自転車事故で打撲を負った場合、慰謝料の相場は数万円〜数十万円程度ですが、通院の仕方や算定基準の違いによって、実際に受け取れる金額は大きく変わってきます。
「たかが打撲だから、慰謝料はもらえないのでは」「保険会社から提示された金額が、本当に適正なのか分からない」などの不安を抱えている方も多いはずです。
実は、通院の頻度や算定基準の選び方ひとつで、受け取れる慰謝料に数十万円単位の差が生まれることも珍しくありません。
本記事では、自転車事故で請求できる慰謝料の種類や、金額を左右する算定基準の仕組み、示談金を受け取るまでの流れを解説します。
増額のポイントもあわせて紹介するので、適切な補償を受けるための判断材料にしてください。
自転車事故の慰謝料についてお悩みの方へ
慰謝料は入通院期間に応じて計算され、期間が長いほど高額になります。
ただし自転車事故では保険未加入のケースが多く、その場合は当事者が交渉対応しなければいけません。
交通事故の知識がないと交渉が長引くこともあるでしょう。
弁護士に依頼すれば以下のようなメリットが望めます。
- 自力で請求するよりも増額する可能性が高い
- トラブルなくスムーズな決着が望める
- 事故後に必要な手続きを一任できる
慰謝料請求の際は、弁護士に依頼することで増額する可能性があります。
一人で悩まずに、まずはお近くの弁護士にご相談ください。
この記事の監修者
かがりび綜合法律事務所
代表弁護士 野条 健人
(大阪弁護士会)
かがりび綜合法律事務所は、お一人おひとりの悩みに最後まで寄り添いながら問題解決に取り組んでおります。お気軽にご相談ください。
自転車事故で被害者が請求できる慰謝料の種類
自転車事故の被害者が請求できる慰謝料には、大きく分けて2種類あります。
治療のための通院や入院に対する入通院慰謝料と、治療を尽くしても症状が残った場合の後遺障害慰謝料です。
打撲の場合、多くは入通院慰謝料が中心となりますが、症状によっては後遺障害慰謝料の対象になるケースもあります。
それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
入通院慰謝料|通院や入院による精神的苦痛に対して請求できる
入通院慰謝料は、打撲の治療のために通院や入院を強いられたことへの肉体的・精神的苦痛に対して支払われるお金です。
治療のために拘束された期間や、実際に病院へ通った日数が計算の基礎となります。
通院日数が少ないほど、慰謝料も低く算定される仕組みです。
入院の有無によっても、慰謝料の基準額は大きく変わります。
ただし打撲の場合、入院までは至らず、通院のみで治療が終わるケースが一般的です。
また、痛みを我慢して通院を怠ってしまうケースにも注意しましょう。
通院間隔が空きすぎると、精神的苦痛が少なかったとみなされ、慰謝料が減額されるリスクがあります。
打撲の症状があるうちは、医師の指示に従って通院を続けることが大切です。
後遺障害慰謝料|治療後も後遺症が残った場合に請求できる
後遺障害慰謝料は、適切な治療を尽くしても完治せず、体に痛みやしびれなどの症状が残った肉体的・精神的苦痛に対して支払われます。
打撲であっても、患部に痛みやしびれといった神経症状が残るケースがあります。
症状が残った場合は、後遺障害慰謝料を請求できる可能性も少なくありません。
ただし、請求するには後遺障害等級の認定を受ける必要があります。
自己判断で後遺症だと訴えるだけでは、慰謝料の対象にはならない点に注意しましょう。
等級ごとに、慰謝料の基準額があらかじめ定められているのも特徴です。
打撲による神経症状の場合、主に14級が認定されるケースが多く見られます。
等級認定の手続きに不安がある方は、早めに専門家へ相談しておくと安心です。
自転車事故の慰謝料を決める2つの前提ルール
自転車事故の慰謝料額は、誰にでも同じように決まるわけではありません。
金額を左右するポイントは、大きく分けて2つあります。
