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公開日:2019.12.20  更新日:2020.9.17

交通事故で保険会社との示談交渉を有利に進めるためのポイントまとめ

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事

交通事故で保険会社と示談交渉するにあたっては、何点か知っておくべきポイントがあります。何の知識もない状態で臨んでしまっては、思うような結果とならないことも大いに考えられます。

そこでこの記事では、相手の保険会社と示談交渉する際のポイント、自分の保険会社に示談交渉を依頼する際のポイント、保険会社の対応に納得がいかない場合の相談先などを解説します。「示談交渉を有利に進めたい」という方はぜひご覧ください。

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加害者の保険会社と示談交渉する際の7つのポイント

保険会社との交渉を独力で行う場合、相手との交渉力の格差から、なかなか思うように交渉を進められないという場合は多いです。少しでもこのような交渉力の差を埋めるためにもここで示談交渉時のポイントを知っておきましょう。

なお、交通事故の対応を契約保険会社が代行してくれるのであれば、契約保険会社に全て一任してしまっても良いかもしれません。実際、交通事故処理のほとんどはそのようにして処理されています。

本記事はそうではない場合(契約保険会社による示談代行が受けられない場合等)に参考となればと思います。

示談交渉を始めるのは症状固定になってから!

交通事故で負傷し、治療を受ける場合、最終的には「これ以上治療を続けても症状は改善しない」という症状固定に至ります。症状固定とならないと、傷病治療についての損害額が確定しませんので、示談協議を開始するのは、通常、症状固定に至ってからです。

症状固定に至らない段階で示談交渉を急いでしまうと、本来補償されるべきものが補償されないなど不測の不利益を被ってしまうかもしれません。

なお、症状固定時点で何らかの後遺症が残るような場合には、当該後遺症について後遺障害認定を受けるなどして補償してもらうことも積極的に検討するべきでしょう。この場合は、相手自賠責保険に対する後遺障害認定申請のプロセスが完了してから示談協議を開始するのが適切と言えます。

治療費の負担について

交通事故で負傷して病院で治療を受ける場合、加害者側が任意保険会社に加入していれば、通常は相手保険会社が治療費を立て替えて支払います。過失割合に大きな争いがある、負傷と事故との因果関係に大きな争いがあるというような特別な場合でなければ、安心して治療を受けられます。

なお、相手保険会社が治療費の立替を拒むような特殊な事情がある場合、とりあえず自己負担で治療を受けるしかありません。この場合、自由診療のまま治療を受けてしまうと治療費が過剰に高額になってしまいますので、健康保険を利用して治療費負担を抑制するべきでしょう。

なお、交通事故で負傷した場合「健康保険は使えない」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、それは誤解です。

保険会社の担当者を必要以上に恐れない

保険会社の担当者は、交通事故での示談のプロということもあり、素人が対等に交渉するのは難しい側面があることは否定しません。「相手保険会社とどのように交渉したらよいのか」と不安に思うこともあるかもしれません。

しかし、相手保険会社が必要以上に横柄な態度を取ったり、不合理な対応に終始するということは基本的にありません(ただ、被害者の被害者意識が強い場合、そのように受け取ってしまうことは往々にしてあります。)。相手保険会社の担当者に対して必要以上に不安を抱く必要はありません。

しかし、それでも不安な場合、早めに弁護士等の専門家に依頼してしまい、自身は治療に専念する方がベターでしょう。

示談交渉は冷静に

何事においても冷静さは重要です。自身は交通事故被害を受けたのになぜ相手は自分の主張を受け入れないのか、なぜ自分が煩雑な対応をしなければならないのかと不満に思うことは理解できます。

しかし、そのような不満を前面に押し出して、感情的な対応をしても良い解決となることは少ないです。相手保険会社もプロですので、感情的にがなり立てても動じることはありませんし、それを理由に譲歩することもないでしょう。

そのため、示談交渉においては感情的な対応は控え、冷静さを保ちつつ相手に自身の考えを伝え、相手の説明に不明な点があればこれを質すという姿勢が大切です。このような冷静な対応によっても協議がまとまらないようであれば、弁護士への依頼を検討するべきでしょう。

提案された内容は慎重に検討する

保険会社との間で一度示談が成立すれば、その後、やはり不満があると考えてもこれを一方的に覆すことはできません。そのため、相手から示談の提案があった場合、安易にこれに同意するのではなく、一度弁護士に相談するなど慎重な対応をするべきでしょう。

