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公開日:2020.4.27  更新日:2020.9.14

休業損害とは|職業別の計算方法や請求時の流れを解説

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事

休業損害(きゅうぎょうそんがい)とは、交通事故で負傷し仕事を休まなくてはいけないような場合に、本来なら仕事で得られていた収入が減ったことに対して、被害者が加害者に損害賠償として請求できるお金のことです。

交通事故の加害者に請求できる賠償金については、慰謝料・積極損害・消極損害の3種類に分けることができますが、休業損害は消極損害に該当します。当然、事故時点の収入状況によって受け取れる金額は変動します。適正額を受け取るためにもポイントを確認しておきましょう。

この記事では、休業損害の計算方法や請求時の流れ、請求する際の注意点や弁護士に依頼するメリットなどを解説します。

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休業損害とは

まずは、休業損害がもらえる条件等の中身について詳しく解説していきます。

休業損害は消極損害の一つ

冒頭でも解説した通り、休業損害は賠償金の中でも消極損害に分類されます。消極損害とは、交通事故により支出されたものではなく、本来なら得られていたはずの収入や利益を失ってしまったことに伴う損害のことを指します。

消極損害としては、休業損害のほかにも後遺障害逸失利益死亡逸失利益などがあります。それぞれの説明は以下の通りです。

消極損害の内訳

休業損害

事故で休業した場合に請求できるお金

後遺障害逸失利益

事故で後遺障害が残って労働能力が低下した場合に請求できるお金

死亡逸失利益

事故で被害者が死亡した場合に請求できるお金

休業損害の請求根拠

休業損害は、交通事故で負傷して休業を余儀なくされた場合に生じた損害を補填するものです。そのため、休業損害を請求できるのは、事故時点で就労により収入を得ていた者であることが必要です。そのため、就労していない子供、学生、年金生活者、生活保護者、無職者については休業損害を請求することはできません。

他方、専業主婦や就職活動中の者については、前者は家事労働に従事する者として、後者は就労の蓋然性がある者として、休業損害を請求することができると考えられています。

就労できない期間中に有休を取得した場合も請求できる

交通事故で負傷し、治療や通院のために有給休暇を利用して休むということもあると思います。そのような場合でも有給休暇を使用したことについて、休業損害を求めることができます。

なお休業損害証明書には、有給休暇を使用した場合には、その旨を記載する部分がありますので、会社に証明書の作成を依頼する際には正確に記載してもらいましょう。

職場復帰した後でも請求できる可能性がある

交通事故で負傷した場合、事故後にまとまった休業を取得して相当程度軽快した後に職場復帰する場合もあれば、若干軽快したあとで職場復帰して就労を続けながら治療を続ける場合もあるでしょう。休業損害はいずれの場合でも「負傷により休業を余儀なくされた」と認められるのであれば、請求できます。

もっとも、一度職場復帰すれば「労働能力がある程度回復したもの」と評価されてもやむを得ませんので、治療により休業を要する状態なのであれば、無理に職場復帰することは推奨されません。したがって、負傷で就労が容易ではない状態なのであれば、その旨を加害者側保険会社には連絡し、しっかりと休むことが大切です。

なお、このような休業を続けた結果、就労先を退職せざるを得なくなった場合については、慎重な検討が必要です。基本的には退職により就労可能性がなくなっているので休業損害を当然には請求できないと考えられます。

もっとも「治療に専念するために退職を余儀なくされた」ということが証明できるのであれば、退職後の相当期間について休業損害を請求する余地はあろうかと思われます。このあたりは事例ごとの個別判断となるでしょう。

休業損害の計算式

休業損害については以下の式で計算されます。ここでは各項目の求め方について解説していきます。

休業損害=1日あたりの基礎収入×休業日数

1日あたりの基礎収入の算定方法

1日あたりの基礎収入は、給与所得者については交通事故前の3ヶ月分の収入をもとに算出するケースが一般的です。ただし個人事業主などは、直近の確定申告書の年間所得等から基礎収入を計算します。

この算定にあたっては、給与所得者であれば勤務先に休業損害証明書を書いてもらう必要があります(個人事業主は前年度の確定申告書の控えが必要です)。休業損害証明書には「交通事故前3ヶ月分の休業日数」と「その間の給与額」を記載することになります。これをもとに事故前3ヶ月分の合計給与額を算出し、その合計額を90で割ると1日あたりの基礎収入となります。計算式にすると以下の通りです。

1日あたりの基礎収入=交通事故前3ヶ月分の収入÷90(稼働日数で割る場合もあり)

