交通事故や自転車事故など、事故はいつ起きてしまうか分からないものです。弁護士費用を用意できず泣き寝入りとなってしまうケースも少なくありません。
ベンナビ弁護士保険は、弁護士依頼で発生する着手金を補償する保険です。
交通事故だけでなく、自転車事故、労働問題、離婚、相続トラブルなど幅広い法的トラブルで利用することができます。
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追突事故を起こし、相手にケガをさせてしまったため、直接謝罪に行きたいと考える方も多いかと思います。
しかし、いつ謝罪に行くべきか、どうやって謝罪をすべきか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
とくに、保険会社から直接の連絡は控えるように言われてしまうと、そもそも謝罪に行っていいのかすらわからないかと思います。
もちろん、被害者に重傷を負わせてしまったり、過失割合が微妙なケースなどでは、対応をすべて保険会社に任せた方がいいケースも存在します。
しかし、被害者の立場になって考えてみれば、謝罪をされて悪い気になることはほとんどないでしょう。
しかるべきタイミングで、マナーを守って、真摯に謝罪の気持ちを伝えることで、示談交渉がうまくいったり、刑事事件で起訴されない可能性が高まります。
この記事では、追突事故を起こした際の謝罪の方法や謝罪の手順、注意点について解説していきます。
マナーを守って謝罪をして、示談交渉をスムーズに進められるようにしましょう。
被害者の方に謝罪をする場合、大きく分けると、①直接訪問して謝罪する方法と、②電話で謝罪する方法の2種類があります。
謝罪の方法にルールがあるわけではないので、どちらの方法で謝罪をするか迷ってしまう方もいるかもしれません。
それでは、追突事故を起こした場合に効果的な謝罪方法はどちらなのでしょうか。
基本的には、被害者の方のところに直接訪問して謝罪するのがベストです。
たしかに、直接訪問するとなると、加害者の顔すら見たくないと思ってるかもしれないのに相手の迷惑になってしまうのではないか、わざわざ謝罪する時間をとってもらうのは申し訳ない、と考える方もいるでしょう。
しかし、”直接足を運んで”謝罪をすることで、誠実さや心からの謝罪の気持ちが相手に伝わります。
謝罪する際には、自分に責任があることを認め、心から反省の気持ちを相手に伝えるようにしましょう。
電話だけで謝罪を済ませてしまうと、「形式上謝罪しているだけで、本心から謝る気はないのか」と、相手に不信感を抱かせてしまうおそれがあります。
軽く扱われていると感じると相手の心証が悪くなってしまうので、謝罪の際はできる限り訪問することをおすすめします。
被害者を訪問して、直接謝罪する際の具体的な手順について解説します。
直接訪問する前に、必ずアポを取るようにしてください。
謝罪するためとはいえ、なんの連絡もなしに訪問するのは失礼ですし、相手の時間を奪ってしまうことにも繋がります。
最悪の場合、謝罪をする前から相手の心証を悪くしてしまう可能性もあるでしょう。
そのため、謝罪する前に必ず連絡をとってから訪問するようにしてください。
手ぶらで謝罪に行くよりも、お詫びの品を持っていくことで相手に誠意を伝えることができます。
また、当日話がまとまらず、謝罪の気持ちが相手に伝わらないことがないよう、あらかじめ謝罪文を準備しておくとよいでしょう。
お詫びの品といっても、あまりに高額なものを用意する必要はありません。
高額なものほど相手に気を遣わせてしまうだけでなく、お金で解決させようとしてるのではないかと、不審に思われてしまうおそれがあります。
とくに決まりはありませんが、おおよそ5000円から1万円程度で、老舗の菓子折りなど、ある程度上質なものであることが相手に伝わるものがよいでしょう。
菓子折りであればあとに残らないため相手に気を使わせませんし、日持ちするので管理に気を使う必要もありません。
なお、日持ちしない果物や生ものは管理が大変ですし、お花は相手の受け取り方次第で心証を悪くしてしまうおそれがあるので、避けた方が無難です。
お詫びの品には、のし紙やかけ紙はつける必要はありません。
のしは、結婚などのお祝い事を連想させるもので、事故の被害者に送るのは不適切です。
お店で購入した際についてくる無地の包装紙や掛け紙にしておくのがよいでしょう。
お詫びの品には謝罪文を添えると、相手の印象がよりよくなります。
謝罪文を書く際のポイントは以下のとおりです。
謝罪文を書く際のポイント
・なぜ追突事故を起こしてしまったのかをしっかり説明する
・心から反省していることを伝える
・インターネットで見つけた定型文をそのまま使わない
・間違ってしまった場合には、新しい用紙に書き直し、修正テープなどは使わない
細かいと思うかもしれませんが、どんなところから相手に悪い印象を与えてしまうかわかりません。
相手に謝罪の気持ちが伝わるよう、細かいところにまで気を配って謝罪文を書くようにしてください。