事前にある程度の知識は持っておく

上記のほか、相手保険会社との交渉格差を縮めるためには、被害者側もある程度の基本知識をもって交渉に臨みたいところです。例えば、以下のような点は基本知識として押さえておいて損はないでしょう。

  • 損害賠償額が低い場合は「弁護士基準」で交渉する
  • 逸失利益や休業損害の計算の際の基礎収入を誤りなく計算する
  • 後遺障害等級の認定が低い場合は「異議申立て」を行う
  • 過失割合に納得が行かない場合は交通事故相談センターなどに相談する など

もし「示談交渉がうまくいかない」「納得のいく形で決着できそうもない」という場合は、弁護士に相談することを推奨します。

補償請求について3年の時効にも注意

交通事故で負傷した、後遺症を負ったという場合、加害者に補償を求めることができますが、その請求の権利にも消滅時効があります。具体的には、交通事故で負った損害と加害者を知った時から3年、または交通事故時点から20年の経過により、補償を求める権利は法的に消滅してしまいます。

なお、この3年という時効期間ですが、負傷の場合には交通事故時点から、後遺症の場合症状固定時点から、死亡事故の場合は死亡時から期間経過がスタートしますので注意してください。

自分の保険会社に示談交渉を依頼する際の3つのポイント

ご自身が自動車保険に加入している場合は、契約保険会社が被害者にかわって示談交渉を行ってくれます。しかし、契約保険会社による示談代行ができない場合もあります。いくつか留意点を説明します。

保険会社が示談交渉を代行できないケースもある

ご自身が自動車保険に加入している場合でも、被害者の過失割合が0%の場合や被害者がそのように主張する場合には、契約保険会社の示談代行サービスを利用することはできません。

過失割合とは、「交通事故の当事者間においてお互いの不注意(過失)の程度を割合化したもの」ですが、自分に一切の過失がない事故では、被害者自ら加害者保険会社と示談交渉しなければなりません。

示談交渉を依頼することで慰謝料が少なくなるケースもある

慰謝料については3つの計算基準が設けられており、以下のどれが適用されるかによって金額が異なります。

交通事故慰謝料の計算基準

自賠責基準

自賠責保険で用いられる計算基準

任意保険基準

各保険会社が定める計算基準

弁護士基準

裁判所の判例を基にした計算基準

最も高額なのは弁護士基準ですが、加害者側保険会社は弁護士の介入がない場合には、弁護士基準での慰謝料算定に難色を示す傾向にあるようです。また、弁護士基準を正しく用いて計算するにはある程度の知識も必要です。

そのため、弁護士基準での補償請求を強く求めるのであれば、早い段階で弁護士への依頼を積極的に検討した方が良いかもしれません。

交通事故の示談交渉ではある程度の知識を持っておこう

交通事故の被害者となった場合、保険会社に示談交渉を任せれば、たいていはスムーズに処理が進みます。しかしながら、契約保険会社も法律のプロではないため、必ずしも適正な補償額に落ち着くとは限りません。

したがって、被害者自身も、保険会社の示談金が本当に妥当なものかどうか、判断できるくらいの知識を身に付けておくことが大切だと考えられます。

示談交渉で保険会社の対応に納得がいかない場合の相談先

交通事故の補償処理を進める中で、「なかなか連絡がこない」「対応が威圧的で不快」など相手保険会社の対応に不満を持つというケースは決して珍しくありません。

このような場合は、以下で紹介する相談先を利用するのが良いでしょう。ここでは、保険会社の対応に納得がいかない場合の相談先を解説します。

弁護士

思うように示談交渉が進まない場合は、弁護士へ相談することをおすすめします。

弁護士であれば保険会社とのトラブルについて相談できるだけでなく、依頼者に代わって示談交渉などの事故後対応も一任できます。「スムーズに示談交渉を進められる自信がない」という方は、弁護士に相談しましょう。

お客様相談窓口

通常、保険会社には「お客様相談室」「お客様センター」などの相談窓口が設置されています。

各HPにて電話番号が記載されていますので、「あまりにも対応が悪い」と感じる場合は利用しても良いでしょう。ご自身が感じている問題点などを伝えることで、場合によっては担当者が変更されることもあります。

