交通事故の示談書の書き方と公正証書で示談を確実にする方法

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交通事故コラム
2016.9.22

交通事故の示談書の書き方と公正証書で示談を確実にする方法

Jidansyo

交通事故に遭い、加害者側と示談交渉を行う事になった際は必ず示談書を作成することが大事になります。
 
示談交渉の際に保険会社や弁護士が間に入るのであれば問題はないのですが、当事者同士が口頭で交わした約束でも法的には示談成立だとみなされ、場合によっては被害者に不利、相場以下の慰謝料や損害賠償金しか受け取れないといったことが起きます。
 
もしも、交通事故の数日後に痛みが発症して後遺症が残り、想定以上に高額な治療費がかかったとしても、一度示談が成立していた場合それ以上相手に賠償請求を行うことができないということは十分あり得ます。
 
こういった事態を防ぐ為にも示談書は必ず作成すべきものですし、示談書を書いても慰謝料などが支払われなかった場合に備えて、強制執行で確実に損害賠償が請求できるよう、示談書を公正証書にする方法をご紹介していきます。
 
今回は交通事故に関する示談書の内容をご紹介しているため、「不倫相手や浮気相手に対する慰謝料請求」「離婚をする際に配偶者に対して損害賠償請求をする場合」などで示談書が必要な場合は、「離婚協議書の書き方と公正証書にして効力を最大にする方法」をご覧ください。

 

交通事故の被害に遭った方は
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一部ではありますが、弁護士に依頼することで以下のようなメリットがあります。
・慰謝料の増額が見込める
・過失割合の是正が見込める
・弁護士が面倒な手続きなどを代行してくれる

 
依頼するしないは別として、ご自身の場合、弁護士に依頼するとどのようなメリットがあるのかを具体的に相談してみることをオススメします。
 
当サイト『厳選 交通事故弁護士ナビ』は交通事故を得意とする弁護士のみを掲載しており、事務所への電話は【通話料無料】電話相談や面談相談が無料の事務所や、着手金が必要ない事務所もあります。
 
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 【目次】
交通事故の示談書に記載すべき内容
1:交通事故の事実関係
2:示談金の額
3:過失割合について
4:後遺障害等級の内容
5:示談金の支払い期日・方法の決定
6:示談金の支払いが行われなかった場合について
7:清算条項
交通事故における示談書の書き方と作成の際の注意点
1:示談書の雛形・テンプレートを用意
2:お互いの署名・捺印
3:示談書としての効力を持たせる為の署名捺印の注意点
4:示談書を書き間違えた場合でも無効にはならない
交通事故において示談をする際に気をつける事
1:口約束でも示談成立になるので注意する
2:被害額や治療費・後遺障害が確定するまで示談はしない!
3:示談書は取り決めた内容を確実に残せる証拠になる
4:示談書は慰謝料や損害賠償金の未払いを防ぐことが可能
5:交通事故の9割は示談で解決することを知っておく
交通事故の示談書作成の時期やタイミング
1:示談書を作成する時期
2:示談の時効があることに注意する
3:示談をストップさせる事は可能
示談金を確実に支払ってもらうには示談書を公正証書にするのが有効
そもそも公正証書とは?
公正証書にするメリット
公正証書にするデメリットもある
交通事故の示談書作成は弁護士に依頼すべきか?
そもそも示談交渉を弁護士に依頼するメリットは?
示談書について弁護士に相談するメリット
示談について弁護士に依頼した場合の費用
まとめ



 

交通事故の示談書に記載すべき内容



次に、示談書を作成する際の書き方と、示談書に記載すべき内容について知っておくべきことをご紹介していきます。
 

1:交通事故の事実関係

交通事故の発生日時や事故を起こした場所(住所)、加害者の車両登録番号など、事故の発生状況などを具体的に記載します。この事実内容は、交通事故の状況を加害者や被害者の意見に偏らないように、双方が納得できる内容にする必要があります。
 
そのため、事故の発生年月日や場所、加害者と被害者の名前と住所、被害者の負った怪我の状況などは、警察の交通事故証明書に基づいて明記するのがよいでしょう。
参考:交通事故証明書の取り方
 

