【交通事故】示談書のテンプレート・雛形|示談書の内容や作成のポイントなどを解説
交通事故の示談交渉を保険会社とする場合、通常は保険会社に示談書を用意してもらえます。
しかし、当事者だけで示談をおこなうときは、どちらかが示談書を作成しなければなりません。
もし自分で示談書を作成するのなら、交通事故用の示談書のテンプレートを活用するのがおすすめです。
本記事では、交通事故の示談交渉を終えた方に向けて、以下の内容について説明します。
- 交通事故の示談書のテンプレート・雛形
- 交通事故の示談書に書いてある項目の意味
- 交通事故の示談書のテンプレートを使う際のポイント など
本記事で交通事故の示談書の構成や内容などを確認し、事案に合った示談書を作れるようになりましょう。
【交通事故】示談書のおすすめテンプレート・雛形
交通事故の示談書を作成するにあたって、まずはテンプレートを確認しておきましょう。
なお、示談書のフォーマットに特別な決まりはありません。
上記のような表組みで作ることもできますし、一般的な契約書のように「第○条 ~~」と書くこともできます。
あまり示談書や契約書の作成に馴染みがない場合は、このような表組みタイプの示談書を使うのがおすすめです。
交通事故の示談書のテンプレートに書いてある項目の意味
交通事故の示談書(テンプレート)には、以下のような項目が設けられることが多いです。
- 事故発生日時・場所
- 当事者の個人情報
- 事故内容
- 示談内容
- 清算条項
- 日付・署名・押印
示談書を作成するにあたって、これらの項目の意味を理解しておくことは非常に重要です。
そこで、示談書(テンプレート)に記載されている主な項目の意味について確認しましょう。
1.事故発生日時・場所
示談書には、交通事故の日時と場所を記載します。
| 事故発生日時 | 令和7年○月○日 |
|---|---|
| 事故発生場所 | 東京都新宿区西新宿○○交差点 |
交通事故の日時と場所を記載することで、どの交通事故に関する示談書なのかが明確になります。
日時と場所については、警察に届出をしている場合に入手できる「交通事故証明書」で確認できます。
2.当事者の個人情報
示談書には、加害者・被害者双方の住所と氏名などを記載します。
| 加害者の住所・氏名 | 東京都港区○○ アシロ太郎 |
|---|---|
| 被害者の住所・氏名 | 東京都渋谷区○○ あしろ次郎 |
また、交通事故の場合は車両に関する情報を記載することも多いです。
少なくとも「車両登録番号(ナンバー)」は記載し、どの自動車事故のことかわかるようにしましょう。
3.事故内容
示談書には、事故や損害の内容について記載することも多いです。
| 事故内容 | 乙が青信号の上記交差点を直進していたところ、対向車線から右折してきた甲運転の車両と衝突し、乙の頚部に全治○週間のむち打ちの傷害を負わせた。 |
|---|
交通事故の類型には正面衝突、出会い頭衝突、追突などがあり、交通事故証明書で詳細を確認できます。
どのような状況下で事故が発生し、その結果として被害者にどのような損害が発生したのかを書きます。
けがの内容など生じた損害については、医師に作成してもらった診断書を参考にするとよいでしょう。
4.示談内容
示談書には、示談内容を正確に記載する必要があります。
| 示談内容 | 甲は、乙に対し、本件交通事故について損害賠償金として金○万円の支払い義務があることを認める。甲は、乙に対し、令和7年○月○日までに金○万円を支払うものとする。なお、下記乙指定の銀行口座に損害賠償金を振り込む方法により行う。 ○○銀行 ○○支店 普通 ××××××× あしろ次郎(アシロジロウ) |
|---|
示談内容については、まず双方の損害賠償金がいくらか、過失割合がどの程度かを記載します。
そのうえで過失相殺をおこない、加害者が被害者に対して損害賠償金を支払う旨を書くことが多いです。
なお、支払期限は示談成立から30日以内が目安となり、支払方法は銀行振込にすることが一般的でしょう。
5.清算条項
示談書には、記載内容以外の債権・債務がないことを確認する「清算条項」を書くことも多いです。
| 清算条項 | 今後いかなる事情が生じたとしても、双方とも本件に関し損害賠償その他の名目のいかんにかかわらず異議申立て、訴訟及び訴えの提起をいたしません。 |
|---|
清算条項の文面は基本的にはそのままでも可能ですが、必要に応じて変更するほうが望ましいです。
なお、清算条項だけの場合は、後遺症が発生した際に後遺障害慰謝料などを請求できなくなります。
そのため、必要に応じて後遺障害に関する留保条項なども一緒に記載するほうが安心できます。
6.日付・署名・押印
示談書の最後には日付を記載し、加害者・被害者双方が署名と押印をします。
後から修正することは難しくなるため、必ず記載内容に間違いがないかを確認しましょう。
当事者が2名の事故では通常、示談書は2通作成し、それぞれが1通ずつ保管することになります。
