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公開日:2017.10.4

飲酒事故にあった際に被害者が知っておくべき対応方法の全て

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事

飲酒事故(いんしゅじこ)とは、酒を飲んだ状態で車を運転し、交通事故を起こすことを言います。被害者にとってはたまったものではありませんが、当然、飲酒運転をしたドライバーには罰則が課せられます。

有名人の飲酒運転や飲酒事故による話題もあり、

 

大阪・ミナミの繁華街でプロボクサーの男が飲酒運転し、タクシー運転手らが負傷した事故で、大阪府警南署は31日、道交法違反(酒気帯び運転)容疑で逮捕していたプロボクサー、京口竜人(きょうぐちりゅうと)容疑者(26)=同府和泉市伯太町=について、自動車運転処罰法違反(危険運転致傷)容疑に切り替えて送検した。

引用元:逮捕のプロボクサー、危険運転容疑で送検 代行使わず飲酒運転、大阪・ミナミの繁華街逆走

 

というニュースもありました。
 
警察庁が発表している「平成27年における交通事故の発生状況」によると、飲酒運転による交通事故は、下記のように、年々減少傾向にあることがわかります。

2005年

2006年

2007年

2008年

2009年

2010年

13,878

11,627

7,562

6,219

5,726

5,561

2011年

2012年

2013年

2014年

2015年

 

5,030

4,605

4,334

4,155

3,864

 

参考:平成27年における交通事故の発生状況
 
飲酒運転による交通事故の発生件数推移
 この記事では飲酒事故にあった際に、被害者はどう対応していけば良いのかをご紹介してきます。

加害者の方は、『飲酒運転で逮捕された際の罰則と罰金|逮捕後の流れと早期対策の手順』をご覧ください。

 

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飲酒運転の種類

飲酒運転には実は2つの種類があり、酒酔い運転と酒気帯び運転があります。まずは、この2つの飲酒運転はどう違うのかを確認しておきましょう。
 

酒酔い運転

酒酔いとは、「アルコールの影響により車両等の正常な運転ができない状態」と言われ、前歴やその他の累積点数がない場合は「免許取り消し」「欠格期間:3年」とされています。ここでいう欠格期間とは、運転免許が取り消されてから、運転免許を受けることができない期間のことを指します。
 
アルコールがどの程度の濃度を残しているかは関係なく、正常な運転ができないほど酒に酔っていた場合には「酒酔い運転」と判断されます。
 

酒気帯び運転

こちらは、「呼気中アルコール濃度0.15mg/l 以上 0.25mg/l 未満」「呼気中アルコール濃度0.25mg/l以上」で車を運転した場合が該当します。アルコール濃度の違いで罰則などが変わり、濃度の違いで以下のような違いがあります。
 
・0.15mg/l 以上 0.25mg/l 未満:免許停止90日
・0.25mg/l 以上:免許取り消し、欠格期間2年
 

飲酒運転で加害者に対して問える罰則の例

飲酒運転をして、飲酒事故をおこした場合は、「行政処分」と「刑事罰則」の2つがあります。
 

行政処分

行政処分は上記に示したようなものになり、免許停止か欠格期間のどちらかが課せられることになります。
 

違反点数13点(酒気帯び運転)・・・免許停止90日
違反点数25点(酒気帯び運転)・・・免許取消または欠格期間2年
違反点数35点(酒酔い運転)・・・・免許取消または欠格期間3年
引用元:警察庁|飲酒運転には厳しい行政処分と罰則が!

 

民事責任

また、飲酒運転で事故を起こして物を壊してしまったり、人を死傷させてしまったりした場合は民事責任(賠償責任)も生じます。自賠責保険に加入していれば最低限の賠償金を保険金で補填できますが、もし被害者が死亡したり後遺障害となった場合などは、損害賠償も数千万円から数億円になるケースもあり、とても自賠責保険だけでは賄いきれなくなります。
 

自賠責保険の補償金額

傷害

最大120万円

死亡

最大3,000万円

後遺障害

最大4,000万円

 

詳しい判例などは、後述の「飲酒運転・飲酒事故による損害賠償請求の判例」をご覧ください。

 

刑事罰則|2007年9月に罰則が強化

また、刑事罰則としては、下記のような罰則を設けています。
 

飲酒運転をした者に対して

酒酔い運転

5年以下の懲役又は100万円以下の罰金

酒気帯び運転

3年以下の懲役又は50万円以下の罰金

車両を提供した者

酒酔い運転

5年以下の懲役又は100万円以下の罰金

酒気帯び運転

3年以下の懲役又は50万円以下の罰金

酒類を提供した者又は同乗した者

酒酔い運転

3年以下の懲役又は50万円以下の罰金

酒気帯び運転

2年以下の懲役又は30万円以下の罰金

引用元:警察庁|飲酒運転には厳しい行政処分と罰則が!

 
これはあくまで刑事罰ですので、事故を起こして被害者に怪我をさせた場合、損害賠償や慰謝料の支払いが発生していくことになります。
 

また、2007年6月に道路交通法が改正され、「飲酒運転者の周辺者に対する罰則」が追加され、運転者本人の罰則の引き上げが同年の9月に施行されました。
 

飲酒運転者への罰則強化

「酒酔い」「酒気帯び」の罰則強化は、2001年にも一度あったので、今回で2度目の強化になります。罰則が引き上がった背景としては、危険運転致死傷罪などの適用から逃れようと「ひき逃げ」に発展するケースが多かったことになります。同様に、「飲酒検査」を拒否する態度に対しても厳罰化の要因になっています。
 

周辺者への罰則が新設された

飲酒運転をしたドライバーの周辺者(車を貸した方、酒を勧めた方など)に対する直接的な罰則はなく、飲酒運転を助長しても刑法の「ほう助罪」を援用する以外になかったという背景があります。
 

