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公開日:2020.2.14  更新日:2020.12.28

自動車保険の示談交渉サービスを利用できる状況・利用時の注意点を解説

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事

交通事故に巻き込まれた場合、まずは相手方と示談交渉を行って処理することを検討することになります。あなたが任意の自動車保険に加入していれば、当該保険会社の示談交渉サービスが利用できます。

示談交渉サービスとは当事者に代わって保険会社が示談交渉を行ってくれるというサービスのことで、ほとんどの事故は同サービスを通じて保険会社により処理されています。しかし、全てのケースが保険会社で処理可能かというとそういうわけではありません。「示談交渉サービスを利用できないケース」や「弁護士への依頼が望ましいケース」もあります。

この記事では、自動車保険の示談交渉サービスを利用できるケース/できないケース・利用時の注意点など、利用にあたって知っておくべき知識を解説します。

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自動車保険の示談交渉サービスを利用できるケース

契約している保険会社に示談交渉を代行してもらえるのは、自身に100%過失のある事故又は双方に過失が認められる交通事故です。例えば、自分が車を運転していて停車中の車に衝突してしまったとか、お互い動いている際に衝突したような交通事故などが挙げられます。

このような事故では、運転者は相手に対して一定の損害賠償義務を負担するところ、当該義務を最終的に履行するのは契約している保険会社です。そのため、保険会社には示談交渉に参加する利害関係がありますので、示談処理の代行サービスを提供することができるのです。

自動車保険の示談交渉サービスを利用できないケース

他方、上記に該当しない交通事故(すなわち、自身に過失が一切ない交通事故)の場合、契約している保険会社は損害賠償義務を負担することがありません。そのため、契約保険会社には何らの利害関係も認められないため、示談代行を行うことはできないのです。

  • 駐車場で停車していたら相手がぶつかってきた
  • 赤信号で停車していたら後方から追突された
  • 青信号で通行中、赤信号を無視した車にぶつかられた

なお保険会社によっては、もらい事故の被害者を対象に「相談受付サービス」を行っているところもあるようですが、これはあくまで今後の対応についてアドバイスを行うだけであり、具体的な補償の交渉までは依頼できません。

上記のように示談交渉サービスを利用できない場合は、自力で対応を進めなければなりませんが、交通事故処理の経験がない素人が相手方(相手保険会社)と協議・交渉を進めることは一般的に困難です。そこで、このような場合には弁護士に事故処理を依頼するということを検討することになります。

自動車保険の示談交渉サービスを利用する際の注意点

上記の通り、示談代行サービスは、契約保険会社が補償の処理を最後まで代行してくれますので、事故当事者は非常に楽です(故にほとんどの事故は保険会社を通じて補償処理が完遂されているのが実情です)。しかし、示談代行サービスについても一定の留意点があります。

弁護士に依頼する場合より示談金が低額となる可能性がある

示談交渉にあたっては、相手方に対して損害賠償を請求することになりますが、損害項目の一つである慰謝料には、一定の計算基準があります。

交通事故慰謝料の計算基準

自賠責基準

自賠責保険で用いられる計算基準

任意保険基準

保険会社ごとに定められた計算基準

弁護士基準

これまでの判例を基にした計算基準

上記の通り、3つのうち弁護士基準が高額に設定されていますが、任意保険会社同士の交渉では弁護士基準で算定されるケースは多くないように思われます。

保険会社同士が妥当とする金額で協議・妥結した結果、弁護士に依頼すれば支払われる可能性の高い金額よりも、ある程度金額が落ちてしまう可能性は否定できません。

被害者にとって望ましい結果とならないこともある

示談交渉サービスは便利ですが、保険会社が慎重かつ十分な検討をしないまま、示談処理を進めてしまうこともあります。例えば、後遺障害の有無や過失割合の程度など、交通事故では補償額に直結するために慎重に検討するべき項目が多分にあります。

