累計相談数
15
万件超
累計サイト訪問数
4,325
万件超
※2026年08月時点
ベンナビ交通事故 > 交通事故コラム > 交通事故後の対応 > 自転車事故で車と衝突!パターン別の過失割合や事故後の対処法を解説
キーワードからコラムを探す
更新日:

自転車事故で車と衝突!パターン別の過失割合や事故後の対処法を解説

自転車事故で車と衝突!パターン別の過失割合や事故後の対処法を解説

車と自転車の事故では、基本的に車側の過失割合が大きくなる傾向があります。ただし、最終的な過失割合や賠償金額は事故の状況によって大きく変わるため、自分の事故に当てはまるパターンの把握が重要です。

保険会社から提示された過失割合や示談金をそのまま受け入れると、本来受け取れるはずの賠償金を大幅に下回るケースも少なくありません。正しい知識を学んで示談交渉に臨みましょう。

本記事では、自転車と車の事故における過失割合をケース別に紹介。請求できる損害賠償の種類や慰謝料の相場、事故後の対処手順も順に解説します。

今すぐ無料相談・電話相談OKの弁護士が見つかる!
ベンナビ交通事故で
自転車事故が得意な弁護士を探す

この記事の監修者

かがりび綜合法律事務所

代表弁護士 野条 健人 (大阪弁護士会)

かがりび綜合法律事務所は、お一人おひとりの悩みに最後まで寄り添いながら問題解決に取り組んでおります。お気軽にご相談ください。
目次

自転車と車の事故における過失割合の傾向

自転車と車(四輪車)の事故では、車側の過失割合が大きくなりやすい傾向があります。

過失割合=交通事故における当事者それぞれの責任の割合を数値化したもの

道路交通法において自転車は軽車両に分類されますが、交通弱者として保護される対象です。強大な衝撃を与えうる車側に、より重い注意義務が課されます。

具体的な過失割合の傾向を解説します。

自転車の過失割合は車に比べて低くなりやすい

自転車と車の事故では、同じ事故形態であっても、車同士の事故に比べて自転車の過失割合が10%〜20%程度低く設定されます。

前提として、道路交通法上は自動車も自転車も車両です。自動車の運転者がさまざまな交通ルールを守らなければいけないのと同じように、自転車の運転者にも道路交通法に規定されている諸規制が適用されます。

しかし自転車は車に比べ、車体が小さいうえにスピードも出ず安定性もありません。さらに運転者は生身に近い状態で走行しています。事故時のけがの危険性が高く、交通弱者として保護される点も、過失割合が低く抑えられる法的な理由です。

自転車の過失割合がゼロになることはほとんどない

自転車が被害者となる事故であっても、過失割合がゼロ(10:0)になるケースはほとんどありません。

自転車も軽車両として道路交通法を遵守する義務があります。交差点での安全確認や左側通行などの義務を怠れば、責任が問われます。

また実際の事故では、自転車側にも「原則、車道を通行する」「飲酒運転禁止」といったといった交通ルールが守られていない場合が少なくありません。法令違反がみられるケースでは、当然ながら自転車側にも相応の過失割合が加算されます。

【パターン別】自転車と車の事故における基本過失割合

自転車と車の事故における基本過失割合は、事故が発生した場所や双方の進行方向など、客観的なパターンごとに細かく定められています。

保険会社が過失割合を決定する際、まずこの基本パターンに当てはめて交渉を開始するのが一般的です。基本過失割合を把握しておけば、相手方保険会社から提示された割合が妥当かどうかを自分で判断できます。

以下の各パターンを自身の事故状況と照らし合わせてみてください。

交差点での直進車同士の事故

交差点内での直進車同士の衝突は、出会い頭事故の典型です。進入時のルール違反の有無が過失割合を決定します。

交差点進入時の双方の速度(徐行していたか否か)も、過失割合の微調整に影響を与える重要な要素です。

信号機のある交差点の場合

信号機がある交差点では、衝突時に「どちらが何色の信号で進入したか」が過失割合の基準です。

自転車側の信号 自動車側の信号 過失割合(自転車:自動車)
赤信号 青信号 80:20
赤信号 黄信号 60:40
赤信号 赤信号 30:70
青信号 赤信号 0:100
黄信号 赤信号 10:90

自転車が青信号で直進していれば正当性が全面的に認められ、車の過失は100%です。一方、自転車が赤信号を無視した場合、交通弱者であっても極めて重い過失とされ、自転車側が80%の責任を負います。

