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公開日:2020.11.12  更新日:2020.11.12

交通事故の損害賠償と障害年金の取り扱い|受給条件とは

弁護士法人アクロピース 赤羽オフィス
佐々木 一夫
監修記事

交通事故により重度の後遺障害を負った場合、加害者や保険会社から受け取る損害賠償とは別に、国より「障害年金」を受給することが可能です。

これは、年齢に関係なく受け取れますので、ご自身もしくはご家族の方が重度の後遺障害を負ってしまい、従来の収入が見込めない方はぜひご確認ください。

この記事では、障害年金の制度や損害賠償との関係、受給条件などを紹介します。

障害年金とは

交通事故の被害にあったとき、加害者側から損害賠償金の支払いを受けられることは知られています。しかし、事故によって重度の障害が残ったときなどでも障害年金を受給できることはあまり知られていません。

「年金」というと65歳以上の高齢者が受給する老齢年金を思い浮かべるかもしれませんが、日常生活に支障が出るほどの障害がある人なら20代の若者でも年金を受給できることがあります。聴力障害や視力障害など、生まれ持った障害だけでなく、高次脳機能障害、欠損障害、関節機能障害など、交通事故による負傷で起こりうるさまざまな障害が受給の対象になります。

障害年金の最大の特徴は、なんといっても一定額を定期的に受け取れる点です。損害賠償金はまとまった金額を一気に受け取りますが、数年後に生活が成り立つかどうかなど、将来への不安が残ります。

しかし、毎月決まった金額が振り込まれる障害年金なら、将来への安心にもつながります。長期的な生活保障として、一定の要件を満たしている方は障害年金の申請を行うべきでしょう。

障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があります。国民年金の加入者は障害基礎年金、厚生年金の加入者は障害厚生年金で、どちらも初診日に加入していた障害年金を受給することになります。

交通事故の損害賠償と障害年金の取り扱い

交通事故で加害者側から支払われる損害賠償金は、一時的にまとまった金額が支払われます。ただ、この損害賠償金を受け取っている期間だけは障害年金の受給ができません。二重で補償を受けることが不条理とみなされるからです。

保険会社から損害賠償金が支払われている場合と支払われていない場合で、障害年金の調整の仕方が異なるため、それぞれ説明します。

交通事故の損害賠償を受け取っている場合

先に損害賠償金の支払いを受けたときは、国が損害賠償の額の範囲内で障害年金の支給を停止します。具体的には、休業補償や逸失利益など、生活面での保障について金額を調整し、障害年金の金額を決定するものです。ただし、医療費や葬祭費などの実際に支出した費用や慰謝料については調整の対象外となります。

具体的な調整方法として、先に損害賠償金の支払いを受けた場合、障害年金の支給は事故日の翌日から起算して最長で36か月(平成27年9月30日以前に発生した事故等の場合は24か月が上限)停止されるという障害年金の支給停止期間が定められています。

実際に支給を受けられる時期は案件によって異なるため、詳しくは弁護士に問い合わせの上確認することをおすすめします

交通事故の損害賠償を受け取っていない場合

交通事故により、被害者の方の収入に影響が出ることも珍しくありません。保険会社との示談が進まなかったり、訴訟中で長期間にわたって損害賠償金を受け取れなかったりする場合、被害者の生活費が圧迫されるケースも見られます。損害賠償金が払われるまで生活の保障を受けられなければ、被害者の救済にはなりません。

そこで、損害賠償金が支払われないことで被害者の生活に影響が出てくる場合は、先に障害年金を申請することもできます。損害賠償金の支払いがあった後に、この期間に支払われた年金を返還しなければなりません。障害年金の支給が始まったときから半額程度が差し引かれて支給され、支給停止額に達するまで毎月続きます。返還終了後は満額が支給されるようになります。なお、差引調整される額については別途申出することにより変更もできます。

障害年金を受け取れる条件

障害年金は、加入している保険の種類によって条件が異なります。

厚生年金に加入している人の条件

  1. 初診日に厚生年金の被保険者である
  2. 原則として、1級から3級のいずれかの等級に当てはまる状態である
  3. 保険料納付要件を満たしている

国民年金に加入している人の条件

  1. 初診日が、国民年金加給期間、又は、国民年金未加入者で20歳未満もしくは60歳以上65歳未満の国内在住者(老齢基礎年金を繰り上げ受給している人を除く)
  2. 原則として、障害認定日に20歳に達しており、かつ1級か2級のいずれかの等級にあてはまる状態であること
  3. 保険料納付要件を満たしている

