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公開日:2020.7.10  更新日:2021.2.8

交通事故を警察へ届け出ることは法律上の義務|後日であっても届出は可能

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事

交通事故が発生した際、つい『小さな事故だから…。』と、警察への届出を怠ってしまいたくなるかもしれません。

しかし、それは法律違反です。また、本来受け取ることができるはずの保険金が受け取れなくなるなど、通報を怠るだけでさまざまなリスクが生じます。

そこでこの記事では、警察へ届出をすることの重要性について解説します。

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交通事故後の警察への届出は物損・自損ともに義務

交通事故の発生後にその旨を警察へ届け出ることは、物損事故・人身事故ともに、権利ではなく、『義務』です。

交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。以下次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。以下次項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。

以下でも解説しますが、これに違反することで、道路交通法で処罰される可能性もあります。

引用:道路交通法 第72条

届出を怠ることで起こるリスク

続いて、交通事故の発生を警察に届け出なかったことで起こりうるリスクをご紹介します。

警察への届け出をしないリスク

道路交通法で処罰される

先ほども説明したように、道路交通法第72条には、

当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。

と記載されています。これに違反すると、3ヶ月以下の懲役、または5万円以下の罰金を命じられる可能性があります。

相手を巻き込んだ交通事故はもちろん、自損事故であっても、物を破損させている可能性も考えられますので、警察への届出は必ず行うようにしましょう。

引用:道路交通法 第72条

保険金がもらえない

交通事故が発生し、それを警察に報告すると、警察は後日交通事故が発生したことを証明する資料(交通事故証明書)を交付してくれます。そのため、警察への報告を怠ると、『交通事故証明書』が発行されません

保険会社は交通事故証明書がない場合、保険適用を拒否することがあります。せっかく加害者が任意保険に加入していても、被害者は当該任意保険会社から補償を受けられないおそれがあります。

また、被害者が自身のために傷害保険や車両保険に加入していても、やはり事故証明書がないと保険適用が受けられません

これは大きなリスクでしょう。

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警察への報告の際に伝えること

事故で警察に連絡した際に伝えること

では実際に、警察へ報告を行う際は、どのようなことを伝えればいいのでしょうか?

事故が起こった場所

まず初めに伝えることは、事故が起こった場所です。

もしもその場所に土地勘がない場合は、近くのコンビニやスーパーの表示、あるいは交差点の表示を確認し、住所や地名を把握しましょう。

スマートフォンの地図アプリを使ったり、近くの人に聞いてみるのもいいですね。

現場・負傷者の状況

次に、現場の状況を伝えましょう。物損の有無、負傷者の有無、負傷者の状態などを確認し、警察に伝えてください。

負傷者の状態によっては病院へ搬送する必要性も考えられますので、その際は救急車を呼び、場合によっては人工呼吸やAEDを使用するなど、応急手当にあたってください。負傷者の救護が最優先です。救護が済み、落ち着いてから警察に連絡をしましょう。

事故によって損傷した物

物損事故や人身事故の場合、物が壊れることも考えられますので、何が壊れているのか、どのようにして破損したのかなどを警察に伝えましょう。

電話では、警察から質問をしてくれるはずですので、すべてを覚えようとはせず、落ち着いて警察からの質問に応じれば問題ありません。

事故報告は後日でも大丈夫?

交通事故が起きたら、必ずその場で警察を呼びましょう。後日警察に連絡しても受け付けてもらえない可能性もあります。

被害者・加害者ともに負傷をして110番通報もできない状態であれば、周囲の人間が110番通報や119番通報するでしょうから、問題ありません。

上記のような正当な理由もないのに、その場で110番通報しないという選択は絶対にやめましょう。

また、特段の報告期限は定められていませんが、事故の通報はその場で行う必要があります。それを怠れば上記のような制裁を受ける可能性がありますし、事故証明書が発行されない危険もあります。

報告事項

交通事故の届出は、110番通報して事故があった旨を伝え、現場で警察を待つだけです。後は以下のような事項について警察が聴き取りを行い、事故証明書に記載してくれます。

報告事項
  • 事故が発生した場所と時間
  • 損傷は事故によるものか
  • 加害者の身元や連絡先

物損事故として提出したものの、後日痛みが出てきて人身事故に切り替えたい人は、こちらの記事【人身事故と物損事故の違い|切り替え方法と申請期限について】をご確認ください。

示談を持ちかけられたらどうすればいい?

示談とは、交通事故の補償についての当事者間の合意であり、トラブルを解決する行為です。

加害者側は、会社に知られたくないことや、点数が引かれることを恐れて、その場でただちに示談にしたいと思っている場合もあります。また、被害者側は、面倒に巻き込まれたくないという気持ちで示談に応じるということもあるでしょう。

しかし、加害者・被害者ともに、その場で軽々しく示談することはトラブルの元になりますのでやめましょう。

特に、加害者側が被害者側から示談を持ちかけられ、言われるままに金銭を支払った場合、被害者から後々「補償は終わっていない!」と繰り返し金銭を要求されることもあります。その場で「なかったことにするから。」と言われても、安易に金銭を支払ってはいけません。

まとめ

交通事故後に警察への報告は道路交通法上で定められた義務です。

これを怠ると制裁を受ける可能性があり、また保険金を受け取れないというリスクもあります。

物損事故・人身事故問わず、事故が起きたら必ずただちに警察に通報してください

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出典元一覧

道路交通法 第72条1項

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事は交通事故弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※交通事故弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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