【交通事故用】示談書の簡単な書き方ガイド|テンプレートを使って4ステップで作成
一般的に、交通事故の示談書は加害者側の保険会社から送られてくることが多いです。
しかし、相手方が無保険の場合などでは当事者同士で示談交渉をおこなう必要があります。
そして示談交渉が成立した際には、その内容をまとめた「示談書」を作成することになるでしょう。
本記事では、そのような交通事故の示談書を作成したい方に向けて、以下の内容について説明します。
- 交通事故用の示談書の簡単な書き方(4ステップ)
- 交通事故用の示談書を簡単に書くための4つのコツ
- 示談書の作成を弁護士に依頼するのがおすすめの理由 など
本記事を参考に、できる限り正確かつ簡単に交通事故の示談書を作成できるようになりましょう。
【交通事故用】示談書の簡単な書き方|たった4ステップで作成可能
交通事故の示談書をできる限り簡単に書くには、以下の流れで進めるのがおすすめです。
- 示談書のテンプレートを用意する
- 示談書に記載する4つの内容をまとめる
- 示談書のテンプレートに必要事項を記入する
- 示談書に不備や間違いなどがないかを見直す
ここでは、交通事故の示談書の簡単な書き方を4つのステップに分けて説明します。
1.示談書のテンプレートを用意する
まずは、以下のURLから交通事故用の示談書のテンプレートをダウンロードしましょう。
最初にテンプレートを入手しておくことで、何を記載すればいいのか全体像が理解しやすくなります。
パソコンで作成する場合は「Word版」を、手書きで作成する場合は「PDF版」を使うようにしてください。
2.示談書に記載する4つの内容をまとめる
次に、以下を参考に示談書に記載する内容を整理しておきましょう。
1.加害者・被害者の氏名、住所、自動車登録番号
示談書には、当事者の氏名と住所を記載する必要があります。
また、交通事故の示談書の場合は自動車登録番号を記載することが一般的です。
通常、これらの情報は当事者の免許証や交通事故証明書などを見ることで確認ができます。
相手の免許証をコピーしておいたり、交通事故証明書の発行を受けたりしておくとよいでしょう。
2.事故発生の日時・場所、状況
交通事故の示談書には、その事故に関する内容を記載することも多いです。
事故発生日時と場所に関しては、交通事故証明書を参考にすれば問題ありません。
また、事故発生状況については、当事者同士で話し合った内容を記載することになります。
少なくとも「加害者側が何をして被害者側にどのような損害が生じたのか」は記載するのが望ましいです。
3.損害賠償の金額・支払方法・支払時期など
交通事故の示談書には、損害賠償の金額・支払方法・支払時期などを記載します。
一般的に示談交渉は文面でやり取りが多いため、その内容を手元に用意しておきましょう。
また、対面で話した場合はその記録を残しておき、示談書を作成する際に役立てることをおすすめします。
4.そのほか相手方と話し合った項目(違約金条項や清算条項など)
示談書には、違約金条項や清算条項などの項目を設けることも可能です。
もっとも、これらの条項も当事者同士で話し合い、設けるかどうか決めることが多くなっています。
抜け漏れがある場合は示談締結後のトラブルに繋がる恐れがあるので忘れずに確認しておきましょう。
3.示談書のテンプレートに必要事項を記入する
交通事故の示談書の必要事項をまとめたら、実際に示談書のテンプレートを埋めていきましょう。
それぞれの項目に書く内容とそのポイントを以下にまとめておくので確認しながら進めてください。
| 項目欄 | ポイント |
| 当事者(甲)欄 | 加害者側の氏名や住所を記載する |
| 当事者(乙)欄 | 被害者側の氏名や住所を記載する |
| 事故発生日時欄 | 「令和○年○月○日○時○分」の形式で記載する 交通事故証明書の「発生日時」欄を参考にする |
| 事故発生場所欄 | 「○○交差点」といった形式で記載する 交通事故証明書の「発生場所」欄を参考にする |
| 事故発生状況欄 | 加害者が被害者に何をしてどうなったのかを記載する |
| 示談条項欄 | 損害賠償の金額、支払期限、支払方法などを記載する |
| 示談成立日 | 示談書に署名する日を示談成立日として記載する |
| 署名欄 | 当事者双方が手書きで署名し、押印する |
前述したテンプレートを使用する場合は「○○」と空欄になっている部分に必要事項を記入して完成させましょう。
4.示談書に不備や間違いなどがないかを見直す
示談書を作成したら、内容に不備や間違いがないかを改めて見直しましょう。
特に自分で示談書を作成した場合、以下のような不備・間違いが多く見られます。
- 「甲」と「乙」が逆に書かれている
- 日付の「令和○年」が間違っている
- 損害賠償金額の「0」が1桁足りていない
- 示談書の署名欄が手書きで書かれていない など
不備や間違いがあると、適切な示談金を受け取れなかったり、示談そのものが無効になったりします。
もし不安があるようなら、交通事故問題が得意な弁護士などに相談してチェックを受けるとよいでしょう。
交通事故用の示談書をできる限り簡単に書くための4つのコツ
交通事故の示談書をより簡単に書くには、以下のコツを取り入れるのがおすすめです。
- わかりやすいテンプレートを使用する