なお、双方が黄信号や赤信号で進入した場合など、信号の変わり目が絡む複雑なケースでは、過失割合がさらに個別の事情によって修正されます。

信号機のない交差点の場合

自転車(直進)と自動車(直進)が信号機のない交差点で交通事故を起こしたときの基本過失割合は以下のとおりです。

条件 事故の状況 過失割合(自転車:自動車)
道幅 自転車と自動車の道幅が同程度 20:80
自転車側の道幅が広い 10:90
自動車側の道幅が広い 30:70
一時停止規制 自転車側に一時停止規制 40:60
自動車側に一時停止規制 10:90
優先道路 自転車側が優先道路 10:90
自動車側が優先道路 50:50
一方通行 自転車側が一方通行(自動車が違反) 10:90
自動車側が一方通行(自転車が違反) 50:50

信号機のない交差点での出会い頭事故は、道路の幅員差(道幅の広さ)や一時停止標識の有無などによって基本過失割合が定まります。

たとえば車側に一時停止義務があるにもかかわらず無視した場合、車の過失は90%です。一方、自転車側の道路に一時停止義務がある場合は、自転車であっても義務違反が重く扱われます。

信号のない交差点での右折車と直進自転車の事故

直進車優先の原則があるため、対向から直進してくる自転車と右折しようとした車が衝突した場合(右直事故)、右折車側の過失割合が非常に大きくなります。

基本過失割合は「直進自転車10:右折車90」です。右折車側の前方不注意や直進妨害が重く評価されます。

事故の状況 過失割合(自転車:自動車)
自転車が直進・自動車が右折 10:90

ただし、車側がすでに右折を完了しかけていた場合や、自転車が無灯火で直進してきた場合など状況に応じて割合が修正されます。右折車側の「自転車は遅いから先に曲がれるだろう」という無謀な判断が事故原因になりやすい点も、この事故形態の特徴です。

横断歩道を横断中の自転車と右左折で進入してきた車の事故

横断歩道を青信号で横断中の自転車と、右折または左折で進入してきた車が衝突した場合、基本過失割合は以下のとおりです。

事故の状況 過失割合(自転車:自動車)
自転車が青信号・車が右折で進入 10:90
自転車が青信号・車が左折で進入 10:90
自転車が赤信号・車が右折で進入 60:40

道路交通法第36条第4項および第38条により、右左折する車は横断歩道を通行する自転車の妨害を禁止されており、安全な速度と方法で通行しなければなりません。右左折車が横断中の自転車を見落とした場合、車側の過失割合は90%です。

右折と左折で基本過失割合に大きな差はありませんが、左折車の場合は右折車より車側の過失がわずかに低く評価されるケースもあります。

また、自転車が赤信号で横断していた場合は、交通弱者であっても信号無視は重い過失とされ、自転車側の割合が大きく引き上げられます。

直進する自転車と左折する車の事故

自転車が直進していたところ、左折する自動車に巻き込まれた場合の基本過失割合は以下のとおりです。

事故の状況 過失割合(自転車:自動車)
自動車が自転車に先行して左折 10:90
自動車が自転車を追い越して左折 0:100

自転車よりも前方を走行していた自動車が左折をするタイミングで巻き込み事故が起きたパターンでは、過失割合は「直進自転車10:左折車90」です。

自動車側が後方確認を怠ったという不注意があると同時に、自転車側にも前方不注視や自動車の左折指示器の見落としなどの過失が存在します。

対して、自動車が自転車を追い越して左折した際に接触したパターンの場合、自転車側の過失割合は0です。急に追い越されて目の前で左折をされた自転車側には交通事故の回避可能性がないと考えられます。

進路変更にともなう事故

車または自転車が走行中に進路変更(車線変更)をおこない、後方から直進してきた他方と衝突した場合の基本過失割合は以下のとおりです。

事故の状況 過失割合(自転車:自動車)
自転車が進路変更(障害物あり) 10:90
自転車が進路変更(障害物なし) 20:80
自動車が進路変更 10:90

車が進路変更した場合は、後方の安全確認義務を怠ったことへの責任が大半を占めます。

進路変更をしたのが自転車側の場合、自転車の前方に障害物があったかどうかで基本過失割合が変わります。前方に障害物がない状態で進路変更をしたケースでは、自転車側の基本過失割合は20%です。

