交通事故の示談交渉で弁護士が出てきたらどうする?被害者側がとるべき対応を解説
「交通事故の示談交渉を進めている最中、突然加害者側の弁護士から通知が届いた」
そんな状況に直面すると、誰もが「このあとどうなるのか」「自分に不利にならないか」と不安を抱くものです。
弁護士からの通知は、加害者やその保険会社が「今後の交渉を法的に進める姿勢を示した」というサインでもあります。
つまり、ここから先は専門的な知識や慎重な判断が求められる段階に入るということです。
しかし、冷静に対処すれば被害者側が不利になるとは限りません。
大切なのは、「相手の動きを正しく理解し、適切に対応すること」です。
本記事では、交通事故の示談交渉中に加害者側の弁護士が出てきた場合の対処法、被害者側が弁護士を立てるメリット、費用の目安までをわかりやすく解説します。
不安な気持ちを整理し、安心して行動できるよう、ぜひ最後まで参考にしてください。
交通事故の示談交渉中に加害者側の弁護士が出てきたときの対処法
加害者側の弁護士から突然通知が届くと、「どう対応すればいいのか」と不安を感じる方も多いでしょう。
しかし、慌てず順序立てて対応すれば問題ありません。
ここでは、交通事故の示談交渉で相手の弁護士が出てきたときに被害者がとるべき対処法を解説します。
1.誰の代理人なのか確認する
相手方の弁護士から「受任通知」が届いた場合、まずは誰の代理人なのかを確認します。
受任通知とは、弁護士が依頼を受けて正式に代理人となったことを知らせる書面です。
記載内容には、依頼者の氏名や住所、代理範囲などが明記されているため、加害者本人の依頼なのか、保険会社を通じたものなのかを確認しましょう。
代理人が弁護士となった時点で、被害者は加害者本人や保険会社と直接やり取りすることができなくなります。
今後は弁護士を介してのやり取りとなるため、口頭ではなく書面やメールで記録を残すことが大切です。
後日のトラブル防止のためにも、受任通知や関連資料は必ず保管しておきましょう。
2.受任通知の内容を把握する
次に、受任通知の内容を確認します。
受任通知には、単に「今後は弁護士が対応します」という案内だけでなく、示談金の提示や賠償条件が記載されているケースもあります。
たとえば、「○○円で示談したい」「〇日までに回答がほしい」といった文言があれば、すぐに応じるのではなく慎重に内容を精査しましょう。
特に、損害賠償額が記載されている場合、提示された金額は「保険会社基準」で計算されているケースが多く、裁判基準よりも低く設定されている可能性があります。
早急に同意してしまうと、あとから増額交渉をおこなうのが難しくなるため注意が必要です。
また、内容が不明確な場合は、自分も弁護士に相談・依頼し、内容を確認してもらうのが安全です。
交通事故トラブルの無料相談を実施している弁護士も多いため、受任通知の内容を見せたうえで今後の対応方針を相談しておきましょう。
3.自分側の今後の方針を検討する
受任通知を確認したあとは、被害者側として今後どのように対応するかを決めましょう。
対応方法としては、相手の提示条件に従う、自分で交渉を続ける、または弁護士に依頼するという3つの選択肢が考えられます。
自分で対応することも不可能ではありませんが、相手は法律の専門家です。
知識や交渉経験の差によって不利な条件で示談が成立してしまうおそれがあります。
さらに、やり取りの過程で交渉内容が複雑化したり、精神的な負担が大きくなったりするケースも少なくありません。
その点、自分も弁護士に依頼すれば、加害者側との交渉を全て任せられ、適正な賠償金額で解決できる可能性が高まります。
特に、自動車保険に「弁護士費用特約」が付帯されている場合は、自己負担なしで依頼できるケースも多いため、まずは加入している保険の内容を確認しておくことが大切です。
加害者側の弁護士が出てきたときに自分で交渉を続ける3つのリスク
加害者側に弁護士が付いた状態で、被害者が一人で交渉を続けると思わぬ不利益を被る可能性もあります。