- ポイントを箇条書きで書くようにする
- よく使われる文言集・文例を活用する
- パソコンで示談書を作成する
ここでは、交通事故用の示談書をできる限り簡単に書くための4つのコツを紹介します。
1.わかりやすいテンプレートを使用する
インターネットで検索すると、交通事故の示談書のテンプレートは数多く見つかります。
中には専門用語が多くて格式高いものもありますが、おすすめはシンプルでわかりやすいものです。
必要最低限の項目を記入すればよいため、初めての方でも比較的簡単に示談書を作ることができます。
なお、シンプルであることは重要ですが、弁護士が監修していないテンプレートは使用しないようにしましょう。
2.ポイントを箇条書きで書くようにする
示談書の書き方には明確なルールがないため、ある程度は自由に書くことができます。
例えば、交通事故の発生については、以下のいずれでも書くことが可能となっています。
| 一文で全てを説明した例 | 甲は、令和○年○月○日○時○分、自らが自動車を運転し、赤信号であるにもかかわらず○○の交差点を直進したところ、左折しようとした乙運転の車両に衝突し、車両に損害を与えるとともに乙に損害を与えた。 |
| 箇条書きを取り入れた例 | 一、事故発生日時 令和○年○月○日○時○分 二、事故発生場所 ○○の交差点 三、事故発生状況 信号を無視した甲運転の車両が、左折しようとした乙運転の車両に接触し、車両に損害を与えるとともに乙に損害を与えた。 |
いずれも同じ交通事故の説明ではありますが、箇条書きを取り入れた文章のほうがわかりやすいです。
特に交通事故の内容が複雑な場合は書くのが難しくなるため、上手に箇条書きを取り入れることをおすすめします。
3.よく使われる文言集・文例を活用する
示談書の記載内容は示談結果や交通事故によって異なるため、状況に応じて文面を変える必要があります。
以下に、交通事故の示談書でよく使われる文言集と文例をまとめておくので、必要なものを使いましょう。
| 一括で支払いを求める場合 | 甲は乙に対し、○○円を一括して令和○年○月○日までに、乙が指定する銀行口座に振り込むものとする |
| 分割で支払いを求める場合 | 甲は乙に対し、○○円を支払うこととし、これを令和○年○月○日から令和○年○月○日まで合計○回にわたり、毎月○日に○○円ずつ、乙が指定する銀行口座に振り込むものとする。 |
| 第三者への口外を禁止する場合 | 甲及び乙は、本示談書の有無及び内容について、理由の如何を問わず、第三者に対して一切口外しないことを約束する。 |
| 加害者の違反行為を防止する場合 | 甲が前項の期限までに金員全額の支払いを怠った場合、甲は乙に対して直ちに違約金○○円を支払うものとする。 |
| 被害者が加害者のことを許す場合 | 甲が前項の期限までに金員全額を支払ったときは、乙は、本件について甲を宥恕し、処罰を望まないものとする。 |
| 双方に債務がないことを認める場合 | 甲及び乙は、本件事故について、示談条項のほかに一切の債権債務がないことを確認する。 |
| 一定の内容について保留にする場合 | 本件事故による後遺障害が生じた場合、別途甲及び乙で協議する。 |
4.パソコンで示談書を作成する
示談書は、手書きでもパソコンでもどちらで作成しても問題ありません。
そのため、より手軽に示談書を作成したいならパソコンを使うほうがよいでしょう。
パソコンであれば、簡単に文面を作ることができますし、間違いが見つかった場合にすぐに修正ができます。
ただし、署名欄については手書きで対応し押印する必要があるため、パソコンで作成する際は注意してください。
交通事故の示談書を確実かつ簡単に作成したいなら弁護士に依頼する
示談書を確実かつ簡単に作成したい場合は、弁護士に依頼することをおすすめします。
交通事故の示談書作成を依頼するメリットには、主に以下のようなことが挙げられます。
- 自分で示談書を作成する必要がなくなる
- 希望に沿った内容の示談書を作成できる
- 示談書が無効になるリスクを下げられる
- 万が一のトラブルにも対応してもらえる など
示談書の作成費用は法律事務所によって異なりますが、一般的な相場は3万円~5万円程度です。
そのため、損害賠償の額が小さい場合に依頼すると、受け取れる金銭が少なくなってしまいます。
損害賠償の額が大きい場合や未払いのリスクが高い場合などは、弁護士への依頼を検討するとよいでしょう。
さいごに|交通事故の示談書を簡単に書くためのチェックポイント!
交通事故では、場合によっては当事者本人が示談書を作成する必要があります。
その際、以下のポイントを取り入れることで簡単に示談書を作れるようになるでしょう。
- 本記事のガイドに従い示談書の作成を進める
- シンプルでわかりやすいテンプレートを使う
- 箇条書きを用いて理解しやすいように書く
- 示談書でよく使われる文例集や文言を見る
- パソコンで必要事項を記載するようにする
これまで示談書を作成したことがなくても、テンプレートを活用することで作成することができます。
本記事で紹介したテンプレートを活用して、できる限り手軽かつ適切な示談書を作れるようになりましょう。
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