交通事故の示談書のテンプレートを使う際の5つのポイント
交通事故の示談書のテンプレートを使う際のポイントは、以下のとおりです。
- 人身事故と物損事故で使い分ける
- 示談書の内容はしっかりと話し合う
- 内容や意味を正しく理解して使用する
- できる限りパソコンを使って作成する
- 自筆の署名と押印をもらうようにする
ここでは、交通事故の示談書のテンプレートを上手に使いこなすためのポイントを確認しましょう。
1.人身事故と物損事故で使い分ける
交通事故は、大きく以下の2種類にわけられます。
- 人身事故:死傷者がいる事故のこと
- 物損事故:死傷者がいない事故のこと
示談書のテンプレートによっては、人身事故と物損事故の両方が用意されています。
この場合には記載内容が異なっているため、自身の交通事故に合った示談書を選択しましょう。
2.示談書の内容はしっかりと話し合う
交通事故の示談書を作成する前に、以下の内容について加害者と被害者で話し合います。
- 賠償金に関すること
- 過失割合に関すること
- 後遺障害の取り扱いに関すること
- 支払時期や支払方法に関すること など
十分話し合わずに示談書を作成した場合、トラブルに発展してしまうリスクが考えられます。
示談書に書くべき内容についてしっかりと話し合い、その内容を正確に記載するようにしましょう。
3.内容や意味を正しく理解して使用する
交通事故の示談書のテンプレートでは、項目の内容や意味まで詳しく書いていない場合があります。
しかし、示談書に書いてあるということは、重要な項目である可能性が高いと考えられるでしょう。
そのため、法律用語やそのほかの専門用語の意味や内容を正しく理解してから使うほうが望ましいです。
もし示談書の内容や文面について不明点がある場合は、弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。
4.できる限りパソコンを使って作成する
交通事故の示談書は手書きでも作成できますが、パソコンで作成することをおすすめします。
パソコンで作成するほうが簡単ですし、内容を間違えていたときに修正がしやすいからです。
手書きでも問題はありませんが、作成や修正に時間がかかる可能性が高いため注意しましょう。
5.自筆の署名と押印をもらうようにする
示談書の署名は、最初から印字しておくことも可能です。
しかし、できる限り自筆で署名をもらい、押印をしてもらうほうが望ましいです。
署名と押印があることで、被害者と加害者の双方が示談に合意したことを証明しやすくなります。
なお、押印については実印または認印が望ましく、シャチハタは使わないことをおすすめします。
交通事故の示談書のテンプレートを使う場合の4つの注意点
交通事故のテンプレートを使う際は、以下について理解しておく必要があります。
- 不必要な項目については適宜削除する
- 利用規約をよく確認してから使用する
- 一度締結した示談書は撤回できない
- 内容に不備などがあると無効になる
ここでは、交通事故の示談書のテンプレートを使う際の注意点について説明します。
1.不必要な項目については適宜削除する
交通事故の示談書のテンプレートには、事案とは関係ない項目が設けられていることがあります。
そのまま不必要な項目を残していると、後からトラブルに発展してしまうリスクも考えられます。
その事案とは関係ない項目については適宜削除し、必要な項目だけを残すようにしましょう。
2.利用規約をよく確認してから使用する
示談書のテンプレートを使用する際は、運営会社の利用規約を確認しましょう。
基本的には無料で利用できるものが多く、事案に合わせて内容を書き換えることができます。
しかし、細かい規定が設けられている可能性もあるため、利用規約を確認するほうが望ましいです。
3.一度締結した示談書は撤回できない
一度締結した示談書を後から撤回することは非常に難しいです。
錯誤・詐欺・強迫があった場合など、一部のケースでは無効を主張できる可能性はあります。
しかし、通常は撤回することができないため、慎重に示談書を作成・確認することが望ましいでしょう。
4.内容に不備などがあると無効になる
以下のようなケースでは、示談書の条項が無効になる可能性があります。
- 日本語が成立していない場合
- 意味が二通りに解釈できる場合 など
テンプレートの文言のまま使用すれば、そこまで大きな間違いをすることはありません。
しかし、文章を変更する際などは、内容が不明瞭にならないよう気を付けることが重要になります。
さいごに|交通事故の示談に少しでも不安があるなら弁護士に相談を!
交通事故の示談書は、テンプレートを使用することで簡単に作成できます。
しかし、賠償金や過失割合などが適切なものとなっていなければ、納得のいく結果にはならないでしょう。
もし交通事故の示談や示談書作成について不安があるなら、早めに弁護士に相談することをおすすめします。
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