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個人賠償責任保険が便利|交通事故や日常トラブルに備える知識

個人賠償責任保険が便利|交通事故や日常トラブルに備える知識

個人賠償責任保険(こじんばいしょうせきにんほけん)とは、自転車の走行や車の運転といった日常生活や、住宅の使用・管理等に関して、第三者の身体や財物に損害を与えしまい、損害賠償を請求された場合にカバーするための保険です。主に自動車保険の特約として付随している場合が多いです。
 
例えば自転車を走行中、他人や他人の車を壊してしまった場合や、火事を起こしお隣さんの家を焦がしてしまった場合、愛犬が他人に怪我をさせた際も補償対象となる非常に便利な保険と言えます。
 
近年、自転車による歩行者との事故が増えており、「重度の後遺障害を負わせた」、「意識が戻らなくなった」などで、小学5年生に裁判所が損害賠償額約9,500万円を請求した例もあります。
 
こういった万が一に備えるための便利な保険が「個人賠償責任保険」です。今回は、この個人賠償責任保険についてご紹介します。

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この記事の監修者

弁護士法人プラム綜合法律事務所

梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

個人賠償責任保険の概要

まずは個人賠償責任保険がどんな保険なのかご紹介します。
 

どんな保険なのか?

簡単に説明すると、あなたやその家族が日常生活で誤って他人にケガをさせたり、他人の物を壊してしまった場合に、損害賠償金や弁護士費用などを負担することを目的とした保険です。
 
火災保険や傷害保険、自動車保険といった代表的な保険の特約として契約する場合が多く、保険期間は約1年、保険金額も1億円という高額な金額を設定しているケースが多いです。
 
また、契約しても年間保険料は数千円程度とお手ごろ価格。実際に損害賠償を請求されるケースは少ないかもしれませんが、万が一高額な負担で家計が経済的大ダメージを受けることもあり得ますので、入っておけばいざという時に安心できる可能性は大きいでしょう。
 

本人とその家族まで補償の範囲になる

個人賠償責任保険の被保険者は「生計を共にする同居の親族」となっています。つまり、一家の世帯主が契約していれば、その子供が起こした事故も補償されます。
 
さらに、子供には「生計を共にする別居の未婚(これまでに婚姻歴がないことが条件)の子」も含まれますので、大学生などで親元から離れて一人暮らしをしていても、親からの仕送りを受けている未婚の子であれば補償の対象となります。

ちなみに、「生計を共にする同居の親族」に限定せず、「同居の親族」であれば補償の対象とするとしている保険会社もあります。
 

補償の対象となる事故例

他人の「身体」や「財物」に損害を与えた場合が対象ですので、他人への名誉毀損やプライバシー侵害といったケースは補償の対象外となります。
 

  • 1:自転車走行中にクルマにぶつけてボディを傷つけた

  • 2:子供が駐車場の他車をキズつけた

  • 3:自転車で走行中に歩行者とぶつかり後遺障害を負わせた

  • 4:買い物の途中に商品を落とし破損させた

  • 5:飼い犬が他人を噛んでケガをさせた

  • 6:自宅の水漏れにより家財に損害を与えてしまった

  • 7:火事などで隣の建物を損壊させた

  • 8:鉢植えの落下で歩行者の頭に当たり死亡させてしまった

  • 9:子どもがバットを振り回し、誤って友達にケガをさせた

  • 10:スキーをしていて人にケガをさせた。

  • 11:立食パーティで人のドレスを汚してしまった

  • 12:子どもが人の家の窓ガラスを割ってしまったなど

 
挙げればキリがありませんが、ご覧の通りどれも身近で起こりうるトラブルばかりです。私たちがこうした事故やトラブルで損害賠償責任を負った際に対応してくれますし、場合によっては弁護士が示談の代理をしてくれるケースもあります。
 

一般的な補償額の相場:5000万円〜1億円

保険料を高くすれば、その分補償額も高くなりますが、火災保険に付帯する場合では保険金額1億円で月100円程度です。保険金額を1000万円に下げても月数十円の差額です。
 
なかには2億円の補償額を設定している保険もありますが、その場合でも月500円前後、年額では3000円から6000円の間が多いです。いつくかの例を「代表的な個人賠償責任保険5選」で紹介いたしましたので、参考にして頂ければ幸いです。
 

保険金が支払われないケース

個人賠償責任保険で保険金が支払われない主なケースは次のとおりです。
 

  • 1:契約者・被保険者の故意の損害賠償責任

  • 2:地震・噴火・津波などの自然災害に起因する損害賠償責任

  • 3:被保険者と「同居の親族」の損害賠償責任(一部補償範囲に含める保険あり)

  • 4:被保険者が所有、使用、管理する財物の正当な権利を有する者に対する損害賠償責任

  • 5:被保険者の職務遂行に直接起因する損害賠償責任

  • 6:被保険者の心神喪失に起因する損害賠償責任

  • 7:航空機・船舶・車両の所有、使用、管理に起因する損害賠償責任

 
仕事中の事故はそれを補償する保険(業務向けの賠償保険や自動車保険)があるので、基本的にはそちらでの対応となります。
 
ちなみに、借り物を補償する保険も一部発売されており、主流ではありませんが「借用財物」「受託物」などの名称で補償が付いているケースがあります。保険金額は10万~30万円程度ですが、あれば安心できることは間違いないですね。

 

個人賠償責任保険の一般的な保険料は?