後遺障害や慰謝料などの金額を算出して、いくらで示談するのかを決めます。示談金はお互いが納得すればそれが示談金になるため、あまり相場という概念はありません。

以下はモデルケースですが、示談金額等はあくまで参考値です。実際の示談金額をどのように算定すべきかはケース・バイ・ケースです。
 

15歳・女子中学生の場合

人身事故。入院35日・通院日数4ヶ月。後遺症なし
→損害賠償額(示談金)= 150万円
 

34歳会社員男性の場合

入院300日・通院300日。月収40万円。後遺障害9級に該当
→損害賠償額(示談金)= 3000万円

示談金には上記のように入通院慰謝料や後遺障害慰謝料、被害者が死亡した場合は死亡慰謝料を考慮し、さらに逸失利益、休業損害なども計算に含めて請求するべきものですので、普段見ないほどの高額な金額を提示されたからといって、安易に示談を了承することはやめましょう。
 
人身事故で示談する時の注意点とケース別の示談金相場」に大まかな示談にかかる金額をご紹介しておりますので、参考にして頂ければと思います。
 

3:過失割合について

加害者と被害者の過失割合がどのようになっているのかも明文化しましょう。過失割合の算出方法については「交通事故の過失割合|損をしないために知っておくべき全情報」をご覧ください。
 

4:後遺障害等級の内容

もし交通事故が原因で後遺障害となった場合は、「第何級に該当するのか」「いくらの後遺障害慰謝料が発生するのか」を記載します。後遺障害等級に関して詳しくは下記の記事を参考にしてください。
 
▶ 後遺障害等級1級 ▶ 後遺障害等級2級
▶ 後遺障害等級3級 ▶ 後遺障害等級4級
▶ 後遺障害等級5級 ▶ 後遺障害等級6級
▶ 後遺障害等級7級 ▶ 後遺障害等級8級
▶ 後遺障害等級9級 ▶ 後遺障害等級10級
▶ 後遺障害等級11級 ▶︎ 後遺障害等級12級
▶ 後遺障害等級13級 ▶ 後遺障害等級14級
 

5:示談金の支払い期日・方法の決定

いつまでに示談金を支払うのか。また、一括なのか分割なのか。どういった方法で支払うのか(振り込み・手渡しなど)を決めます。
 

6:示談金の支払いが行われなかった場合について

たとえば、指定の期日になっても損害賠償金や慰謝料が支払われない場合や、示談内容と違う金額が振り込まれていた場合など、違約金や遅延損害金の利率などを決めておくと良いでしょう。
 
もし、加害者側の資力が十分では無い場合や、後払いや分割払いとなる場合は、確実に支払ってもらえるような項目を入れると良いでしょう。
 


示 談 条 件


1.甲は、乙に対し金100万円を支払うこととし、これを、平成〇年3月末日から同年12月末日まで合計10回にわたり、毎月末日限り金10万円ずつ、乙方に持参または送金して支払う。

2.甲が、右支払いを一度たりとも怠ったときは、乙からの催告を要せずして当然に期限の利益を失い、甲は乙に対し、直ちに、残金全額およびこれに対する期限の利益喪失の日の翌日から支払い済みまで年15パーセントの割合による金員を支払わなければならない


「年15パーセントの割合による金員」というのは違約金のことです。このような一文を加えておけば、残金全額を請求されるだけでなく、違約金まで取られることになりますので、加害者も気をつけざるを得ません。
 

7:清算条項

作成した示談書に記載された内容以外の金額は、被害者と加害者間の債務債権がなく、これ以降に発生した金銭に関しては一切の請求をしない旨などを明記しましょう。
 

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交通事故における示談書の書き方と作成の際の注意点

示談書は私文書と呼ばれ、特に決まったフォーマットもないため、文書作成のテンプレートを利用しても大丈夫ですし、弁護士などの専門家に相談するのも良いでしょう。
 

示談には決まった形式はありませんので、手書きでもパソコンで作成しても構いません。また、形式も無いので多少不備なところがあっても、通常問題になることは無いでしょう。