そんぽADRセンター

そんぽADRセンターとは、各損害保険会社が共同運営している機関のことで、保険会社とのトラブル相談や示談斡旋などのサポートを行っています。対応の不満点などを相談することで、場合によってはそんぽADRを通して対応が改善されることもあります。

相談場所

受付時間・連絡先

日本損害保険協会|そんぽADRセンター 

受付(月〜金):9:15〜17:00

Tel:0570-022808

相談内容:保険会社の対応に対する苦情、示談のあっせん

保険会社との示談交渉を有利に進めるなら弁護士への依頼がベスト

交通事故の示談交渉を弁護士に依頼すれば、処理を一任できるうえ、補償額も適正な水準まで引き上げられることが期待できます。もし、相手保険会社と協議・交渉をするのが不安という場合には、早いタイミングで弁護士に依頼してしまう方が適切な場合が多いと言えます。

弁護士に依頼するメリット

交通事故問題の解決にあたって、弁護士は心強い味方となるでしょう。弁護士には事故後の対応をすべて任せることができるため、面倒な示談交渉やわずらわしさから解放され、事故後の対応における心身の負担を大きく軽減できます。

さらに交通事故問題に注力する弁護士が対応した場合、実際の被害状況に見合った慰謝料請求が望めるほか、弁護士基準での請求も任せられるため、受取金額を大幅に増額できる可能性が高いという点もメリットです。

弁護士費用の相場

依頼先によって料金設定にはバラつきがありますが、費用相場を紹介すると次の通りです。ただし、あくまで以下は一例であるため、具体的な金額を知りたいという方は依頼先に直接確認するのが確実でしょう。

費用項目

費用相場

相談料

無料または5000円/30分

示談交渉

着手金

10万円〜20万円

報酬金

15万円+賠償額の8%

裁判

着手金なし

着手金

無料

報酬金

20万円+賠償額の10%

着手金あり

着手金

経済的利益の額が

〜300万円の場合:8%

300万円〜3000万円の場合:9万円+5%

3000万円〜3億の場合:69万円+3%

3億円以上の場合:369万円+2%

報酬金

経済的利益の額が〜300万円の場合:16%

300万円〜3000万円の場合:18万円+10%

3000万円〜3億の場合:138万円+6%

3億円以上の場合:738万円+4%

後遺障害認定

着手金

10万円〜20万円

報酬金

経済的利益の10%

異議申立の意見書

10.8万円

弁護士費用が気になる方は「弁護士費用特約」がおすすめ

「弁護士に依頼したいけど費用が心配…」という方にとって役に立つのが弁護士費用特約です。弁護士費用特約とは、事故後の対応を弁護士に依頼する際の費用について、保険会社が代わりに支払ってくれるという制度を指します。

弁護士特約の内容は各社概ね共通であり、弁護士に法律相談する場合は最大10万円、弁護士に案件対応を依頼する場合は最大300万円まで補償するという内容が大枠です。

しかし、実際に依頼する場合には、更に細かい補償基準が約款上定められていることが多いため、実際には300万円まで補償されるケースは稀です。詳細については契約保険会社に確認してみてください。

弁護士に依頼して獲得金額が増額した事例

ここでは、弁護士に示談交渉を依頼したことで獲得金額が増額した事例を3つ紹介します。

事例1:【A子さん:30代】過失割合の見直しにより約600万円増額したケース

保険会社からの提示金額

弁護士依頼後の獲得金額

増額した賠償金

約460万円

約1,050万円

約590万円

A子さんはタクシーに乗車中に事故に遭い、頸椎捻挫・右足関節剥離骨折・右距骨壊死などの怪我を負ってしまいました。示談交渉の際、相手方の保険会社から示談金として約460万円を提示されたものの、「もしかすると内容に問題があるかもしれない」という思いから、アドバイスを求めて弁護士に相談しました。

弁護士は「保険会社の提示額は弁護士基準と比べるとかなり低く、弁護士が介入すれば増額が見込める」とアドバイスしたことから、A子さんは弁護士に示談交渉を依頼しました。その結果、当初の過失割合20%を5%まで引き下げることができ、最終的に約1,050万円の賠償金を獲得しています。