対して、前方の障害物を避けるために進路変更をせざるを得ない状況なら、自転車側の基本過失割合は10%に引き下げられます。

直進する自転車と駐車場に出入りする車の事故

ガソリンスタンドや商業施設の駐車場などに出入りする自動車と、直進自転車が衝突した場合、過失割合は「自転車10:車90」です。

事故の状況 過失割合(自転車:自動車)
自転車が直進・自動車が出入り 10:90

道路と駐車場を出入りして交通の流れを途切れさせる自動車側には、より大きな注意義務が問われます。

自転車側に10%の過失割合が認められるのは、前方をしっかりと確認していれば、駐車場から出入りしようとする自動車を認識して交通事故を回避できたと考えられるためです。

なお、車には歩道手前での一時停止義務があります。一時停止を怠った場合は、車側の責任がさらに重くなります。

車のドアを開けたときの事故

停車中または駐車中の車の運転手や同乗者が、後方の安全確認をせずにドアを開け、走ってきた自転車が衝突した場合、基本過失割合は「自転車10:車90」です。

事故の状況 過失割合(自転車:自動車)
自転車が直進・自動車がドアを開ける 10:90

突然開いたドアを自転車側が避けることは極めて困難です。道路交通法第71条により、車の乗降時にはほかの交通の妨害を避けるため安全を確認し、必要な措置を講じる義務があります。

ただし、自転車側にスマートフォンを見ながらの運転など、著しい前方不注意があった場合は、自転車側の過失割合が加算される可能性があります。

自転車と車の事故における過失割合の修正要素

基本過失割合は、事故当時の状況(時間帯、年齢、速度違反、過失行為など)といった修正要素によって、最終的な割合が5〜20%の範囲で加算・減算されます。

保険会社は初期交渉において、被害者側に不利な基本割合のみを提示してくる場合があるため、修正要素を正しく反映させるのが極めて重要です。

自転車と車の事故における、主な修正要素をみていきましょう。

自転車側の過失割合が大きくなるケース

自転車側が基本的な道路交通法を守らず、危険な運転をしていた場合、過失割合が自転車側に不利に修正されます。代表的な過失加算要素(著しい過失)は以下のとおりです。

  • ︎自転車側の酒気帯び運転
  • ︎夜間などで無灯火での運転
  • ︎スマートフォンを見ながらの運転
  • ︎二人乗りやほかの自転車と並走しての運転
  • ︎傘をさすなどしながら片手で運転
  • ︎脇見運転 など

事故時に自転車側がこれらをおこなっていた場合、たとえ被害者であっても受け取れる賠償金が大幅に減額されるリスクがあります。

自動車側の過失割合が大きくなるケース

自動車の運転手側に著しい不注意や交通ルール違反があった場合、車側の過失割合がさらに厳しく加算されます。著しい過失に該当する行為は以下のとおりです。

  • 時速15km以上の速度超過
  • スマートフォン・携帯電話を操作しながらの脇見運転
  • ウインカーの不履行または著しい遅れ
  • ︎大型の自動車と自転車の事故だった
  • ︎酒気帯びなど自動車側に重過失があった 
  • ︎自転車を運転していたのが幼児、児童、高齢者、身体障害者
  • ︎住宅街など道路幅が狭い場所を走行していた など

重過失に該当する行為(重度の速度超過・酒酔い運転・過労運転・無免許運転など)は、車側の責任を圧倒的に重くする要素です。

また、事故現場が通学路や住宅街であった場合、または被害者が子どもや高齢者であった場合も過失割合が加算されます。

自転車事故で被害者が請求できる損害賠償と示談金とは?

事故によって生じた肉体的・精神的・金銭的な全ての損害について、被害者は相手方の保険会社に対して損害賠償(示談金)を請求できます。

示談金とは、加害者が支払うべき損害賠償金を、裁判を経ずに当事者間の合意によって支払われる解決金の総称です。請求できる項目は多岐にわたり、けがに対する人身損害と、自転車や車の破損に対する物損損害に大別されます。