 

改正前

2007年改正

酒酔い

3年以下の懲役又は50万円以下の罰金

5年以下の懲役又は100万円以下の罰金

酒気帯び

1年以下の懲役又は30万円以下の罰金

3年以下の懲役又は50万円以下の罰金

飲酒検査拒否

30万円以下の罰金

3月以下の懲役又は50万円以下の罰金

救護義務違反(ひき逃げ)

5年以下の懲役又は50万円以下の罰金

10年以下の懲役又は100万円以下の罰金

免許欠格期間

最長5年

最長10年

飲酒運転をするおそれのある者に対する「車両の提供」

運転者が酒酔い

※刑法のほう助規定などを援用

5年以下の懲役又は100万円以下の罰金

運転者が酒気帯び

 

3年以下の懲役又は50万円以下の罰金

飲酒運転をするおそれのある者に対する「酒類の提供」

運転者が酒酔い

3年以下の懲役又は50万円以下の罰金

運転者が酒気帯び

2年以下の懲役又は30万円以下の罰金

酒気を帯びた者が運転する車両への「同乗」(自己の運送を要求)

運転者が酒酔い

3年以下の懲役又は50万円以下の罰金

運転者が酒気帯び

2年以下の懲役又は30万円以下の罰金

引用元:特定非営利活動法人アスク|飲酒運転・飲酒事故の厳罰化へ

 

飲酒運転・飲酒事故による損害賠償請求の判例

交通事故の被害にあった者は、一体どの程度の慰謝料を請求できるのか、相場の金額に関して数字を出せるわけではありませんが、裁判所の判例を参考にご紹介していこうと思います。
 

飲酒運転で被害者が遷延性意識障害等の傷害を負う(約3億円)

 

請求額

判決

原告Aに対して

4億2332万3964円

2億9658万2853円

原告Bに対して

550万円

330万円

原告Cに対して

550万円

330万円

原告Dに対して

550万円

棄却

 

被告の起こした交通事故によって遷延性意識障害等の傷害を負った被害者及びその近親者である原告らが,加害者である被告に対し,不法行為に基づき,損害賠償を求める事案である。
引用元:千葉地方裁判所|平成16(ワ)31損害賠償請求事件

  

被告は,原告Aに対し,2億9658万2853円及びうち2億9448万2853円に対する平成13年10月4日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 被告は,原告Bに対し,330万円及びこれに対する平成13年10月4日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 被告は,原告Cに対し,330万円及びこれに対する平成13年10月4日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
引用元:千葉地方裁判所|平成16(ワ)31損害賠償請求事件

 

加害者側が飲酒運転だった場合の損害賠償や被害者の対応方法

加害者の罰則が強化されたことで、飲酒事故の発生件数が下がったのは、冒頭「2006年から2007年にかけての推移」の通りです。しかし、もし飲酒事故の被害にあった場合、被害者はどのような対策をとればよいのでしょうか?
 

まずは保険会社に事故の容態を伝える

加害者側が自動車保険に加入しているのであれば、「対人賠償責任保険」や「対物賠償責任保険」で補償を受けることができます。もし自分にも過失があるのであれば、過失相殺があるのは仕方ないものの、できるだけ自分が有利となるような動きをしておく必要はあります。
 

過失割合の算出は正確に!

飲酒運転の過失割合はかなり高いので、飲酒事故が起こった当時の状況はできるだけ正確に記録しておき、自分に有利な点となることは全て証拠として残しておきしておきましょう。事故当時の写真はもちろん、示談になった場合でも対応できるように、目撃者の証言なども得られると良いかと思います。
 

飲酒事故に巻き込まれた場合の保険金の支払いについて

飲酒運転によって事故を起こされた場合は、「自賠責保険」や「対人賠償保険」が適用され、被害者は保険金の受け取りが可能になります。

その額がいくらになるのは「自賠責保険基準」「任意保険基準」「弁護士基準」かの選択によって大きく額が変わっていきますので、「交通事故の保険金を決める3つの基準と支払いまでの流れ」を参考に、適正な額を弁護士と相談しながら算出していただければと思います。
 

飲酒事故を起こしたドライバーが任意保険に加入していない場合

かなり問題ですが、飲酒運転をするようなドライバーであれば、任意保険に加入していないということは実はよくあることのようです。
 
相手が任意保険に入っていないのであれば自賠責保険で対応するしかありませんが、自賠責保険は先ほどお伝えした3つの基準(自賠責保険基準任意保険基準弁護士基準)の中でもっとも賠償金額が低い、最低限度の保障をするものですから、できれば弁護士に相談し、適正な慰謝料や損害賠償金が獲得できる、弁護士基準で請求することをおすすめします。

 

まとめ

いかができたでしょうか。今回の内容をまとめると、飲酒運転で被害にあった場合は、
 

  1. できるだけ事故現場の証拠を残しておく

  2. 目撃証言を集める

  3. できるだけ有利な結果を得たいのであれば、弁護士への相談をしてみる

 

この3点を覚えておいていただければと思います。もし飲酒運転で事故を起こしてしまった場合は、「飲酒運転で逮捕されるケース|罰則の重さと逮捕後の流れ」をご覧いただければと思います。

 

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結論からお伝えすると、保険会社から提示されている損害賠償金の増額には弁護士への依頼が必要不可欠です。

残念ですが、一般の方が保険会社と交渉しても聞く耳持たないのが現状で増額には弁護士への依頼が必須です。まずは、弁護士への依頼でどれくらいの増加が見込めるのか依頼するしないは別として、ご自身の場合、弁護士に依頼するとどのようなメリットがあるのかを具体的に相談してみることをオススメします。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
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編集部

本記事は交通事故弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※交通事故弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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