交通事故で警察に提出する診断書はコピー不可?|提出時の注意点も解説
- 「警察に提出する診断書はコピーでも問題ないのか」
- 「診断書を複数枚取得する手間と費用がもったいない」
交通事故に巻き込まれた場合は、警察に診断書を提出するケースが一般的です。
しかし、診断書を取得する手間や費用が負担に感じられ、できればコピーを提出したいと考えている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、警察に提出する診断書はコピーでも問題ないのかどうかについて解説します。
警察に診断書を提出しないリスク、交通事故の診断書に関して知っておくべきポイント、警察に診断書を提出する際の注意点なども紹介するので参考にしてみてください。
この記事の監修者
佐々木 光嗣 (札幌弁護士会)
警察に提出する診断書はコピー不可!原本を用意する
警察に提出する診断書は、必ず原本を用意してください。
警察は診断書を用いて事故処理をはじめ公的な手続きを進めていくことになるので、コピーはふさわしくありません。
診断書は、その事故で受けたけがの程度を証明するための重要な書類となることを覚えておきましょう。
警察以外の主な診断書の提出先とコピーの可否
ここでは、警察以外の主な診断書の提出先とコピーの可否についてそれぞれ解説していきます。
保険会社|基本的にコピーは認められない
保険会社に提出する診断書は基本的に原本でなければならず、コピーは認められません。
また、保険会社によっては診断書の様式が定められていることもあります。
この場合は、保険会社から様式を取り寄せ、医師に記入してもらう必要があります。
勤め先の会社|会社の規定による
勤め先の会社に提出する診断書について、コピーが認められるかどうかは会社の規定によります。
会社を休む場合や労災申請をおこなう場合に、診断書はけがの程度を証明する重要な書類となるので、担当部署に確認したうえで手配するようにしましょう。
警察に診断書を提出しないリスク
ここでは、警察に診断書を提出しないリスクについて解説していきます。
診断書の手配は面倒に感じられますが、後々のことを考えて早めに提出しておくようにしましょう。
人身事故として処理してもらえなくなる
交通事故が起こった場合で、警察に診断書を提出しておらず、けがの有無や程度も争いとなるときなどは、相手方の保険会社と人身事故の慰謝料額等で大きな争いとなってしまう可能性が考えられます。
また、そもそも、物損事故のみでは、精神的苦痛への補償である慰謝料の請求が基本的に認められません。
仮に、後遺障害が残った場合でも、警察において物損事故として処理される程度の症状だと判断され、適切な補償を受けられないおそれがあります。
示談や裁判で不利になる可能性がある
警察に診断書を提出しなければ、示談や裁判で不利になる可能性も否定できません。
診断書を提出せず、物損事故として扱われた場合は、実況見分調書などの刑事記録が作成されないためです。
実況見分調書には、事故の原因、被害状況、交通状況などの詳しい記録が含まれているため、自らの主張を裏づける重要な証拠となります。
実況見分調書がなければ、相手方と過失割合を前提とする事実関係について主張が食い違った場合に、不利な立場に立たされるおそれがあることを理解しておきましょう。
交通事故の診断書に関して知っておくべきポイント
次に、交通事故の診断書に関して知っておくべきポイントを3つ紹介します。
診断書の発行・提出に伴う手続きをスムーズに進めるためにも、ひとつひとつのポイントをしっかりと押さえておきましょう。
診断書を作成できるのは医師のみ
診断書を作成できるのは医師だけです。
たとえば、整骨院や接骨院の施術者は医師以外の有資格者であるケースがほとんどなので、診断書を作成する権限がありません。
整骨院で発行される「施術証明書」と診断書は混同されがちですが、まったく別物です。
診断書が必要な場合は、必ず整形外科などの医療機関を受診しましょう。
診断書の取得費用は相手方に請求できる
診断書の作成には通常、約3000円~5000円の費用が必要になりますが、治療のために必要な診断書の費用については示談交渉の過程で相手方に請求できます。
