症状固定とすると、後遺障害の評価に影響することがあります。
  2. 後遺障害診断書は医師とのやり取りが重要
    どの部位が、どんな動作で、どの程度症状が出るのかを正確に伝えましょう。記載内容が認定結果を左右します。
  3. 申請方法は被害者請求も検討する
    有利な資料をそろえて提出できます。準備には専門知識が必要なため、不安なときは弁護士に依頼しましょう。

むちうちの治療期間中から弁護士に相談すべき理由

弁護士に相談するのは示談のときと考える方は多いですが、実際には治療中の早い段階で相談しておくほうが、得られるメリットは大きくなります。ここでは、早期に相談する3つのメリットを紹介します。

①治療費の打ち切りを回避・延長交渉できる

治療中に弁護士へ相談する一番のメリットは、保険会社からの打ち切りを回避し、一括対応の延長を引き出せる可能性がある点です。

打ち切りを打診されたとき、個人で交渉するのは精神的な負担が大きいものです。弁護士に依頼すれば、医師の意見書や過去の裁判例を根拠に、対等な立場で交渉を進められます。

医学的に治療継続の必要性が認められるケースでは、一括対応が数ヵ月単位で延長されることも珍しくありません。打診を受けた段階で相談しておけば、保険会社対応のストレスを減らし、治療に専念できる環境を整えやすくなります。

②慰謝料が弁護士基準で算定され増額しやすい

慰謝料を最も高額な弁護士基準で算定・請求できる点も弁護士に相談するメリットです。

慰謝料の算定基準には自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準の3つがあります。弁護士基準が最も高い水準ですが、被害者個人が請求しても、保険会社がこの基準で提示することはほとんどありません。

弁護士が代理人として交渉に立つことで、初めて弁護士基準での算定が可能になります。治療期間や症状によっては、自賠責基準との差が数十万円から数百万円に及ぶこともあります。

③後遺障害等級認定のサポートを受けられる

治療中からの相談は、後遺障害等級認定の場面でも力を発揮します。申請を専門的にサポートしてもらえるためです。

後遺障害認定は、書類のそろえ方ひとつで結果が大きく変わります。特に被害者請求では、医師とのやり取りや画像検査結果の整理、診断書の内容チェックなど、専門知識が必要な作業が多くあります。弁護士に依頼すると、次のようなサポートを受けられます。

  • 後遺障害診断書のチェック・修正依頼
  • 医師への照会、意見書の取得
  • 適切な画像検査の提案
  • 被害者請求の書類作成・提出代行
  • 認定結果に不服がある場合の異議申立て

こうしたサポートにより、非該当から14級・12級の獲得や、14級から12級への等級アップにつながるケースもあります。

むちうちの治療期間・慰謝料で悩んだら「ベンナビ交通事故」

むちうちの治療費の打ち切りや慰謝料の金額は、自分だけで妥当性を判断するのが難しいものです。保険会社の提示額は自賠責基準や任意保険基準で計算されていることが多く、弁護士基準を下回っているケースもあります。

そんなときに頼りになるのが、交通事故に強い弁護士を簡単に検索できるポータルサイト「ベンナビ交通事故」です。地域と相談内容を選ぶだけで、自分に合った弁護士が見つかります。さらに、以下の条件で絞り込めます。

  • 初回の面談相談無料
  • 電話相談・オンライン相談に対応
  • 休日の相談が可能

むちうちの慰謝料の増額交渉に対応できる事務所が多数登録されているのが特長です。着手金無料や分割払いに対応している事務所もあるため、費用面の負担を抑えて相談しやすくなっています。

治療費の打ち切りや示談金の提示を受けたら、対応する前に一度、弁護士に確認してみてはいかがでしょうか。

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【実例3選】弁護士相談でむちうち慰謝料が増額したケース

ここでは、弁護士への相談によって実際に慰謝料が増額した3つの事例を紹介します。ご自身のケースに近い事例があれば、ぜひ参考にしてみてください。

事例1:打ち切りを撤回させ6ヵ月の治療継続と慰謝料を獲得

項目 内容
依頼者 40代/女性(主婦)
事故状況 車対車(停車中に後方から追突)
傷病名 外傷性頚部症候群(むちうち)
後遺障害等級 非該当
獲得した慰謝料 約47万円

停車中に追突され、むちうちを負った40代女性のケースです。事故から3ヵ月の頃に保険会社から打ち切りを通告され、弁護士に相談しました。弁護士は主治医と面談し、症状固定まで6ヵ月はかかるという意見書を取得しました。

保険会社が治療期間3ヵ月の主張を譲らなかったため訴訟に発展しましたが、裁判所は意見書を踏まえて6ヵ月間の治療の必要性を認めました。通院慰謝料も6ヵ月を前提とする和解が成立し、最終的に約47万円を獲得しています。