示談書のテンプレート
(クリックすればダウンロード出来ます)
 

示談書のサンプル

 
示 談 書
 
事故発生日時  東京都新宿区西新宿●●●交差点
事故発生場所  平成●●年 ●●月 ●●日

 

 

 

住所  東京都新宿区西新宿●●-●● 
氏名  アシロ太郎   TEL:
住所  保有者に同じ
氏名  保有者に同じ
証明書番号  ●●—●●●●●● 登録車両番号  新宿●●●●●●
車種 自小乗 車台
番号
 ●●●●●●●●
住所  東京都新宿区西新宿
氏名  太郎アシロ
 ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
 ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
 ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
:加害者は被害者に対し、治療費として100,000円、休業補償として380,000円
:慰謝料として500,000円 合計:980,000円の支払い義務のあうことを認める
平成●年 ●月 ●日までに支払うものとする
本事故による後遺障害が生じたときは別途協議する。
 
上記の条件を持って示談解決いたしました。今後いかなる事情が生じても双方とも本件に関し損害賠償、その他の名義のいかんに関わらず一切の異議申立をいたさないことはもちろん。訴訟等の放棄いたすことを確約いたしましたので、後日のため本示談書●通を作成し、双方連署、なつ印いたします。
 
平成 ● 年 ● 月 ● 日          
 
住   所            
加 害 者                  
氏   名            
住   所            
被 害 者                  
氏   名            
 住   所            
立 会 人                  
氏   名            

 

当事者が複数人いる場合は全員の署名と捺印をします。未成年の場合は両親が署名押印する必要があります。示談書に書くべき内容は「交通事故の示談書に記載すべき内容」でご紹介した通りです。
 

示談書は個人で作ると漏れや抜けが発生し、示談書としての効力を発揮しない場合もありますので、ここで注意すべきポイントを確認しておきましょう。 
 

署名・捺印は必ずする

示談書には署名と捺印の両方を必ずしてください。この二つを行う目的は以下の2点です。

①示談書の作成者が加害者と被害者本人である確認
②加害者と被害者の双方ともに、示談書の内容に合意した事の確認

 
実際には加害者と被害者の署名か捺印のどちらかがあれば、真意の確認もあったとも考えられますが、万が一のことを考えると、両方があった方がより安全と言えます。
 

シャチハタは避ける

シャチハタお勧めできません。シャチハタはゴムの素材ですので劣化等によるハンコの印影が変わる可能性があること、本人確認の信用性が乏しいことなどから、重要書類では使用するのは避けた方が賢明でしょう。
 

示談書が複数あっても割印をする必要はない

割印や契印がなくても示談書の効力には直接的に影響しませんが、万一の偽造などに備えて、割印、契印をしておいた方が良いとは思います。
 

4:示談書を書き間違えた場合でも無効にはならない

示談書が無効になるかどうかは何を間違えたかによりますが、基本的に書き方を間違えた程度では法的効力に影響はありません。しかし、示談する相手方を間違えた場合や、示談内容に勘違いなどがあった場合は示談書が無効となることがあります。
 
一方で、合意内容と示談書の文面が異なる場合でも、示談書の文面通りの効力を発揮する可能性がありますので、作成はやはり慎重に行うべきだと言えます。


 

交通事故において示談をする際に気をつける事



まずは、交通事故の示談をする際の注意点と、示談書の有効性について見ていきましょう。
 

1:口約束でも示談成立になるので注意する

よくあるパターンとしては、事故が発生した直後に相手の加害者から「治療費と修理代込みで◯◯万円払うから、それで示談にしてくれないか」と、持ちかけられる場合です。
 
もし加害者側の申し出に同意し、後日相手からお金を受け取ってしまった場合、それでも法的に示談が成立と評価される可能性があります。安易に同意せず示談書を作成しておく事で、口約束の望まぬ示談を回避できます。
 

2:被害額や治療費・後遺障害が確定するまで示談はしない!