なお、封筒は白無地のものを使用し、表に「謝罪文」とは書かない方が無難です。
実際の謝罪文は以下のようになります。
○○ ○○様 この度はご迷惑をおかけしてしまい、大変申し訳ございませんでした。 私の不注意で○○様の車に追突してしまい、○○様に怪我を負わせてしまっただけでなく、お車に傷をつけてしまったり、精神的にも大きな負担をかけてしまったこと、重ねてお詫びを申し上げます。 今回、直接お会いして謝罪をさせていただきましたが、改めて謝罪をさせていただきたいと考え、このような形で手紙を書かせていただきました。突然のお手紙を差し上げる失礼をお許し下さい。 この度の事故は、私が安全確認をしっかりしていなかったことが原因であることはあきらかで、事故に巻き込んでしまった○○様に対しては、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。しっかり安全確認をおこなっていれば防げた事故であり、自分がしてしまった事を今更ながら痛感し、深く反省しております。 ○○ ○○様様には、心からの謝罪をさせていただきたいと考えておりますので、お怪我の治療費や慰謝料については、誠心誠意の賠償をさせていただきます。 その後、お身体の具合はいかがでしょうか。お怪我が少しでも回復されていればいいのですが、いろいろご不便をおかけしてしまっているかと思います。 今後は、運転の際に、安全確認をしっかりおこなうのは当然のこと、自分の些細なミスで、第三者の人生を大きく変えてしまう危険があることを常に頭に入れてハンドルを握る所存です。 あらためまして、今回私の不注意で事故を起こしてしまい、○○様に多大なご迷惑をおかけしましたこと、深くお詫び申し上げます。 本当に、申し訳ございませんでした。 令和5年6月1日 ○○ ○○ 印 |
上記は、あくまでも参考なので、それぞれの事故の状況やこれまでの会話の流れなど、個別の事情を盛り込んで、定型分と同じような文章にならないよう心がけてください。
アポ当日、実際に謝罪をするタイミングで注意すべき点について確認してみましょう。
謝罪は原則、玄関先でおこないます。
他人に家の中まで入ってきて欲しくないと感じる方が多いですし、玄関先であれば手短に要件を済ませることの意思表示にもなるため、相手の時間を奪ってしまうこともありません。
ただし、玄関先で話をしていると近所迷惑になってしまうこともあるので、相手が同意するのであれば、家の中にお邪魔して謝罪をすることは問題ありません。
直接謝罪をする際には、相手に失礼のないような言葉で反省の気持ちを伝える必要があります。
具体的には、以下のような言葉で謝罪するとよいでしょう。
迷惑をかけたことに対する謝罪と反省していることを伝える 具体例 「このたびは大変なご迷惑をおかけしてしまい、大変申し訳ございませんでした。自分が起こしてしまったことに対して深く反省しております」 「私のミスで事故が起きてしまい、本当に申し訳ありません」 NG例 「お互い悪いところがありましたが、とりあえず謝罪しておきます」 ➡︎「お互い悪いところがありましたが」と聞くと、相手は「本当に謝罪する気があるのか?」と感じてしまいます。 身体の状態を気遣う 具体例 「その後、お怪我の具合はいかがでしょうか。心からお見舞い申し上げます」 NG例 「幸い大きな事故ではなかったので、軽傷で済んでいるかと思いますが〜」 ➡︎たとえ大きな事故ではなかったとしても、怪我の状態は必ず気遣ってください。 慰謝料や医療費はしっかり払うことを伝える 具体例 「賠償金については保険を通じて誠心誠意、対応させていただきます」 NG例 「賠償金については、100万円お支払いをさせていただきます」 ➡︎具体的な賠償額を言うと、今後の示談交渉の際に話がこじれてしまう可能性があります。 |
反省の意を述べたあとに、用意してきたお詫びの品を渡してください。
「心ばかりですがどうかお納めください」と一言添えて渡すと、相手の印象が良くなります。
もし、お詫びの品を入れてきた紙袋がある場合、中身を取り出して渡すのがマナーですが、そのまま渡した方が持ちやすいのであれば、紙袋に入れたまま渡しても問題ありません。
なお、お詫びの品を受け取ってくれない場合もあるので、その場合には無理に渡そうとせず持ち帰ってください。
被害者宅を訪問する際、相手に失礼にならないように最低限のマナーは押さえておく必要があります。
謝罪訪問する際には、身だしなみを整えて、清潔感のある服装を心がけてください。
たとえば、以下のような服装をおすすめします。
男性の場合 |
・グレーやネイビーの無地のスーツ |
女性の場合 |
・地味な色のワンピース、ジャケット |
Tシャツやジーンズ、派手な服装や、露出が激しい服装は避けてください。
また、ブランドものだと一眼見てわかるようなバッグや時計などは、人によっては嫌味に感じてしまうこともあるため、避けた方が無難です。
謝罪訪問する場合、「公共交通機関」か「タクシー」を利用するのがよいでしょう。
