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交通事故で解雇されることはある?退職後の休業損害の請求や不当解雇の対処法も解説

監修記事
交通事故で解雇されることはある?退職後の休業損害の請求や不当解雇の対処法も解説

交通事故によるけがが原因で会社に解雇されてしまい、困っている方もいるでしょう。

また、会社に解雇されそうで不安に思っている方もいるのではないでしょうか?

本記事では、交通事故を理由に解雇されることはあるのか、どのようなケースで解雇されるのかなどを解説します。

交通事故が原因で解雇された場合に請求できるお金や必要な対応も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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目次

交通事故を理由に、会社は直ちに従業員を解雇できるわけではない

原則として、加害者も被害者も、交通事故を理由にすぐに会社を解雇することはできません

まずは、その理由を解説します。

従業員が交通事故の加害者でも、軽微な過失なら会社は簡単にクビにはできない

交通事故の加害者になったとしても、重度の過失による交通事故でなければ解雇されることはありません。

懲戒解雇は非常に重い処分なので、よほど重大で悪質な事故でない限りクビにされることはないでしょう。

軽度の過失にもかかわらず解雇された場合は、不当・違法な解雇である可能性があります。

交通事故でけがを負ったとしても、会社はすぐに解雇できない

交通事故によりけがを負った場合も、すぐに解雇されることはありません。

従業員は労働基準法や労働契約法で守られており、会社が解雇できるケースは限られています

単に「業務に支障が出るから」という理由だけで、簡単に解雇することはできません。

けがによって従業員が今までと同じ業務ができない場合、会社は配置転換や異動など、本人が継続して働けるように努める必要があります。

何も努力せずに突然解雇をした場合は、解雇の合理性・相当性が認められず解雇が無効となる可能性が高いでしょう。

交通事故を理由とする解雇が認められるケース

基本的に、交通事故でけがをしたからといってすぐに解雇されるわけではありません。

しかし、以下に当てはまる場合は解雇となることがあります。

  • 事故態様が特に悪質だった
  • 交通事故で会社の信用を傷つけるなど大きな損害を与えた
  • 刑事裁判で有罪判決を受けた
  • 長期的に無断欠勤を続けた
  • 本人の地位や業務内容から解雇が妥当と考えられる

それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。

1.事故態様が特に悪質だった

交通事故の態様が悪質な場合は事故が原因で解雇されやすいでしょう。

飲酒運転をしていた、ひき逃げをした、あおり運転をしていたなどの場合、一般的な交通事故とは異なり加害者の悪質な行為が原因で発生した事故であるため、会社としても解雇する余地が生じます。

