自転車事故でも警察への報告が必要!呼ばなかった際のリスクを解説

自転車事故は珍しいものではありません。
自転車は、通勤・通学、近場への買い物など、あらゆるシーンで利用されている便利な乗り物です。
とはいえ、手軽で身近な乗り物だからこそ、誰でも事故に巻き込まれる危険性を秘めています。
過去に、自転車で人や物に接触した経験がある方も多いのではないでしょうか。
自転車事故が起きたとき、体に異常がなかったら「警察を呼ぶほど大きな事故じゃないなぁ」と思いがちですが、警察を呼ぶ必要があります。
警察を呼ばないことで、後々トラブルに発展するケースもあるため、面倒くさがらずに警察に報告しましょう。
この記事では、自転車事故でも警察を呼ばなければならない理由や、呼ばない際の注意点、気になる疑問点を紹介します。
自転車事故も警察を呼ぶ必要がある
自転車は、道路交通法上では、「軽車両」に含まれます。
(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(略)
十一 軽車両 次に掲げるものであつて、移動用小型車、身体障害者用の車及び歩行補助車等以外のもの(遠隔操作(車から離れた場所から当該車に電気通信技術を用いて指令を与えることにより当該車の操作をすること(当該操作をする車に備えられた衝突を防止するために自動的に当該車の通行を制御する装置を使用する場合を含む。)をいう。以下同じ。)により通行させることができるものを除く。)をいう。
イ 自転車、荷車その他人若しくは動物の力により、又は他の車両に牽けん引され、かつ、レールによらないで運転する車(そり及び牛馬を含み、小児用の車(小児が用いる小型の車であつて、歩きながら用いるもの以外のものをいう。次号及び第三項第一号において同じ。)を除く。)
そのため、自転車事故が起きた際は自動車と同様に、交通事故として警察を呼ぶ必要があります。
通常は、運転者が呼ぶものと考えがちですが、実は被害者も警察を呼ぶ義務があります。
たとえ相手がいない物損事故の場合であっても、警察に報告しなければなりません。
自転車事故で警察を呼ばない際の注意点
「面倒くさいな」と思った方もいるかもしれません。
しかし、警察を呼ばなければ以下のように重要な書類を発行してもらえず、後日トラブルに発展したり、自分が困ったりする可能性があります。
- 交通事故証明書が発行されない
- 実況見分調書が発行されない
交通事故証明書が発行されない
警察を呼ばない場合、交通事故証明書が発行されません。
交通事故証明書とは、接触事故が起きたことを示す証明書です。
保険金や示談交渉の際に必要になります。
交通事故証明書には、以下のような記載がされています。
- 事故照会番号
- 事故発生の日時・場所
- 当事者の氏名・住所
- 車種・車両番号・事故当時の車両の状態
- 自賠責保険の加入の有無・証明書番号
- 事故類型
警察に事故の報告をしなければ、交通事故証明書が作成されないため、保険金を受け取りたくても受け取れない恐れがあります。
実況見分調書が発行されない
もう1つ、実況見分調書が発行されない点もリスクといえます。
実況見分調書とは、事故の状況などを示す証明書です。
実況見分調書には、以下のような記載がされます。
- 実況見分を行った日時
- 実況見分に立ち会った人の氏名
- 事故が発生した場所
- 事故当時の天候
- 事故時の路面の状態
- 事故現場の道路の状況
- 現場の写真
- 運転車両の状況
- 事故発生時の状況
接触事故では、被害者と加害者の主張が異なるケースが珍しくありません。
例えば、事故直後は信号無視を認めていたにも関わらず、後から「やっぱり黄色だった」と話しが変わるケースや「被害者側も信号が赤になりかけていた」などと主張するケースもあります。
トラブルを防ぐためには、客観的な証明が必要であり、証拠として示せる書類が実況見分調書です。
警察を呼ばなければ実況見分調書も作成されないため、事故状況がわからず、適正な示談金を受け取れない可能性があります。
自転車事故を起こした際の流れ