そのため、診断書を受け取ったときの領収書は、必ず保管しておくようにしましょう。
診断書の作成には数週間程度かかることがある
診断書の作成には、数週間程度かかることがある点にも注意しておきましょう。
警察に提出する診断書は、主に「けがをしたこと」を証明できれば問題ないので、作成にもそれほど時間はかかりません。
しかし、保険会社に提出する診断書は、症状や治療経過などの詳細な記載が必要になるため、作成に2週間~3週間程度かかることもあります。
そのため、診断書が必要な場合は、余裕をもって作成を依頼するのがおすすめです。
警察に診断書を提出する際の注意点
ここでは、警察に診断書を提出する際の注意点についてそれぞれ解説していきます。
診断書はできるだけ早く警察に提出する
診断書は、できるだけ速やかに警察に提出することが望ましいです。
時間が経過すればするほど、事故と傷害の因果関係が不明確になり、診断書が受理されない可能性が高くなります。
警察に診断書を提出する期限に特段の規定はありませんが、事故発生後10日以内には提出しておいたほうがよいでしょう。
自身の控え用に診断書のコピーをとっておく
医療機関から診断書が発行されたら、自身の控え用にコピーをとっておきましょう。
警察・保険会社・会社に提出する診断書は、原則として原本を提出することになります。
そのため、コピーをとっておかなければ、手元に診断書が残らなくなるので注意してください。
診断書を提出すれば物損事故から人身事故への切替えも可能
診断書を警察に提出することで、すでに物損事故として処理されていた事故でも、診断書を警察に提出して人身事故に変更してもらうことができます。
相手方保険会社が物損事故として扱っている場合は、基本的に慰謝料はもらえません。
そのため、人身事故への切替えにより、「けがを負った」ことを民事上も基礎づけることがき、保険会社としても物損しか生じていないとの反論をしにくくなります。
また、実況見分調書なども作成してもらえないので、示談や裁判において、相手方と主張が食い違う場合は、不利になってしまう可能性も出てきます。
そのため、事故によるけがが事後的に見つかった場合などは、できるだけ人身事故に切り替えるようにしましょう。
人身事故の切替えについても、事故から時間が経過しすぎると、警察が受理してくれない可能性が高くなります。
目安としては、事故日より2週間以内には、人身事故の切替えをおこなうようにしましょう。
一度提出した診断書の取下げは原則認められない
一度提出した診断書は、基本的に取り下げることはできません。
警察は社会全体の治安を維持するために交通事故を処理しているため、一個人の都合を受け入れて、診断書の取下げを認めるわけにはいかないのです。
ただし、けがの程度が軽い場合や警察の捜査が始まる前であれば、診断書の取下げが認められることもあります。
どうしても取下げが必要になる事情が生じたときは、一度弁護士に相談してみるとよいでしょう。
さいごに|交通事故の診断書について不安や疑問があるなら弁護士に相談を!
交通事故の診断書に関して、少しでも不安や疑問がある方はまず弁護士に相談してください。
診断書の取り扱いを誤ると、人身事故として処理してもらえなくなったり、前述のとおり、示談交渉や訴訟に移行した場合に悪影響が生じたりする可能性があります。
そのため、わからないことがある状態で手続きを進めるのはおすすめしません。
その点、弁護士に相談・依頼すれば、不利益を受けないためにやっておくべきことをアドバイスしてもらえます。
場合によっては、診断書の内容から、後遺障害申請が認められる見込みなど、法律面の見通しについて適切に判断してもらうことができます。
弁護士を探す際は、「ベンナビ交通事故」を活用してみてください。
ベンナビ交通事故は、交通事故トラブルの解決が得意な弁護士を紹介するポータルサイトです。
地域や相談内容などの条件を絞り込んで、自身に合った弁護士を効率よく探せます。
交通事故トラブルに関しては無料で相談に応じている弁護士も多いので、まずは勇気を出して問い合わせてみることが大切です。
弁護士に相談するかお悩みの方へ
下のボタンからあなた当てはまるものを選んで悩みを解消しましょう。
弁護士費用特約があれば 実質0円で依頼できます!