事例2:【B男さん:20代】弁護士費用特約を利用して0円で約1,200万円増額したケース

保険会社からの提示金額

弁護士依頼後の獲得金額

増額した賠償金

約200万円

約1,400万円

約1,200万円

B男さんは友人の車に乗車中に事故に遭い、左親指を負傷する怪我を負ってしまいました。保険会社からは「200万円で示談しましょう」と提示されたものの、いくらであれば妥当なのか自分では判断できなかったため、妥当額の判断を求めて弁護士に相談しました。

弁護士は「提示された金額には逸失利益なども一切含まれておらず、明らかに低すぎる」とアドバイスしたことから、B男さんは示談金の増額を求めて弁護士に示談交渉を依頼しました。その結果、逸失利益の算定や弁護士基準による請求などにより、最終的に約1,400万円の賠償金を獲得しています。また依頼者の父親が弁護士費用特約に加入していたことから、弁護士費用0円で示談成立に至っています。

事例3:【C介さん:40代】後遺障害認定を受けて約2,400万円増額したケース

保険会社からの提示金額

弁護士依頼後の獲得金額

増額した賠償金

約110万円

約2,550万円

約2,440万円

C介さんは運転中にもらい事故に遭い、頭部を含む全身に外傷を負ってしまいました。C介さんは、保険会社から提示された110万円という金額に納得がいかず、「弁護士に依頼すれば示談金を増額できるのではないか」と思い、相談しました。

弁護士は「事故の後遺症について後遺障害申請が行われておらず、これが認定されれば大幅な増額が見込める」とアドバイスしたことから、C介さんは弁護士に対応を依頼しました。弁護士が診断書・医療記録・画像などを準備して申請手続きを済ませたところ、後遺障害等級9級が認定。さらに弁護士基準での請求により、最終的に約2,550万円の賠償金を獲得しています。

交通事故で健康保険は使えないのか?

交通事故による怪我については、しばしば「治療時に健康保険は使えない」などと言われることもあります。まず結論から述べると、交通事故が原因で病院に行ったとしても健康保険の利用は可能なのですが、ここではなぜ上記のようなことが言われるのか解説していきます。

「健康保険が使えない」と言われる理由

ほとんどの病院や接骨院では交通事故の場合にも健康保険の利用を認めてくれます。しかし、一部悪質な病院・接骨院では、交通事故の場合に健康保険を使うことを拒否するというケースがあります。その理由は手続きが多少煩雑という理由もあるでしょうが、基本的には経済的理由です。

病院や接骨院での治療には、健康保険を利用する保険診療と、これを利用しない自由診療があります。保険診療については、健康保険制度の下で治療費の計算方法に一定の規律がありますので、病院や接骨院が得られる利益は限定されます。

他方、自由診療にはこの規律がありませんので、基本的に病院や接骨院は言い値で治療費を請求することができます。要するに保険診療よりも自由診療の方が断然利益率が高いため、一部悪質な病院・接骨院では交通事故の場合には自由診療に限定し、健康保険を認めないとしているケースがあります。

<保険診療と自由診療の診療費の差(例)>

通常の保険診療費

自由診療の場合

・1点につき10円
例)
初診料270点
再診料70点
虫垂切除術6210点
ポリープ切除術5000点

・1点につき10円〜50円
例)
初診料270点
再診料70点
虫垂切除術6210点
ポリープ切除術5000点

合計:115,500円
3割=34,650円

合計:231,000円〜577,500円

このような病院や接骨院の対応に出くわした交通事故被害者の声が広まり、「交通事故で健康保険は使えない」という噂が広まってしまったのかもしれません。しかし、厚生省(現・厚生労働省)が出した課長通知では、下記のように「交通事故でも健康保険が使える」と明記されており、医療機関はこれに従う義務があります。

自動車による保険事故も一般の保険事故と何ら変りがなく、保険給付の対象となるものであるので、この点について誤解のないよう住民、医療機関等に周知を図るとともに、保険者が被保険者に対して十分理解させるように指導されたい。参考:昭和43年10月12日 保険発第106号

したがって、交通事故の場合に健康保険は利用できない、利用させないという病院・接骨院は、まともな病院・接骨院とは言えません。このような場合、別の治療機関を受診することを積極的に検討するべきでしょう。

なお、交通事故が業務災害や通勤災害に当たるような場合には、これにより生じた傷病は健康保険ではなく、労災保険によりカバーされるべきものです。したがって、当該災害について労災保険を利用するような場合には、健康保険を適用することはできませんので注意しましょう。