自転車事故を起こした直後は、誰でも慌ててしまうものです。
いざというとき適切に対応できるよう、事前に流れを知っておきましょう。
- 被害者にケガがあるかを確認し、必要があれば119番で救急車を呼ぶ
- 二次災害が起きないよう、自転車を安全な場所に移動する
- 安全を確保できたら警察に連絡する
- 相手と、名前や連絡先を交換する
- 保険に加入している場合は、保険会社に連絡する
- 保険未加入の場合は、示談交渉をする
最優先にしなければならないのは、被害者の救護です。
負傷している場合は救急者を呼びましょう。
次に、自転車を安全な場所に移動して警察を呼びます。
警察に事故の状況などを質問されるため、正直に答えましょう。
警察に仲立ちしてもらいながら、相手と連絡先の交換をします。
当事者間で行うことも可能ですが、事故直後は当事者同士が興奮状態になっており、連絡先交換でトラブルになる可能性もあり得ます。
警察に仲立ちをしてもらいながら確認したほうがスムーズに進みやすいため、状況を見て判断しましょう。
自転車事故の気になる疑問点
自転車事故では、「ちょっとぶつかっただけ」といった接触事故も少なくないため、どう対応すべきか迷う方もいるのではないでしょうか。
気になる疑問点を2つ紹介します。
- 事故の届出は後日でも可能?
- その場で示談交渉された場合は応じるべき?
事故の届出は後日でも可能?
後日、警察に届け出るのも可能ですが、おすすめはできません。
なぜなら、時間が経てば経つほど、事故現場の傷跡が薄れたり、事故状況の記憶が曖昧になり、証言が二転三転しやすくなったりするからです。
証明が難しくなると、過失認定ができなくなり、適切な示談金を受け取れなくなってしまう可能性があります。
届出には、事故が発生した場所や相手の連絡先などの情報が必要になるので、早めに届け出ましょう。
その場で示談交渉された場合は応じるべき?
その場での示談交渉は応じるべきではありません。
事故直後は、事故のショックや負傷によって、冷静な状態ではありません。
そのような状態で適切に書面を取り交わしたり、金銭の授受を行うことは非常に困難です。
「今は体に異常がないから」と思っていても、後日痛みが生じる可能性があります。
示談に応じてしまうと、後から痛みの症状が出ても、賠償金を受け取れなくなり、トラブルに発展しかねません。
また、口頭だけの示談では、のちに「そんなこと言っていない」といったトラブルを引き起こす可能性も考えられます。
示談金を支払ってもらえず、治療費を自腹で支払うことになるのは、避けたいところではないでしょうか。
その場で示談を交渉されても、応じないようにしましょう。
自転車事故の示談交渉は弁護士に相談するのがおすすめ
自転車事故の示談交渉は、弁護士に相談するのがおすすめです。
自転車事故は、「自転車 対 自転車」「自転車 対 歩行者」「出会い頭の衝突」「雨で視界が悪かった」など、さまざまなケースがあるため、適正な示談交渉を行うのは難しいです。
そのため、当事者同士で口約束の示談交渉はすべきではありません。
「大きな事故ではないから」「今のところ、体に痛みもないから」と思うかもしれませんが、その場では応じず、知識のある専門家に相談しましょう。
最後に|自転車事故でも警察は呼びましょう
自転車事故は、誰でも起こしてしまったり、巻き込まれる可能性があります。
事故直後は、気が動転しがちになりますが、ケガ人の救護と警察への報告は忘れず行いましょう。
警察を呼ぶことで、交通事故証明書や実況見分調書などの重要な書類をもらえ、トラブルを未然に防げます。
また、示談交渉や手続きなど、わからないことがある場合は、弁護士へ相談するのがおすすめです。
交通事故に詳しい弁護士に相談すると、自転車事故の事例などから、適正な過失割合を算定してもらえ、アドバイスをしてもらえるので、安心できるでしょう。
弁護士に相談するかお悩みの方へ
下のボタンからあなた当てはまるものを選んで悩みを解消しましょう。
弁護士費用特約があれば 実質0円で依頼できます!