しかし、保険会社同士で機械的、流れ作業的に処理をした結果、これら項目の検討が疎かとなり、本来支払われるべき補償額に満たない補償額しか受け取れないという可能性もあります。

より高額な示談金を獲得するなら弁護士がおすすめ

示談交渉にあたって「少しでも多く示談金を受け取りたい」という方は、弁護士への依頼を検討するのが良いでしょう。ここでは、弁護士に依頼するメリットや依頼時の費用などを解説します。

弁護士基準による慰謝料請求が望める

慰謝料の計算基準については弁護士基準が最も高額に設定されています。例として「通院期間ごとの慰謝料相場」を比較すると、以下のように大きく異なります。

通院期間

自賠責基準※1

任意保険基準(推定)

弁護士基準※2

1ヶ月間

8万6,000円

(8万4,000円)

12万6,000円

28(19)万円

2ヶ月間

17万2,000円

(16万8,000円)

25万2,000円

52(36)万円

3ヶ月間

25万8,000円

(25万2,000円)

37万8,000円

73(53)万円

4ヶ月間

34万4,000円

(33万6,000円)

47万8,000円

90(67)万円

5ヶ月間

43万円

(42万円)

56万8,000円

105(79)万円

※1 初診から治療終了日を21日とし実際の通入院は10日間だったと仮定し、2020年3月31日までは4,200円、2020年4月1日より後に発生した事故に関しては4,300円で計算しています。 

※2 ()内はむちうち等の他覚症状がない負傷の慰謝料

弁護士に依頼すれば、相手保険会社も弁護士基準で慰謝料を算定することに難色を示すことはあまりありません。そのため、弁護士に依頼した方が、結果的に支払われる補償金が増額する可能性はあります。まずは話だけでも聞いてみることをおすすめします。

依頼時の弁護士費用

弁護士に示談交渉を依頼する際は、弁護士費用を支払わなければなりません。依頼時の費用例としては以下の通りですが、それぞれの依頼状況や依頼する事務所などによって費用は異なるため、具体的にいくらかかるのか気になる方は直接事務所に聞くのが確実です。

料金体系

着手金

報酬金

着手金あり

10万~20万円

15万円+賠償額の15%

着手金なし

0円

20万円+賠償額の10%

もし弁護士に示談交渉を依頼して納得のいく額の示談金を獲得できたとしても、増額分を上回るほどの弁護士費用がかかってしまっては元も子もありません。

依頼にあたっては「費用倒れにならないかどうか」という点が一つのポイントとなりますので、おおよその獲得見込み額や依頼費用などについて、あらかじめ弁護士から聞いておいた方が安心でしょう。また事務所によっては、初回相談が無料のところなどもありますので、積極的に活用するのも一つの手段です。

弁護士費用特約に加入していれば0円で解決することもある

弁護士に依頼しようか迷っている方は、一度「弁護士費用特約に加入しているかどうか」を確認してみると良いでしょう。

弁護士費用特約とは自動車保険に付いている特約の一つで、保険会社が弁護士費用を負担してくれるというサービスです(保険会社の負担額は近年は約款により細かく定められており、最大300万円です)。弁護士費用特約を活用することで、費用倒れのリスクを大幅に減らすことができ、場合によっては自己負担なく解決に至ることもあります。

また、もし被害者本人が加入していなかったとしても、配偶者や同居親族などが加入していれば補償対象となり得ますので、周囲の契約状況についても確認しておくべきでしょう。

まとめ

交通事故の処理は契約している保険会社の示談交渉サービスを利用するのが通常です。しかし、全てのケースで当該サービスを利用できるわけではないこと、当該サービスを利用するより弁護士に直接依頼する方が適切であるケースもあることは留意しましょう。

「まだ依頼先を決めかねている」という方も、まずは一度弁護士の無料相談を利用してみると良いでしょう。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事は交通事故弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※交通事故弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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