ここでは、相手方の弁護士と自分だけで交渉を続けるリスクを解説します。
1.示談交渉が難航してしまう
相手方に弁護士が付いている場合、示談交渉が長引く傾向があります。
弁護士は加害者や保険会社の利益を最優先に考えて行動するため、被害者にとって有利な条件では簡単に合意してくれません。
また、弁護士は法的な論点を整理しながら慎重に交渉を進めるため、回答までの期間が長くなることもあります。
場合によっては「納得できないなら訴訟を起こしてください」と交渉を打ち切られるケースもあるでしょう。
このように、被害者が一人で交渉を続けると、話し合いが進まないまま時間だけが経過してしまうことがあります。
特に、損害賠償請求には消滅時効があるため、交渉の長期化は被害者にとって不利に働く可能性がある点に注意が必要です。
2.十分な補償を受けられなくなる
被害者自身で交渉をおこなう場合、相手が提示してくる金額が適正かどうかを判断するのは容易ではありません。
多くの場合、保険会社や加害者側の弁護士は「保険会社基準」または「自賠責基準」をもとに賠償金を算出しますが、これは通常被害者側の弁護士が用いる「裁判基準」よりも低額です。
そのため、被害者が提示された金額をそのまま受け入れてしまうと、本来受け取れるはずの補償額よりも大幅に少なくなってしまうおそれがあります。
さらに、過失割合の判断や後遺障害等級の認定など、専門的な知識が必要な場面で適切な主張ができないと、損害賠償の金額が減額される可能性もあります。
十分な補償を得るためには、金額の妥当性を客観的に判断し、必要に応じて専門家のサポートを受けることが大切です。
3.精神的なプレッシャーを感じる
弁護士を相手に一人で交渉を続けることは、想像以上に精神的な負担がかかります。
相手が法律の専門家であるため、被害者は常に「言い負かされるのではないか」「不利な発言をしてしまうのではないか」と不安を感じやすくなるでしょう。
また、弁護士から送られてくる書面は専門用語が多く、内容を正確に理解するだけでも大きなストレスとなります。
やり取りが長期化すれば、交渉そのものが苦痛になり、「早く終わらせたい」という気持ちから不利な条件を受け入れてしまうケースもあるでしょう。
こうした精神的な負担を軽減するためにも、専門家に相談し、交渉を任せるのがおすすめです。
加害者側の弁護士が出てきたときに被害者側が弁護士を立てるメリット
加害者側の弁護士が出てきた場合、被害者側も弁護士を立てることで交渉を有利に進められる可能性が高まります。
弁護士に依頼することは決して特別なことではなく、被害者の正当な権利を守るための合理的な手段です。
ここでは、被害者が弁護士を依頼することで得られる3つのメリットを紹介します。
1.相手方との交渉を一任できる
弁護士を依頼すれば、相手方とのやり取りを全て弁護士に任せられます。
依頼後は、受任通知への返答、示談案への対応、証拠資料の整理など、複雑で精神的に負担の大きい手続きを自分でおこなう必要はありません。
交渉内容は弁護士が定期的に報告してくれるため、被害者は必要な判断だけをおこなえばよく、事故後の治療や日常生活の回復に専念できます。
2.適切な損害賠償金を受け取れる
弁護士に依頼する最大のメリットは、適正な賠償金額を受け取れる可能性が高まることです。
交通事故の賠償金を決める際の基準には、自賠責基準・任意保険基準(保険会社基準)・弁護士基準(裁判基準)の3種類があり、中でも最も高額なのは弁護士基準(裁判基準)です。
そして、弁護士基準を用いて交渉できるのは弁護士だけです。
被害者が自力で交渉すると、自賠責基準や任意保険基準といった基準によって賠償額が提示されてしまい、本来受け取れる賠償額よりも低い金額となってしまいます。
その点、弁護士であれば弁護士基準によってできるだけ高額な賠償金を受け取れるように交渉してくれるので、適切な賠償金での交渉成立を望めるでしょう。
また、弁護士が介入することで、休業損害や逸失利益、後遺障害慰謝料など、見落としがちな請求項目も正しく反映できます。