2.交通事故で会社の信用を傷つけるなど大きな損害を与えた

交通事故によって会社に大きな損害を与えた場合も、解雇となる可能性があります。

たとえば「◯◯会社の社員が交通事故を起こした」というニュースが全国に報道されれば、会社のイメージダウンにつながるでしょう。

社用車を運転していた場合も同様です。

会社の社会的信用が下がり、会社の利益に悪影響を及ぼすことにもなりかねません。

会社に与えた損害が大きい場合は、解雇が認められやすいでしょう。

3.刑事裁判で有罪判決を受けた

交通事故で有罪判決を受けた場合も、会社を解雇となるおそれがあります。

日本では、刑事裁判で有罪判決が下されるまでは、被疑者を無罪として扱わなければならないとする「推定無罪の原則」が憲法で保障されています。

そのため、有罪判決が下されていない状態で解雇することは、不当解雇にあたる可能性があります。

しかし、有罪判決を受けた場合は従業員に重い責任があることが裁判によって認められたことになるので、解雇は有効です。

4.長期的に無断欠勤を続けた

交通事故後に2週間以上無断欠勤した場合も、解雇される可能性が高いでしょう。

交通事故のなかでも人身事故などを起こすと、警察に逮捕され数日間身柄を拘束されるケースがほとんどです。

身柄を拘束されている間は外部との連絡が一切取れないため、無断欠勤が続いてしまうことがあります。

過去の判例から、6日程度の無断欠勤であれば解雇の心配はほとんどありませんが、2週間続いた場合は解雇が有効となる可能性があるでしょう。

5.本人の地位や業務内容から解雇が妥当と考えられる

従業員の地位が高い場合やドライバー職である場合、解雇が認められる可能性があります。

顧客からの信用が重視される役職に就いていた場合、交通事故が原因であっても解雇は妥当と考えられるでしょう。

また、バスやタクシーなどの運転手として働いていた場合は、安全な職務遂行が難しいとして解雇される可能性が高いといえます。

交通事故によるけがの治療が長引いても退職勧奨には応じない

交通事故によるけがの治療が長引くと、会社から「退職勧奨」を受けることがありますが、応じる必要はありません。

退職勧奨とは、会社が従業員に対し自主退職を勧めることです。

会社は、労働基準法や労働契約法により従業員を簡単には解雇できません。

単に「業務に支障が出る」「使い勝手が悪い」という理由で解雇してしまうと違法にあたります。

そこで退職勧奨をおこない、従業員が自主的に退職するよう促すことで、法に抵触しない形で従業員を辞めさせようとすることがあるのです。

なかには、ほぼ強制的に退職させようとするケースもありますが、応じる義務はありません。

退職勧奨を受けたからといって「辞めるしかないんだな」と思う必要はないので、キッパリと断りましょう。

もし退職勧奨を受けていてどうすればよいかわからない場合は、弁護士に相談してみてください。

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交通事故によるけがで解雇されたら慰謝料や休業損害を請求できる場合も