多くの保険会社では、被害者1名につき最大300万円までの弁護士費用を負担してくれます。特約があるか分からない方でも、お気軽にご相談ください。弁護士と一緒にご確認した上で依頼の有無を決めて頂けます。
特約を利用して弁護士に相談する交通事故問題を依頼する弁護士の選び方にはポイントがあります。
- 過去の解決事例を確認する
- 料金体系が明確である弁護士を選ぶ
- 交通事故問題が得意な弁護士から選ぶ
等です。
詳しくは以下の記事を読んで、正しい弁護士の選び方を理解した上で弁護士に相談しましょう。
弁護士の選び方について詳しくみる
【初回相談・着手金無料/弁護士特約で実質負担ゼロ/完全成功報酬制】年間100件以上の解決実績/死亡事故・高次脳機能障害・労災などの複雑案件にも対応!平日・休日を問わず、朝10時~夜22時まで直通対応【直通TEL】
事務所詳細を見る
【相談料/着手金0円+電話相談◎】賠償額が妥当か判断してほしい/交渉で解決したい方はご相談を!早期解決と依頼者様の負担軽減に努めております|来所不要!電話でご依頼できます◆弁護士費用特約に対応◆土日祝
事務所詳細を見る
何度でも相談料0円/着手金0円!完全成功報酬※保険会社との交渉に自信!まずはご面談ください●累計相談2000件以上/賠償金約300万円増額実績あり《詳細は写真をクリック》あなたの持つ権利をお守りします
事務所詳細を見る当サイトでは、有料登録弁護士を優先的に表示しています。また、以下の条件も加味して並び順を決定しています。
・検索時に指定された都道府県に所在するかや事件対応を行っている事務所かどうか
・当サイト経由の問合せ量の多寡


交通事故後の対応に関する新着コラム
-
交通事故トラブルを抱えるなかで、弁護士だけでなく行政書士にも対応してもらえることを知り、主に費用面が気になっている方も多いのではないでしょうか。本記事では、行政...
-
本記事では、レンタカーを運転していて交通事故に遭った場合、相手が100%悪くてもレンタカー会社へお金を支払わなければならない理由やレンタカー会社からお金を請求さ...
-
本記事では、交通事故の被害に遭った方に向けて、被害者が利用できる保険(自賠責保険・任意保険)の種類、加害者の自賠責保険と被害者の任意保険を使用する順番、加害者側...
-
交通事故によるけがで仕事を休む場合、いつ頃復帰するのが適切なのでしょうか?本記事では、交通事故が原因で仕事を休む場合の一般的な休業期間や、休業した場合にもらえる...
-
交通事故に遭った場合、会社から診断書の提出を求められることがあります。しかし、費用の問題などからためらっている方も多いのではないでしょうか。本記事では、交通事故...
-
本記事ではもらい事故でできる限り得したいと考えている方に向けて、もらい事故で得する(損しない)ための3つの基礎知識、もらい事故で得したい人が弁護士に依頼するメリ...
-
本記事では、交通事故の被害者の方に向けて、交通事故の示談が成立した場合、どのくらいに示談金が振り込まれるか説明しています。また、振り込みが遅れる場合のパターン、...
-
本記事では、過失割合10対0の交通事故で自車両が全損したときの買い替え費用の計算方法、買い替えか修理かを判断するポイントなどについてわかりやすく解説します。
-
交通事故当事者本人同士が直接連絡を取り合うべきかは、状況によって異なります。本記事では、交通事故の相手方から直接電話がかかってきたときの対処法や、相手方と直接や...
-
本記事では、治療費の打ち切りを打診されたり、実際に打ち切られたりしても、むちうちの治療を継続する方法や、MRIで異常がなくても後遺障害等級の認定を受けられる可能...
交通事故後の対応に関する人気コラム
-
当て逃げに遭ってしまった方へ、少しでも解決に近づけるための対処法をご紹介します。
-
物損事故とは、怪我人や死亡者がなく車両などに損害が出たにとどまる交通事故のことです。物損事故では相手方と示談交渉で揉めてしまう可能性もありますので、ポイントをお...