相手方の任意保険会社から示談提示を受ける前に、どのような損害項目がいくら請求できるのかを把握しておきましょう。

請求できる損害賠償の種類

被害者が請求できる主な損害賠償項目は主に4種類です。

  • 積極損害:交通事故によって被害者が実際に負担した損害
  • 消極損害:休んで失った給与などの、本来得られるはずの利益
  • 慰謝料:精神的苦痛に対する賠償
  • 物損:修理費用などものに対する損害
種類 項目 内容
積極損害 治療費 治療にかかる費用
通院交通費 治療のための通院にかかる費用
入院雑費 入院に伴い発生する雑費
介護費用 事故により必要となった介護のための費用
葬儀費用 死亡事故の場合に発生した葬儀費用
弁護士費用 事故解決を弁護士に依頼したことによる費用
消極損害 休業損害 事故による通院で失った給料や有給(専業主婦も請求可能)
後遺障害逸失利益 障害が残ったことで将来減少する収入
死亡逸失利益 死亡により失われた将来の収入
慰謝料 入通院慰謝料 入院・通院によって生じた精神的苦痛への賠償
後遺障害慰謝料 障害が残ったことによる精神的苦痛への賠償
死亡慰謝料 被害者本人と遺族が受けた精神的苦痛への賠償
物損 自転車の修理費用(または時価額) 事故で損傷した自転車の修理・買い替え費用
携行品の損害 破損した衣服・カバン・ヘルメット・スマートフォンの時価補償

事故によって家族が死亡した場合は、遺族固有の慰謝料や、将来得られるはずだった死亡逸失利益も請求対象です。

損害賠償を算出する際の3つの基準

交通事故の慰謝料などを算出する基準には、自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準(裁判基準)の3つが存在します。どの基準を用いるかで金額に数倍の差が生じます。

種類 内容 基準
自賠責基準 法律で定められた最低限度の補償基準 最も低額(傷害の上限は120万円)
任意保険基準 各保険会社が独自に定めた内部基準 自賠責基準より少し高額
弁護士基準(裁判基準) 過去の判例に基づく最も高い基準で、弁護士が交渉に用いる 最も高額

自賠責基準は傷害補償の上限が120万円で、3つの中で一番低額です。任意保険基準は自賠責基準より少し高い程度で、被害者にとっては不利な金額提示であることが多いのが実態です。

弁護士基準は最も高額な基準。正当な賠償を獲得するためには、弁護士に依頼し、弁護士基準で交渉を進めてもらいましょう。

慰謝料・示談金の相場

自転車事故で被害者が受け取れる慰謝料・示談金の相場は、けがの程度や入通院期間、後遺症の有無によって大きく異なります。入通院慰謝料の目安は以下のとおりです(弁護士基準)。

けがの程度 通院期間 慰謝料の目安
軽傷(打撲・むちうちなど) 1ヵ月 19万円
3ヵ月 53万円
重傷(骨折など) 1ヵ月 28万円
3ヵ月 73万円

後遺障害が残った場合は、等級に応じて110万円〜2,800万円の後遺障害慰謝料が別途請求できます。死亡事故の場合は、2,000万円〜2,800万円が死亡慰謝料の目安です。

示談金は慰謝料に加え、治療費・休業損害・通院交通費・逸失利益なども合算した金額になるため、慰謝料単体よりも高額になります。

保険会社が最初に提示する金額は任意保険基準による低い金額である場合が多く、弁護士に交渉を依頼すると増額できるケースが少なくありません。

過失相殺による最終的な損害賠償額の決定方法

最終的な受取額は、算出した損害総額から自分自身の過失割合分の金額を引き算(相殺)した額になります。具体的な計算例は次のとおりです。

【例】
治療費:150万円(加害者側の保険会社が病院へ直接支払い済み)
慰謝料:50万円
過失割合:被害者(自転車):加害者(自動車)=10:90
 
【計算】
全ての損害を合計する:150万円+50万円=200万円
加害者側の過失割合をかける:200万円×90%=180万円
支払い済みの治療費を引く:180万円-150万円=30万円

保険会社から支払われる賠償額=30万円

不当に過失割合が高く設定されると、手元に残る示談金が大きく目減りします。過失割合の合意は慎重におこない、金額に納得できない場合には早急に弁護士に相談してください。

自転車と車の事故を起こした場合の対処手順

自転車と車の事故が起きたら、パニックにならず、6つの正しい手順を順番に踏むことが重要です。初動の対応を誤ると、けがの治療費がもらえなくなったり、不利な過失割合になったりする可能性があります。

対処手順を事前に理解し、万が一の事故の際に慌てず実践できるよう備えておきましょう。

1.当事者双方の安全を確保する

事故が発生した直後は、二次災害を防ぐために、直ちに車両や自転車を安全な場所へ移動させ、周囲の安全を確保しなければなりません。

道路上に自転車や車が放置されたままだと、後続車による追突など二次被害を引き起こす極めて危険な状態となります。

けが人がいる場合は安全を確保したうえで、むやみに動かさず、周囲に助けを求めたり応急処置をおこなったりしましょう。

2.警察に通報する

人身事故・物損事故に関わらず、交通事故が起きたらその場で直ちに警察(110番)へ通報しなければなりません。警察への通報は道路交通法第72条に定められた「報告義務」です。怠ると、当て逃げとして刑事罰の対象になります。