提示された金額が妥当かどうか判断しやすくなるため、2つのルールを押さえておきましょう。
相手の乗りもの次第で適用される保険が変わる
加害者が自動車・バイクか、自転車かで、賠償を担保する保険制度は大きく変わります。
車やバイクの場合、強制的に自賠責保険が適用されるため、最低限の補償を確保可能です。
一方、自転車には自賠責保険のような強制保険は存在しません。
条例で加入が義務化されている地域も多いですが罰則はなく、未加入のまま乗っている人も少なくないのが実情です。
相手の自転車保険加入の有無が、賠償を受けられるかの分かれ目になります。
相手が無保険だった場合、保険会社を介さず本人と直接交渉しなければなりません。
交渉次第では、示談が長引いたり慰謝料を回収できなかったりするリスクがあります。
適用される保険の種類は、以降の慰謝料計算にも影響するため、早めに確認しておきましょう。
請求時に適用される3つの算定基準によって変わる
自転車事故の慰謝料は、以下3つの基準のいずれかで計算されます。
- 自賠責基準…法律で定められた最低限の補償基準
- 任意保険基準…各損害保険会社が独自に設定している非公開の基準
- 弁護士基準(裁判基準)…過去の裁判例をもとにした基準
任意保険基準は、自賠責基準と弁護士基準の中間に位置づけられますが、実務上は自賠責基準に近い低めの提示をしてくる保険会社も少なくありません。
弁護士基準は、3つの中でもっとも高額になる傾向があります。
ただし弁護士基準は、弁護士が示談交渉に介入して初めて適用される仕組みです。
同じ打撲の治療期間であっても、どの基準で計算するかによって、慰謝料は2倍以上変わる場合もあります。
保険会社から提示された金額が低いと感じたら、弁護士基準での再計算を検討してみてください。
自転車事故における慰謝料の具体的な計算方法
自転車事故の慰謝料は、明確な計算式や基準に基づいて算出されます。
ここでは、それぞれの具体的な計算方法と、自転車事故ならではの注意点を解説します。
入通院慰謝料の計算方法
入通院慰謝料は、自賠責基準の場合、日額4,300円に治療日数を掛けて計算します。
具体的な計算式は、以下のとおりです。
| 日額4,300円 ×(治療期間または実通院日数 × 2)= 入通院慰謝料 |
治療の対象日数は、治療期間と実通院日数×2のうち、日数が短い方が採用されます。
たとえば治療期間が90日、実通院日数が20日の場合、実通院した20日×2の40日を採用します。
上記の計算式が使えるのは、加害者が自動車やバイクの場合に限られます。
自転車同士の事故では自賠責保険自体が存在しないため、この計算式は適用されません。
一方、弁護士基準では、入院・通院の月数に応じた算定表を使って金額を決定します。
自賠責基準のような日額計算ではなく、月単位の一律の基準で算出されるのが特徴です。
後遺障害慰謝料の計算方法
後遺障害慰謝料は、認定された後遺障害等級(1級〜14級)に応じて、基準額があらかじめ決まっています。
打撲の場合、もっとも認定されやすいのが、14級9号(局部に神経症状を残すもの)です。
痛みやしびれが完治せず残ってしまったケースが該当します。
同じ14級であっても、基準によって金額には大きな差があります。
自賠責基準では32万円ですが、弁護士基準では110万円と、3倍以上の開きがあるのが実情です。
等級が1段階上がるだけで、受け取れる慰謝料額は数十万円〜数百万円単位で変わることもあります。
提示された等級に納得がいかない場合は、異議申立や弁護士への相談も検討してみてください。
後遺障害の立証方法
自動車事故であれば、損保料率機構による画一的な等級認定の仕組みがあります。
しかし自転車同士の事故には、自賠責保険のような公的な認定制度が存在しません。
示談交渉や裁判の中で、後遺症の存在を個別に立証しなければならないのが実情です。
後遺症を客観的に裏付けるためには、MRIなどの画像データが重要な証拠になります。