なお、初診日までに国民年金保険料を納付し、かつ初診日の前々月からさかのぼって1年間のうちに保険料の未納があると受給できないので注意しましょう。

20歳未満の人が障害年金を受給する場合の注意点

20歳未満の人は本人が国民年金を納付しているわけではないため、20歳に達した日に障害等級に該当している場合に、障害基礎年金の受給が受けられます。なお、受給にあたっては世帯の所得額に応じて次のような所得制限が発生します。

~398万3999円

全額支給

398万4000円~500万999円

年金額の2分の1相当額を支給停止

500万1000円~

全額支給停止

(2人世帯の場合)

受給できる障害年金の計算式

障害年金は年に6回、偶数月の15日に2か月分が支払われます。また金額は年度によって変動しますが、ここでは令和2年度の障害年金について説明します。

国民年金に加入している人

障害基礎年金の金額は1級と2級で次のように金額が異なります。

1級

977,125円(月額81,427円)

2級

781,700円(月額65,141円)

受給者に18歳到達年度末(高校卒業前)の子どもがいる場合、上記の金額に加算されます。「子どもの前年の年収が850万円未満」などの年収水準を満たしていることが条件となります。

子が1人または2人

1人につき224,000円(月額18,741円)

3人目以降

1人につき75,000円(月額6,250円)

例えば、両親と子ども2人の家庭で、親が障害等級1級の認定を受けた場合の障害基礎年金額は

97万7125円+22万4000円+224,000円=142万6925円(月額11万8910円)となります。

厚生年金に加入している人

障害厚生年金は 「障害基礎年金+報酬比例年金」が支給されるため、障害基礎年金よりも受給額が高額になります。報酬比例年金は勤務する会社や勤続年数によって異なりますが、一般的に給与所得が高く、勤続年数が長い人ほど報酬比例年金は高くなります。

なお、子の加算についても障害基礎年金額と同一の金額です。

1級

障害基礎年金(子の加算を含む)+報酬比例年金×1.25+配偶者加給年金

2級

障害基礎年金(子の加算を含む)+報酬比例年金+配偶者加給年金

3級

報酬比例年金(最低保証金額58万6300円(月額4万8858円))

障害手当金

報酬比例の年金の2年分(最低保証金額117万2600円) ※一時金

 

障害基礎年金に報酬比例年金が上乗せされることを考えると障害厚生年金の方が保障が手厚いと言えます。障害基礎年金にはない「障害等級3級」や「配偶者加算」があることと、等級認定を受けられなくても「障害手当金」という一時金の支給を受けられる点でも、障害厚生年金は有利です。

「配偶者加給年金」とは、1級または2級に該当する受給者に配偶者がいる場合に22万4900円(月額1万8741円)を受け取れるものです。ただし、65歳未満の配偶者(事実婚を含む)とともに生計を維持していること、前年の年収が850万円未満など、配偶者が一定の年収基準を満たしていることが条件となります。

例えば、両親と子ども2人の4人世帯で一方の親が障害等級1級の認定を受け、報酬比例年金額が50万円で、配偶者と子が年収基準を満たした場合の障害厚生年金の受給額は

97万7125円+22万4000円+22万4000円+50万円×1.25+22万4900円=227万5025円で月額18万9585円となります。

このように、同じ家族構成、同じ障害等級でも加入している年金保険が違うだけでかなり差があることがわかります。

障害年金の申請方法

障害年金は、初診日から1年6か月を経過した日(その間に治った場合は治った日)より後に年金事務所で手続きできます。

所定の診断書や、病歴・就労状況等申立書などの必要書類を準備し、年金事務所に提出しましょう。書類には、障害が原因で日常生活でどれほど支障が出ているかなど、障害の程度をわかりやすく記入する必要があります。

申請方法についてわからないことがあれば、交通事故に詳しい弁護士にご相談のうえ、申請手続きを行いましょう。

まとめ

このように、障害年金は等級に応じて年間での支給額が決定します。障害基礎年金の金額は毎年変動するものであり、常に金額が一定ではないので、受給の対象者は年度末に受給額を確認するとよいでしょう。

今後、交通事故による負傷で障害年金の受給を検討している方は交通事故に詳しい弁護士に相談してみましょう。交通事故関連の問題を数多く解決してきた弁護士で、障害年金の申請サポートを行っているところもあります。先述した支給停止月の算出方法や報酬比例年金の計算も、慣れていない方にとっては難しいと感じるはずです。お気軽にご相談ください。

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この記事の監修者
弁護士法人アクロピース 赤羽オフィス
佐々木 一夫 (東京弁護士会)
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編集部

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