交通事故の直後に口約束やなどで示談成立となってしまった場合、自動車の修理代や通院の治療費、後遺障害と認定された場合でも、損害賠償金を請求するどころか増額させることができないということがあり得ます。
 
示談書ではなく念書や覚書というタイトルであっても、解決文言の含まれる書面に署名捺印をすればその内容が示談成立として有効なものになりますので、安易な交渉は行わず、損害賠償金や後遺障害の症状が確定するまで待つことが必要です。
 

3:示談書は取り決めた内容を確実に残せる証拠になる

加害者側と取り決めた内容を示談書にしておく事で、「言った言わない」の水掛け論を防ぐ効果があります。当事者間の認識の相違をなくす意味では、示談書を残す以上の方法は無いと言っても良いでしょう。
 

4:示談書は慰謝料や損害賠償金の未払いを防ぐことが可能

口約束の場合だとお互いが内容を忘れる可能性もありますが、それ以上に避けなければいけないのは「慰謝料や損害賠償の不払い」を防ぐ事です。人身事故の場合では治療費もかかりますし、後遺症ともなれば長期間の通院や入院なども考えられます。
 

5:交通事故の9割は示談で解決することを知っておく

交通事故の約9割は示談交渉で解決すると言われていますので、もし示談の条件に不満や不明瞭な点がある場合、できれば信頼できる交通事故が得意な弁護士に相談・依頼をして、加害者側の保険会社と交渉してもらうのが最良な選択と言えます。
 
加害者保険会社と交渉する場合、相手は交通事故の示談交渉においてはプロですので、対等な関係を保つためにも、弁護士の存在は大きいと言えます。
参考:交通事故の示談交渉を弁護士に依頼するメリット
 
また、損害賠償金や慰謝料には弁護士基準というものがあり、できるだけ多くの慰謝料や損害賠償金を請求したいとお考えならば、弁護士に依頼しないと難しいのが現実です。
参考:交通事故の示談をする時に必ず知っておきたい流れと注意点
 

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交通事故の示談書作成の時期やタイミング



示談書を作成するのは良いけど、一体いつ示談書の作成に入れば良いのか、時期やタイミングについても知っておきましょう。
 

1:示談書を作成する時期

まず示談書を作成するタイミングとしてベストなのは、後遺障害等級などが全て確定した「症状固定」の時期が良いでしょう。実際にかかった治療費や休業損害、後遺障害慰謝料、精神的苦痛への補償金などを相手に請求するので、金額の把握しやすいこのタイミングで示談するのが望ましいと言えます。
 

2:示談の時効があることに注意する

たとえば、交通事故に遭って重傷を負い、入院生活が長引いた場合には病状固定まで時間がかかる事があります。その場合、示談までに時間がかかり時効にさしかかるというケースもありえます。この時、自賠責保険の保険金請求は事故の翌日から2年という時効があることも注意しなければいけません。
 
さらに、損害賠償請求にも「事故を起こした日から起算して3年」という時効が民法で定められていますので、権利が失われてしまう前までに示談処理を完了させる必要があることにも注意が必要です。
参考:交通事故に遭った時の示談・慰謝料・損害賠償の時効まとめ
 

3:示談をストップさせる事は可能

時効による権利消滅をストップさせることを「時効の中断」と言って、今まで経過していた期間が一旦0(ゼロ)に戻すことができ、再び3年の時効を開始させる処置をとる事もできます。

被害者が時効期間を認識して、適宜中断の処理を行えば加害者が支払を免れる心配も少なくなります。
 

裁判所を介しての請求(訴訟)

裁判所を介して相手へ損害額を請求することにより、時効をストップさせることができます。また、判決で確定した権利の時効は10年間延長されます。
 
交通事故の裁判に関しては「交通事故の裁判を開く手順と損害賠償を増額させる方法」をご覧ください。
 

加害者や保険会社に時効の中断を承認させる

加害者や相手の保険会社に、損害賠償の存在を認めさえることで、時効の中断をさせることも可能です。相手が損害賠償の存在を認めたとして、そこで一旦時効はストップします。
 
極端な話ですが、交通事故で敗れたTシャツなどを弁償してもらえば、その時点で損害賠償の存在を認めたことになり、弁償してもらった日から再び時効がリセットします。 

 