事例2:後遺障害「非該当→14級」で損害賠償が約3倍に

項目 内容
依頼者 40代/男性
事故状況 車対車(信号待ち中に追突)
傷病名 頸椎捻挫、腰椎捻挫
後遺障害等級 非該当 → 14級
増額した金額 約220万円

信号待ち中に追突され、頸椎捻挫・腰椎捻挫(むちうち)を負った40代男性のケースです。事故から約半年で症状固定となりましたが、痛みは残っていました。ところが自賠責の審査では後遺障害非該当とされ、後遺症に対する慰謝料を請求できない状況でした。

弁護士は医師と面談して必要な資料をそろえ、自賠責へ異議申立てを行います。その結果14級が認定され、これをもとに相手方保険会社と交渉したところ、当初提示額の約3倍まで増額しました。

事例3:弁護士費用特約を使って100万円以上の示談金を獲得

項目 内容
依頼者 60代/男性
事故状況 車対車(停車中に後方から追突)
傷病名 むちうち
後遺障害等級 その他
獲得した金額 約143万円

左折のため停車していたところ後方から追突され、むちうちを負った60代男性のケースです。比較的軽傷でしたが、弁護士に依頼することで得られるものがあればと考え、相談しました。

依頼者の自動車保険には弁護士費用特約が付いていました。弁護士が慰謝料や休業損害を含めて請求内容を見直し、相手方と交渉した結果、100万円以上の示談が成立します。弁護士費用は特約でまかなわれたため、依頼者の費用負担はありませんでした。

むちうちの治療期間に関するよくある質問

最後に、むちうちの治療期間について寄せられる質問にお答えします。気になるものがあればぜひチェックしてください。

Q1. 軽度のむちうちは何日で治る?

軽度のむちうちであれば、1〜2週間ほどで痛みが和らぎ、1ヵ月程度で完治するケースが多くあります。

ただし回復までの期間には個人差があり、事故後の受診の早さや治療の適切さによって変わります。軽い症状でも受診を後回しにすると慢性化して長引くことがあるため、事故後はできるだけ早く整形外科を受診しましょう。

Q2. 治療期間が4ヵ月・6ヵ月を超えても通院を続けられる?

続けられます。保険会社から治療費の打ち切りを打診されても、医師が治療継続の必要性を認めている限り、通院は可能です。

ただし、保険会社の一括対応が打ち切られた場合は、健康保険や労災保険を使って自費で通院することになります。その際は領収書や診療明細を必ず保管し、示談のときに立て替えた治療費を請求しましょう。

Q3. むちうちで運動はいつから再開していい?早く治すコツも教えて

運動の再開時期は症状の程度によります。急性期(発症〜約1ヵ月)は安静が基本ですが、その後は医師の指示に従い、痛みが落ち着いてきた段階で軽い運動から徐々に再開するのが一般的です。

症状固定まで待つ必要はなく、自己判断で無理に動かさないことが大切です。

早く治すために意識したいポイントは次のとおりです。

  • 事故後すぐに整形外科を受診する
  • 適切な通院頻度(週2〜3回)を維持する
  • 急性期はアイシングと安静を徹底する
  • 自己判断のマッサージやストレッチは避ける
  • 症状の経過を医師に正確に伝える

Q4. 電気治療はいつまで続けるべき?

電気治療は、主に慢性期(発症1ヵ月以降)のリハビリの一環としておこなわれます。週2〜3回が目安で、症状が落ち着いてきたら頻度を減らしていきます。

いつまで続けるかは、痛みの引き具合と医師の判断によって決まります。自己判断で続けたり中断したりせず、主治医の指示に従って進めましょう。

Q5. 診断書に書かれた治療期間より長く通院してもいい?

問題ありません。診断書の「全治◯週間」「加療◯週間を要する」という期間は、あくまで受診時点の見込みで、その期間を超えて治療できないという意味ではありません。

実際に症状が治まらなければ、診断書の期間を超えて治療を続けられます。損害賠償も実際の治療期間で算定されるため、金額面の不利益もありません。症状がある限り、医師の判断に従って治療を続けましょう。

まとめ|むちうちの治療期間を正しく知り適切な補償を受けよう

むちうちの治療期間は3〜6ヵ月が目安ですが、症状の重さや個人差によって大きく変わります。適切な治療と補償を受けるために、本記事のポイントを整理します。

  • 治療期間は3〜6ヵ月が目安で、多くは比較的短期間で治療を終える
  • 通院頻度は週2〜3回(月10日程度)を目安に、整形外科をメインに通う
  • 3ヵ月での打ち切り打診には、主治医の意見書と弁護士交渉が延長への有効な手段になる
  • 打ち切られた後も健康保険などで通院を続け、示談時に立替分の回収を目指せる
  • 慰謝料は弁護士基準で請求すれば、数十万円以上増額する可能性がある
  • 6ヵ月以上症状が残る場合は、後遺障害等級認定を申請する

保険会社から3ヵ月程度で打ち切りを打診されても、言いなりになる必要はありません。医師の判断を尊重し、完治まで治療に専念することが、納得のいく解決につながります。

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この記事の監修者

吉田 要介 (千葉県弁護士会)

年間40~50件のご相談をいただいており、これまで1000件を超える交通事故のご相談に対応。培ってきた豊富なノウハウを活かして丁寧なアドバイスと解決策をご提供します。
編集部

本記事はベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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