交通事故で弁護士に依頼するのは大げさ？心配な方向けに無料相談窓口3選も紹介

• 「軽く接触した程度の交通事故なのに、わさわざ弁護士に相談するなんて大げさな気がする」
• 「たいしたけがもないので、弁護士に相談しなくても任意保険会社に任せておけば大丈夫だろう」

このように、規模が小さい交通事故では、事故処理のために弁護士に相談・依頼するメリットは少ないように思えるでしょう。

しかし、交通事故にあった以上、弁護士に相談・依頼するのは大げさなことではありません。

むしろ、「大した事故ではないから」という理由で弁護士に相談しないと、損害賠償額・慰謝料額や後遺障害等級認定手続きなどで不利を強いられかねないおそれもあるので注意が必要です。

そこで本記事では、交通事故で弁護士に相談・依頼するのが大げさだと感じている人のために、弁護士を頼るメリットや保険会社任せにするデメリットなどについてわかりやすく解説します。

交通事故に遭ってしまったら、規模や被害の大小にかかわらず、弁護士へ相談するのがおすすめです。

ぜひ本記事をきっかけに、弁護士への相談を検討してください。

交通事故は代表的な法律トラブル！弁護士への相談は大げさではない！

交通事故の事後処理について弁護士に相談・依頼するのは大げさなことではありません。

なぜなら、交通事故トラブルにおける損害賠償請求や慰謝料請求、過失割合などの問題は、相手方とトラブルになりやすく、思った以上に話がこじれるケースが多いからです。

交通事故では、相手方と事故当時の見解に齟齬が生じたり、加害者側の任意保険会社と示談条件について合意に至りにくかったりと、事案ごとにさまざまなトラブルが生じます。

相手方との示談交渉が失敗に終わると、民事裁判で解決を目指さなければいけません。

また、交通事故が原因で後遺症が残ってしまった場合や、会社名義の営業車で従業員が交通事故を起こしてしまった場合など交通事故の状況次第では難易度の高い法的論点をクリアしなければいけないことも多いです。

これらを踏まえると、交通事故トラブルは法律問題である以上、弁護士に相談・依頼するのは大げさではありませんし、むしろ、適切な解決を目指すための合理的かつ効果的な判断だといえるでしょう。