また、警察に届け出をしないと、保険金の請求に不可欠な交通事故証明書が発行されず、一切の保険対応が受けられません。

相手が「警察は呼ばずに穏便に済ませよう」と提案してきても、拒否して110番通報をおこなうのが鉄則です。

3.連絡先を交換し、事故状況を記録する

相手方の身元情報を正確に確認・記録するとともに、事故現場の状況をその場で客観的な証拠として保存しておきます。確認すべき情報は以下のとおりです。

  • 相手の運転免許証・氏名・住所・連絡先(携帯電話番号)
  • 車のナンバープレート
  • 加入している自賠責・任意保険会社名と証券番号

事故直後の衝突位置、自転車と車の破損状態、路面のブレーキ痕、周囲の標識や見通しなどをスマートフォンのカメラで多角的に撮影しておきましょう。

現場周辺に目撃者がいる場合は、有益な証拠となるため、連絡先を聞いておくのがおすすめです。

4.保険会社に連絡する

事故の発生後は、速やかに自身が加入している保険会社(自動車保険、自転車保険、個人賠償責任保険など)に事故報告をおこないます。

自分が被害者の立場であっても、相手の車のキズなどに対して賠償請求されるリスクがあるため、自分の保険会社を介入させることが重要です。保険会社への事故受付が遅れると、必要な保険金の支払いや特約の利用に制限がかかる可能性があります。

また、自分の保険に弁護士費用特約が付帯しているかも確認しましょう。弁護士費用特約は、弁護士に依頼する際にかかる費用を保険会社が負担してくれる仕組みです。上限は一般的に300万円で、多くのケースでは自己負担ゼロで弁護士に依頼できます。

5.病院で診察を受ける

事故現場で「痛くない」「けがをしていない」と感じても、必ず当日中または翌日までに整形外科などの病院を受診し、医師の診察を受けてください。

事故直後は極度の興奮により痛みを感じにくく、数日後にむちうち症や骨折の痛みが現れるケースが珍しくありません。

最初に医師のいる病院(整形外科)でレントゲンやMRI検査を受け、診断書を発行してもらうことが重要です。整骨院や接骨院への通院は、医師の指示を受けたうえで検討してください。

なお受診が事故から1週間以上遅れると、けがと事故との因果関係が疑われ、保険会社から治療費の支払いを拒否されるリスクがあります。できるだけ早い段階で受診しましょう。

6.治療終了後に示談交渉を進める

けがが完全に治ったら、相手方保険会社との示談交渉をスタートさせます。

治療の途中で示談をすると、あとから痛みが出ても治療費の追加請求は一切できません。治療費・休業損害・慰謝料など全ての損害額が確定し、過失割合に合意したうえで免責証書(示談書)に署名・捺印しましょう。

なお、症状固定後(これ以上治療しても良くならない状態)に、今後の生活に支障をきたす後遺症が残った場合には、後遺障害等級認定の手続きを進めてください。手続きには医師の診断書などが必要なので、早急に依頼しましょう。

後遺障害等級が認められれば、高額な後遺症慰謝料も受け取れます。認定が下りてから示談交渉を進めなくてはいけません。

自転車と車の事故を起こした場合の注意点

交通事故の処理や保険会社との交渉においては、法律・医療の知識不足につけ込まれて損をしないよう、必ず押さえておくべき注意点があります。

相手方保険会社はあくまで加害者側の代理人であり、自社の支払い額を低く抑えるプロです。現場での不用意な合意や警察手続の省略が、後に数十万円から数百万円規模の不利益を招きかねません。