車やバイクで行くと駐車場を探すのに時間がかかってしまい、約束の時間に遅れてしまうおそれや、場合によっては相手に反省していないのではないかと思われてしまう可能性があります。
もし車を使うのであれば、事前に駐車場をリサーチしておき、被害者宅から少し距離が離れたところに駐車するようにしてださい。
追突事故で被害者に謝罪する場合、注意すべき点は以下の3つです。
交通事故を起こした場合、「被害者に直接接触しないでください」と保険会社から忠告を受けることがあります。
しかし、追突事故の場合、保険会社に直接の謝罪を止められた場合であっても、原則としては謝罪はすべきだといえます。
もともと、保険会社の忠告も、謝罪を禁止する趣旨ではないので、謝罪をしたからといって保険会社から何か不利益なことをされるようなことはありません。
ただし、何の連絡もなしに謝罪に行ってしまうのは、保険会社との信頼関係を崩してしまう要因にもなるため、被害者の方とアポを取る前に、直接謝罪をしに行きたい旨を、保険医会社に相談してみてください。
場合によっては、保険会社の担当者が一緒に謝罪に行ってくれるケースもあります。
謝罪のタイミングは、事故後遅くとも3日以内におこなうのがベストです。
早ければ早いほど相手に誠意が伝わりやすいため、できれば事故の翌日には、謝罪のアポ取りをおこなうのがベストです。
もちろん、怪我の具合や仕事の関係で3日以内にアポをとるのが難しいケースもあると思うので、アポ取りの電話の際に、簡単に謝罪の意を伝えるようにしましょう。
早い段階で一本電話を入れておくだけでも、相手の印象が良くなり、のちの示談交渉がスムーズにいく可能性があります。
なお、もし最初の電話で謝罪を断られてしまっても、日をおいて改めて連絡してみると、謝罪のアポを取れるケースがあります。
とくに、事故直後は口論になるなど、謝罪を受け入れてくれない可能性もあるので、どうしても話を聞いてくれない場合には、少し時間を開けてみるとよいでしょう。
また、謝罪文を弁護士や保険会社に渡してもらう方法もあるので、対応に困ったら専門家に相談してみてください。
追突事故の場合、謝罪をすべきとはいっても、場合によっては安易に謝罪をしない方がいいケースもあります。
謝罪をしたことで、事故の責任を完全に認めたと判断されてしまい、過失割合をこちらに不利に判断するように主張してくるケースもあります。
もし、被害者に悪意があった場合には、安易に謝ったことで、慰謝料の交渉がスムーズにいかなくなるおそれがあるので、謝罪すべきかどうかは、慎重に判断すべきであるといえます。
追悼事故の被害者へ直接謝罪し、真摯に反省していることが相手に伝われば、以下のようなことが期待できるでしょう。
謝罪がうまくいけば、相手の感情も少し落ち着き、示談交渉が上手くいきやすくなります。
とくに事故直後は、被害者も事故に巻き込まれた絶望感と加害者への怒りで感情的になってしまい、交渉に応じる気はないと意固地になってしまうことが多いです。
しかし、真摯に謝罪をしておけば、被害者の態度も少し柔らかくなり、「すぐに謝ってくれたし、しょうがないから今回は示談交渉に応じます」と対応してくれやすくなるでしょう。
示談交渉が成立すれば、事故の刑事責任が軽減され、不起訴処分や執行猶予を認められやすくなるといえます。
交通事故を起こすと、慰謝料などの民事責任とは別に、罰金や場合によっては逮捕されるなどの刑事責任を問われる可能性があります。
刑事事件の手続きが進む前に、被害者との示談交渉が進んでいれば、刑事責任を免れる可能性があるため、真摯に謝罪をすることは、加害者にとって大きなメリットがあるのです。
謝罪したいと被害者に伝えたとしても、加害者の顔なんて見たくないと、謝罪を拒絶されてしまうこともあるでしょう。
もし、事故直後拒絶されてしまった場合には、日を改めて、被害者の感情が少し落ちついてから謝罪を申し込んでみてください。
それでも、拒絶されてしまった場合には、弁護士や保険会社を通じて、謝罪文を被害者の方に渡す方法も検討しましょう。
弁護士であれば、交通事故で被害者とスムーズに示談する方法を心得ているので、謝罪のタイミングや謝罪の内容など、具体的なアドバイスをもらうこともできます。
刑事責任を逃れるためだけに無理に謝罪をしようとしても、被害者の方は受け入れてはくれず、むしろ示談交渉に応じてくれなくなってしまうおそれがあります。
独りよがりな謝罪にならないよう十分に注意しながら、場合によっては弁護士に対応を依頼することも検討する必要があるでしょう。
追突事故の謝罪で一番重要なことは、被害者の方に対し真摯に謝罪し、本当に反省していることをしっかり伝えることです。
謝罪が上手くいけば、その後の示談交渉がスムーズに進むだけでなく、刑事責任を軽減してもらえる可能性もあります。
最低限のマナーを守ったうえで、相手に誠意を見せるような謝罪を心がけてください。
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