継続的な通院実績も、症状の一貫性を示す材料として欠かせません。
示談交渉や民事裁判の場で、画像データや通院実績などの証拠をもとに、法的な主張を組み立てていく作業が必要です。
専門知識が求められる場面のため、早い段階で弁護士に相談しておくとよいでしょう。
打撲や軽傷時における自転車事故の慰謝料相場
自転車事故における打撲の慰謝料は、通院期間や実通院日数によって金額が変わります。
軽い擦り傷程度であれば数万円、むちうちなど治療が長引くケースでは数十万円になることも。
後遺症が残った場合は、さらに金額が上乗せされます。
ここでは、症状の程度別に具体的な相場を見ていきましょう。
擦り傷(通院2週間、実通院日数4日)の場合の相場
通院2週間・実通院日数4日程度の軽い擦り傷であれば、自賠責基準で3万4,400円が相場です。
法律上の最低限の補償額となります。
弁護士基準は、算定表をもとに月単位で金額が決まる仕組みです。
2週間という期間は表の基本区分の中間にあたるため、正式な早見表の確定値というより、按分計算による目安として数万円程度の補償になります。
極めて軽微なけがであっても、通院した事実があれば慰謝料の対象になるのが特徴です。
通院日数が少ないからといって、自己判断で通院をやめてしまうのは避けたいところ。
初期段階できちんと医師の診断を受けておくことが、後々の慰謝料請求における証拠にもなります。
| 算定基準 |
入通院慰謝料の相場 |
| 自賠責基準 |
3万4,400円 |
| 弁護士基準 |
数万円程度 |
軽い打撲や捻挫(通院1ヵ月、実通院日数10日)の場合の相場
通院1ヵ月・実通院日数10日程度の軽い打撲や捻挫であれば、自賠責基準で8万6,000円、弁護士基準で19万円が相場です。
打撲の平均的な初期治療期間は、おおむね1ヵ月程度。
同じけがの程度でも、どの基準で計算するかによって受け取れる金額に大きな差が出ます。
このあたりの通院期間になると、保険会社から「そろそろ治療費を打ち切りたい」という打診が来やすくなります。
医師が治療の必要性を認めているうちは、安易に応じない方が安心です。
| 算定基準 |
入通院慰謝料の相場 |
| 自賠責基準 |
8万6,000円 |
| 弁護士基準 |
19万円 |
むちうち(通院3ヵ月、実通院日数24日)の場合の相場
通院3ヵ月・実通院日数24日程度のむちうちであれば、自賠責基準で20万6,400円、弁護士基準で53万円が相場です。
通院が3ヵ月に及ぶと、通院頻度を一定に保てているかどうかが計算上の重要なポイントになります。
通院間隔が空きすぎると、治療の必要性を疑われるリスクが大きいです。
任意保険会社が独自に提示してくる示談金は、自賠責基準に近い金額にとどまるケースが多く、弁護士基準との差額は数十万円規模になることも珍しくありません。
弁護士基準との差を知らずに示談してしまうと、大きく損をする可能性があるため注意しましょう。
| 算定基準 |
入通院慰謝料の相場 |
| 自賠責基準 |
20万6,400円 |
| 弁護士基準 |
53万円 |
打撲やむちうちで後遺症が残った場合(通院6ヵ月・実通院48日)の相場
通院6ヵ月を経て後遺障害14級が認定された場合、自賠責基準における入通院慰謝料と後遺障害慰謝料の合計は73万2,800円、弁護士基準の合計は約199万円が相場です。
後遺障害が認定されると、入通院慰謝料に加えてもう一段階の補償が上乗せされる仕組みです。
自賠責基準との差額は、120万円以上にのぼります。
同じ後遺障害14級でも、どの基準で計算するかによって受け取れる金額はこれほど変わります。
長期間の通院を続け、後遺障害等級の認定をきちんと受けられるかどうかが、最終的に手元に入る示談金額を大きく左右する要素です。
| 算定基準 |
入通院慰謝料の相場 |
後遺障害慰謝料の相場 |
| 自賠責基準 |
41万2,800円 |