交通事故で弁護士に相談・依頼するのが「大げさ」と感じるケース3選

どうして「交通事故程度で弁護士を頼るのは大げさだ」と言われることがあるのでしょうか。

ここでは、交通事故で弁護士に相談・依頼するのが大げさだと思われる原因・理由について解説します。

1.損害や事故の規模が小さい場合

交通事故で弁護士へ相談するのが大げさだと言われるケースの代表例が、損害や事故の規模が小さい場合です。

交通事故の規模が小さかったり、ほとんど損害が生じていなかったりする場合、わざわざ弁護士に相談するのが大げさに感じるでしょう。

しかし、軽微な事故や損害額が少額な事故であったとしても、弁護士に相談することは決して大げさではありません。

交通事故はどれだけ軽微なものであったとしても、交通事故から数日後にむちうちなどの症状が表れてくる可能性があります。

事故から数日後に出た症状については相手方が交通事故との間の因果関係を否定するような主張をしてくることがあり、紛争が長期化しかねません。

そのため、交通事故に巻き込まれたときには、規模や損害の大小にかかわらず弁護士に相談・依頼をするべきでしょう。

2.自分の保険会社が対応してくれる場合

交通事故で弁護士へ相談するのが大げさだと言われる理由には、保険会社の存在も考えられます。

実際「自動車保険に加入しているので、わざわざ弁護士なんて大げさなことをしなくても、任意保険会社に交渉などを任せればよいのでは？」と考える人も多いでしょう。

確かに、毎年一定額の自動車保険料を支払っているわけですから、任意保険会社に示談交渉などを任せるのは当然のようにも思えます。

しかし、任意保険会社頼りだと、不利な示談条件での和解契約を強いられるリスクが生じます。

たとえば、任意保険会社が相手方に慰謝料を請求する場合には「任意保険基準」という算定基準が利用されます。

しかし、任意保険基準では、あまり高額な慰謝料や損害賠償を期待することはできません。

一方、弁護士に依頼をすれば「弁護士基準」という被害者側に有利な金額を算出できる算定基準が用いられます。

つまり、保険会社だけに解決を任せるよりも、弁護士に依頼するほうが有利な条件での解決を目指せるのです。

3.加害者側と争っているわけではない場合

加害者側との間で示談条件等について意見が割れていない場合には、弁護士への相談・依頼は大げさなものに感じるでしょう。

しかし、加害者との間で目立った紛争がないからといって、示談書の諸条件を鵜呑みにしてサインをするのはおすすめできません。

というのも、任意保険会社同士もしくは加害者との間で出し合った示談条件が適切なものではない可能性があるからです。

たとえば、事故当時の天気・相手方の体調などの個別事情が考慮されておらず、交通事故の態様から類型的な示談条件が提示されているに過ぎない可能性もゼロではありません。

つまり、加害者側と争いが生じていない場合でも、一度は示談条件などについてリーガルチェックを受けたほうが安心といえます。

「弁護士に依頼して大げさにするよりも、早期に示談を締結してしまいたい」と安易に判断せず、念のために弁護士に相談することを強くおすすめします。

交通事故で弁護士に相談・依頼することは大げさではない4つの理由

交通事故に巻き込まれた場合、弁護士への相談・依頼は決して大げさなものではありません。

ここでは、交通事故に関して弁護士に相談・依頼することが大げさではない理由、弁護士に相談・依頼することで得られるメリットについて解説します。

1.損害賠償の増額が期待できる

交通事故の示談交渉を弁護士に依頼すれば、損害賠償額や慰謝料額の増額を期待できます。

受け取ることができる金額が増えるのですから、弁護士に依頼することは決して大げさなことではないでしょう。

ここでは、弁護士に依頼することで賠償額等の増額を期待できる理由について解説します。

弁護士は交渉力があるから

交通事故トラブルでは、相手方との交渉が必要です。

ただ、任意保険会社に交渉を任せると、画一的な処理をされる可能性が高く、相手方の意向をある程度飲みこんだ形での和解案への合意を強いられかねません。

一方、弁護士が代理人として示談交渉に対応すれば、依頼人側に有利な証拠・事実関係を前提に、こちら側として主張するべき事項はしっかりと相手方に伝えて、適切な示談条件で相手方から合意を引き出すことができるでしょう。

弁護士は有利な過失割合を引き出してくれるから

交通事故の事後処理の場面では、損害賠償額を引き上げるために、できるだけ有利な過失割合条件での合意を目指す必要があります。

なぜなら、交通事故で生じた損害額は、加害者と被害者それぞれの過失割合に応じて負担しなければならないからです。

被害者側の過失割合が大きいほど、被害者が受け取ることができる損害賠償額は減額されてしまいます。

しかし、弁護士が代理人として示談交渉をおこなえば、相手方の過失を認定するのに役立つ証拠を用意して、依頼者にとって有利な過失割合条件を引き出してくれるでしょう。

弁護士基準で慰謝料額を算定できるから

交通事故の損害賠償額・慰謝料額を算出するときの基準には、以下3つが存在します。

自賠責基準	自賠責保険から慰謝料額を支出するときに活用される基準のこと。 被害者に生じた損害を最低限保障する趣旨で支払われるものなので、損害賠償額・慰謝料額は定額になることが多い。
任意保険基準	各保険会社が損害賠償額・慰謝料額を算定するときに用いる独自の自社基準のこと。 保険会社ごとに基準の内容は異なり、自賠責基準よりは高額の損害賠償額・慰謝料額が算定される傾向にあるものの、弁護士基準ほど高額の損害賠償額・慰謝料を受け取ることはできない。 交通事故類型に応じて画一的に損害賠償額・慰謝料額が決定されることが多い。
弁護士基準	過去の裁判例を参考にして設定された客観的な損害賠償額・慰謝料額算定基準のこと。 自賠責基準・任意保険基準に比べて被害者側に有利な算定基準が特徴。