補償額をいくらに設定するかで保険料は変動していきますが、だいたい以下のような保険料であると考えてよいでしょう。
 

  • ・保険金1000万円の場合:平均500円〜1000円

  • ・保険金1億円の場合:平均1600円〜2500円

  • ・保険金2億円の場合:平均1700円〜3000円


 

代表的な個人賠償責任保険4選

個人賠償責任保険は特約として既存の保険に付随させるものですので、ほぼすべての保険についていると思われますが、そのなかの代表的なものをいくつかご紹介します。

おとなの自動車保険

保険名

種類

保険金

示談
代行

被保険者

概算掛金

おとなの自動車保険

自動車保険

無制限

◯

本人
子ども
家族

年額1500円
※契約者による

ソニー損保|おりても特約

保険名

種類

保険金

示談代行

被保険者

概算掛金

ソニー損保
おりても特約

自動車保険

1億円

◯

本人
子ども
家族

契約者による

備考

・車で出かけた先の事故のみ補償。
・傷害特約、身の回り品特約を含む。

三井住友海上日常生活賠償特約

保険名

種類

保険金

示談代行

被保険者

概算掛金

三井住友海上
日常生活賠償特約

傷害保険

1億円

○

本人
子ども
家族

年額920円
+4,200円/年

備考

「GKケガの保険」(年額4,200円~)特約

自転車保険ちゃりぽ賠償1億プラン 

保険名

種類

保険金

示談代行

被保険者

概算掛金

自転車保険ちゃりぽ
賠償1億プラン

自転車保険

1億円

○

本人
子ども
家族

年額3,600円
 

備考

・本人のみ死亡400万円
・入院6,000円/日。
・入院3,000円/日
家族プランは9,520円/年。
・購入1ヶ月以内なら自転車盗難補償も可。


この他にもいろいろ種類がありますが、自転車保険に関しては「自転車保険の薦め|事故に備えた代表的な自転車保険7選」をご覧ください。


 

個人賠償保険は重複加入に注意

重複注意のある補償(特約)について、被保険者本人とその家族で複数の保険契約(自動車保険以外の保険契約、加入保険以外の保険契約を含む)に加入していると、複数の保険契約で同じ事故を補償することになり、余分な保険料を支払っていることになりますので、一度補償内容や保険金額を確認されるのがよいでしょう。
 

保険に重複加入していた場合はどうなる?

■重複していても過剰な補償は受けられない

賠償責任保険は2重に加入しても損害額を超える保険金を受領できるわけではありません。1,000万円の損害賠償が発生した場合、契約を2つしていても保険会社からの保険金が2,000万円にはなりません。
 
損害保険には『利得禁止の原則』が基本原則となっており、損害保険は生じた損害を補償することを目的としているため、保険金の支払いによって利益を得ることはできないのです。
 
損害保険は原則としてどんなに大きな補償を設定しても実際の損害額しか支払われません。これを実損填補(じっそんてんぽ)といい、一定の保険金を支払う生命保険とは大きく異なる点です。

■保険金額はその分加算される

受け取れる保険金は残念ながら倍になりませんが、保険金額(補償額)は加算されます。例えば、1億円の個人賠償責任保険に2つ加入していた場合、補償額は合計で2億円になります。
 
しかし、自動車保険の個人賠償責任特約は保険金額が無制限に設定している場合が多いので、そのような場合の重複加入は完全に無駄です。重複加入にはご注意ください。

 

もし交通事故にあったら

もし交通事故にあって、あなたが被害者になってしまったら、まずは「警察」に事故にあったことを連絡しましょう。後々加害者に対して損害賠償の請求をすることになると思いますが、加害者の身元確認や、加入している保険会社の情報などを確認しましょう。
 
ほかにも、今回ご紹介したような個人賠償補責任保険の保険金が1億円や2億円もあると言っても、すべてをその補償で賄えるとは限りません。もし被害者が死亡するようなことがあれば損害賠償額は3億円を超えることもあります。
 
そんな大げさなこと、まさか自分に起きる訳がないとみな本気で考えていますが、実際に事故に逢った方も直前までそう考えています。
 
取り返しがつかなくなる前に、「交通事故にあったら被害者が必ずやるべき5つのこと」を参照いただき、事故にあった場合の対処を知っておくことも大事ですし、加害者と揉めるようなケースでは、交通事故に詳しくて弁護士などに相談して、迅速な解決へ向けて動いて頂ければ幸いです。
 

まとめ

個人賠償責任保険についてご紹介してきましたが、どの保険に特約として付随させれば良いかは個人の判断ですので、一度今加入している保険会社と相談してみて、一番良い形で検討して頂ければと思います。

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この記事の監修者

弁護士法人プラム綜合法律事務所

梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事はベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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