他方、個人事業主の場合には、確定申告書の記載から年単位で収入等を算出してこれを365日で割って計算しますし、専業主婦の場合には賃金センサスの平均賃金から基礎収入を計算します。

また、自賠責保険に請求する場合には、休業損害の考え方は基本的に同じですが、1日あたりの最低額は6,100円(2020年4月1日以降の事故の場合)、上限額は19,000円とされますので注意しましょう。

休業日数の算定方法

休業日数とは負傷により就労できなかった日数のことです。基本的には休業損害証明書の休業日数がそのまま妥当しますが、必ずしも証明書どおりに休業日数が認定されるとも限りません。

例えば、負傷の内容・程度に比して休業日数が過剰であるような場合には、休業損害証明書に休業があったと記載されていても、休業損害の請求対象からは除外されることはあり得ます。

【職業別】休業損害の計算方法

ここからは休業損害について、いくつか例示します。

会社員(給与所得者)の場合

  • 事故前の月収:30万円
  • 休業日数:50日間

1日あたりの基礎収入=90万円(30万円×3)÷90=1万円

休業損害=1万円×50=50万円

個人事業主(自営業者)の場合

  • 前年度の所得と固定費の合計額:500万円
  • 休業日数:30日間

1日あたりの基礎収入=前年度の所得及び固定費÷365

上記の式をもとに計算すると、休業損害は以下の通りです。

1日あたりの基礎収入=500万円÷365=1万3,698円

休業損害=1万3,698円×30=41万940円

専業主婦(主夫)の場合

専業主婦の「1日あたりの基礎収入」については、まず厚生労働省が公表している賃金構造基本統計調査の統計資料(賃金センサス)をもとに、女性全年齢の平均賃金を調べたのち、その年収を365で割ることで算出できます。そこに入通院などを行った日数をかけることで休業損害が導き出されます。計算式は以下の通りです。

1日あたりの基礎収入=賃金センサスにおける女性平均年収÷365

上記の式をもとに計算すると、休業損害は以下の通りです。

1日あたりの基礎収入=382万6,300円÷365=1万483円

休業損害=1万483円×20日=20万9,660円

アルバイト・パートの場合

  • 事故前の月収:15万円(1ヶ月10日勤務)
  • 休業日数:15日間

1日あたりの基礎収入=15万÷10日

上記の式をもとに計算すると、休業損害は以下の通りです。

1日あたりの基礎収入=15万円÷10=15,000円

休業損害=15,000円×15=22万5,000円

会社役員(経営者)の場合

会社役員が受け取る役員報酬は就労に対する対価ではなく、就労日数によっても変動しないこともあります。この場合には、休業損害が発生しないため、これを請求することはできません。

会社役員でも休業により何らか減収が生じているのであれば、当該減収分については請求できます。このあたりは事例ごとの個別判断になるでしょう。

無職者の場合

被害者が何も職に就いておらず無収入の場合、休業損害は原則請求できません。ただし、事故時点で無職でも「すでに内定をもらっていた」「就職することが決まっていた」「就職活動中であった」という場合には、就労により収入を得られる可能性が高かったとして、休業損害を請求する余地があります。

上記のようなケースで休業損害の請求が認められる場合の1日あたりの基礎収入については、事例ごとの個別判断になります。例えば「就職先が決定していた」という場合には、就職先で予定されていた給与をもとに算出するのが合理的ですし、そうでない場合は直近の収入などをもとに算出するのが合理的でしょう。

休業損害を請求する際の流れ

ここでは、事故が起きてから休業損害を請求するまでの流れについて解説していきます。

①病院で怪我の治療を受ける

まずは病院で怪我の治療を受けましょう。交通事故で負傷した場合に病院へ通わずに、整骨院や接骨院などですませたいという方もいるかもしれませんが、事故により負傷しているかどうか、負傷がどういう状態にあるかどうかは医師以外には判断できません。

そのため、病院に通院せず整骨院や接骨院にしか通わない場合、負傷の有無や程度がよくわからないとして十分な賠償金を受け取れなくなる可能性があります。

なお負傷について治療した結果、一定の段階でこれ以上治療しても症状が良くならない状態(症状固定)となった場合、負傷について請求の対象となる治療期間は、事故日からこの症状固定日までの期間に限定されます。

しかし、この治療期間と休業期間は必ずしも一致するものではありません。「休業損害は症状固定日まで支払われるものである」というインターネット上の記事もあるようですが、それは正しくはありません。休業期間はあくまで「負傷により就労できない状態にある期間」であり、治療期間中に一定の就労能力を取り戻せば、それ以降の休業損害は請求できませんので注意しましょう。