交通事故によるけがが原因で解雇された場合、けがの状況によってはすぐに再就職できないケースもあるでしょう。

再就職が難しい場合、生活に支障をきたすこともあり、大きな不利益を被ることにもなりかねません。

交通事故により解雇され、精神的なダメージや社会的な不利益を被った場合は、加害者に対して慰謝料や休業損害を請求できることがあります

ここでは、交通事故を理由に解雇された場合に請求できるお金について解説します。

休業損害とは|交通事故のけがで働けない場合に請求

休業損害とは、交通事故によるけがの治療・療養のため、休業を余儀なくされた場合に受けた損失のことです。

具体的には、交通事故にあわなければ得られたはずの収入が該当します。

休業損害は、職業・収入・休業期間・通院日数などによって算定した金額を加害者に請求することが可能です。

基本的には在職中に請求しますが、「交通事故がなければ退職する必要がなかった」ということを証明できれば、退職後に請求できるケースもあります。

また、休業中は月1回請求できるので、家賃や光熱費など固定費の支払いに充てることも可能です。

症状固定まで休業損害を支払ってもらえる

休業損害は、けがが完治または症状固定するまで請求できます。

症状固定とは、それ以上治療をしても改善が見込めない状態のことです。

完治・症状固定の状態になると、それ以上治療を受ける必要がなくなるため、休業損害も支払われなくなります。

ただし、退職後に休業損害を請求する場合は、必ずしも完治・症状固定まで支払われるとは限りません。

完治・症状固定する前に再就職していた場合は、退職から再就職までの期間分しか支払われないことがあります。

休業損害を請求できる期間が、想定よりも短くなる場合があるので注意しましょう。

会社員が請求できる休業損害の額

会社員の休業損害の額は、交通事故にあう前の基礎収入を基に算定されます。

一般的な計算式は以下のとおりです。

基礎収入(事故前3ヵ月間の収入の合計額÷日数)×休業日数

具体的な例を用いて計算してみましょう。

事故前3ヵ月間の収入が以下の表のとおりだったとします。

3ヵ月前の月収 2ヵ月前の月収 1ヵ月前の月収
45万円 43万円 42万円

上記の表から、事故前3ヵ月間の収入の合計額は130万円です。

日数が90日だとすると、基礎収入は「130万円÷90日=14,444円」となります。

休業日数が120日だった場合、休業損害額は「14,444円×120日=1,733,280円」です。

交通事故によるけがで退職後に休業損害を請求できる場合

交通事故によるけがで退職しても、必ず休業損害を請求できるわけではありません

退職後に休業損害を請求するには「交通事故によるけがでやむをえず退職した」と認められる必要があります。

それでは、どのようなケースなら退職後に休業損害を請求できるのでしょうか。

ここでは、退職後に休業損害が認められる基準について解説します。

1.けがの程度が仕事を続けられないほどひどい

仕事を続けられないほど重傷である場合は、退職後に休業損害が認められる可能性が高いでしょう。

歩行が難しくなった、目が見えなくなった、手を動かせなくなったなどの場合、事故前の仕事を続けるのは難しく、退職を余儀なくされたと考えられます。

一方、むち打ちや腰痛など軽度のけがで仕事を辞めた場合は、休業損害が認められない可能性があります。

2.けがが影響する仕事内容

建設業や農業などの肉体労働に従事している場合も、退職後の休業損害が認められやすいといえます。

肉体労働者は、けがにより体が不自由になってしまうと仕事を続けるのが難しくなるでしょう。

無理に仕事を続けると危険を伴うことも考えられるので、やむを得ない退職であるとして休業損害が認められる可能性があります。

3.会社都合退職である

会社に解雇された場合も、退職後の休業損害が認められやすいでしょう。

自主退職の場合はやむを得ない退職とは考えにくいですが、会社から一方的に解雇されたのであれば退職を余儀なくされたと考えられます。

交通事故によるけがで会社を辞めたいと思っても、退職後の生活を考えると自主退職はできるだけ避けたほうがよいでしょう

会社都合退職にしてもらえるよう、会社に相談してみてください。

4.交通事故のけが以外に退職理由がない

交通事故のけがのみが原因で退職した場合も、休業損害が認められやすいといえます。

「交通事故で手足が不自由になったから」「けがで通勤が難しいから」などの理由で退職したのであれば、交通事故が原因でやむを得ず退職したと考えられ、休業損害を請求できる可能性が高いでしょう。

一方「職場の人間関係がうまくいかなくなった」「上司と馬が合わない」などの理由で退職した場合は、たとえ交通事故がきっかけであっても休業損害が認められない可能性があります。

5.再就職が難しい

交通事故によるけがが重く、再就職が難しい状態である場合、退職後の休業損害が認められる可能性があります。

交通事故によるけがが長引いてすぐに再就職できない場合、休業を余儀なくされている状態であるといえるでしょう。

そのため、交通事故によるけがが原因で働けない状況であることから、休業損害が認められやすいのです。

一方、けががすでに治っていて再就職できる状態にもかかわらず働いていない場合、休業損害は認められづらいといえます。

交通事故で不当解雇をされそうなときの対処法

交通事故が原因ですぐに解雇されることはありませんが、なかには「正当な理由なく解雇だと言われた」という人もいるでしょう。

ここでは、交通事故が原因で不当に解雇されそうな場合の対応を解説します。

退職に同意しない

解雇を言い渡されても、すぐに退職届や退職合意書にサインをしてはいけません。

一度サインしてしまうと、従業員が退職に合意したとみなされ、あとで不利な状況に追い込まれてしまうことがあります。

解雇を命じられても「退職したくありません」という意思をしっかりと伝えることが大切です。

ご自身での対応が難しい場合は弁護士に相談をして対応を任せてください。

会社から解雇理由証明書を取得する

交通事故が原因で解雇を言い渡された場合は、会社に解雇理由証明書を交付してもらいましょう。

解雇理由証明書とは、従業員の解雇理由を記載した書面のことで、従業員から交付を要求された場合は必ず発行しなければなりません

解雇理由証明書を入手すれば、解雇の理由を明確に知ることができるので、争いを有利に進めるための戦略を立てやすくなります。

あとでほかの理由を付け加えられて不利になってしまわないよう、必ず請求してください。

不当解雇の証拠を収集しておく

不当解雇の事実を示す証拠を集めておくことも大切です。

証拠を十分に集められれば、のちの審判や訴訟で有利になります。

以下の証拠を可能な限り集めておきましょう。

  • 雇用契約書
  • 解雇理由証明書
  • 解雇通知書
  • 人事評価書
  • 始末書
  • 就業規則
  • 賃金規定
  • 解雇に関するやりとり(メール・メモなど)

弁護士に相談する

不当解雇されそう、またはすでに解雇された場合は、弁護士に相談してみてください。

一人で対応しようとすると「不当に解雇されそうで困っている」「解雇されて納得できないが、不当解雇といえるのかわからない」など、さまざまな不安や悩みが浮かんでくるでしょう。

弁護士に相談すれば、今回のケースが不当解雇にあたるのかを判断してもらえるほか、会社との交渉を任せることもできます

仮に裁判に発展しても、弁護士がいればトラブルを有利に解決しやすくなるでしょう。

さいごに|交通事故で解雇されたら弁護士に相談を

交通事故によるけがを理由に解雇されることは基本的にありません。

もし、けがが原因で解雇されそう、もしくは解雇された場合は、不当解雇にあたる可能性があります。

一人で悩まず、まずは弁護士に相談をしてください。

弁護士に相談すれば、解雇の妥当性を判断してもらえたり、自分の代わりに会社と話をしてもらえたりと、さまざまなメリットがあります

トラブルを有利に解決するためのサポートをしっかりとおこなってくれるので、少しでも悩んだら弁護士を頼ってみてください。

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この記事の監修者
磯田 直也 (兵庫県弁護士会)
交通事故の相談の対応分野は、死亡事故や人身事故、慰謝料・損害賠償、後遺障害等級認定の相談などを含む幅広い分野で対応してきた実績と経験があります。
編集部

本記事はベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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