-
交通事故発生後は、警察に連絡・治療(人身事故の場合)・保険会社との交渉と進んでいきます。本記事では、各場面の詳しい対応や、いつ連絡が来るのかなどの期間についても...
-
交通事故が起きて被害者となった場合、「自分は被害者だから、待っているだけで何もする必要はない」と考えているなら、それは大きな間違いだと言えます。
-
交通事故が起きたら、物損事故・人身事故問わず警察へ届け出なければいけません。これは法律で義務付けられており、報告を怠ると法律違反として処罰を受ける可能性もありま...
-
交通事故のうち3割は駐車場で起こっているといわれています。駐車場は私有地になるため、事故が起こったあとの対処が一般道路とは異なる部分があります。本記事では、駐車...
-
交通事故に遭ったら「警察」に連絡し、加害者の身元、加入保険会社の情報、できれば目撃者の証言も確保しておきましょう。ただ、事故直後は動転し、忘れてしまう事もあるこ...
-
追突事故を起こした場合はなるべく早く被害者に謝罪すべきですが、謝罪をする際は、最低限のマナーを守り、相手に誠意を見せることが大切です。この記事では、謝罪の手順や...
-
接触事故とは、走行中の自動車が車両・物・人などに接触して、損害や傷害が生じた事故のことです。接触事故では「怪我の有無」で賠償金の内容が異なりますので、事故後の流...
-
ひき逃げは、交通事故で人を死亡又は負傷させたものの、警察に届ける事なくその場を立ち去る道路交通法第72条に違反する行為です。この記事ではひき逃げをされた被害者が...
交通事故後の対応の関連コラム
-
本記事では、治療費の打ち切りを打診されたり、実際に打ち切られたりしても、むちうちの治療を継続する方法や、MRIで異常がなくても後遺障害等級の認定を受けられる可能...
-
交通事故にあうと加害者から見舞金が支払われることがあります。労災の場合は会社から支払われることもありますが、必ず支給されるわけではないため注意が必要です。本記事...
-
交通事故の過失割合は、事故の客観的な状況に応じて決まります。本記事では、「動いている車同士の事故に過失割合100:0はありえない」が本当なのかどうかについて解説...
-
交通事故の加害者は、被害者に対して損害賠償責任を負うほか、自らもケガや車の破損などによって大きな損害を受けることがあります.。 交通事故を起こしてしまい、大き...
-
自転車事故に遭った際は、必ず警察に報告しなければいけません。報告を怠ると、損害賠償請求で不利になる可能性があります。この記事では、自転車事故で警察を呼ばなかった...
-
日弁連交通事故相談センターは交通事故の民事上の紛争解決をサポートしてくれる専門機関です。事故直後から利用でき、電話相談、面接相談、示談あっ旋などに幅広く対応して...
-
車に乗っていて事故に遭ってしまったら、ドライブレコーダーの映像は重要な証拠となります。しかし、保存方法や提出の仕方で戸惑ってしまう方も多いはずです。本記事では、...
-
追突事故を起こした場合はなるべく早く被害者に謝罪すべきですが、謝罪をする際は、最低限のマナーを守り、相手に誠意を見せることが大切です。この記事では、謝罪の手順や...
-
交通事故の被害者がさまざまな不満を抱いているなら、裁判を提起するのも選択肢のひとつです。 交通事故被害者が民事裁判を提起すべき事案や、交通事故裁判を弁護士に依...
-
一般的に、自分に非がない交通事故を「もらい事故」と呼びます。このような場合、自分の契約する保険会社が示談交渉を代行することはできず、自分で交渉を進めなければなり...
-
交通事故に巻き込まれた際は、できるだけ早く弁護士に相談することが大切です。支払ってもらえる保険金額や逸失利益を計算したい場合もあるでしょう。本記事では、後遺障害...
-
本記事では、出勤中に交通事故の被害に遭った方や備えたい方に向けて、交通事故の被害に遭ったときにとるべき最初の対応、労災保険を請求する際の流れ、加害者や保険会社に...
交通事故後の対応コラム一覧へ戻る