多くの保険会社では、被害者1名につき最大300万円までの弁護士費用を負担してくれます。特約があるか分からない方でも、お気軽にご相談ください。弁護士と一緒にご確認した上で依頼の有無を決めて頂けます。
特約を利用して弁護士に相談する交通事故問題を依頼する弁護士の選び方にはポイントがあります。
- 過去の解決事例を確認する
- 料金体系が明確である弁護士を選ぶ
- 交通事故問題が得意な弁護士から選ぶ
等です。
詳しくは以下の記事を読んで、正しい弁護士の選び方を理解した上で弁護士に相談しましょう。
弁護士の選び方について詳しくみる
【田町駅&三田駅好アクセス】【初回相談 60分0円|オンライン相談対応◎】【来所せずご依頼可能】治療中のお悩み/保険会社との交渉など、実績豊富な弁護士が対応いたします ◤弁護士特約対応◢ お気軽にご相談ください【カード決済可】
事務所詳細を見る
【相談料・着手金無料】治療の打ち切りを迫られている/後遺障害認定に納得がいかない/示談交渉をしてほしい等◆交通事故に遭ったらすぐにご相談を◆経験豊富な弁護士が事故発生直後からあなたをサポート致します!
事務所詳細を見る
【賠償金獲得まで費用は0円!|累計解決実績は26,000件以上】顧問ドクターも在籍する数少ない法律事務所です。◆賠償金額・後遺障害・むちうちなど、増額実績多数の当事務所へご相談ください。《諦めるのはまだ早いかもしれません!》
事務所詳細を見る当サイトでは、有料登録弁護士を優先的に表示しています。また、以下の条件も加味して並び順を決定しています。
・検索時に指定された都道府県に所在するかや事件対応を行っている事務所かどうか
・当サイト経由の問合せ量の多寡
この記事の監修者
佐々木 光嗣 (札幌弁護士会)
交通事故後の対応に関する新着コラム
-
この記事では、当て逃げで点数が引かれないケースがあるのかどうかや「点数が引かれていないように見える」理由、後日警察から連絡が来る可能性や今すぐすべき対処について...
-
接触がない「非接触事故」は、過失割合の判断が難しい事故です。非接触事故における過失割合の基本的な考え方、車対歩行者・車対車・車対バイクといった典型的なケース別の...
-
非接触事故で後日警察から連絡が来るかどうかは、一概には言えません。連絡が来る時期も、事故の種類や相手の診断書の提出時期、被害者のけがの程度により異なります。場合...
-
本記事では、示談書の基本的な役割から、テンプレートを使った具体的な書き方・注意点までわかりやすく解説します。
-
本記事では、自転車と自動車間の過失割合がどのように設定されるかや、自転車と自動車間の交通事故が起きたときの対処法・注意点を解説します。
-
非接触事故で転倒がなくても、後で怪我に気づくことがあります。適切な対処法を理解せずに立ち去ると問題になる可能性があるため、本記事では転倒なしの非接触事故における...
-
交通事故トラブルを抱えるなかで、弁護士だけでなく行政書士にも対応してもらえることを知り、主に費用面が気になっている方も多いのではないでしょうか。本記事では、行政...
-
本記事では、レンタカーを運転していて交通事故に遭った場合、相手が100%悪くてもレンタカー会社へお金を支払わなければならない理由やレンタカー会社からお金を請求さ...
-
本記事では、交通事故の被害に遭った方に向けて、被害者が利用できる保険(自賠責保険・任意保険)の種類、加害者の自賠責保険と被害者の任意保険を使用する順番、加害者側...
-
交通事故によるけがで仕事を休む場合、いつ頃復帰するのが適切なのでしょうか?本記事では、交通事故が原因で仕事を休む場合の一般的な休業期間や、休業した場合にもらえる...
交通事故後の対応に関する人気コラム
-
本記事では、当て逃げの罰則や点数、当て逃げ時の適切な対処法についてわかりやすく解説します。
-
物損事故とは、怪我人や死亡者がなく車両などに損害が出たにとどまる交通事故のことです。物損事故では相手方と示談交渉で揉めてしまう可能性もありますので、ポイントをお...