32万円 |
| 弁護士基準 |
89万円 |
110万円 |
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自転車事故で慰謝料以外に請求できるお金
自転車事故の被害者が請求できるお金は、慰謝料だけではありません。
治療にかかった実費や、仕事を休んだことによる減収分も、あわせて請求できます。
慰謝料と合算すると、示談金全体の金額は大きく変わってきます。
ここでは、慰謝料以外に請求できる代表的な項目を見ていきましょう。
治療費・通院交通費|実費として相手方に請求できる
治療のためにかかった診療費や薬代、通院に必要な交通費は、実費として請求できます。
対象になるのは、健康保険を使った場合の自己負担分だけではありません。
自家用車で通院した際のガソリン代・駐車場代も、必要性が認められれば対象になります。
一方、タクシー代は無条件に認められるわけではなく、骨折で歩行が困難な場合や、医師から公共交通機関を避けるよう指示された場合など、利用の必要性が認められるケースに限られます。
軽い打撲程度で公共交通機関が使えるのに毎回タクシーを利用すると、認められにくいので注意しましょう。
請求にあたっては、領収書と通院日ごとの経路記録の保管が欠かせません。
証拠が不十分だと、実際にかかった費用でも認められないケースがあります。
必要以上に頻繁な受診や、けがと関係のない薬代は、過剰診療とみなされることも考えられます。
余剰分は自己負担になるリスクがあるため注意が必要です。
休業損害|仕事を休んだ分の減収を補償する
事故によるけがや通院のために仕事を休み、収入が減った場合は、休業損害として請求できます。
請求できるのは会社員だけではありません。
自営業者やパート勤務の方、さらには主婦などの家事従事者も対象です。
主婦の場合、弁護士基準(裁判基準)では、賃金センサスという女性労働者の平均賃金データをもとに基礎日額を算出します。
家事労働にも経済的な価値があると認められているのが特徴です。
請求の際には、勤務先が発行する休業損害証明書が必要になります。
自営業者の場合は、前年の確定申告書が収入の証明書類として求められるのが一般的です。
自転車事故の打撲で適切な慰謝料を受け取るための5ステップ
自転車事故で打撲を負ってから、示談金を受け取るまでの流れは、大きく5つのステップに分かれます。
事故直後の対応から、通院、示談交渉まで、それぞれの段階でやるべきことが異なります。
ここでは、損をしないための具体的な進め方を順番に見ていきましょう。
STEP1. 事故直後の警察への通報と人身事故への切り替え
事故が起きたら、たとえ軽いけがに見えても、その場で必ず警察に通報しましょう。
警察への報告は、道路交通法で定められた義務です。
通報を怠ると、保険金請求に必要な交通事故証明書が発行されず、治療費や慰謝料の請求にも支障が出てしまいます。
事故直後は痛みに気づきにくく、「けがはない」と申告してしまい、物損事故のまま処理されるケースも少なくありません。
本来受け取れるはずの補償が受けられなくなるため、注意が必要です。
後日、病院で診断書を取得したら、速やかに警察署へ提出し、人身事故への切り替え手続きをおこないましょう。
事故現場では、加害者の身元確認や連絡先の交換も忘れないようにしてください。
目撃者がいる場合は、氏名や連絡先を確保しておくと、過失割合で揉めた際の重要な証拠になります。
STEP2. 事故後すぐに整形外科を受診し診断書を取得する
事故当日、遅くとも翌々日までには整形外科を受診し、医師の診断書を取得しましょう。
受診までに1週間以上の期間が空いてしまうと、打撲と事故との因果関係を証明しにくくなるリスクがあります。
時間が経つほど、本当に事故が原因なのか保険会社に疑われやすいです。
整骨院や接骨院への通院からスタートするのは避けてください。
