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公開日:2020.7.17  更新日:2020.12.22

自賠責保険で請求限度額を超えて請求するには?

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事

自賠責保険は自動車購入時に加入が義務付けられている強制加入保険で、傷害事故の被害者への損害賠償・慰謝料を補償する役割を担っています。

ただ、請求する慰謝料があまりに高額だと自賠責保険から全額回収できるのかと不安を感じるのではないでしょうか。

この記事では自賠責保険の補償額や損害賠償請求のコツなどを紹介していきますので、交通事故の被害者になり保険会社からどのように補償を受けられるのかを確認したい場合はぜひ参考にしてみて下さい。

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自賠責保険の限度額内なら全額支払われる

自賠責保険には補償の限度額が設けられていて、損害賠償・慰謝料がその限度額内であれば自賠責保険から全額支給されます。(限度額を超える分は加害者の保険会社もしくは加害者本人に請求)

自賠責保険の補償限度額は以下の通りです。

傷害に対する補償の限度額

傷害に対する補償の自賠責保険の限度額は120万円です。傷害損害とは、入通院費用だけでなく入通院に対する慰謝料や休業損害(仕事を休んでいる間の給与の補償)も含まれます。

入院まではいかずに1ヵ月以内の通院で済む程度の負傷なら限度額内に収まるかもしれませんが、被害者が入院をしたり怪我の完治まで仕事を休まざるを得ない状況だと、傷害損害は120万円を超える可能性は高いと言えるでしょう。

後遺障害に対する限度額

事故の後遺症の度合いによって限度額は変動しますが、後遺障害に対する自賠責保険の限度額は75万円~4,000万円です。この金額は障害に対する慰謝料と逸失利益(障害により今後減ってしまう収入の補償)の両方を含めたものです。しかし、後遺障害が残るような被害にあった場合、自賠責保険の限度額だけで損害が全額填補されることは基本的にありません。

死亡事故に対する限度額

死亡事故に対する自賠責保険の限度額は3,000万円です。この金額は死亡慰謝料と逸失利益(生きていたら得られていたはずの利益)の両方が含まれています。死亡事故についても、実際に補填されるべき金額が3,000万円を超えるケースは多々有りますので、当該限度額も最低限の保障という位置づけでしょう。

自賠責保険が支払われる基準

傷害に対する補償のみ適応される

自賠責保険で補償されるのは傷害・死亡事故のみです。自賠責保険は他人の怪我に備えるための保険サービスなので、物損には非対応なのでご注意下さい。物損部分は加害者又は加害者加入の任意保険会社から補償を受ける必要があります。

<自賠責保険で請求できるもの>

治療費

治療に要した、必要かつ妥当な実費

看護料

入院1日4,100円、自宅看護か通院1日2,050円。これ以上の収入減の立証で近親者19,000円、それ以外は地域の家政婦料金を限度に実額が支払われます。

諸雑費

原則として1日1,100円が支払われます。

通院交通費

通院に要した、必要かつ妥当な実費が支払われます。

義肢等の費用

必要かつ妥当な実費が支払われ、眼鏡の費用は50,000円が限度。

診断書等の費用

発行に要した、必要かつ妥当な実費が支払われます。

文書料

発行に要した、必要かつ妥当な実費が支払われます。

休業損害

原則として1日5,700円。これ以上の収入減の立証で19,000円を限度として、その実額が支払われます。

慰謝料

1日4,300円が支払われ、対象日数は被害者の傷害の状態、実治療日数などを勘案して治療期間内で決められます。

参考元:限度額と補償内容 - 国土交通省

なお、被害者は自分でなく加害者の加入している自賠責保険に支払いを求めるものである点は留意して下さい。

怪我をしても無責事故だと支払われない

交通事故で『怪我・障害・死亡』を負った側は過失割合を問わず被害者として扱われますが、事故の過失が0-100で被害者側にある場合は、加害者に損害賠償責任は発生しないので自賠責保険の保険金は支払われません。

過失割合が0-100になる事故を無責事故と言いますが、以下の3つの状況が無責事故の代表例として挙げられています。

  • 被害車両が加害車両停止車に後ろから衝突した状況
  • 被害車両がスピード違反でセンターラインをはみ出して衝突してきた状況
  • 被害車両が赤信号無視により衝突してきた状況

上記の状況のいずれかに当てはまる場合だと、加害者に損害賠償請求をすることはできないのでご注意下さい。

過失割合が70%を超える場合は20%~50%の減額

自分が交通事故で負傷をした被害者であっても、事故の過失割合が70%を超えていると自賠責保険の限度額が20%~50%の所定の割合で減額されてしまいます。なお、被害者の過失割合は事故状況を客観的に評価することで決まるものですが、実務では事故当事者の協議により決定されることが多いです。