特に、後遺障害等級認定の申請が関係する場合には、専門知識を持つ弁護士がサポートすることで、より有利な結果を得やすくなるでしょう。
3.示談成立までの期間が短縮できる
弁護士が代理人として交渉をおこなうと、示談までの期間が短縮されるケースも多く見られます。
被害者本人が交渉する場合、相手の弁護士や保険会社とのやり取りが滞りやすく、回答を待つだけで数週間かかることもあります。
しかし、弁護士同士であれば必要な資料提出や主張の整理が迅速におこなわれ、論点を明確にしたうえで話し合いを進めることが可能です。
実際、弁護士に依頼したことで「停滞していた交渉が一気に進んだ」「想定よりも早く示談が成立した」といったケースも少なくありません。
交渉のプロに任せることで、解決までの道のりを短縮できる点も大きなメリットといえるでしょう。
交通事故の示談交渉を弁護士に依頼した場合の費用目安
交通事故の示談交渉を弁護士に依頼する場合にかかる費用は、主に相談料・着手金・報酬金(成功報酬)・実費・日当の5つです。
弁護士によって「着手金あり」と「着手金なし」のケースがあり、依頼内容や損害額に応じて金額が変わります。
項目ごとの費用目安は、以下のとおりです。
| 費用項目 | 内容 | 相場・目安 |
|---|---|---|
| 法律相談料 | 弁護士に相談する際にかかる費用 | 30分あたり約5,000円(税別) |
| 着手金 | 弁護士に正式に依頼する際に支払う費用 | 損害賠償請求額の5〜8%程度 |
| 報酬金 | 示談や裁判での解決に成功した場合に支払う費用 | 獲得した示談金の10〜20%程度 |
| 日当 | 弁護士が出張などをおこなう際に発生する費用 | 1日あたり3万〜5万円程度 |
| 実費 | 交通費・郵便代・証明書発行手数料など、実際の支出にかかる費用 | 案件により異なる |
なお、実際の費用は事務所ごとに異なるため、見積もり時に費用項目を明確に確認しておくことが大切です。
弁護士費用特約があれば費用負担を軽減できる
弁護士に依頼する際は、通常弁護士費用がかかりますが、加入している自動車保険などに弁護士費用特約が付いている場合、費用負担を軽減できる可能性があります。
弁護士費用特約とは、自動車保険や火災保険などに追加できるオプションのひとつで、交通事故などの被害に遭った方が弁護士に相談・依頼する際の費用を、契約の範囲内で保険会社が負担してくれる制度です。
ほとんどの事故で弁護士費用が特約の上限を超えることはなく、自己負担なく弁護士を立てることが可能です。
さいごに|加害者側の弁護士が出てきたら自分も一度弁護士に相談しよう
加害者側が弁護士を立てたからといって、必ずしも被害者に不利になるわけではありません。
ただし、相手が法律の専門家である以上、被害者が自力で交渉を続けるのはリスクを伴います。
弁護士からの受任通知が届いた場合は、まず内容を落ち着いて確認し、必要に応じて専門家に相談しましょう。
弁護士に依頼すれば、相手との交渉を全て任せられ、法的な根拠に基づいた主張をおこなうことが可能です。
さらに、弁護士費用特約を利用すれば、費用の心配をせずに依頼できる場合が多くあります。
交通事故の示談交渉では、正しい知識と判断が被害者の権利を守る鍵となります。
「自分で対応できるだろう」と判断して不利な示談を受け入れてしまう前に、早めに弁護士へ相談してみてください。
プロの視点から状況を整理し、最も有利な形で解決へ導いてくれるはずです。
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特約を利用して弁護士に相談する交通事故問題を依頼する弁護士の選び方にはポイントがあります。
- 過去の解決事例を確認する
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詳しくは以下の記事を読んで、正しい弁護士の選び方を理解した上で弁護士に相談しましょう。
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