示談金を確実に支払ってもらうには示談書を公正証書にするのが有効

交通事故の場合に限らず、トラブルになっている当事者同士がその条件に同意して署名・押印するため、大層な効果があると思われている示談書ですが、示談書で交わされた内容が必ず履行されるかといえば、残念ながらそうとは限りません。加害者の経済状況などで、示談書で取り決めた示談金が支払われない可能性もあるわけです。
 
また、示談書はあくまで当事者間で交わされた「私文書」と言われる法的な拘束力の無いものなのです。そういった不安要素を無くすためにも示談書は公正証書にすべきだといえます。
 

そもそも公正証書とは?

公正証書とは、公証人が公証人法・民法などの法律にしたがって作成する公文書のことです。高い証明力に加えて、債務者が金銭債務の支払を怠ると、通常は支払いを催促(あるいは強制する)、裁判を起こさなければなりませんが、裁判所の判決などを待たないで直ちに強制執行手続きに移ることができます。
 
つまり、公正証書を作成しておけばすぐにでも強制回収の手続きに入ることができます。
 

公正証書にするメリット

公正証書には以下のようなメリットがあります。
 

証拠能力としての価値が高い

公正証書は公証役場に勤める公証人が当事者の合意内容を確認した上で作成する文書です。そのため、文書としての真正性や内容の正確性について信用性が高く、合意内容が後々争われるリスクが少ないといえます。

すなわち、公正証書はそうでない書面に比してその証拠価値が高い文書であるといえます。
 

給料差押さえなどの執行力がある

強制執行とは裁判所を通じて強制的に給料や預金を差し押さえる手続きのことですが、公正証書で強制執行を受諾する旨の文言があることで裁判手続を履践することなく強制執行が可能となります。

この意味でも公正証書を作成しておくことは非常に重要だといえます。
 

内容に誤りが残る可能性がゼロ

公正証書の内容は法律の専門家である公証人がチェックします。そのため、当事者間で作る書面と比べて内容が不正確となる可能性が低く、確実性が高くなります。
 

公正証書にするデメリットもある

次にデメリットについて確認しておきましょう。
 

公正証書の作成に手数料が発生する

公正証書にするための費用は示談の金額によって変動があります。法的には目的価額(公証人手数料令9条)と呼ばれるものですが、以下の内容でその手数料が変わります。
 

目的の価額

手数料

100万円以下

5000円

100万円を超え200万円以下

7000円

200万円を超え500万円以下

11000円

500万円を超え1000万円以下

17000円

1000万円を超え3000万円以下

23000円

3000万円を超え5000万円以下

29000円

5000万円を超え1億円以下

43000円

1億円を超え3億円以下

4万3000円に5000万円までごとに、1万3000円を加算

3億円を超え10億円以下

9万5000円に5000万円までごとに、1万1000円を加算

10億円を超える場合

24万9000円に5000万円までごとに、8000円を加算

 

公正証書の作成に時間がかかる

公証人が内容に誤りがないかチェックしながら作成するため、作成に時間がかかりますし、当事者同士で公証役場へ出頭する必要がありますので、多少面倒ではあります。

 

交通事故の示談書作成は弁護士に依頼すべきか?



最後に、示談書の作成などを弁護士に依頼すべきかどうなのか、弁護士にいらいするメリットなどをご紹介していきますので、必要に応じてご検討いただければと思います。
 

そもそも示談交渉を弁護士に依頼するメリットは?

示談交渉で不利になる可能性が少なくなる

被害者が示談交渉をする相手は交渉のプロである保険会社の担当者ですので、一般人が自ら示談交渉を行うことは非常に難しく、また無謀とも言えます。交通事故の被害者が弁護士に相談するのはほとんどが保険会社とのやりとりの際に起こるトラブルですので、弁護士に相談することでこう言ったトラブルを未然に防ぎ、有利に示談を進める事ができます。
 

示談交渉の時間が短くなる

示談交渉には時間がかかります。加害者は早急に示談を進める姿勢をとってきますが、慌てて示談をして損をしてしまうのは被害者の方です。特に後遺障害認定の判断は半年以上かかるケースもありますので、仕事などをしながら示談交渉を進めるのも大変です。
 