これらの基準のうち、賠償額が最も高額なのが弁護士基準です。

弁護士基準は、弁護士に依頼しないと適用されないので、適切な賠償を受けるには弁護士への相談・依頼が必須といえるでしょう。

2.示談交渉や訴訟などを一任できる

交通事故トラブルが起きたときには、相手方と示談交渉によって紛争の解決方法を決定するのが一般的な流れです。

当事者間の話し合いで合意に至らない場合には、民事訴訟で終局的な解決を目指す必要があります。

示談交渉をするときには、加害者本人もしくは相手方の任意保険会社と直接電話や書類のやり取りをし続けなければいけません。

また、民事訴訟に発展してしまうと、裁判所に出廷したり準備書面を用意したりする手間・時間がかかります。

交通事故被害者の大半は法律には詳しくないので、示談交渉や民事訴訟などの手続きを履践するのは簡単ではないでしょう。

その点、弁護士に依頼すれば、示談交渉や民事訴訟の準備・遂行に要する労力を全て代理してもらえるので、依頼者本人は治療や日常生活に専念できます。

3.適切な後遺障害等級認定を獲得できる

交通事故に巻き込まれると、どれだけ治療を継続しても完治には至らず、後遺症が残る場合があります。

交通事故が原因で後遺症がのこったときには、後遺障害等級認定を受けることで、その等級に応じた慰謝料額などを受け取ることが可能です。

ただし、後遺障害等級認定は必ず受けられるわけできるわけではありません。

負った後遺症に応じた適切な後遺障害等級認定を獲得するには、認定基準や審査の仕組みを理解したうえで、病院で適切な治療・検査を受けて必要事項が記載された後遺障害診断書を取得するなどの工夫が必要です。

弁護士に依頼すれば、複雑な後遺障害等級認定手続きを代理でおこなってくれるので、後遺症の内容・程度に応じた後遺障害等級認定を獲得しやすくなるでしょう。

4.通院期間・頻度、治療内容などのアドバイスを期待できる

交通事故で負ったけがや後遺症について相手方にしっかりと損害賠償や慰謝料を請求をするには、以下のポイントに注意をしなければいけません。

• 病院を初めて受診するタイミング
• 通院期間・通院頻度
• 通院期間中に受ける治療内容・検査方法
• 通院を終了するタイミング
• 症状固定のタイミング
• 相手方保険会社による治療費打ち切りへの対抗　など