以下の注意点を守ると、被害者としての正当な権利を確保できます。

その場で示談を成立させない

事故現場で加害者と口約束をして解決したり、「お金を払うから警察を呼ばずに済ませよう」という提案に同意して示談を成立させてはいけません。

その場で示談(口約束でも法律上有効)をすると、あとから症状が出て何十万円もの医療費が必要になっても、追加請求できなくなります。

相手が警察を呼びたがらない理由は、無免許運転・飲酒運転・違反点数の加算などを恐れているためであり、こちらにメリットは一切ありません。

原則として示談交渉は、けがの完治や後遺障害の認定が完了し全ての損害が確定してから開始します。

保険会社の提案を鵜呑みにしない

相手方の任意保険会社が提示してくる過失割合や示談金の提示額を、最初から正しいものだと信じて鵜呑みにしてはいけません。

保険会社が提示する過失割合には、自転車側に有利な修正要素(車側の著しい前方不注意など)が最初から省かれているケースが多くあります。

提示された示談額は、任意保険基準と呼ばれる自社規定に基づいた低い金額で、本来もらえるべき弁護士基準に比べて大幅に安いのが一般的です。

示談書(免責証書)にサインする前に、必ず交通事故に詳しい弁護士などの専門家に内容を精査してもらいましょう。

軽い接触事故でも、けがをしていれば人身事故として警察に届け出る

車との接触がごく軽微で、かすり傷や軽い打撲程度に見えたとしても、けがが生じている場合は必ず「人身事故」として警察に届け出てください。

物損事故のまま処理を放置すると、あとから症状が重篤化して通院を余儀なくされても、慰謝料や休業損害などの支払いを受けられなくなります。

また、物損事故では警察が「実況見分調書(事故状況の正確な記録)」を作成しないため、過失割合で揉めたときに有力な証拠が残らない点もデメリットです。

少しでもけがをしている場合は、人身事故として届け出るのをおすすめします。

あとからけがが発覚したら人身事故へ切り替える

物損事故として届出をしても、あとからけがが発覚した場合には、できるだけ早いタイミングで人身事故への切り替え手続きを進めましょう。自賠責保険や任意保険から治療費や入通院慰謝料を受け取れる法的権利が保障されます。

切り替えの手順は以下のとおりです。

  1. 病院(整形外科)を受診して「交通事故による負傷」を証明する診断書を発行してもらう
  2. 事前に警察署の担当者に連絡し、診断書を持参して手続きをおこなう

事故から時間が経ちすぎると(目安として10日〜2週間以上)、事故とけがの因果関係が立証困難になり、警察が切り替えを受理しないリスクがあります。痛みが出たら迅速に受診して手続きをおこないましょう。

相手が無保険の場合はトラブルになりやすい

相手方の車の運転手が任意保険に入っておらず、強制加入の自賠責保険しか使えない、あるいは完全に無保険である場合は、損害賠償の回収が極めて難しくなります。

自賠責保険の上限額は、傷害に対して最大120万円です。物損(自転車の修理代)や120万円を超える高額な医療費・休業損害は一切支払われません。

自賠責保険では補いきれない損害は、加害者本人と直接交渉して請求します。保険会社という後ろ盾がないため交渉が難航しやすく、トラブルに発展するケースも少なくありません。

また本人に預貯金や支払い能力がない場合、支払いが滞って回収できないリスクが極めて高くなります。相手が無保険の場合は交渉や回収が複雑になるため、早めに交通事故に強い弁護士に相談しましょう。

車との自転車事故を弁護士に依頼するメリット3つ

自転車と車の事故は、過失割合や損害額の算定に法的な争点が多いのが特徴です。個人で大手の保険会社を相手に交渉を進めるのは圧倒的に不利であり、専門知識の差で泣き寝入りさせられるケースが多くあります。

早い段階で弁護士に依頼すると、賠償額の増額と精神的負担の軽減を同時に実現できます。

具体的なメリットを3つ紹介します。

過失割合を適切に修正できる

保険会社が不当に高く提示してきた過失割合に対し、弁護士は過去の裁判例や事故状況の証拠を詳細に分析し、過失割合を有利に修正できます。

具体的には、事故当時のドライブレコーダー映像や警察が作成した実況見分調書を取り寄せて精査し、相手の著しい過失(スピード違反、脇見など)を立証します。

過失割合が10%下がるだけでも、受け取れる金額が数十万〜数百万円規模で変動するため、依頼のメリットは大きいです。

慰謝料の算定基準が弁護士基準で増額する

弁護士が介入すると、入通院慰謝料などの算定基準が最も高額な弁護士基準(裁判基準)へと移行し、慰謝料額が2〜3倍に増額するケースが多くあります。

保険会社は、被害者が弁護士を立てない限り、自社規定(任意保険基準)の低い金額しか提示しません。

基準 慰謝料の水準
自賠責基準 最も低い(法的最低限)
任意保険基準 自賠責基準より少し高い程度
弁護士基準(裁判基準) 最も高い(2〜3倍の差も)