柔道整復師による施術は、医師の診断とは認められないため、最初に整形外科を受診しておく必要があります。
首や腰、腕や脚など、少しでも違和感がある部位は、遠慮せず全て医師に伝えましょう。
伝え漏れがあると、あとからその部位の症状を追加請求するのが難しくなります。
STEP3. 自己判断で中断せず適切な頻度で通院を継続する
痛みや違和感が残っている間は、週に2〜3回程度の安定した頻度で通院を続けることが大切です。
自己判断で通院をやめてしまうと、その時点で完治とみなされ、治療費の支払いが打ち切られてしまいます。
通院頻度が月1〜2回程度と極端に少ない場合も、慰謝料の計算で「精神的苦痛が軽かった」と判断され、減額されるリスクがあります。
医師から治療終了、または症状固定の判断が出るまで、継続的に通院を心がけることが、適正な慰謝料を受け取るために必要です。
STEP4. 治療終了後に加害者側から示談案を受領する
医師から完治、または症状固定と判断されたあと、相手方の保険会社から示談案が送られてきます。
示談案には、治療費や休業損害、入通院慰謝料など、複数の項目と金額が記載されています。
それぞれの項目がどんな計算根拠で算出されているか、細かく確認することが重要です。
保険会社が提示する金額は、任意保険基準の低い基準で計算されているケースが少なくありません。
自賠責基準より高く見えても、弁護士基準と比べると低いケースがほとんどです。
提示された金額をそのまま受け入れる前に、一度持ち帰って、弁護士など専門家に妥当性を確認してもらうのがおすすめです。
STEP5. 示談内容を精査し合意後に示談金を受け取る
提示された金額や条件に納得できたら、示談書に署名捺印し、約1〜2週間後に示談金が振り込まれます。
一度示談書を返送して示談が成立すると、あとで痛みが再発しても、原則として追加請求はできません。
事後の撤回ができない重い決断だと理解しておきましょう。
過失割合や慰謝料額に納得できない場合は、安易に署名せず、交渉を継続するか弁護士に仲介を依頼するのもひとつの方法です。
振込先の口座情報に誤りがないか、着金後は明細と示談書の金額が一致しているかも、忘れずに確認しておきましょう。
示談交渉に不安がある方は、書類にサインする前に、一度弁護士へ相談しておくと安心です。
加害者が自転車だった場合の注意点4つ
加害者が自転車の場合、自動車事故とは異なる特有のリスクがあります。
自転車には強制加入の保険制度がないため、相手の資力や加入状況によって、慰謝料を受け取れるかどうかが左右されます。
過失割合の証明や、示談交渉の進め方でも苦労しやすいのが実情です。
ここでは、加害者が自転車の事故で注意したい4つのポイントを解説します。
自転車保険に未加入で無保険の可能性がある
自転車事故には自賠責保険のような強制保険がないため、相手が民間の自転車保険などに加入していなければ、無保険状態になってしまいます。
自動車のような強制保険がない以上、相手が未加入の場合、治療費や慰謝料は相手の自己資金から回収せざるを得ません。
支払い能力によっては、十分な補償を受けられないリスクもあります。
自治体による自転車保険の加入義務化が進んでいるものの、実際には未加入のまま乗っている人もいるのが現状です。
相手からの回収が難しいときは、自分自身が加入している保険を確認してみましょう。
自動車保険の人身傷害保険に、交通乗用具特約が付帯していれば、自転車同士の事故で負った自分自身のけがも補償対象になる場合があります。
傷害保険や自転車保険自体に、自転車傷害特約が付いているケースも同様です。
目撃者や記録が少なく過失割合で揉めやすい
自転車同士の事故は、自動車のようにドライブレコーダーが設置されているケースが極めて少なく、事故状況を客観的に証明しにくいのが現実です。
「信号は青だった」「スピードは出していなかった」など、双方の主張が食い違うことも珍しくありません。
証拠がない中での言い分の対立は、解決を長引かせる原因になります。