示談を有利に進めるためにも、時間を取って交渉してくれる弁護士に依頼するのがベターだとは思います。
 

損害賠償や慰謝料が増額する可能性が高い

保険会社もできることなら出て行くお金は少なくしたいと考えていますので、慰謝料の基準も「自賠責基準」という最低限の保障しか出さない可能性が高いです。慰謝料には3つの基準があり、そのうち弁護士が関わることで自賠責基準の5倍以上にもなる弁護士基準が最も高額な慰謝料を獲得することができますので、こう言った点でも弁護士の利用はメリットが大きいのではないでしょうか。
 

示談書について弁護士に相談するメリット

専門的な立場からアドバイスをもらえる

交通事故に詳しい弁護士であれば、深い専門的知見から示談書の意味や内容、またその影響を的確に判断し、示談書の作成をしてくれます。そのため、相談者にとって納得のいく解決が可能となります。
 

示談書の法的なミスを防げる

もし自身で示談書を作る場合、示談書の法的リスクが残りますが、弁護士であればそういったリスクはかなり軽減できるでしょう。たとえば適切な示談金の相場や、相談者の考えている解決策が本当に実現できるのかなど、法律的な観点からアドバイスし、確実な事件解決につなげることができます。
 

示談について弁護士に依頼した場合の費用

各弁護士事務所によって費用は異なりますので一概には言えませんが、主に下記の3点の費用が発生するのは間違いないでしょう。
 

  • ・相談料:無料が多い(1時間1万円が相場)

  • ・着手金:請求額の5~10%程度(最低着手金10万円〜20万円)

  • ・報酬金:経済的利益の10~20%程度

 
つまり、示談交渉を弁護士に依頼し、当初の保険会社からの提示額が100万円だったものが500万円になったケースでは、
 

  • ・着手金:25~30万円

  • ・報酬金:400万円(増額分)の10~20%=40万円~80万円


合計:65万円〜110万円となります。
参考:交通事故の弁護士費用の相場と弁護士費用を抑えるポイント
 
もし後遺障害の獲得や裁判まで発展した場合はさらに弁護士費用は増えることになりますが、それえも保障を受けるには十分な金額が残りますので、依頼して損をすることはないかと思います。
 

弁護士費用が支払えない場合

ですが、弁護士費用が支払えないとなった場合は、「法テラス」の弁護士費用建て替え制度を利用するか、自動車保険の「弁護士費用特約」が付いていないか確認してみましょう。
 
仮に弁護士費用特約があれば着手金が300万円まで保障されますので、付帯してあれば大きく役に立つはずです。
参考:弁護士費用特約のメリットと覚えておくべき使いどころ
 
 

まとめ

いかがでしたでしょうか。示談書は確かに強力な書類ですが、公正証書にすることで慰謝料などの支払いを確実にする効力が生まれることがご理解いただけたかと思います。
 
また、示談書に書くべき内容は「人身事故」なのか「物損事故」なのかによって変わることがありますので、できれば弁護士に相談されることをおすすめしています。
 
弁護士に相談すべき理由は多々ありますが、一番の理由は「示談金が確実に増額する」のが主な理由です。
詳細▶交通事故の慰謝料請求を弁護士に依頼すべきたったの1つ理由
 
今回の内容が、示談交渉で失敗せず、有利な交渉を運ぶためにお手伝いになれば幸いです。
 

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弁護士へのご相談で賠償金などの増額が見込めます


交通事故に関する専門知識もつ弁護士に相談することで、以下のような問題の解決が望めます。

・慰謝料の増額をしたい
・保険会社との示談を有利に進めたい
・後遺障害の認定がされなかった

など、交通事故に関わる問題でお困りの事を、【交通事故を得意とする弁護士】に相談することで、有利な結果となる可能性が高まります。

お一人で悩まず、まずはご相談ください。あなたの相談に、必ず役立つことをお約束します。

編集部

本記事は交通事故弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※交通事故弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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