これらの注意事項は交通事故の規模などとは関係なく生じる問題なので、弁護士に相談して適切なアドバイスを受けることが大切です。

たとえば、通院を開始する時期が遅れると、怪我と交通事故との因果関係が否定されて、治療費などを請求できなくなるリスクが生じます。

また、医師の指示に従わずに勝手に通院をやめると、後遺障害等級認定や治療費請求に支障が生じかねません。

弁護士に相談・依頼しながら入院・通院期間を過ごせば、損害賠償請求や慰謝料請求、後遺障害等級認定申請手続きを万全の状態で進める状況を作り出しやすくなるでしょう。

それでも「大げさ」と感じるなら無料法律相談を活用するのもおすすめ！

交通事故に巻き込まれたときに弁護士に相談・依頼するのは大げさなことではありません。

ただ、それでも「いきなり弁護士に連絡するのは抵抗感がある」「法律事務所に問い合わせるのは少し不安だ」などと感じる人も少なくはないでしょう。

ここでは、弁護士への相談・依頼に抵抗感を抱く人におすすめの相談先を紹介します。

1.日弁連交通事故相談センター｜最大5回まで無料で法律相談ができる

日弁連交通事故相談センターは、交通事故の民事上の法律問題を解決するために、弁護士が無料で公正・中立の立場からサポートをしてくれる公益財団法人のことです。

日弁連交通事故相談センターでは、電話相談、面接相談、示談あっせん・審査などをおこなっています。

電話相談に申し込めば無料で弁護士の法律相談を受けることも可能です。

1回あたりの電話相談の時間は約10分程度ですが、示談交渉を進める方法や慰謝料・過失割合などの争点の状況などについて整理をしながら解説してくれるでしょう。

また、電話相談だけでは足りないという人は、面接相談や示談あっせん・審査などを申し込むことも可能です。

面接相談は原則5回まで無料ですので、気軽に利用してみるとよいでしょう。

公式サイト	日弁連交通事故相談センター
電話番号（固定電話から）	0120-078325（平日10:00〜19:00）
電話番号（携帯電話から）	03-3581-1770（平日10:00〜15:30）
予約フォーム	https://n-tacc.or.jp/list

2.各自治体（市区町村など）｜市民向けの法律相談会を開催している

いきなり弁護士会や法律事務所に連絡をするのは大げさだと感じるのなら、お住まいの自治体で開催している無料の法律相談会を利用するのも選択肢のひとつです。

自治体の窓口で弁護士や司法書士などの専門家を頼れるので、費用負担なく安心感のある状況で交通事故トラブルの疑問点を解消できるでしょう。

ただし、無料法律相談会が実施されるタイミングや頻度、予約方法などは自治体によって異なります。

詳しくは、お住まい地域の自治体の専用窓口まで直接お問い合わせください。

3.ベンナビ交通事故｜無料相談に応じている弁護士を簡単に探せる

交通事故について相談・依頼する弁護士を探しているのなら、ベンナビ交通事故を利用するのがおすすめです。

ベンナビ交通事故は、誰でも無料で利用できる弁護士ポータルサイトです。

交通事故関係の法律問題の解説コラムを発信したり、交通事故トラブルを得意とする弁護士を紹介したりしています。

ベンナビ交通事故では、以下の項目から希望条件に合う弁護士を24時間無料で検索できます。

検索項目	詳細
お住まいの地域	都道府県
相談したい内容	・損害賠償・慰謝料 ・示談交渉 ・過失割合 ・死亡事故 ・後遺障害 ・むちうち ・休業損害 ・自動車事故 ・自転車事故 ・バイク事故 ・人身事故 ・物損事故
具体的なサービス	・オンライン相談可 ・来所不要 ・電話相談可能 ・初回の面談相談無料 ・休日相談可能

交通事故トラブルは、弁護士に相談・依頼するタイミングが早いほど有利な状況を作り出しやすいです。

「弁護士に相談するなんて大げさだ」などと軽く考えるのではなく、念のために一度は専門家の意見を参考にすることを強くおすすめします。

4.弁護士費用特約があれば弁護士費用は無料になる

弁護士に相談・依頼するには、各法律事務所が規定する所定の弁護士費用を負担しなければいけません。

弁護士費用は法律事務所によって異なりますが、相談料だけでも30分5,500円、着手金や報酬金で数万円〜数十万円の負担を強いられます。

しかし、契約中の自動車保険や火災保険に弁護士費用特約が付帯されている場合には、弁護士費用の負担を実質的に0円にできます。

もし弁護士費用特約が付帯されている保険に加入している場合には、「弁護士を頼るなんて大げさだ」などと考えず、気軽に弁護士に相談するべきでしょう。

さいごに｜「大げさ」と思う交通事故であっても弁護士には相談しておこう

どれだけ大げさだと感じたとしても、交通事故にあった以上は、弁護士に相談するのがおすすめです。

弁護士に依頼すれば加害者側との示談交渉などを全て任せられますし、慰謝料や損害賠償額の増額にも期待できます。

ベンナビ交通事故では交通事故関係に強い弁護士を多数紹介しているので、交通事故に関して少しでも不安・疑問があるのなら、大げさだと思わずに速やかに専門家までお問い合わせください。