②休業損害証明書を相手保険会社に提出する

休業損害を請求するためには、相手保険会社に休業損害証明書を提出する必要があります。休業損害証明書とは、給与所得者が事故で負傷して休業を余儀なくされたことを証明する書類であり、就労先において作成されます。

したがって休業損害を請求するのであれば、まずは就労先に休業損害証明書のフォーム(相手保険会社に頼めばもらえます)を提出し、作成してもらってください。

他方、個人事業主は休業損害証明書を作成してもらう先がないため、確定申告書の写しなど自身の収入を証明する資料を個別に用意する必要があります。給与所得者よりも処理が面倒なので、不安があれば弁護士への相談を検討してください。

休業損害証明書の書き方

休業損害証明書は、勤務先の人事や総務担当者などが作成するものではありますが、一応ここで作成の手順について確認しておきましょう。

  1. 前年分の源泉徴収票を貼り付ける
    (源泉徴収票がなければ事故前3ヶ月分の賃金台帳の写しを貼り付ける)
  2. 事故の影響で休んだ日に○、所定の休日に×、遅刻した日・早退した日に△と時間を記入
  3. 休んだ期間の給与の支給量や支給形態について、該当するものに○をつける
  4. パート・アルバイトの場合は、所定労働時間や時間給などの雇用情報を記入
  5. 作成年月日を記入して社印を押す

上記以外も記入することは多々あります。

休業損害証明書の付加給とは?

休業損害の計算対象は本給・手当・賞与だけでなく、残業代などの付加給も含まれます。

③休業損害が支払われる

相手保険会社が休業損害証明書に基づいて支払いを「可」とすれば、休業損害に対する賠償金の支払いがされます。

支払いのタイミングですが、治療期間中に内払いとして支払われることもあれば、治療終了後に他の賠償金とまとめて支払われることもあります。治療期間中の生活に不安がある場合、内払いをリクエストすれば応じてもらえる場合も多いと思われますので、相手保険会社に確認してください。

休業損害を請求する際の注意点

休業損害の請求にあたっては、何点か注意すべきポイントがありますので確認しておきましょう。

時効が成立してしまうと請求できない

休業損害などの交通事故の賠償金を請求する権利には消滅時効があります。休業損害を請求できる人身事故の場合、損害と加害者を知ってから5年(事故から20年)を過ぎると権利が消滅します。

なお、請求する損害項目ごとに消滅時効の起算点は異なりますので、注意しましょう。

時効までのカウントダウンが始まるタイミング

負傷についての損害賠償

交通事故発生の翌日より起算

後遺障害についての損害賠償

症状固定の翌日より起算

死亡についての損害賠償

被害者死亡の翌日より起算

休業期間について疑義が生じることもある

上記の通り、傷病の治療期間と休業期間は必ずしも一致しないものです。そのため、被害者本人はまだ休業したいと考えていても、加害者側保険会社は「もう休業が必要となる状態ではない」と考えることもあります。

このような場合、被害者の考える休業損害と加害者の考える休業損害の額に乖離が生じ、トラブルとなる可能性もあります。このような場合には、弁護士に相談・依頼することも検討してみてはいかがでしょうか。

休業損害を請求する際は弁護士への相談がおすすめ

休業損害の請求にあたっては、弁護士に依頼することで以下のようなメリットが期待できます。

相手保険会社との交渉を一任できる

上記の通り、休業損害については1日の基礎収入をどう考えるか、休業期間をどう考えるかで金額が変動する余地があります。被害者が独自に相手保険会社と交渉しても、このような論点で協議がまとまらず、話が進まないということは往々にしてあります。

弁護士に相談・依頼すれば、このような煩雑な議論も一任することができ、適正な額の賠償金を受け取れるでしょう。

会社とのやり取りも一任できる

上記の通り、加害者側に休業損害を請求する場合には、就労先に休業損害証明書を作成してもらう必要があります。会社がこれにスムーズに対応してくれればよいですが、必ずしもそうならないことも多々あります。

弁護士に依頼すれば、このような休業損害証明書の取付けについても対応してくれる場合があります。

まとめ

休業損害について簡単にまとめてみました。普段聞き慣れないワードが多く、交通事故の知識・経験がないとどのように損害を算定してよいかわからず途方に暮れてしまうこともあるかもしれません。

弁護士であれば、事故状況に応じた休業損害の計算方法をアドバイスしてくれますし、事件を依頼すれば計算から交渉から全てを代行してくれますので、被害者の負担はかなり軽減されます。

また、相手保険会社と上手に交渉することで、従前提示された休業損害額から金額が増額される可能性もあると思われます。事務所によっては無料相談なども可能ですので、まずは一度相談してみましょう。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事は交通事故弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※交通事故弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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