過失割合が確定しないと、示談金の最終的な受取額に過失相殺が大きく影響してしまいます。
自分の過失が大きいと判断されれば、本来もらえるはずの金額から差し引かれてしまいかねません。
事故現場付近の防犯カメラ映像や、通行人の目撃証言は、貴重な証拠になります。
警察による実況見分調書も、のちの交渉で重要な資料となるため、必ず作成してもらいましょう。
個人同士の交渉になり示談交渉がスムーズに進みづらい
相手が無保険の場合、保険会社を介さず、加害者本人と直接交渉しなければならないため、対立が激しくなりやすい傾向があります。
加害者側が法律や慰謝料の相場について知識を持たず、感情的な対応をしてしまうケースも少なくありません。
話し合い自体を拒否される可能性もあります。
連絡を無視されたり、交渉が長期間にわたって停滞したりすると、精神的な負担はかなり大きくなります。
当事者同士の直接対話は、感情的なトラブルに発展しやすいため、できるだけ避けたいところです。
書面でのやり取りや、専門家を間に立てた交渉に切り替えることで、冷静な話し合いを進めやすくなります。
相手に賠償能力がなく慰謝料が支払われない恐れがある
交渉がまとまって示談書を作成しても、加害者本人に十分な預貯金や収入がなければ、実際の支払いが滞ってしまう場合があります。
個人同士の賠償では、相手が自己破産してしまったり、仕事を辞めて収入がなくなったりして、回収不能になるケースも現実に起こり得ます。
分割払いで合意する場合は、不払いに備えて、強制執行認諾文言付きの公正証書を作成しておくことが有効です。
公正証書があれば、裁判をせずに強制執行の手続きに進めます。
相手の勤務先や財産状況を把握するために、財産開示手続などの法的な調査方法も用意されています。
個人相手の交渉に不安がある場合は、早い段階で弁護士に相談し、回収リスクへの対策を一緒に検討しておくと安心です。
自転車事故の慰謝料請求は弁護士への相談がおすすめ
自転車事故で打撲を負った場合、慰謝料の請求は弁護士に相談するのがおすすめです。
ここでは、弁護士に相談する具体的なメリットを見ていきましょう。
慰謝料が増額する可能性がある
弁護士が交渉に入れば、慰謝料が高額になりやすい算定基準である弁護士基準が適用され、受け取れる慰謝料が大幅に増える可能性があります。
保険会社は、弁護士が出てこない限り、弁護士基準での支払いにはなかなか応じません。
弁護士が代理人になるだけで、交渉のテーブルが変わってくるのが実情です。
打撲の通院期間が3ヵ月程度のケースでも、当初の提示額から数十万円単位で増額した事例は少なくありません。
過失割合についても、保険会社から不当に低く提示されることがあります。
過去の判例データをもとに、適切な割合へ是正できる点も、弁護士に依頼する大きなメリットです。
示談交渉や手続きを全て任せられる
弁護士が代理人になれば、加害者本人や保険会社とのやり取りを、電話や書面で全て代行してもらえます。
治療中に保険会社から、治療費の打ち切りを打診する連絡が来る場合も多く、精神的なプレッシャーを感じる方は少なくありません。
弁護士が窓口になれば、保険会社からの連絡への対応も含めて任せられます。
示談書の文言チェックや、診断書・事故証明書などの必要書類の取り寄せも、弁護士に一任できます。
面倒な手続きを任せられる分、精神的な負担を減らしながら、けがの療養や仕事に集中できるようになるのが大きな利点です。
弁護士費用特約を利用すれば実質負担なしで依頼できる
自身が加入している保険に弁護士費用特約が付いていれば、弁護士費用を上限300万円まで保険会社が負担してくれます。
弁護士費用特約を使っても、保険の等級が下がることはありません。
翌年の保険料が上がる心配もないため、使わなければ損だといえます。
特約は自動車保険だけでなく、火災保険や傷害保険、同居家族や別居の未婚の子が加入している保険に付帯しているケースもあります。