後遺障害が残ってしまった場合の後遺障害慰謝料や逸失利益の算定においても、弁護士基準の適用は不可欠です。

保険会社とのやり取りを全て任せられる

弁護士に依頼した瞬間から、相手方保険会社との窓口が弁護士に一本化され、当事者には連絡が来なくなります。法的な交渉の全てを代理人である弁護士に委ねられ、妥協のない交渉が進むのがメリットです。

また、平日の昼間に仕事をしている最中に、保険会社からの度重なる電話応対や高圧的な態度での交渉を迫られるストレスを完全に排除できます。けがの治療やリハビリ、日常生活の回復に専念できる環境も整うでしょう。

事故後の精神的なストレスから解放される点も、大きな利点といえます。

車との自転車事故で困ったら「ベンナビ交通事故」

自転車と車の交通事故による複雑なトラブルや不当な過失割合に直面したら、ポータルサイト「ベンナビ交通事故」の活用が有効です。

ベンナビ交通事故は、交通事故問題に注力している全国の弁護士を、地域や相談内容から簡単に検索できるサービスです。初回相談無料・休日相談可能などの条件での絞り込みも可能で、最適な弁護士を効率よく探せます。

多くの登録弁護士が無料相談を受け付けており、電話・メール・LINEで24時間問い合わせできる事務所も多数掲載されています。まずは自分の事故状況の見通しをプロの視点から確認することから始めてみてください。

今すぐ無料相談・電話相談OKの弁護士が見つかる!
ベンナビ交通事故で
自転車事故が得意な弁護士を探す

車との自転車事故に関するよくある質問

自転車と車の事故において、当事者や家族から特によく寄せられる代表的な質問に回答します。個別具体的な事情によって最適な対応は異なるため、詳しくは弁護士への相談をおすすめします。

自転車の事故でも車の保険(自賠責や任意保険)は使える?

使えます。車が加害者である事故の場合、被害者である自転車乗員は、車側が加入している自賠責保険および任意保険に対して治療費や慰謝料を請求できます。

車側の自賠責保険は、自転車側のけが(人身損害)に対して最大120万円まで補償します。120万円を超える治療費や自転車の修理代金などの物損は、車側の任意保険がカバーします。

また、被害者自身(自転車運転者側)が人身傷害保険などに加入している場合、自分の保険から補償を受けられる特約があります。加入している保険の内容を確認してみてください。

事故後に車にキズがついたと後から請求されたら?

事故直後の現場で指摘されなかったキズを後から請求された場合、そのキズが今回の事故で発生したものかどうかを慎重に見極める必要があります。

まずは相手方の任意保険会社を通じて、事故の写真・破損部分の調査報告書(アジャスターの報告書)の提出を求めましょう。事故の衝突時の衝撃の大きさと、自転車が接触した位置・キズのある部位が物理的に一致するかどうかの技術的な検証も重要です。

無関係な以前からのキズの修理代まで押し付けられるリスクを防ぐため、安易に支払いを約束せず、自分の保険会社や弁護士に間に入ってもらいましょう。

自転車と車がぶつかったらどっちが悪い?

自転車と車がぶつかった場合、基本的には車側が悪いとして、過失割合が大きくなる傾向があります。

道路交通法上、自転車は軽車両に分類されるものの、交通弱者として保護される立場です。より大きな破壊力をもつ車側に重い注意義務が課されます。

ただし、車側の過失が100%になるケースは極めて限定的です。自転車側にも道路交通法を遵守する義務があり、無灯火走行や信号無視、右側通行(逆走)などの違反があれば、自転車側の過失割合が加算されます。

自転車が車にぶつかってきた場合の過失割合はどうなる?

自転車が車にぶつかってきた場合でも、過失割合は事故のパターンに応じて判断されます。自転車がぶつかってきたからといって、自動的に自転車側の過失が100%になるわけではありません。

たとえば、信号のない同幅員の交差点で出会い頭に衝突した場合の基本過失割合は「自転車20:車80」です。交通弱者である自転車を保護する観点から、車側にも一定の注意義務が課されます。

ただし、自転車側に著しい過失(信号無視・逆走・スマートフォン操作など)があった場合は、自転車側の過失割合が大きく引き上げられます。

自転車の飛び出しのように自転車の動きが予測困難だったケースでも、車側の過失が完全にゼロになることは少ないため、保険会社との交渉では慎重な対応が必要です。

警察が来る前に自転車が逃げたらどうすればいい?