自賠責保険の請求方法

加害者請求

加害者請求とは、加害者が自己負担で被害者に損害賠償の支払いをした後で、加害者本人が自賠責保険会社に保険金を請求する方法です。

加害者が任意保険に加入している場合は、加害者の任意保険会社がいったん全ての損害賠償を負担して、後から自賠責保険会社に保険金を請求する流れが一般的なので、基本的には加害者請求により自賠責保険会社に保険金が請求されます。

加害者が任意保険に加入していない場合は、加害者が損害賠償を自分で支払えるようなら加害者請求、支払いが難しいようであれば下記で紹介する被害者請求というように請求方法を選択することになるでしょう。

被害者請求

被害者請求とは、被害者自身が加害者の自賠責保険会社に保険金を請求する方法です。この請求方法だと加害者と示談が成立する前に自賠責保険の保険金を受けとれます。

また、被害者請求の方が自分で多くの事故資料を提出できるので、加害者の保険会社に任せる加害者請求と比べると、後遺障害の等級認定を受けやすいといわれています。

自分で書類をそろえて申請手続きをするのが面倒というデメリットもありますが、後遺障害等級認定の有無が損害賠償額に大きく影響することを踏まえると、上記メリットは無視できません。後遺障害の可能性がある場合は被害者請求で手続きを進める方がおすすめです。

損害賠償金の算出方法には3つの基準がある

ここまで自賠責保険について解説してきましたが、実は損害賠償金の算出方法には以下の3つの基準があり、どの基準にするかによって損害賠償金の額は大きく変わってきます。

  • 自賠責基準:自賠責保険の限度額を基にした基準
  • 任意保険基準:任意保険会社の所有するデータを基にした基準
  • 弁護士基準:法律や判例の結果を基にした基準

自賠責基準

自賠責基準とは、自賠責保険の限度額を基に定められる基準です。自賠責保険は最低限の補償を趣旨とするため金額水準は3つの基準の中で最も少額になっています。

任意保険基準

任意保険基準とは、加害者が加入している任意保険会社のデータを基に定められる基準です。自賠責保険で賄い切れない損害賠償金をカバーするために任意保険があるので、自賠責基準よりは高い額に設定されています。

弁護士基準

弁護士基準とは、弁護士が法律と過去の裁判事例を基に定める基準です。法律に基づいた正当な額を請求できるので、3つの基準の中で請求できる損害賠償額は最も高いです。

<入通院慰謝料の比較>

算出基準

1カ月の治療期間で通院10日間の場合

自賠責基準 (2020年3月31日までに発生した事故)

8万6,000円(8万4,000円)

任意保険基準

12万1,000円

弁護士基準

28万円

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弁護士に示談交渉を依頼した方が良い状況

弁護士に依頼するかの判断基準は、弁護士費用を差し引いても、保険会社提案額より増額が見込める場合です。

<弁護士への示談交渉依頼の相場額>

【示談交渉】

着手金

報酬金

着手金あり

10万~20万円

報酬額の10%~20%

着手金なし

無料

報酬額の20~30%

入院が1ヵ月以上と長引く場合や後遺障害が残る可能性がある場合は弁護士に依頼した方が結果的に多額の補償を受けられる可能性が高いかもしれません。自分での状況判断が難しいようであれば、弁護士にまず相談だけ依頼してどうするべきかのアドバイスを受けることをおすすめします。

依頼する弁護士を選ぶコツ

損害賠償額の示談交渉は、交通事故問題に力を入れて取り組んでいる弁護士に依頼するようにしましょう。示談交渉で損害賠償額がどれだけ増やせるかは弁護士の力量が大きく影響してきます。

交通事故の場合は後遺障害などの医療知識も必要とされるので、交通事故問題の経験が乏しい弁護士に依頼をしてしまうと、全ての手続きに的確に対応ができずに依頼をしたのに損になってしまう恐れもあるので注意しないといけません。

弁護士のHPを見れば、得意分野や過去に解決した依頼を確認できますし、日弁連交通事故相談センターなどの無料相談窓口で自分に状況に合った弁護士を相談してもらう方法もおすすめです。

まとめ

自賠責保険には限度額が定められていて、損害賠償額がその限度額内であれば全額支払われますが、限度額を超えている場合は加害者もしくは加害者の保険会社に請求する必要があります。

支払い条件や損害賠償額の基準など、交通事故には色々と難しい規定が多いですが、この記事が自賠責保険の請求に関する知識として役立てば幸いです。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事は交通事故弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※交通事故弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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