-
交通事故発生後は、警察に連絡・治療(人身事故の場合)・保険会社との交渉と進んでいきます。本記事では、各場面の詳しい対応や、いつ連絡が来るのかなどの期間についても...
-
交通事故が起きて被害者となった場合、「自分は被害者だから、待っているだけで何もする必要はない」と考えているなら、それは大きな間違いだと言えます。
-
交通事故が起きたら、物損事故・人身事故問わず警察へ届け出なければいけません。これは法律で義務付けられており、報告を怠ると法律違反として処罰を受ける可能性もありま...
-
交通事故のうち3割は駐車場で起こっているといわれています。駐車場は私有地になるため、事故が起こったあとの対処が一般道路とは異なる部分があります。本記事では、駐車...
-
本記事では、交通事故にあったらとるべき6つの初期対応と現場でやってはいけないNG行動を解説します。事故後に医療機関を受診すべき重要性や示談交渉の流れ、弁護士に相...
-
接触事故とは、走行中の自動車が車両・物・人などに接触して、損害や傷害が生じた事故のことです。接触事故では「怪我の有無」で賠償金の内容が異なりますので、事故後の流...
-
ひき逃げ事故は、その後の人生を大きく左右する重大な問題です。本記事では、ひき逃げ事故に遭われた被害者の方、そしてひき逃げ事故を起こしてしまった加害者の方が、事故...
-
本記事では、自損事故で警察を呼ばなかった場合のリスク、事故後に取るべき正しい対応、使える自動車保険の種類までをわかりやすく解説します。
交通事故後の対応の関連コラム
-
交通事故の加害者とされる側でも、治療費の全額が必ず自己負担になるとは限りません。 本記事では、交通事故の加害者が治療費などの補償を受けられるケースや、保険会社...
-
追突事故に遭い、示談交渉がスムーズに進まずに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。自力で解決しようとしても、問題の複雑化を招くおそれがあるので、まずは弁護士に...
-
交通事故が起きたら、物損事故・人身事故問わず警察へ届け出なければいけません。これは法律で義務付けられており、報告を怠ると法律違反として処罰を受ける可能性もありま...
-
交通事故の被害に遭ったら病院で診察を受け治療していかなければいけません。この記事では、事故直後に病院を受診すべき理由や通院中にすべき手続きをご紹介します。 ...
-
交通事故トラブルを抱えるなかで、弁護士だけでなく行政書士にも対応してもらえることを知り、主に費用面が気になっている方も多いのではないでしょうか。本記事では、行政...
-
本記事では、交通事故にあったらとるべき6つの初期対応と現場でやってはいけないNG行動を解説します。事故後に医療機関を受診すべき重要性や示談交渉の流れ、弁護士に相...
-
交通事故の被害に遭い、軽傷だと思って病院に行かずに放置していたら、実は脳や内臓に強い衝撃を受けていて後日亡くなってしまった…という最悪のケースもあります。この記...
-
交通事故の相手が外国人でも、通常の交通事故と同様に損害賠償を請求することができます。しっかりと賠償金を受け取るためにも、事故時の対応方法について知っておきましょ...
-
本記事では、交通事故の被害に遭った方に向けて、被害者が利用できる保険(自賠責保険・任意保険)の種類、加害者の自賠責保険と被害者の任意保険を使用する順番、加害者側...
-
交通事故にあうと加害者から見舞金が支払われることがあります。労災の場合は会社から支払われることもありますが、必ず支給されるわけではないため注意が必要です。本記事...
-
交通事故に怪我は付きものです。その際に治療先の治療院はどこを選べばいいのか?治療費は妥当なのか?が気になると思いますので、ご紹介していきます。
-
接触事故とは、走行中の自動車が車両・物・人などに接触して、損害や傷害が生じた事故のことです。接触事故では「怪我の有無」で賠償金の内容が異なりますので、事故後の流...
交通事故後の対応コラム一覧へ戻る




慰謝料・損害賠償
示談
過失割合
死亡事故
後遺障害
むちうち
自転車事故
自動車事故
人身事故
バイク事故