相手の自転車が警察到着前に立ち去った場合、無理に追いかけず、その場で直ちに110番へ通報してください。

通報の際には、逃走した方向・自転車の色や形状・相手の服装や特徴など、覚えている情報をできる限り詳しく伝えます。近隣の防犯カメラやドライブレコーダーの映像も加害者特定の有力な証拠です。

自転車にはナンバープレートがないため、加害者の特定が難しいケースもあります。加害者が判明しない場合は、政府保障事業(自動車損害賠償保障法に基づく国の補償制度)を利用できる可能性があります。

いずれの場合も、警察への届け出をおこなわないと交通事故証明書が発行されず、補償を受けられなくなるため、必ず通報することが重要です。

さいごに|自転車と車の事故を起こしたときは弁護士に相談を!

自転車と車の事故では、基本的に車側の過失割合が大きくなるものの、最終的な割合は事故のパターンや修正要素によって変わります。

保険会社が最初に提示する過失割合や示談金は、被害者に不利な内容になっているケースが少なくありません。しかし、慰謝料を弁護士基準で算定すると、任意保険基準の2〜3倍になるケースもあります。

過失割合の修正や弁護士基準での交渉を進めるには、早い段階で交通事故に強い弁護士に相談するのがおすすめです。

「ベンナビ交通事故」では、交通事故問題に注力する全国の弁護士を効率的に探せます。初回無料相談を活用して、一人で抱え込まずにプロに相談してみてください。

今すぐ無料相談・電話相談OKの弁護士が見つかる!
ベンナビ交通事故で
自転車事故が得意な弁護士を探す
この記事をシェアする

弁護士に相談するかお悩みの方へ

下のボタンからあなた当てはまるものを選んで悩みを解消しましょう。

弁護士が必要か分からない方
保険会社に相談
弁護士に相談
自力で解決

弁護士に相談する以外にも様々な方法があります。
あなたは弁護士に相談すべきかを診断してみましょう。

\ 最短10秒で完了 /

弁護士の必要性を診断する 無料
弁護士の費用が心配な方

弁護士費用特約があれば 実質0円で依頼できます!

多くの保険会社では、被害者1名につき最大300万円までの弁護士費用を負担してくれます。特約があるか分からない方でも、お気軽にご相談ください。弁護士と一緒にご確認した上で依頼の有無を決めて頂けます。

特約を利用して弁護士に相談する
弁護士の選び方が分からない方

交通事故問題を依頼する弁護士の選び方にはポイントがあります。

  • 過去の解決事例を確認する
  • 料金体系が明確である弁護士を選ぶ
  • 交通事故問題が得意な弁護士から選ぶ

等です。

詳しくは以下の記事を読んで、正しい弁護士の選び方を理解した上で弁護士に相談しましょう。

弁護士の選び方について詳しくみる
東京
神奈川
福岡
大阪
京都
愛知
弁護士法人長瀬総合法律事務所 東京支所

交通事故案件に力を入れている法律事務所です。むちうち等の後遺障害申請から高次脳機能障害まで、さまざまな事案を解決した実績があります。ご予約制で初回相談は無料、全国対応、物損事故にも対応、弁護士特約も利用可能です。交通事故に関するお悩みは、当事務所にお任せください!

事務所詳細を見る
弁護士 佐藤 光伸(弁護士法人ラピス法律事務所)

【1万件以上の実績◎】保険会社からの慰謝料・治療費や後遺障害認定に納得がいかないなどのお悩みに寄り添います!医療知識に知見あり!保険会社との交渉はお任せください<全国対応>【夜間・休日の相談◎】

事務所詳細を見る
アトム法律事務所 新宿支部

【相談料&着手金0円】365日対応|9,683件の解決実績で交通事故被害に遭われた方のあらゆるお悩みに対応「治療の打ち切りを伝えられた」「示談金の提示額に納得できない」といった方はすぐにご相談を。<詳しい内容はコチラ>※解決実績は2025年末時点

事務所詳細を見る
東京都の弁護士一覧はこちら

この記事の監修者

かがりび綜合法律事務所

代表弁護士 野条 健人 (大阪弁護士会)

かがりび綜合法律事務所は、お一人おひとりの悩みに最後まで寄り添いながら問題解決に取り組んでおります。お気軽にご相談ください。
編集部

本記事はベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

交通事故後の対応に関する新着コラム

交通事故後の対応に関する人気コラム

交通事故後の対応の関連コラム


交通事故後の対応コラム一覧へ戻る
弁護士の方はこちら
ベンナビ事故のウェブサイト上に表示された、弁護士相談を促すポップアップ。