交通事故や自転車事故など、事故はいつ起きてしまうか分からないものです。弁護士費用を用意できず泣き寝入りとなってしまうケースも少なくありません。
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交通事故の慰謝料は基本的に非課税ですが、損失以外の補填を目的に支払われたものに関しては、課税対象になります。
また、交通事故により被害者が死亡した場合、被害者本人に支払われた慰謝料も相続対象ですが、税金はどのような取り扱いになるのでしょうか。
ここでは、交通事故の損害賠償と税金について紹介します。
交通事故の慰謝料は損害賠償金額の一部であり、あくまでも損失を補填するものであるため通常は 非課税 です。
(非課税所得)
第九条 次に掲げる所得については、所得税を課さない。
…
十七 保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第四項(定義)に規定する損害保険会社又は同条第九項に規定する外国損害保険会社等の締結した保険契約に基づき支払を受ける保険金及び損害賠償金(これらに類するものを含む。)で、心身に加えられた損害又は突発的な事故により資産に加えられた損害に基因して取得するものその他の政令で定めるもの
(引用:所得税法第9条1項17号)
これは、所得税等の税金は基本的に 収益を把握して課税される税金であり、 損失の補填にとして支払われるものには 課税されないという考え方によるものです。
また、保険会社からの給付金や慰謝料以外の損害賠償金(休業損害や逸失利益など)、見舞金なども 同様の理由で 通常は非課税となります。
被害者に対する賠償金が通常は非課税となることは上記のとおりですが、 損害賠償金という名目で支払われればそれがすべて非課税になるというわけではなく、その内容が損害を填補するためのものと客観的に認められる部分に限り、所得税法9条1項17号が適用される非課税所得となります。
損害の填補とは認められないような金銭を受け取った場合、確定申告が必要になりますのでご注意ください。
また、国税庁では以下のような支払いは課税対象となることを明示しています。
交通事故により被害者が事業用店舗を一時的に閉鎖しても、家賃などの固定費が発生します。加害者が固定費などを補償する場合、当該固定費が経費として計上される範囲で課税対象となります。
被害者が加害者から見舞金を受け取った場合、社会通念上相当な範囲内のものであれば非課税ですが、相当な範囲を超過しており一定の収入と同視できる・すべき場合には、当該超過部分は課税されます。
ただし、どこからどこまでが社会的に相当な範囲になるか、明確な規定がされていません。10万円前後が見舞金の相場と記載されているケースもありますし、判例では100万円の見舞金が認められたケースもあります。
もし、課税・非課税に迷った場合は、早い段階で税務署に相談することをおすすめします。
交通事故により、被害者が死亡してしまった場合、厳密には被害者本人の賠償金と遺族固有の慰謝料が支払われます。
被害者が死亡した場合の税金の取り扱いについて紹介します。
被害者が死亡した場合、被害者個人に生じた損害の賠償金を、遺族が受け取るというようにも考えられうるので、その賠償金は相続税の対象になると思われがちです。しかし実務上は、死亡による損害賠償請求権を遺族が直接取得し、所得税法9条1項17号に基づく損害賠償金として遺族が直接の支払いを受けたものと扱われます。
そのため、亡くなったご家族が賠償金を受け取った場合でも、非課税として処理されます。
もっとも、加害者が負担するべき賠償金以外に契約保険会社から別途保険金の支払いを受けた場合(例えば、被害者死亡に対する生命保険金等)は課税対象となりますし、被害者が死亡前に確定的な損害賠償債権を保有する状態で死亡した場合には別途相続税がかかりますので、その点は注意しましょう。
交通事故により被害者が死亡してしまった場合、被害者本人への慰謝料の他に、家族を亡くしてしまった遺族の精神的苦痛を補填するための遺族固有の慰謝料が支払われます(民法711条)。
この慰謝料も、「交通事故の賠償金が課税対象となるケース」に該当していないのであれば、原則として非課税です。
一般の方の交通事故による慰謝料は、相当な理由がない限り基本的に非課税です。
たとえ受け取った金額が数百万から数千万であっても、あくまでも損害を填補するためのものと客観的に認められるものであれば非課税になりますので、安心して受け取ってください。
また、被害者が死亡した際に受け取った慰謝料などの示談金にも、相続税や所得税はかかりません。
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