契約内容を一度確認してみてください。
特約がない場合でも、慰謝料の増額分で弁護士費用を十分にまかなえるケースも多いです。
費用面が不安な方は、無料相談の際に見積もりを確認してみてください。
自転車事故に強い弁護士を探すなら「ベンナビ交通事故」の活用が有効
自転車事故の慰謝料交渉を弁護士に任せたい方には、「ベンナビ交通事故」の活用がおすすめです。
ベンナビ交通事故は、交通事故問題に注力する法律事務所が数多く掲載されているポータルサイトです。
地域や相談内容から自分に合った弁護士を探せます。
無料相談に対応している事務所も多いため、費用を気にせず複数の弁護士を比較できるのが特徴です。
「まずは慰謝料の相場だけ知りたい」という段階でも、気軽に相談できる事務所が見つかります。
自転車事故の打撲と慰謝料に関するよくある質問3つ
自転車事故の慰謝料については、通院方法や交渉のタイミングによって、判断に迷う場面が少なくありません。
ここでは、特によく寄せられる3つの質問に回答します。
Q1. 整形外科ではなく整骨院や接骨院での治療でも慰謝料はもらえる?
最初に整形外科で医師の診察を受け、医師の指示または同意を得ていれば、整骨院への通院分も慰謝料の対象になります。
整骨院の施術者は、国家資格を持っていても、医師ではありません。
自己判断だけで整骨院に通っても、治療費や慰謝料が認められないケースがほとんどです。
正しい通院方法は、医師から指示書をもらう、またはカルテに記載してもらったうえで、月に数回は整形外科にも通いながら整骨院を並行利用することです。
並行通院を怠ってしまうと、相手方の保険会社から「整骨院分の治療費は支払えない」と拒否されるトラブルが起きやすいため注意してください。
Q2. 数日だけの短い通院期間でも慰謝料は請求できる?
通院が1〜2回など極めて短い期間であっても、実通院日数に応じた慰謝料は請求できます。
少ししか通院していない場合でも、自己判断で申告を控える必要は一切ありません。
自賠責基準であれば、通院1回なら4,300円程度、数日通院した場合でも数千円〜数万円程度が目安になります。
ただし、治療期間が数日のみで示談する場合、弁護士に依頼しても大幅な増額は見込みにくいのが実情です。
弁護士費用の方が上回る費用倒れになる可能性もあるため、依頼前に一度相談して見積もりを確認しておくと安心です。
Q3. 相手方の保険会社から提示された金額に納得いかない場合はどうすべき?
提示された示談書への署名捺印はいったん保留し、すぐに弁護士へ内容のチェックを依頼するのがおすすめです。
一度でも示談書に署名捺印して提出してしまうと、法的な契約が成立します。
あとから不服を申し立てるのは、極めて困難です。
弁護士に提示額をチェックしてもらえば、その金額がどの基準で算出されているか、適正額とどれだけ乖離しているかを確認できます。
提示額が不当に低いと判断された場合は、弁護士を正式な代理人として立て、増額交渉に移るのが現実的な選択肢です。
さいごに
自転車事故で打撲を負った場合の慰謝料は、通院期間や実通院日数、適用される算定基準によって大きく変わります。
自賠責基準と弁護士基準では、同じけがでも2倍以上の差が出ることも珍しくありません。
保険会社から提示された金額をそのまま受け入れてしまうと、本来もらえるはずの補償を逃してしまう可能性もあります。
提示額に少しでも疑問がある場合は、示談書にサインする前に、弁護士へ相談してみるのがおすすめです。
どの弁護士に相談したらいいのか悩んでいる方は、ベンナビ交通事故の活用をご検討ください。
交通事故を得意とする法律事務所を、地域や相談内容から検索できます。
無料相談に対応している事務所も多いため、費用を気にせず、自分の状況に合った弁護士を見つけましょう。

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