ただ、労働災害・通勤災害となるかどうかが微妙な事案については、まずは健康保険を利用して治療を受けつつ、労働災害・通勤災害として認定された後、遡及的に労災保険に切り替えるという処理も可能です。

交通事故で健康保険を使った方が良いケース

上記でお伝えした通り、交通事故でも健康保険を使うことはできます。なかでも以下のようなケースでは積極的に利用すべきでしょう。

加害者が任意保険会社に加入していない場合

加害者が任意保険に加入していれば、被害者の治療費については因果関係が認められる限り、確実に相手保険会社から補償されます。この場合は健康保険を利用せずに治療費がかさんだとしても、被害者が困ることは特にありません(下記の被害者過失が認められる場合を除く。)。

しかし、加害者が任意保険未加入の場合、被害者としては治療費が加害者から確実に支払われるかどうか(加害者から確実に回収できるかどうか)は極めて不透明です。したがって、このような場合に自由診療で治療を継続してしまうと、治療費が莫大となる一方、加害者からもこれを回収できないとして、自身が多額の治療費を事実上負担せざるを得ないということになりかねません。

したがって、加害者が任意保険に未加入の場合には、加害者の過失割合の程度に関わらず、健康保険を利用して治療を受ける方がベターです。

被害者にも過失がある場合

交通事故の発生について、被害者にも一定の過失がある場合、当該事故により生じた損失については、被害者にも当該過失割合に応じた負担が生じます。このような場合に自由診療により漫然と治療を受けると、莫大な治療費について一定範囲で被害者にも負担義務が生じてしまいます。

例として「被害者が自由診療を受けて治療費が500万円となったが、被害者にも30%の過失が認められる」という場合、保険診療と自由診療では単純計算で以下のような違いが生じます。

健康保険を利用しなかった場合

健康保険を利用した場合(自己負担3割で計算)

病院へ支払う金額:500万円

加害者へ請求できる金額:500万円×0.7=350万円

被害者の負担額:500万円-350万円=150万円

病院へ支払う金額:500万円×0.3=150万円

加害者へ請求できる金額:150万円×0.7=105万円

被害者の負担額:150万円-105万円=45万円

このように、被害者にも過失が認められる事故の場合、治療費の自己負担が重たくなってしまうことは珍しくありません。したがって、このような場合には最初から健康保険を利用して治療を受けることを検討するべきでしょう。

加害者の保険会社が治療費の立替を終了した場合

被害者が交通事故の負傷について安心して治療を受けられるよう、加害者側保険会社は治療費を立替払いしてくれるのが通常です。

しかし、このような対応も無制限に続くものではなく、当然限度があります。保険会社は、負傷の内容・程度や治療の状況等を踏まえ、一定時期になると「そろそろ治療を終了してはどうか」という提案をしてくるのが通常です。

ここで折り合いがつけばよいですが、そうでない場合、「これ以上は立替払いはできないので自己負担で治療を継続してほしい」と保険会社が対応を終了することも珍しくありません。このような場合に被害者側でまだ治療を継続したいと考えるのであれば、とりあえず自己負担で治療を継続し、後日、自己負担分の治療費を加害者側に請求するという処理を行うことも可能です。

しかし、加害者側に最終的に負担してもらえる治療費は、あくまで事故と因果関係のある範囲に限られ、必ずしも全ての自己負担分治療費が補償されるとは限りません。そのため、この場合、自身のリスクを抑制する趣旨で、まずは健康保険を利用して費用負担を抑えるという対応も検討するべきでしょう。

まとめ

保険会社の担当者は交渉経験に長けていますので、示談交渉を有利に進めるには、こちらも知識を持って臨む必要があります。自動車保険に加入していれば示談交渉を代行してもらうこともできますが、これも完全ではありません。

その点、弁護士であれば依頼者の利益のために動いてくれるため、自力で対応したり保険会社に対応を依頼したりするよりもスムーズに話がまとまり、示談金についても多く受け取れる可能性があります。

また「こちら側に一切の過失がない」という場合などでも、事故状況問わず依頼できますので、「保険会社に任せるのは不安」「できるだけ多く慰謝料を受け取りたい」という方は、弁護士への依頼を検討することをおすすめします。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事は交通事故弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※交通事故弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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